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C62 その6

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マイクロエース

中国で製造されていたプラ製のシリーズです。マイクロエースとしては初期の製品で、D51・C59・9600に続く4作目です。
当初の価格はすべて¥8,600+税でした。

●初回シリーズ(1999年〜2000年)

A9801 C62 2 函館本線・スワローエンゼル 1999年 C62 2初回 A9801
C62 2 函館本線・スワローエンゼル

1999年 (拡大写真)
1999年の7の月に発売されたマイクロエースの第4作です。初回品は銀車輪で汽笛が垂直についていました(3号機も同じ)。
A9802 C62 3 函館本線・小樽築港機関区 1999年 C62 3初回 A9802
C62 3 函館本線・小樽築港機関区

1999年 (拡大写真)
2号機とともに人気が出たため2001年に再生産されました。
A-4230 C62 1(セット) 1999年 C62 1 A-4230
C62 1(セット)

1999年 (拡大写真)
「A-4230 C62 1 10系客車 特急『かもめ』」のセット品です。後部の切り欠きのないテンダーが特徴です。

1999年7月、まず2号機と3号機が発売されました。これはワールド工芸の初回品の1年後でした。つまりNゲージのC62を発売した3番目のメーカーです。
同社の傑作9600の次に発売されましたが、再びマイクロエース特有の腰高・前後圧縮スタイルに戻ってしまいました。高いボイラーに小さい動輪で、ちょっと貨物機っぽい感じにも見えてしまいます。 それでも当時のちょっとしたコラム風の広告で「C62のボイラーって意外に細いのね」「1/150だとこうなる」のような表現があり、KATOの旧C62を意識していることが伺えました。

部分的な飾りは重視されており、動輪が肉抜きされていたり、空気作用管が塗装されたりしています。左右のエアタンクの長さの違いは表現されていません。窓ガラスがついたのはこの頃の製品からです。
プロポーション面ではC62を楽しみにしていた人を当惑させましたが、一般受けはそこそこよく、2号機・3号機はこのあとも小変更のうえ再登場することになります。

1号機は1999年末に「A-4230 C62 1 10系客車 特急『かもめ』」のセット品として追加されました。
なお、この機関車を金色に塗った謎のグッズ「A-4250 C62 1 10系客車 2000年記念特別セット」も翌年に発売されています。

2000年にはさらに単品が2種追加されます。

A9803 C62 18 特急つばめ 2000年 C62 18 特急つばめ A9803
C62 18 特急つばめ

2000年 (拡大写真)
つばめマーク付きの赤ナンバー機です。
これは塗装の状態がとてもよいです。
A9804 C62 42 特急はと 2000年 C62 42 特急はと A9804
C62 42 特急はと

2000年 (拡大写真)
集煙装置がついています。
C62 42 集煙装置

ここまでが銀色車輪の初期仕様となっています。

●黒色車輪化(2001年〜)

A9801(再) C62 2 スワローエンゼル 2001年 C62 2再生産 A9801(再)
C62 2 スワローエンゼル

2001年 (拡大写真)
最初に出た2号機の再生産で、品番も同じですが、黒色車輪になり汽笛が斜めに修正されるなど改良されています。
A9802(再) C62 3 函館本線・小樽築港機関区 2001年 C62 3再生産 A9802(再)
C62 3 函館本線・小樽築港機関区

2001年 (拡大写真)
最初に出た3号機の再生産で、2号機と同様に改良されています。価格はどちらも初回と同じです。
A9809 C62 1(単品) 2001年 C62 1 A9809
C62 1(単品)

2001年 (拡大写真)
1999年に発売されたセット品(特急「かもめ」)を単品販売したもので、車輪は黒色に変更されています。
ヘッドマークも「かもめ」から「あさかぜ」に変更されています。

2001年末、C62 1の単品発売と一緒に、2号機・3号機が再生産されました。
これら再生産品は黒色車輪になり、ヘッドライトが変更され(大差はありません)、副灯とテンダーのライトに銀色が入っています。垂直だった汽笛も修正されました。しかしその後D51などでみられる「改良品」と違い、値段も品番も変わっていません。この頃はまだ商売上の「えぐみ」がなかったですね。

初回品の汽笛 再生産品の汽笛
初回生産品の汽笛 再生産品の汽笛

C62 2(A9801)の初回商品名は「C62-2 函館本線・スワローエンゼル」でしたが、再生産品では「函館本線」が消えているので中身を見なくても識別できます。パッケージ裏には「JR西日本許諾済」と追記され、初回品にあった急行ニセコの編成図もなくなりました。
C62 3(A9802)では再生産でも名称が変わらなかったので、パッケージは一見初回生産品と区別がつきません。しかし裏には「JR北海道商品化許諾済」が追記されています。

初回パッケージ C62 2(A9801) 初回生産品
機関車のイラストが大きく、急行ニセコの編成図がついています。
再生産品パッケージ C62 2(A9801) 再生産品
品番も値段も同じですが、商品名から「函館本線」が消え、パッケージ裏側も変わりました。

その後のカタログでは、これらC62 2(A9801)・C62 3(A9802)の発売は2001年と記載されており、1999年の初回品はなかったことになっています。

●最新シリーズ(2008年〜)

この間にKATOから完全新規のC62東海道形が発売されて大評判となりました。
そんな中でのマイクロエース製品は、KATOのC62東海道形が重連非対応だったのと関係あるのかどうかわかりませんが、重連を意識したものになっています。
※2012年に追加されたKATOのC62 2・C62 3では、動力ユニットが変更されて重連可能となりました。

A9810 C62 2 函館本線・小樽築港機関区・改良品 2008 C62 2 改良品 A9810
C62 2 函館本線・小樽築港機関区・改良品

2008年 (拡大写真)
今度は前回の再生産とは異なり、品番が変わって改良品とうたわれました。値段は¥9,800+税にアップしています。
A9811 C62 3 函館本線・小樽築港機関区・改良品 2008年 C62 3 改良品 A9811
C62 3 函館本線・小樽築港機関区・改良品

2008年 (拡大写真)
A9807 C62 15 急行「ニセコ」最終牽引機 2008年 C62 15 A9807
C62 15 急行「ニセコ」最終牽引機

2008年 (拡大写真)
ナンバーと、シリンダー横の色入れがないことを除けば、3号機とまるっきり同じです。昔ならこれでわざわざ別商品になることはなかったと思います。

以前にも一度ひそかに改良された2号機・3号機は、今度こそ正式に「改良品」と表明されていますが、変更内容は概ね次のとおりです。

初回品の端梁 改良品の端梁
C62 2 初回品の端梁
スノープローがつながっていました。
C62 2 改良品の端梁
スノープローはなくなり、つなぎだけ残っています。

ライトや動力ユニットなどを作り変えている割に、D61の特殊従台車がずっと流用されているのも不思議な気がしますね。

今回改良されたライトは、最初の首付きライトからみれば、かなりよくなっています。
KATOは参考までに並べてみました。デフの間隔がほぼ同じに見えるように大きさを調整しました。

マイクロエース改良前 マイクロエース改良後 復活3号機 KATO東海道形
改良前の首つき前照灯 2008年改良品(3号機) 復活時の実物(3号機) KATO 東海道形(初回)
 
マイクロエース改良前 マイクロエース改良後
改良前の首つき前照灯 2008年改良品(3号機)
復活3号機 KATO東海道形
復活時の実物(3号機) KATO 東海道形

このように部分的には改良されているのですが、最も目立つ全体の腰高と苦しいプロポーションは引き継がれています。
KATO製品が現行系列にリニューアルされるまでは、マイクロエース製品の中古価格はかなり高騰していましたが、その後暴落しています。

翌年には続きで1種が追加されます。

A9813 C62 17 糸崎機関区 2009年 C62 17

A9813
C62 17 糸崎機関区

2009年 (拡大写真)
印刷・色入れ箇所の違いのほかは、基本的に前年の製品と同じです。
テンダーに増炭覆いと重油タンクはありません。

参考:KATO C62東海道形 KATO東海道形

参考:KATO C62東海道形
(拡大写真)
同じ17号機のナンバーは、KATOのC62東海道形にも含まれていますので、2つを並べてみました。こちらは小型ライト、赤ナンバー、重油タンク付きです。

今回はC59 164改良品等と同時に発売されました。C59と同様に、各種の金色が少しオレンジ色寄りに変わったものになっています。ナンバープレートの色も、同じくやや銅色がかっています。

スノープローのない姿ですが、端梁が作り直された?らしく、前年のC62 2・3のような出っ張りはありません。値段は前年からまた上がって¥10,500+税となりました。

●マイクロエースC62あれこれ

動力のスペーサ

腰高な印象の模型ですが、車高を下げようと思えば、ダイキャストを削る部分も少なく比較的簡単に下げられます。ボディがスペーサによって動力から浮かせられており、もともと余裕があるためです。ただし、ただ下げても前面の表情や動輪のバランスはもとのままですから、おもに遠景のシルエットの改善にとどまります。

このC62を利用したアニメグッズ「銀河鉄道999」セットも2種発売されていました。付属の機関車は暗灰色や暗青灰色に塗られています。
どういう客層を狙ったのかわかりませんが、走らせるにはレールやパワーパックが必要ですし、それらをお持ちでない方には結構高くつくアイテムです。

スリーナイン号の機関車(劇場版) スリーナイン号の機関車 スリーナイン号の機関車(劇場版)
初回製品です。黒っぽい紺色に塗られています。

機関車と展望車(劇場版)

機関車と展望車

機関車と展望車(劇場版)
機関車は48号機とされています。こんな色もたまにはいいです。右は展望車で、スハ44系を模した5両編成です。増結セットはありませんでした。

マイクロエースはこういう分野のほうが得意そうな気もします。

2009年、劇場版・テレビ版ともにリニューアル製品が発売され、増結セットも用意されました。いずれもこのサイトで扱っている鉄道模型とは違うジャンルの製品なので、ここでは追いかけません。


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