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C12 その3-メーカー別

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中村精密

MK-31 C12 1982年 中村精密

MK-31
C12

1982年 (拡大写真)

それまでの中村精密のミリオンシリーズと違い、コアレスモーターを使用した高級品でした。

発売が1980年代ですから、ずいぶん古い模型で、他社と競合した時期はありません。
普通の中村精密の蒸機と違い、真鍮主体の構成で、コアレスモーターを内蔵しています。
古いといってもプロポーションはよく、きちんとC12のシルエットを持っていると思います。 現代の製品と比べれば細かいディテールはほとんどありませんが、ランボード上の網目表現などで金属製品らしさはアピールできていますし、ボイラー外見のテーパー部も表現されています。 Nでいうところのフルワーキングのバルブギヤで、先輪・従輪も含めてすべての車輪のスポークが向こう側まで抜けています。

コアレスモーターとの相性が関係していると思いますが、現代のパワーパックですとスピードが速めです。するするする…と瞬く間に加速してしまい、ちょっと使いにくいことがあります。 当時の広告に、ギヤヘッド付きのモーターの絵が載っていたことがあったように思いますが、実際にはギヤヘッドはありません。

中古品でも入手難の代表だった時期がありました。現在では他社製品も増えたため、以前より入手しやすくなっているように思います。ただし状態もそれなりに古くなっているでしょう。


トレインショップ

C12 1999年 トレインショップ

C12
1999年 (拡大写真)

トレインショップの代表作。約4万円でしたが、色々な完成品が値上がりしてしまった現在から見ると、思い切った低価格です。

トレインショップから発売された金属の完成品です。マイクロエースやワールド工芸が少しずつNゲージ蒸気機関車の新製品を増やしていた時代に発売されました。
製造は韓国のサムホンサです。コアレスモーター(F-1016)内蔵で静かに走ります。可動式軸箱、もちろんフルワーキングのバルブギヤをもち、すべての車輪のスポークが向こう側まで抜けています。

プラ製品に比べると値段は高いですが、C12に対して渇望感があったためか大きな話題となり、人気がありました。
精密感のあるディテールはハンダ付けによる手作りです。1両1両微妙に違います。必ずしもすべてがビシッとできているというわけではありませんので、金属模型に慣れていない方は、気持ちに余裕を持って買うことをお勧めします。

こちらでもう少し詳しくご紹介しています。→トレインショップの蒸機


マイクロエース

A6201 C12 66 1999年 マイクロエース C12 66

A6201
C12 66

1999年 (拡大写真)

初のプラ製のC12。車高はデカいですがその功績もなかなかデカいです。
貨車(セラ1)が付属しています。

A6202 C12 199 1999年 マイクロエース C12 199

A6202
C12 199

1999年 (拡大写真)

デフ付きの珍しい姿です。ロッドには赤が入っています。
貨車(ホラ1)が付属しています。

トレインショップの3ヵ月後に発売されました。
値段を他と同じ¥8,600に揃えるためだと思いますが、どちらにも貨車が1両付属しています。

それまでプラ製品のC12がなかったため、発売が発表されたときには大いに歓迎の声が上がりました。実際に発売されてみると、脱力のあまり起き出せないというのは今もあることもかもしれません。 あくまでも形だけのことですが、実物に似ているかという点については相当苦しいです。
ただ愛嬌のある模型ともいえますし、単にCタンクと割り切って遊ぶ使い道もあるでしょう。それに、これ以外には入手難の金属製品しかありませんでした。当時プラでこの機関車に挑戦したことは評価されると思います。

従台車の押さえバネ

C12は動輪の2軸のほか従輪からも集電されていますが、集電不足になって動きがぎこちなくなることがあります。
車輪とレールの汚れを取り除いたら、従台車を上から押さえている押さえバネ(赤い矢印)が甘くなっていないかチェックして、従台車をきちんと上からレールに押し付けるように調整します。

また、集電ブラシ(青い矢印)と車軸の間にゴミや汚れがあれば取り除いておきます。

C12のテンダ機バージョンがC56ということで、実物の両者は多くの共通点を持っています。

C56との煙突の位置の違い

煙突の位置も実物は両者同じですが(いずれもシリンダー中心から130mm前方)、マイクロエースの模型ではなぜか違いがあります。 煙突とサンドドームの間隔を見るとよくわかります。

ちなみにC56の発売はC12の1ヵ月後だったので、両者はほぼ同時に設計されていたものと思います。なぜ煙突の位置を分ける必要があったのか、ちょっと興味があります。

初回のあと単品のC12は発売されていませんが、2001年に客車セット品で「もおか号タイプ」が、2004年には「トラストトレイン」が発売されています。
客車とセットして値段を上げても、買う人は買うから儲かるかな?というような期待が透けて見えるような気がしまして、在庫放出品や単品バラシが出るまで買いませんでした(笑)。
メーカーにとっては問屋に売り切った時点で完了ですから、その先どう買われていこうと関係はなかったでしょうね。

A-4280 C12 1212 もおか号タイプ 2001年 マイクロエース C12 1212 もおか号タイプ

A-4280
C12 1212 もおか号タイプ

2001年 (拡大写真)

正体は66号機です。平成12年12月12日のイベントの姿ということで、ナンバーが1212になっています。
単品の66号機よりも少し新しいため、ライトが若干変更されて首付きになっています。

A-4294 C12 164 トラストトレイン(茶色) 2004年 マイクロエース C12 164 トラストトレイン(茶色)

A-4294
C12 164 トラストトレイン(茶色)

2004年 (拡大写真)

客車の色が茶色・青色の2セットがあります。C12シリーズ最後の製品で、車輪が黒色になりました。

A-4295 C12 164 トラストトレイン(青色) 2004年 マイクロエース C12 164 トラストトレイン(青色)

A-4295
C12 164 トラストトレイン(青色)

2004年 (拡大写真)

茶色・青色では機関車のヘッドマークのみ違っています。

茶色 茶色
青茶色 青色

モーターだけなら現在では小型高性能のものがありますが、車体が小さいため重量が稼げず、ゴムタイヤを使うと集電車輪が減ってBタンク並みになるため、C12は現在でもプラ量産が難しい機関車だと思います。
ただC12の模型は、それほど強い牽引力は必要とされないかもしれません。集電性能が安定していれば、使いやすいように思います。


やえもんデザイン

YS-4 C12 コンバージョンベースキット 2013年 やえもんデザイン

YS-4
C12 コンバージョンベースキット

2013年 (拡大写真)

C56小海線をベースとして利用する、キャブ周辺の部分キットです。

キット部分作例

前年に発売されたKATOのC56を改造してC12を製作するため、キャブと前後のタンク部を金属製のキットとした製品です。
元のC56の下廻りはもちろん、上廻りもキャブを除く大部分を利用します。

KATOのC56を見て、ああ、これにかぶせられるC12のキャブとタンクがあったらなぁ…とまではすぐ頭に浮かぶものですが(実際すぐに自作された方もいらっしゃいますが)、いざベース車両の寸法を取って設計製作するのは骨が折れるので、それが商品化されたのは嬉しいことです。

こちらでも紹介しています。→やえもんデザイン C12の組み立て


KATO

2022-1 C12 2015年 KATO

2022-1
C12

2015年 (拡大写真)

砂撒管がサンドドームから前後に1本ずつ流れている初期タイプ、とされています。

先にC56が出ていたため、いつかはC12も出るかと予想されましたが、意外と早く3年後に発売されました。
すでにおなじみとなったKATO製のコアレスモーター採用により、プラ製でも実物同様の細いボイラーを実現しています。

集電式スポーク車輪

テンダーがなくC56に比べて集電的に不利になるため、集電式スポーク車輪が採用され、先輪・従輪からも集電しています。
サイドタンクにもウェイトが詰まっています。そのため重量はC56のエンジンに比べて重くなっており、牽引力や集電の安定に寄与しているようです。

メーカーズプレートは「川崎」が印刷済みで、付属のナンバー4種の中では46、51号機が該当します。ただし模型自体は特定機として作られているわけではありません。

走りも良好で急カーブにも強く、公式にR150を通過します。
ライトは前後とも進行方向に応じて点灯します。LEDは前後とも、キャブ内の1枚のプリント基板に取り付けられています。

こちらでも紹介しています。→C12(KATO)


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