◎伊豆稲取のてんぐさ経営(静岡県漁連
H14.6.26) |
写真の稲取漁協では稲取地区で船は1艘、大川地区で1艘の計2艘で操業している。いずれも採取者である海女さんは66歳、67歳ということである。
その経営内容を聞くと水揚げ金額の半分は採取業者でその半分つまり25%が船主、25%が海女さん、そして50%が漁協会の乾燥、選別、梱包費用としてあてられる。
特に、伊豆地区では他地区ではおこなっていない選別作業(写真)をおこなっていて最上級のテングサとして流通している。 |
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◎伊豆大島のてんぐさ経営(東京都漁連
H15.6.19)
島の南部では波浮地区で8人、差木地地区で2人の潜水器械設備でもって操業している。年齢は40歳台から60歳台で平均すると50歳半ばということである。
潜水器械は「フウカ」と呼ばれ船上からコンプレッサーで空気をチューブをとおして送りこむ。ウエットスーツを着用しながら水面下5〜6mのところで手で天草を採っては「スカリ」と呼ぶ網袋に次々と入れていく。
午前9時から午後2時まで途中、休憩を1時間ぐらいとりながら操業する。平均で1人、水揚げ量は200kg、乾燥して約60kgであるが、熟練者なるとその3倍くらいは採るという話であった。
本日の201本は波浮地区8人、10日間ほどの操業での数量である。
水揚げ金額の取り分は採取者が67%漁協組合が33%で本日の入札会での価格が生産意欲に即、結びつくところであり高値結果は今後の収穫量を期待させることとなった。 |
◎伊豆大島でのてんぐさ操業者数(東京都漁連
H15.10.2)
採取量は波浮地区では器械を使用が9人、素もぐりが3人、の計12人、それにそのときの状況で操業する人が4人ほどいるということである。
器械の人はよく採るひとで年間4000kg(干上げ)、素もぐりの人で年間1000kg(同)1日では生で700kg(干上げで200kg)はよく採る人のようである。
また、元町地区では素もぐりの人で12人ほどが操業(1人年間干上げ1000kg)しているとの話である。 |
◎黄さらしてんぐさと青さらしてんぐさ(高知県漁連
H15.8.27) |
てんぐさのさらし品が出品されていた組合もあった。写真の左側が青晒草、右側が黄晒草である。
同じ産地であるが採取後すぐ水をかけ日に晒すと黄色く変化する。採取後しばらく2ヶ月〜3ヶ月間、赤草のままで保存、その後同じように水をかけ、日に晒すと青くなる。
ところてんにした場合、出来上がりの色が黄晒では白く、青晒では薄い緑色になりやや磯の香りがする。どちらが良いとはいえず好みによる。 |
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◎てんぐさ漁の方法(神奈川県城ヶ島漁協
H15.7.10) |
船から「ひっかき棒」と呼ばれる長さ約2間(3.6m)ほどのものをあやつりながら箱メガネで海中をのぞいててんぐさをひっかきあげる。
棒の先に幅20cm弱のカギがついているがその刃の間隔がポイントである。空きすぎてはてんぐさが抜けるてしまうし、狭すぎると採ったてんぐさが刃からとりはずしにくいということである。
また、棒が先端部でゆるやかなカーブがかかっているがこれも海底でスムーズにてんぐさをひっかける工夫のひとつである。
1人が約3時間操業して干し上げで15kgぐらいになるいう。城ヶ島では5〜6人がやっているとのことであった。もちろん大潮の干潮時には女性も磯に出て採ったり拾ったりする。
収入の10%が組合に残りの90%が本人の手に残る。この割合は他の産地に比較すると生産者に有利な条件である。 |
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◎てんぐさの干し場(静岡県須崎漁協爪木
H15.8.20) |
須崎(爪木)の天草干し場 |
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◎京浜島倉庫(東京都漁連) |
伊豆七島からここ京浜島の東京都漁連倉庫に入ります。
東京都伊豆諸島のうち、これは代表的な神津島のさらしてんぐさです。特徴は浜晒のてんぐさにあります。 |
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◎てんぐさの岡取り・汐抜き・粗改良(静岡県
H18.6.21)
静岡県漁協で出品される天草には「岡まくさ」「沖まくさ」「あらめ」等があり、また「粗改良」が実施されたものや「汐抜き」が実施されたものがある。
「岡まくさ」とは沿岸部で採取したまくさのことであり、「沖まくさ」は沖で採取したまくさのことである。「粗改良」とは付着した他の余分な海藻を除去する行為であり、「汐抜き」とは15分程川水に浸す行為である。今回の漁協巡りでは「岡取り」「汐抜き」「粗改良」の実施状況を確認した。 |