軍事マニア
講師 ：
味利田 理伊
今回のテーマ ： 「平和的軍備」
はじめに問題。
Ｑ： 世界各国の首相・大統領・総理大臣・書記長・国家主席etc.に
共通するのは何マニア？
Ａ： 軍事マニア。
考えてみれば当然です。
なんせ自分の軍隊を持っているぐらいなんですから。
このように、軍事マニアは今や世界規模で広がっているのです。しかし、ごく普通の一般小市民の軍事マニアには
自らの軍隊など持てるわけがありません。
そればかりか、本物の軍備や兵器を目にすることもままならない。
つまり、世にいる多くの軍事マニアは自分の真の欲求を満たすことなどできないのです。
そこで今回は、そんなあなたの欲求を満たすべく
軍事に触れ合うためのいくつかの道をご紹介いたします。
１． 一国の長になる
どこの国でも構いません、その国のトップとして君臨してください。
その軍隊は、たちまちのうちにあなたの手中に。
規模はどうあれ、なんと言っても国軍です。
もはやあなたの思うがままに、兵士たちは動いてくれることでしょう。
えっ、国のトップになるような能力もコネも無いって？
仕方ありません、次の方法です。
２． 紛争・内戦の起こっている国で傭兵となる
どこの国でも構いません、戦闘の行われている国に出向いて
武器を奪い、好き勝手に振舞ってきてください。
思う存分、罪の無い人々を撃ちまくって来てください。
本物の兵器の強力さを、思う存分味わえることでしょう。
えっ、そんなことをするのは自分の主義に反するって？
人が死ぬのは見てられないし、自分が死ぬのもイヤ、だなんて、、、
あらあら、ずいぶん平和的な軍事マニアなんですねえ。
ではやむを得ません、次の方法です。
３． サバイバルゲームで友と興じる
最近よくありますね、川っぺりや山の中で行う
モデルガンなどを用いての軍事シュミレーションゲーム。
あれなら人も死なないし、あなたにはちょうどいいでしょう。
実に平和なバーチャル軍隊。
えっ、それでは現実味が無い？
やはり本物の武器を手にしてみたいって？
それではしょうがない、とっておきの方法です。
４． 自衛……
えぇっ、訓練に耐えられるほどの根性が無いって？？？
もう、あなたも無い無いづくしですねえ。
能力無し・コネ無し・根性無しでなおかつ平和主義者のあなた。
そんなワガママなあなたでも軍事することができる究極の方法が、実はあるのです。
その方法とは、
５． 「宇宙人が攻めてくる」という情報を流す
もうこれしかありません。
世の中には「仮想敵国」という言葉があります。
冷戦時代の米・ソがいい例ですね。
お互いに敵だと想定して、軍備を増強する。
いわば軍隊を持つ前提としての考え方です。
しかし、この平和をもくろむ時代にこんな考えをしていてはクレーム殺到。
敵国にでっちあげられた方もたまったもんじゃない。
第一、もはや人間同士で殺し合うって時代でもない。
それならば、敵を他に想定しましょう。
外に目を向ける。
そう、宇宙です。
「仮想敵国」ならぬ「仮想敵星」。
この考えが広まれば、もう人間同士が戦ってる場合じゃない。
人類が滅びるかどうか、地球が滅びるかどうかがかかってるんだから、
仮想敵星を倒すべく一致団結。
そうなればどうなるか。
当然設立されます、「地球防衛軍」。
もちろん、超能力でカードを当てる、なんてもんじゃなく
本物の、モノホンの、文字通り「地球を防衛する」軍、です。
これならば人間がお互いに傷つけ合うことなく、本物の軍備に触れられる。
自分の領土、自分の思想、などといったナマっちょろいことは言わず、
自分の星は自分で守る、という大義名分のもと
見果てぬ敵に向かって、思う存分軍備を増強していけるはずです。
幸い、今のところ地球外生命体も発見されていませんので
どこに被害を被るというわけでもありません。
実に平和裏に進む軍備増強。
平和的な軍備のため、地球防衛軍の設立を目指して
まずは「宇宙人」説を広めるのです。
みんなで動けば世論は動き、やがて地球は変わります。
数は力。多くの軍事マニアのみなさん、事あるごとに「宇宙人！」と叫びましょう。ただ、この方法には一つだけ問題があります。
既に宇宙人が存在し、地球のこの動きを見守っていたとしたら……
おそらくは故郷の星に連絡、彼らは必ずや攻撃を仕掛けてくる。
宇宙戦争は逃れられないでしょう。
かくなるうえは、出来るだけ早急に防衛軍を設立する。
それこそが地球を救う道です。
趣味が実益を兼ねるというのは、こういうことを言うのです。
軍事マニアの趣味が平和をもたらし、さらには地球を救う。
いわば、平和的軍備こそが地球の平和。ビバ、軍事マニア！
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