00 2005/05/23 昨年度(H16)の報告
01 2005/06/08 徳島県第1回入札会
02 2005/06/16 東京都第1回入札会
03 2005/06/22 静岡県第1回入札会
04 2005/06/28 和歌山県第1回入札会
05 2005/07/01 三重県第1回入札会
06 2005/07/05 愛媛県第1回入札会
07 2005/07/06 静岡県第2回入札会、八木沢入札会
08 2005/07/27 静岡県第3回入札会
09 2005/07/29 神奈川県城ヶ島漁協第1回入札会
10 2005/08/01 和歌山県第2回入札会
11 2005/08/05 三重県第2回入札会
12 2005/08/06 長崎県入札会
13 2005/08/09 東京都第2回入札会
14 2005/08/24 静岡県第4回入札会
15 2005/08/25 徳島県第2回入札会
16 2005/08/26 高知県第1回入札会
17 2005/09/09 愛媛県第2回入札会
18 2005/09/15 静岡県第5回入札会
19 2005/09/22 東京都第3回入札会
20 2005/10/07 城ヶ島第2回入札会
21 2005/10/26 静岡県第6回入札会
22 2005/10/27 東京都第4回入札会(てんぐさの需給)
23 2005/11/09 平成17年 まとめ
平成16年(2004)26回
平成15年(2003)27回
平成14年(2002)23回
平成13年(2001)20回
平成12年(2000)26回 |
00 2005/5/23 平成16年 まとめ
全国のてんぐさ入札(生産)量
以下の表は、昨年までの年別てんぐさ入札(生産)量です。
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(単位:トン)株式会社 森田商店 調べ 2005/5/18
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平成16年は全国生産量は605トンとなり不作年の平成15年の537トンは上回ったものの平成14年の658トンにはおよばなかった。
平成16年は台風発生が異常に多く、しかも上陸したのが10個と過去最多であったが、てんぐさ漁に関していえば早めの梅雨明けで増産になった。価格面でも一昨年の高値を引き継ぎ、当初高く浜値がスタートしたのも増産意欲を高めた。夏の酷暑も需要増につながりこの面でも好結果となった。
平成17年の各浜の様子が次第にはいってきているが、それによると良いところ、悪いところとまだら模様の様子である。
例年4月下旬から5月にかけて愛知県では拾い草を中心として5トンほど収穫されるのが今年は皆無である。
一方、徳島県では牟岐地区をはじめとして増産見込みであり、昨年の29トンに対して50〜60トン予想である。
5月16日には静岡県水産試験場伊豆分場の「平成17年のテングサ作柄について」が報告された。それによると東伊豆から南伊豆地区にかけて前年より増、西伊豆地区では前年より減と予想している。
また、平成17年2月から帰島が始まった三宅島のテングサは東京都漁連の担当者の話によると、テングサを引き揚げる荷揚げ機、干し場の整備、荷造りの梱包機などの新調が必要であり、今年は今のところ無理のようである。
今後、徳島県の6月8日を皮切りに6月16日の東京都、6月22日の静岡県と順次入札会が開催される。 |
01 2005/06/08 徳島県第1回入札会
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今年、最初のてんぐさ入札会が徳島県でおこなわれた。
数量は昨年の29トンに対し今年は58トンとひさしぶりに多く集まった。今年の梅雨入りしたものの比較的雨が少なく集荷もすすんだと思われる。
出席商社は9社と数では昨年と同じであった。品物は天気が良かったのが幸いして総体に乾燥状態は良好であった。
数量増が影響して相場は昨年の価格のやや高いものから5%から10%程度安いものまでいろいろの落札値となった。
58トン中、37トン当社として買い付けでき、まずは今年上々のスタートをきることができた。
これから入札予定が東京都、静岡県、和歌山県、三重県、愛媛県、次々と開催される。
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02 2005/06/16 東京都第1回入札会
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12日(日)にテレビ番組「あるある大辞典」で寒天、ところてんの効用が放送され、てんぐさの引き合いが増えてきたところでの入札会を迎えた。
昨年の12トンに対し今年は25トンとほぼ倍の数量が出品され比較的緊張感はあまり感じられないが、さらし天草については注視されることとなった。さらし天草については即、販売可能であるから、必要とされれば価格に反映される。
結果、さらし天草については通常相場kgあたり@2000円から2300円ものが一気に3200円ほどまで跳ね上がってしまた。
これからの展開にどのような影響をあたえるか、注目することとなった。
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03 2004/06/22 静岡県第1回入札会
先週の東京都に続いて静岡県下田市で伊豆半島のてんぐさ入札会が行われた。
TV番組の影響でてんぐさの注文が急増し、出荷に追われる日々になってきたので、例年おこなっていた、前日に伊豆の各浜をみて廻るのを中止することにした。
当日もFAXで入札することとして、念入りに必要、不必要のチェックを各品物ごとにおこなう。
品質は最初の品だから問題はない。
一回目の相場は基本が出てないだけに難しさがあるが、それはだれも同じことであり、相場を作っていく気持ちを持つ必要がある。
昨年の8トンに対し12トンである。
稲取漁協では1隻操業の船が増え、都合2隻となった。キンメダイ漁業からの転換で若手38歳、期待できる。船名は友好丸。これで若竹丸と2艘になった。
結果、稲取をはじめとして、白浜、須崎とおもだったところを落札できた。
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04 2005/06/28 和歌山県第1回入札会
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和歌山のてんぐさ入札が例年どおり大阪、のり問屋組合でおこなわれた。出席商社はいつものメンバーで7社であった。
昨年9トンに今年は14トンと、ここも多く出品された。
末端市場のところてんが急激な売れ行きで、製造が追いつかない状況で、てんぐさの引き合いもおおくなっている。
ただ、天気がよかったおかげで、どこの浜も多く出ているのが救いである。
こういうときは、価格の低いものの上げがきつくなるのが通例であり、今回のそのとおりの結果となった。20%アップとなった。
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05 2005/07/01 三重県第1回入札会
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三重県は松阪市で第1回入札会がおこなわれた。
いつもは当社からは近いので2名出席するのであるが、ほかの業務が多忙であるので、1名が近鉄電車で松阪市の三重県漁連海苔流通センターまで行く。
三重県の入札で以前、伊勢市での時は近鉄で出向いていたが、松阪に移ってからはすべて車での参加であった。
数量は昨年36トン、今年は49トンとやはり増産である。
最近の傾向として、今までの先志摩の和具、片田地区から尾鷲地域の三重紀州産が増えている。
今回も、一口で10,000kgを超えるものが出た。ここの入札は、一品目ごとに札を開けていく方式なので、買い易い反面、後半にいくほど高くなる傾向になるので、それを頭にいれながら札をすすめていく。
49トン中29トンほど買い付けでき、まあ、満足のいく結果となった。
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06 2005/07/05 愛媛県第1回入札会
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前半の最大の山場、愛媛県の入札に臨む。今年はここも他地域と同様、154トンと昨年の111トンと比較して大幅に伸びた。
例年、神戸から関西汽船で夜、出航して、翌朝松山観光港へ朝6時ごろ到着のコースであるが、今年は中部国際空港が知多にできたおかげで往復とも飛行機利用とする。
当日の朝便7時30分発、松山空港へ8時55分着である。自宅から空港のチェックインまでは30分足らずであるが、余裕をみて1時間ほど前に着くようにする。
入札は、昨年の最高値相場が愛媛であったのを皆鮮明に覚えているので、今年はその上をいくのか、またいくとしたらどこまでかが、関心事である。
メンバーはいつもの13社、さほど多く買い付け雰囲気の商社はいないようにみられるが、そういう気安く考える時に不首尾に終わる事がある。入札には慎重な姿勢が重要である。
ここは2回に分けて札をいれるのであるが、今年に限り三崎と日振島の上天草が初回グループに入っている。
やりにくいのはお互い様と割り切って臨む。
結果、昨年の高値の上物は10%高、下物で20%高で終了。当社も数量では昨年の倍以上を確保した。
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07 2005/07/06 静岡県第2回入札会、八木沢入札会
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愛媛の翌日に静岡の第2回が予定されている。
静岡の第3回が和歌山の第2回と同日となっているので今回、愛媛は松山から戻り、即、新幹線で伊豆下田へと出向く。
途中、稲取漁協で天草の集荷状況、須崎漁協で同じく集荷状況と第3回の品をみておく。
写真は第1回で買い付けた当社のてんぐさが並んでいる。
今回はいままで単独でやっていた土肥漁協の小下田の分があわせて出品されている。晒品がでているがこれは高値を呼ぶ予感がする。
結果は須崎、下流など軒並み値上がり、注目の小下田の晒品はkgあたり@24,560と昨年の68%高となった。
引き続いて7月11日に八木沢の寄草の入札会が行なわれた。こちらも昨年の65%から75%高となった。
ところてん需要がここ1ヶ月爆発的に増え、これが浜の晒天草を中心に赤草も含んで高値推移している現状は、ひろく天草や寒天、ところてんが認識され好ましいことの反面、悪影響もでている。
悪い面では、今、来年販売用のものまで一部売ってしまっていること、ところてんの卸価格を来期は是正しなければ採算がとれないこと等と、解決すべき問題がころがっている。
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08 2005/07/27 静岡県第3回入札会
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25日から台風7号の接近が伝えられて、27日に同時開催予定の和歌山の入札が中止となった。
静岡県ではいままで単独でおこなっていた土肥漁協であるが、今回は八木沢の採り草の出品が県漁連共販であるので、出向くことにする。
台風7号はこの時期めずらしく大きく東よりのコースをとり、伊豆方面から房総へと向かっていったが、27日にはもう通り過ぎていったあとであった。
いつものように、稲取漁協の採取状況をみてから下田へ向かうことにした。漁協の前は昨夜来の台風余波の波が大きくよせていて、ここしばらく漁は見合わせているとの若竹丸の話である。
組合倉庫には、今まで採ったてんぐさが少しみえる程度で、あとは海の中との話も納得である。
空気は良く澄んでいて、写真のように向かいの伊豆大島がよく見える。秋はもちろん大島を望むことができるが、夏ではあまりない。やはり台風一過というところである。
下田に入って須崎漁協もやはりみるが、この地域も爪木地区がやや集荷が遅れている状態である。
応札商社はいつもよりすくなかったが、八木沢草については昨年の50%以上の値段がついた。
こういう状態で進んでいくと、毎回、高値追いをする商社が入れ替わり立ち代りでてくる。
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09 2005/07/29 神奈川県城ヶ島漁協第1回入札会
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1日おいて、今日は神奈川県三浦半島の城ヶ島の入札である。
昨年の1,300kgに対し、今年は2,400kgと増産されている。数量ではほかの入札会などの20トン以上にくらべ少ないが、ここは「あらめ草」が採れるところなので出席する。FAX入札も受け付けているが、現品を見てチェックするのが一番である。
途中、てんぐさを干している生産者に会う。昨年は、生産者がてんぐさの根元から切ってしまうので、草がばらばらになってしまい、洗うと流れてしまい不都合なので、組合の職員さんを通じ改善をお願いした。
今年はそのようなことは無く、根元のカキ殻などを丁寧に取り除いていて、いい製品になっていた。
草の長さも大きく豊作型であるが、価格では他の地域の相場が影響して高値で終わった。
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10 2005/08/01 和歌山県第2回入札会
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台風で延期になった和歌山の第2回目が、和歌山市の県漁連、水産会館でおこなわれた。
前回出品されなかった、和歌山では一番の銘柄品といわれている「上野ウワノ」の分が今回でている。
また、西牟婁郡を中心として、てんぐさの中でもどら草、マツクサ、夏草といわれているゼリー強度(固まる強さ、数字の高い方が良)が高い草がでている。
通常「まくさ」といわれるテングサでは、ゼリー強度が400〜500gcほどであるが、どら草、マツクサといわれるものは800gc程度になる。
葉の先が松の葉の様に対照に細かく、しかも先になるほど小さくなっていて「まくさ」といわれる一般てんぐさとはいささか異なる。しかし、これも見たところ微妙な違いで、まったく糊がなくてゼリー強度の200gc程度のものもあるので、よく草をみることが肝心である。
今年の向きは全部OKであった。
価格は前年比30%から50%ほど高くなった。
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11 2005/08/05 三重県第2回入札会
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2回目の三重県分が8月5日、松阪でおこなわれた。
昨年18トン、今年15トンとやや少なめである。
昨年から三重県では尾鷲地区を中心とする北牟婁郡のものが増えてきている。例年の鳥羽地区や先志摩地区の和具、越賀さらに大王船越地区が減少してきている。
浜島が、今回では初回の出品であり上品質が期待されたが、採取時期が遅れたのが原因なのか、石灰質がまつわりついていて期待したものとは違っていた。
それでもその浜島産でも今年の高値風潮にのって、昨年44%高であった。
良い品質のてんぐさを収穫するには、採取時期などもふくめ生産者、組合の指導、買い付け業者の要望などを聞き合わせることが重要である。
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12 2005/08/06 長崎県入札会
連続になるが、引き続き長崎県の入札会が長崎市で全漁連共販として行なわれた。
地元九州のてんぐさ扱い業者に2社ほどが加わり、イリコ入札の間をぬっておこなわれる。
数量は昨年6トン、今年9トンと多いにもかかわらず、九州一帯ではてんぐさが不足気味でところてん製造業者が苦労しているという情報が入ってくる。
出品草は多くても高値雰囲気がただよい、結果昨年比250%高も出る始末であった。
この長崎県の入札会までで、年間数量のほぼ70%消化してきていると思われる。
今年はじめの徳島と東京は、作柄が良いということで慎重な価格でスタートしたものの、6月のTV特集報道で「寒天、ところてん」を取り上げてから、てんぐさの需要が一気にたかまり、ここのところの価格は昨年比50%ほど高になっている。しかも、今年採れたてんぐさも、一部今年のところてん製造にまわっている状況である。
来期のことを考えると、この冬に天然寒天の製造で今のてんぐさも必要なだけは消化されてしまうので、来年のてんぐさが採れるまでの5月ごろには原料が逼迫する恐れがある。
海外でも「てんぐさ」は限りある資源という見方から、国の施策として制限するところも出始めていて、この面でも心配がある。
日本では、1970年頃まで年間4000トンほどあったのが、最近10年間では600〜700トンほどに落ちてしまっている。今、テングサ採取の担い手は60歳以上の人が多く、後継者難におちいっている。
不足分は海外からに依存せざるを得ない状況ではあるが、高品質の国産てんぐさの安定供給ができるように、さらに今のてんぐさの話題が一過性のブームで終わらないように生産者、流通業者、加工業者、末端販売業者、消費者の意識改革が必要と思われる。
いままでは、最終商品である「ところてん、寒天」の価格競争、簡便性、表面上のデザインなどが直接の販売優位性が優先されていたが、そのものの品質、美味しさ、安全性、などもっと注目されてよいと思われる。
次のてんぐさの入札会報告は、お盆前の9日、東京都の伊豆諸島分の報告になる。
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13 2005/08/09 東京都第2回入札会
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本来なら7月21日予定の第2回入札会が延期されて、今日、おこなわれた。数量も直前に増えて21トン、昨年は14トン。
伊豆大島を中心として、天赤、天荒、それに晒草が出品されている。
特に晒草についてはここのところ需要増で注目される。元町もあらめ晒をすばらしくうまく晒しあげて出品している。
漁協のてんぐさ担当のN.Y.嬢も入札場にきて情報を提供、てんぐさが好景気だから浜でも力をいれ増産に励んでいると説明する。
一方では、波浮港漁協ではてんぐさ漁操業中に一人、事故で亡くなったことも聞く。
応札者はいつになく掛け合いの話声が少なく、それぞれが今日の相場を自分なりに描いて札をいれてくる、つまり真剣な表情がうかがえる。
結果は、天赤荒では前回の60%強、晒草でも50%ほど高く、それぞれ値がついた。来期の販売価格が、おおよそ目星がつき始める。
例年、お盆まででところてん需要はおさまるのであるが、今年はまだまだ続く様子である。
入札会終了後、今日、出席のてんぐさ商社が集まり、来期にむけてのてんぐさ情報をいかに正確につたえるかを相談した。つまるところ、「全国てんぐさ協会」名前で、今年の相場の現状をところてん製造の人に伝え、流通、末端消費者においしいところてんを継続的に提供できるよう、原料高をかんがみて製品価格の是正を中心に要望することで一致した。
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14 2005/08/24 静岡県第4回入札会
盆明け最初の入札会である。翌25日が徳島県の入札があるので今回静岡はFAX入札で対応、体は昼前から徳島に向けて出発である。26日が高知と連続するのでこの3日間はいそがしくなる。
今回の静岡は184本4,600kgと数量は少ないが、須崎地区が中心ででるので気が抜けない。
9日の東京都の入札では、思いのほか値があがった品も出たので、その相場の行き先を確かめるためにも、慎重に且つ積極的に考えていく。
台風が近づく中、バスで徳島に入るが、意外にも東の方へ進路を振っていて、この点は案ずることはなかった。徳島で伊豆の結果を各浜とも高値落札であることを聞くことになった。
明日は40トン弱、大口入札である。
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15 2005/08/25 徳島第2回入札会
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昨年22トン、今年は39トンと増産である。これで徳島県の年間数量は97トンとなり、昨年51トンのほぼ倍近くの生産量である。
今回の大口では今津の9,500kg、日和佐7,125kg、出羽島7,050kgと並んでいる。また、浅川も初回品2,867kgあり注目される。それぞれの天草が、組合別に通路の左右に並んでいる。特に毎回のことながら出羽島は乾燥が良く、俵の張り加減もポンポンである(写真)。
39トンを一回の札入れで行うので、結果が出るのも早い。徳島のみがどれだけあっても一回入札であり、過去には400トンを行ったこともある。いまでは夢のような数量である。
出席商社は昨年より1社増え8社で、札前には「今度はA社が買うだろう」とか「あの荷物はこのくらいまでいくだろう」と各人様々に予想を立て、また牽制しながら進んでいく。
結果は、昨年の45%から60%高で、今までの流れをさらに推し進める相場となった。
増産にもかかわらず高値を追っていくことは、今までのところてん、寒天の販売の好調さを如実に物語っている。
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16 2005/08/26 高知県第1回入札会
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25日徳島の入札を終え、即その足で徳島駅発13:06阿波池田行きに乗り、高知へと向かう。
徳島駅で切符を買うとき、台風11号が伊豆方面へ向かっていて「踊り子号」の運転休止を知る。
2日前には、徳島から高知へ移動するときに台風の直撃に会うのを心配していたが、スムースな移動となった。同行者は昨年同様、全漁連の担当者と我々商社が3社の4人である。
26日当日はそのメンバーに加えて3社、都合6社で7,645kgを競うことになる。昨年は6,000kgであるからやや増えているが、最近の高値をもってすればもっと増えてもいいように考えられる。
高岡、三津漁協組合の担当者の話では高齢化が一番の原因との話である。
さて、札の結果は想像以上の高さで落札となった。昨年の70〜75%高であった。
いよいよ今年の最終局面、愛媛2回目、伊豆、伊豆八木沢、東京都伊豆諸島へ進んでいく。
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17 2005/09/09 愛媛県第2回入札会
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愛媛県の第2回目の入札がおこなわれた。それに先だって9月5日に伊豆八木沢の寄り草入札が単協組合ながらも271本6,790kgでおこなわれた。
八木沢はすべて晒草の入札で予想より高値でほぼ一人業者が落札した。
昨年比の約250%高で二番札とはkgあたり400円から500円とんでしまっていた。晒需要が強いことをうかがわせた入札会であった。
今回の愛媛は晒の数量が多く1,700kg、赤草と合わせて合計32トンの出品である。昨年は晒てんぐさが1,100kgで合計でも19トンであるから大幅増である。
ひとえに1回目の価格が高かったのが、増産結果になっている。
出席商社は8社とこれも多く、また2回目の入札会としては比較的いいものが揃っていた。ただ、晒てんぐさについていえば晒具合でかなり商品価値を落としてしまっているのがみられた。
赤てんぐさであれば採った時点での差であり(春採りの方が夏採りより良)また産地での差が価格にひびいてくるが、こと、晒てんぐさとなると晒の上手、下手で品質に差がでてしまう。総体にオレンジ色からミカン色に仕上がっているのが最高であり、毎年、うまく晒す組合のものは今年も同じようにうまく仕上げていた。写真参考。
また、一つ袋の中でも目につきやすいところに良いものを入れ、奥には落ちる品を入れ込んである組合もあり、いろいろである。
また、見本のものは良くても現物を引き取ってみると落ちる品があったりすることもあり、そういうときは漁連の担当者を通じて組合の生産者に改善要望をだすこともある。
実際、どんなものが市場で評価が高いのか、逆に不評なのかを生産者の人たちに知ってもらうことも大事であり、それを伝えるのも問屋の使命でもある。結果、良い価格で販売できれば浜の生産者にも利益をもたらすことができる。
今回でも元草では同程度なのに良い物は高値2,470円、かたや落ちる物は1,634円とその差は大きく出ていた。ざっと2/3ほどの価格である。
しかし今回は他のてんぐさも昨年と比べ数量では多いにもかかわらず高く、8割高から倍ほどで取引された。
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18 2005/09/15 静岡県第5回入札会
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第5回目の入札会である。今年から土肥漁協の八木沢、小下田も下田での漁連共販でもおこなわれている。今までは土肥漁協のみでの入札会であったが、漁連共販となると応札する参加者もふえるので、高値相場で推移しているときは生産者側としてみると追い風になるといえる。
もっとも今年も単独で2回ほどおこなっていて、9月5日の高値状況はすでに報告済みである。入札会場に入る前に稲取と須崎組合の様子を見てまわる。稲取では今年から船が2杯になって、従来からの船「若竹丸」は今年新規の船「ゆうこう丸」に負けられないと、良い意味での競争があったと聞く。
一方、須崎組合では、2日ほど前に貝類を採っていた海女さんが操業中亡くなった話を聞き、残念な思いをする。
さて、入札場につけば土肥漁協、八木沢、小下田のすばらしい晒見本が並んでいる。(写真上 八木沢、写真下 小下田)「5日の単独入札ではかなりの高値が出たのでその上をいくのだろうか、いや、あの時は行き過ぎたので少し押さえるではなかろうか」と応札側はいろいろ憶測している。
数量では昨年より多く出品にされているのに、需要が今でもそれ以上あり、結果、晒草は人気を呼ぶ。
出席7社、FAX参加3社の計10社で、午後1時半から開票された。1品ごとに応札価格が呼ばれ、高値落札がその都度発表される。予想通りの品もあり、予想以上の高値もあり、2時半ごろ62品目須崎格外品5本を最後に、合計989本24,683kgが全量開票され、終了となった。
価格は、高く更新するものも出たが、まず予想どおりの値がついた。晒草については昨年のkgあたり約1000円高50%アップで終始した。
下田からの帰りでは、熱海まで東京の同業者2人と乗り合わせする。今日の結果の感ずるところや、今までの動きを情報交換する中で、8月31日付け配布の全国天草協会の文書「天草の現況について」に話が及んだ。
文中、市場規模に言及、10億食以上1000億を超えたという一文にその根拠を需要家から尋ねられるケースが出ていて、その対応に窮する話になった。この数字については異論も一部あるようであるが、つまるところ統計機関があっての数字ではなく、協会員相互の情報の積み重ねでの数字であるということでまとめていくことになった。
来週22日は東京都伊豆七島の入札であるが、平成12年以来、実に5年ぶりで三宅島の晒草がでてくる。結果が待たれる。
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19 2005/09/22 東京都第3回入札会
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平成12年の三宅島の噴火離島以来、実に5年ぶりに三宅島産の天草128本が出品された。
三宅島、神着地区の生産者が、夫婦で様子を見にきていた(写真上)。聞けばこの2月に帰島したとのことである。今回の天草は8月に採ったもので、草丈も十分伸びていて晒し方もきれいに仕上がっている(写真下)。
ただ、梱包機械がまだ完全に整備されていなくて、俵の大きさがしっかりしまっていないのはやむを得ない。漁連の担当者が、伊豆大島地区の波浮港の晒てんぐさ梱包を参考するよう指示していた。
三宅島全体では神着地区で3〜4人がてんぐさ漁に従事、阿古地区では2〜3人、坪田地区で1人、伊豆村地区では0人ということである。今後の復興が待たれる。
ところで、この三宅島の天晒荒1等がどのくらいで取引されるのか、いままでの高値がどのように反映されるのか興味深いところである。
さらに、今年の東京都は前回の第2回が8月9日におこなわれ、今日の第3回と少し間隔があいた感があり、品質がどの程度かが心配されたが、伊豆大島の天赤、アラメ草をはじめとして比較的よいもので揃っている。
結果は、前回をさらに上回る形となり、これでだいたい来期のところてん天草の販売価格が定まってきた。
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20 2005/10/07 城ヶ島第2回入札会
第2回目の城ヶ島入札会がおこなわれた。昨年は第2回目が8月31日のところ、今年は今日まで延びた。今年の場合、9月20日までが採取期間でその終了を待って集荷、荷作り梱包して入札会を開きたいとのことであった。
一回目との間隔が開いたので、数量もさぞ伸びたものと期待していたが、結果、昨年は最終回3回分で121本のところ、今年は160本と32%増で止まった。
応札者はいつもの6社であるがそのうち出席者が3社、他はFAXでの札入れとなった。
前の東京都の高値入札結果を組合の職員さんも知っていて、城ヶ島も期待している旨、その雰囲気を漂わせている。ここの品物はあらめ草で天草のなかでも上級品であり、現品も確認したところ乾燥もよく良品に仕上がっていた。
結果はいままでにない高値がつき組合の職員さんも生産者の人たちに面目躍如となった。
高値のことを知れば生産意欲もあがることだろうし、拾い草も含め天草採取を再度うながすようお願いをして解散した。
これで今月の26日静岡県伊豆半島、27日東京都伊豆諸島の2カ所の入札会が最後となる。
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21 2005/10/26 静岡県第6回入札会
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静岡県での最後の入札会が10月26日におこなわれた。仁科浜漁協分が今回出品され15トンなった。ちなみに、昨年の最終回は6トンであり、総計では昨年の94トンに対して今年は107トンとなった。
最後まで数量が多く出る須崎組合を覗いてみる。きれいに製本されたてんぐさが積み上げられている(写真上)。
須崎の大間支所では、30年近く前に購入していた天草梱包機械を(導入直後に事故があってそのまま使わずにいた)今回大幅修理して、量産体制をとっていた。約2倍に能率があがったと支所長さんの話であった。買う側も梱包が機械締めで圧縮され、運送経費の節約になり大歓迎である。
さて、最後の入札で札入れが1時半、即開票作業に入り、銘柄ごとに各商社の値が発俵され前方にある黒板に書かれていく(写真下)。
予想通り高値札が入っていて、そのたびの反応が驚きの声もあり、当然という雰囲気も出て、さまざまな様子がうかがえる。写真は須崎組合爪木のまくさ赤が10kg価格31,190円で落札され、落札者にマークされるところである。これは昨年同期価格15,530円の約2倍である。
明日が東京都伊豆諸島が全国、最後の入札でこれがどのように影響されるのか、結果は明日判明することになる。
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22 2005/10/27 東京都第4回入札会(てんぐさの需給)
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本年最後の入札会になった。
出席商社は10社、出品数量は23トン(昨年は14トン)で、今年の東京都伊豆諸島の総量は約100トン(昨年は80トン)となった。
昨年より増産となったが今年の消費はそれ以上、平年のおよそ2〜3倍と想定され、原料逼迫状態、高値更新でここまできてしまっている。
最終回にしては出席商社も昨年よりも多く、出品の前でいろいろな話が飛び交っている(写真上)。
昨日の伊豆の結果をふまえてどこまでいくのか、それとも行き過ぎがあったので控えた相場がでてくるのか、みな考えはそれぞれである。
ここも伊豆と同じく一括で札入れがありそれをいっせいに札開けしながら板書していく。写真下では新島天晒1等の発表で10kgあたり38,810円と読み上げられたところである。ちなみに昨年の同時期、同品は15,390円であるので、約2.5倍の値が付いたことになる。
入札会終了後、かねてから予定していた天草買い付け商社で構成している全国天草協会の会合がもたれた。
来春に向けてどうのように需要家、消費者にむけて今のてんぐさ状況を案内するか、トコロテン、寒天の市場の大幅な拡大に原料面でいかに対応していくかが今後の課題となった。
当面、現況報告の文書を作成し理解を求めていくこととした。
ちなみに今年の国内天草生産量は約700トン、輸入数量は2500トン〜2600トン、合計で3300トンと推定される。
そのうちトコロテン用として約1000トン、またトコロテン用粉末寒天が100トン(天草換算400トン)が例年の消費量とされる。トコロテンのカップ数とすれば約3億食弱とされるが今年は6月からのブームで例年の2〜3倍、最大10億食近くになったと思われる。
来年用のトコロテン用てんぐさは、統計上からもわかるように今年のうちに一部消費してしまっている状態であり、さらに今冬から寒天製造でもてんぐさを消費していくので、来春の採取までのてんぐさ在庫動向が気になるところである。
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23 2005/11/09 平成17年まとめ
全国のてんぐさ入札(生産)量
平成17年は入札数量、平成16年以前は生産数量(入札数量+入札外数量)です。
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(単位:トン)株式会社 森田商店 調べ 2005/11/9
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平成17年のてんぐさ入札会も10月27日の東京都の第4回で終了した。今年のてんぐさ市況はテレビを始め新聞、週刊誌で寒天が再三とりあげられたのを契機に実に40年ぶりの大相場となった1年であった。棒寒天にはじまり糸寒天、粉寒天、ところてんとブームは拡大、原料のてんぐさが一躍注目された年であった。
昭和41年、1966年も今年と同様てんぐさの大暴騰がおきた。
1966年東京都入札会の第3回の平均落札価格は前年平均落札価格の2.8倍まで相場は駆け上った。このときのきっかけは大手商社筋が第1回の入札会に参加、以後相次いでの大手商社の参加で相場を押し上げていったことが記録に残っている。
1966年の寒天原藻生産量は6,336トン、てんぐさに限っていえば(オニクサ、ドラクサ、ヒラクサ、格外等外を除く)1965年では静岡県で747トン、東京都で563トンであり、1966年には静岡県で548トン、東京都で656トン、1967年は静岡県で790トン、東京都で659トンの数字がある。(「寒天業における経営経済学的考察」森田庄次1968年)
今年は高値に刺激を受け、さらに採取のための天候状態がよく増産となり、その結果700トン(昨年は605トン)は超えたと思われる。それでも40年前の静岡県もしくは東京都分でしかないのには驚きである。いかに以前は多かったかがしのばれる。
一方、価格は40年前と同様大幅に上がり今年の各入札回報告でもあるように前年の2倍も珍しくなく終了した。また、一部にはてんぐさの盗難事件(平成17年11月1日)も静岡県仁科地区で発生する過熱ぶりである。(平成17年11月8日静岡新聞)
今年はところてんの消費が例年の2〜3倍まで伸び、それに付随して今年採取のてんぐさも一部消費されていて、この冬の寒天製造、来春からのところてん製造の原料事情にも影響をあたえそうである。
来期からの新ものに期待するところが大きい。
最終集計は平成18年5月に報告予定である。 |