Nゲージ蒸気機関車2012年のメモ>2012.11.3

C56 小海線(KATO) その3

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その他各部

細部表現について目に留まったところです。

前方

煙室扉はC62やD51のような別パーツではなく、煙室枠と一体成型になっているようです。
デフは薄く、乗工社など金属製品と並べても、見た目の違いはほとんどありません。

煙突は別パーツですがライト消灯機構はありません。

ナンバープレートは接着剤不要で押し込む方式ですが、ゲート位置が左右の断面部分のため、ランナーからの切り離しにはナイフなど道具が必要です。新しいC62と違って手でもぎ取ることはできません。値段を抑えるためと、この機関車を買う客層はそれぐらい大丈夫という考えでしょうか。

バルブギヤー

このへんがプラ量産品ばなれしているところ。ディテール表現がすごいです。

第一動輪の上が見通せるのはもちろん、スポーク部分からも向こう側が見えます。上部の空間部分は空っぽではなく、斜めに横切るオイルポンプ箱の作用ロッドを置いてアクセントをつけています。その奥のほうのボイラー下方のディテールも色々ついていて、ちょうど静態保存機を下から眺めるような楽しさです。

加減リンクの溝もすっきり抜けています。全体的に見ればそこそこに省略されている部分もありますが、盛り付けるところにはドーンと盛り付けてくるので、見せ場の作り方がうまいです。

キャブ

キャブ下はD51譲りの配管密度です。若干悪乗り的なので好みが分かれるかもしれないですね。でもこれが一体で作れるのはプラモールドならではです。
いえ、金属でもロストで作ることはできるのでしょうね。

空気作用管の配管受けの黒はD51標準形に引き続いて入れられています。

発電機付近

2個の発電機と排気管は一体の樹脂パーツです。
安全弁は従来品と共通ではない、高さの低いものが新たに製作されています。

側面窓は開いた状態になっているのでライブな感じです。内部のガラスは一体で、妻板側にはめ込まれており、側面窓ははめ込みではありません。

連結面

キャブ内にはコアレスモーターが進出していますが、バックプレートは下がりながらも何とか付いています。
乗務員の座席はフレームと一体のダイキャストです。

テンダー集電板

3軸テンダーの前作である9600では2軸集電でしたが、今回は3軸から集電されています。

集電板の形が工夫されており、中央のテンダー車輪がサスペンション的に上下可動するようになっています。

カプラー

このタイプのテンダーのカプラーを交換するには、従来はテンダーの上下を分離する必要がありましたが、今回は端梁と一体になったカプラーホルダーを取り外して交換し、もう一度収めればよいようになっています。

ただこのカプラーホルダーのツメを外すのはちょっと怖いところがあり、ツメを壊さないよう・傷を付けないよう慎重にやったほうがいいです。

数多くのディテールパーツはすべてメーカー取り付け済みで、カプラー等の交換用パーツを除き、ユーザー取り付けが必要なのはナンバープレートだけです。
ハンドレールがそれぞれ中央の1箇所だけで留められているのも、なるべく短時間で組み立てられることを考慮したのでしょう。


走行について

D51等と同じコアレスモーターであり、駆動方式も似ているので、走行音や加速の様子などはD51に似ています。
ただし速度調整はD51に比べてやや敏感に反応するようです。車輪が少なく重量も軽いので、集電性能にもD51ほどの余裕はありません。レールの汚れはよく取っておいたほうがよいです。
フライホイールは1個ですが、同じく1個の9600に比べれば過走は大きく、効果はわかります。

平坦線ですと、オハ35系客車を14両牽かせても空転せず走りました。よってC56の通常の用途である客車数両ならまったく心配ないレベルです。
小さい機関車なので、小レイアウトなら20m級客車なら2〜3両程度が似合いそうに思います。

オハ35系×14

4%勾配では、オハ35系5両は確かに牽引できました。オハフが2両入っているのでやや重いです。レールの継ぎ目など(勾配変化がスムーズでないところ)で、ゴムタイヤの摩擦音が聞こえることはありました。

4%勾配 5両

4%勾配で7両ともなると、上れない場面がありました。シャッター速度1/15ですが止まって見えます。

4%勾配 7両

空転中

勾配から平坦に移るところで空転しています。
もっと工夫して勾配の変化をスムーズにすればいけそうでしたが、実物でも補機が必要なレベルなので、これが単機で上れなくても問題ないでしょう。

なお動輪バネの具合などにより、個体差はあるかと思いますのであしからず。勾配のきついレイアウトなどで息切れするようなら、迷わず補機を付けてあげるとよいと思います。


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