本日の授業 第13日

◆ クレーム処理 ◆

 

員かアルバイトかに関わらず、現在働いている人というのはある意味で
いつもクレームを受ける危険にさらされながら働いている、と言えるでしょう。
たとえば上司や同僚からの注意。
あるいは取引先からの苦情。
そして、お金を直接いただいている顧客からのクレーム。
これらのクレーム類は、業種・職種を限定せず
働いていれば誰しも受けてしまうだろうものです。
少なくとも上司や同僚などからのものは日常的にあるだろうし、
ひどければ全てのクレームを一身に集める、というのもありうることです。
もちろんこれは、塾業界でも例外ではありません。
上司(塾長)からの注意や取引業者からの苦情なども
もちろんありえることですが、
塾として最も痛いのは、やはり顧客からのクレームですね。
顧客、すなわち生徒。
そして、そのスポンサーである、親。
ここから苦情が来るのが一番キビしい。
そして今日、授業が終わってから、私は塾長から呼ばれました。

「今日、生徒の親から電話があったんだけど・・・」塾長は言います。
「先生がいつもやってる漢字テストなんだけどね・・・」
私は国語が専門なので、授業ではほぼ毎時間漢字テストを行っています。
ただ、経験から言っても、漢字テストなんてものは基本的に面白いモノではない。
ひたすら漢字を覚えて、ただただ書き書き、○くれて×くれて、はい何点。
できなかった漢字は宿題として書き取り練習。
こんな作業を面白いと感じる生徒はまずほとんどいないのが普通。
それを毎時間生徒にやらせるのではやらせる方としても面白くない。
そこで私はどうしたか。
せめて漢字の問題における文章を柔らかくしたのです。
読んで面白いと思える漢字テスト。
興味を引く文による漢字テスト。
これなら、ただひたすら漢字を覚える作業にも少々スパイスが効くのです。
ちょっと下ネタあり、ちょっとHネタあり、ちょっとシュールなネタあり、と
エロ・グロ・ナンセンス三拍子揃った大正デモクラチックな漢字テストを目指す。
そう、それは、読ませる漢字テスト。
するとどうでしょう。
授業中、文章問題の答え合わせなどが終わり一段落つくと
「先生、漢字テストやろうよ」
なんと生徒から言ってくるのです。
生徒達がやりたいと思う漢字テスト。
こんな現象が、日本の教育界に今まであったでしょうか?
生徒自らが待ち望む漢字テスト、そんなものがこの世に実際に存在したのです!

長は続けます。
「その漢字テストの内容が、なんと言うかあまりにも、その・・・」
塾長も言葉を選んでいる様子。
「その、内容がちょっと非常識ではないかという電話があったんだけどね」
「あー、ついに来ましたか」
こちらとしてもいつかはそう来るんじゃないかと思っていたので、ついそんなリアクション。
去年の生徒は、その漢字テストを親に見せて
「親が頭抱えてた」とかって言ってたからなあ。
あの時には口を酸っぱくして「親には見せるな」と強く言っといたんだが、
今年の生徒には言ってなかったからなあ・・・。失敗だったなあ・・・。
塾長は私に気を使いつつ、
「漢字テストをいつもしっかりやってくれてるのはこちらも良いと思ってたんだけど、
オシッコとかなんとかいうのは、やっぱりね、生徒の親からクレームが来ちゃ、ね・・・」

局、テスト内容のうちマズそうなものは削除・変更することにした。
映倫だとか放送コードだとかではないが、自主規制は塾業界にも押し寄せているのだ。
やはり、口頭だけならまだしも、漢字テストという「印刷物」としてそういう文字が残っちゃマズい。
そして当然ながら、どこの世界でも、スポンサーを怒らしちゃやはりダメなのであった。

かし、中にはかなりの自信作なんかも含まれていたんだけどなあ。
やっぱり先進的な芸術というのは理解されないものなのよね・・・。

以上、今回は愚痴りネタでした。

 

三年間って何秒か計ってみる?

 

◆ 本日の問題 ◆

ということで、今回からしばらくは
実際に使用した漢字テストからの抜粋でお悩みください。
できるだけ気品のあるものを選んでいきます。
スポンサーからのクレームのついた漢字テストとはどのようなものだったのか、
あなたの目で、頭で、審判を下すべし。
とは言っても全部が全部ひどいわけじゃなし。
ちなみに問題は、もちろん中学生レベルです。

1. ケシの実をサイバイしたら高く売れたよ。

2. ただ今より、第一回『ダマってやるしりとり大会』を行います。

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