学校で近年始まった「総合学習の時間」の授業、について
テレビで紹介をしていました。
今までの科目の枠にとらわれない総合的な学習を、ということで
授業で行う内容を学校、クラスごとに決定。
地域について調べたり、お店の仕事を体験してみたり、と
それぞれが種々多様な活動を展開。
もちろんうまくいくものもあれば失敗に終わる内容もあり、
試行錯誤を続けながら進められていく。
そんな、総合学習の授業。
まあ、これについての細かい是非はともかくとして、
このように「成績をつけない授業」というのが
学校に存在してもいいんじゃないか、という主旨は理解可能。
もちろん、現場の教師の試行錯誤などは考えないとして、ですが。
そんな授業についての話が今回のメインなどではなく。
そのＴＶ番組で紹介されていた、とある小学校。
そのクラスでは、「一人暮らしのお年寄りと交流を持とう」というテーマで
一年間活動を続けている。
そこではどうやらクラス内の班ごとに
担当のお年寄り、というものを決めているらしい。
Ａ班はこの人とこの人とこの人、Ｂ班ではこの人とこの人が担当、みたいに。
で、みんなで手分けをして自分の担当のお年寄りの家を訪問したり、
お年寄りを学校に招待して交流会を開いたり。
はじめのうちは戸惑い気味だった生徒たちも、だんだんと慣れていった様子。
交流会など、初回は生徒同士で話してばかりで
それこそ交流どころではなかったが、
回を重ねるごとに、アトラクションなども企画しつつ
うまく交流がはかれるようになっていった、という映像が流れる。
で、そんな生徒たちが書いた最終的な感想。
「お年寄りと交流ができてとてもよかった。
「お年寄りといろいろお話できたり、
「お年寄りと一緒に遊んだり、
「お年寄りにぼくたちの遊びを教えてあげたり、
「お年寄りは……お年寄りに……お年寄り……
結果としていろいろ交流できてよかったね、
なんて話はさておき。
どいつもこいつも「お年寄り」「お年寄り」……。
一人一人の人たちを「お年寄り」なんていう名称で呼ぶなよなあ。
ちゃんとそれぞれ名前があるんだからさあ。
それを「お年寄り」というククリそのもので呼んでるってのは、
相手をただの対象でしか見てないっていうか、
なんか心が入ってなくない？
本気で交流しようと、仲良くなろうとしてんのかどうか。
結局はただの授業の一環かい？
いちおう自分の担当の方ってのがいるわけなのに
一年間付き合ってみて名前さえも覚えてないぐらいの交流かい？
いや、それぞれの担当を設定する、といういかにもシステム的なところ自体が
そもそも「やらされてます」という事実の表れか。
相手はただの「年寄り」か？
自分がただの「ガキ」のように。
病院だったか老人ホームだったか、
看護婦が相手を「おじいちゃん」とか「おばあちゃん」だとか呼んでると
あんまり反応してくれなかったり、
あるいはボケちゃったりもしちゃうそうで。
それを「○○さん」とか「△△さん」とかの名前で呼ぶと
結構いい反応になったり、相手もちゃんと対応してくれるそうな。
結局、人と人との交流なんて、一対一が基本よね。
相手を人としてちゃんととらえているか、相手の人格を認めてるか、
それが問題。
っていうかそれがすべて。
歳取ってようが幼かろうが、シワがあろうがなかろうが、
コミュニケーションったら人対人。
そこをうやむやにして、相手を「個」として対応しないでつきあうというのは
所詮はうわべだけで終わっちゃうような気がするんですけど。
たとえば「おーい、犬！」と呼ぶのと
「おーい、ジョリィ！」と呼ぶのとでは
どっちがなついてくるかといえば、やはり名前を呼んだ方でしょう。
相手の名前を呼ぶ、それが相手と仲良くなる第一歩。
名前を呼ぶこととは、つまり個を認めること。
相手を認めてあげれば、自分も認めてもらえるかもしれない。
少なくとも、相手を認めなければ、自分も認められないはず。
ガキどもよ、
自分が歳取ってから「お年寄り」という呼ばれ方をされても怒るでないぞ。
ということで、そんなテレビの内容。
この紹介されていたクラスの授業が成功だったか失敗だったかは
感想文での呼び名を考えれば明らかでしょう。
少なくとも私はそう思うのですが。
いや、それはあのゴダイゴだって認めてくれると思うのですが。
名前、それは燃える命。
一つの地球に、一人ずつ、一つ。
（ＪＡＳＲＡＣ 未認可）
Every お年寄り has a beautiful name.
◆ 本日の問題 ◆
人生の先輩方に敬意を表して。
１． ほら、ようやくおムカえがきたわよ☆
２． カソ化の進んだ老人ホーム。
３． あらあら、またモらしちゃって。
４． おじいちゃんったらカンオケから出てきちゃった。