Nゲージ蒸気機関車2023年のメモ>C58 239(トミックス)

C58 239(トミックス) その2

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キャブなど

あとでキャブを接着するなんて書きましたけども:
普通、ボイラーとキャブは溝によって噛み合うようになっていたり、突起と穴で噛み合うようになっていたりします。

トミックスC55

トミックスのC55です。キャブの取り付け位置のボイラー側には溝があります。

D51標準形

こちらはKATOのD51です。やはり溝があります。

トミックス C58

しかしトミックスのC58には溝がありません。左右下側のツメと、屋根上の発電機配管のみで留まっています。
これはぐらついても仕方なさそうです。溝があるのに派手に傾いている模型もこの世に存在しますけども(笑)。

もしかしたらモーターがボイラーの下ギリギリまで入り込んでいて、溝を掘るだけの厚みがなかったのかもしれません。その場合は上部に突起を付けるなど方法があったように思えますが。
ほか、溝を掘ったところで大した効果はなかったか、単に忘れたという可能性もほんのちょっぴりありますけど…。

まあともかく、何かキャブが動きにくいように工夫することはできそうです。

キャブ

キャブの続きです。あーまた天窓が浮いている、こっちの接着が先だ!(笑)。→こんな写真を撮るときぐらいしか意識しないので。

ご覧のように全体の形は整っていまして、立体的に取り回しされている配管のバランスも的確でちょうどよいと感じました。

キャブ非公式側

反対側も適度な密度でよいです。

木枠の上辺

ここは悪目立ちしているのではないかなと思うのですが、実物のニス塗りの木枠の上辺は、ふだんひさしの陰になったりして強くは見えないものという気がします。
現状はちょっと目立ちすぎて窓が小さく、印象が変わっているように思いました。

上辺を消したもの

上辺の枠は作らなくてもよかったように感じますが、表現の好みの範疇かもしれません。
透明パーツをきれいに削るのは難しいので、とりあえず上辺にちょっと黒を入れたり、暗い茶色をさしてみたりすると雰囲気が変わるかもです。

キャブ公式側後方

あとはこの、窓枠のないはめ込みガラスの宿命である強烈な厚みを黒塗りするか、など。
達人の方なら薄い透明板でガラスを作り直して落とし込んだりされるかもしれません。

というわけで、これからしたくなることがたくさんありますね。

動輪など

先輪・動輪・従輪を横から

1C1プレーリーの軸配置。サイドロッドが一番下に来た時に、合併テコがちゃんと垂直になるのがトミックスの蒸機のよいところです。
もっともこの位置にもなり得るというだけで、実際にはぶらぶらしていますから前傾していることが多いと思います。

動輪が実物縮尺と比べれば小さいので、第二動輪タイヤ上端が空気溜めに隠れていないのですけども、この第二・第三動輪の近接っぷりを見ると、どうしろというのという感じかも。
あとはもうフランジをどの程度削るかという度胸試しでしょうか。KATOの蒸機を見ると、まだ行けそうなのになと思ったりはします。
トミックス製のレールで問題なく走れるかどうか、ですね。

他社のように軸距離を少し広げて、周辺を四苦八苦してやりくりする方法もあると思いますが、トミックスは軸距離を結構きちっと守るメーカーなので、それはトミックスのやり方ではないのかもしれません。 トミックスは形式や番台によるテンダー台車の軸距離もちゃんと作り分けますからね。
何を守って何を捨てるか、本当にメーカーによって異なるところ。

動輪

特徴あるC58のボックス動輪です。C58は特に第二動輪が変わっていて、大きい丸穴が3個しかありません。
ワールド工芸のC58は好ましい形態でしたが、動輪がちょっと違うんですよね。C58用に新規作成されたダイキャスト輪心だったのですが、なぜかは不明です。

カウンターウエイトにヒケが出ているのが残念です。この程度のヒケなんて過去の蒸機模型にいくらもありますが、現代のKATO製品にほぼヒケがないだけにがんばってほしかったところです。まあ走らせてわかるところではありませんから優先順位が下がるのは仕方ないかもです。

上から下から

動輪押さえ板

トミックスの蒸機は底部の動輪押さえ板がずっとネジ留めでしたが、今回初めてはめ込み式になりました。
きかんしゃトーマス号(C11)の際、すでにネジは内部構造と干渉すれすれでしたからね。小型模型にとってはネジはとても場所を取る存在です。

ただ、私は安全な外し方がわからず、まだ全部剥いではいません。後方から1つずつパチンパチンと外していっても、一番前のツメがうまく外れなかったので、そこで思いとどまりました。でないと無茶を始めますので(笑)。

動輪押さえ板を外したところ

→その後必要があって外しましたが、結局は順番にツメをこじ開けていくしかないように思います。
細いドライバーを後方から差し込んでひねりながら外していきました。第三動輪のギヤを傷めないように注意が要ります。

テンダー底部

テンダー台車はネジ留め式です。写真の個体はネジの周囲が白く、錆びか剥げのようになっていてやや怖かったのですが、そうなっていないもののほうが多かったです(本当に全数見てどうかはわかりませんが)。
何か新品なのに中古品を引いたような、寂しい気持ちになりますよね(笑)。

床板中央に丸穴がありまして、いかにもここにATS車上子などを付けられそうに見えますので、今後のバリエーション追加にちょっと期待したりします。
C58 239の実物では前部スノープローの後ろ、先輪の間にATS-P車上子が付いています。

トミックス ハンドレール

上からといいますと、今回トミックスのC58で一番「どうしてこうなった」と思ったのがこのハンドレール。後方の開きっぷりがすごいです。投げやりに斜め外側に飛び出しているのはかなり前衛的です。
普通に見ると単に雑なので、これはトミックスがやってはいけない方法だと思いますが、別にやりたかったわけではないと思います。どの段階で決断されたのかわかりませんが、よほどほかによい選択肢がなかったのでしょうなぁ…。

まっすぐにしてみました。→C58 239(トミックス)の微変更

マイクロエース ハンドレール

ユニークな形態のマイクロエースでさえ(すごく失礼な書き方してますが)、せめてここは平行になるように作られています。

ところで改めてマイクロエース製品を見てすごいと思ったのは、ボイラー前方右側(写真で言えば左上)の、逆止弁配管や給水温め器蒸気管です。すでに別パーツ表現です。全体のプロポーションとか表現は独特なんですが、でも20年前から別パーツなんです(笑)。
そこは大事なところだったんでしょうね。本当に模型というのはどのメーカーの製品も人間が作っているといいますか、ご作品として尊いものだと思います。

付属品

付属品一式

トミックスは工場取り付け済みではないパーツもたくさんあり、いくつかの袋に分かれて付属しています。

必須なのはナンバープレート、人によってはカプラー、あとはお好みに応じてという感じかと思います。

2枚入っているおなじみの小部品のランナーで使うのはエアホース1本だけですが、細いつかみ棒が4本と北海道形手すり2本、火の粉止め2個、標識灯4本が手に入るので大変お得な感じです。

カプラーは従来通りで、標準装備の後部アーノルドカプラーを付属のTNカプラーに替えられます。前部カプラーも標準装備のダミーから、アーノルドまたはTNカプラーに替えられます。

CSナックルカプラー

KATOのCSナックルカプラーも無加工で取り付けられるので、カトーカプラー、カトーナックルカプラー、マグネ・マティックカプラーとの連結も可能です。

CSナックルカプラーはもちろん付属していませんから別途購入しますが、KATOの蒸機にも付属していることがあるので、お手元に何か余っているかもしれません。

なおカプラーポケットを外す際には、あらかじめテンダー台車を外します。ネジを緩めるだけです。

ナンバープレート

ナンバープレートは今までずっと両サイドにゲートがありましたが、今回トミックスの蒸機では初めて(たぶん)アンダーゲート的なものに変わりました。
切り離しの際にナンバープレートのフチを傷つける恐れが減ると思います。

ただしKATOのD51標準形のように手で簡単にもぎ取れるものではなく、ナイフなど道具を使った方がよさそうです。結構しっかりランナーに付いています。

ナンバープレートをブラシでこする

前回のC55ほどではなく、普通の範囲内ではありますが、金色の乗りがやや厚めで微細なところが少々埋まっているものもありました。

どうしても、C57 135の頃のシャープで素晴らしい金色表現を見ているだけに残念なことですが、当時と事情も違うのでしょうから仕方ありません。

6枚付属しているのでよいものを選べます。C55のときに教えていただいた、歯ブラシで軽く擦る方法で、余分な金粉などを払って多少すっきりさせておきました。取り付けは接着剤を使わずともちょうどいい感じで押し込むことができました。

テンダーの中身とライト

テンダーの分離

台車のネジを緩めて外すと、テンダーの中身が簡単に分離できます。

ちなみに一度付けてしまったテンダーのナンバープレートを外したいときは、こうやって中身を取ってから、プレートの脚を細いもので内側から押し出すようにすれば簡単です。

石炭と重油タンクの分離

石炭は上に引っ張れば外れます。後ろの重油タンクはその下に重なっているので、石炭を外した後に上に引っ張れば外れます。

これだけでもう、外したところを平らにして何か板でも敷き、石炭を盛れば重油タンクのない姿にすることができます。

ライトの分離

天板のツメを外してダイキャストブロックから外すと、後部下側にライトの導光プリズムが見えます。

少しきついですがプリズムを下に引っ張って外すと、黒いライトパーツを斜め上に引き抜けます。

KATOのライトパーツですと、ライト側から導光部が付き出していますが、トミックスは逆です。

ヘッドライトを外す

一方、エンジン側の給水温め器をまっすぐ上に引っ張って外すと、ヘッドライトを取り外すことができます。
※他の配管を引っ掛けやすいので、最初に給水温め器後方の配管を外しておいた方がよいです。配管の枝部がデフステーの下に回っているので注意。

給水温め器はきつくはまっているのと配管も付いているので、外すのに注意がいります。傷を付けやすいですし、その前後にはデフのステーなど引っ掛けて壊しやすい細いパーツも多いです。どうしてもという場合以外は、むやみにやらないほうがよいです。

交換したヘッドライト

外した前後のライトはそのまま交換できます。静態保存されていたときはこんな感じで、復活運行後もライトは何度か交換されていますね。

まあ今は製品のままのイメージでよいので、元に戻しました。


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