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C62 その5

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ワールド工芸

1998年から発売された蒸気機関車キットです。シリーズ最初のC55と同じくテンダードライブですが、C55とはウォームのギア比を変え、牽引力の不足なども解消されてスムーズに走ることができました。

●初期グループ(1998〜2001)

C62 東海道型 1998年 東海道 C62 東海道型
1998年 (拡大写真)
ワールド工芸から発売された初のC62です。マイクロエースの1年前なので、KATOに次いで国内2番目のC62ということになります。
C62 汽車会社 1999年 汽車会社 C62 汽車会社
1999年 (拡大写真)
汽車会社ということでドーム形状が変わっています。加減弁ロッドの形状を選べます。
C62 2号機 2001年 2号機 C62 2号機
2001年 (拡大写真)
このページの中ではこれだけメーカー完成品です。つばめマークのインレタ転写に失敗し、KATOのものを切り詰めて付けてあります。
C62 3号機 2001年 3号機 C62 3号機
2001年 (拡大写真)
素組みでも、2号機との違いは少々表現されています。

ここまでが最初期のグループで、牽引力増強装置がなく、動力ユニットは組立調整済みでした。ただテンダーへの動力ユニット組み入れにはコツがあり、「知恵の輪」的な作業が必要で、床板の一部を削ったほうが手っ取り早いことがありました。モーターの大きさの都合か、テンダー全長は2.5mmほど長く作られています。

ドーム形状の違い 3号機のデフ
最初に発売された奥の東海道型原形(日立)と、二番目に発売された手前の汽車会社では、ドーム形状が少し変えられています。 3号機では、デフ点検孔がデフ後端まで下げられており、2号機との違いが表現されています。

スタイル重視のためフランジが低く、機炭間隔も狭いので、R315以上で走らせるようにとされています。ただ、組み方によってはR280で走ることも可能です。
ボイラーが太い形式なのでハンダゴテが入りやすく、組み立ては楽なほうです。

●牽引力増強装置装備(2004〜2006)

C62 呉・山陽線仕様 2004年 呉・山陽線 C62 呉・山陽線仕様
2004年 (拡大写真)
本製品から、牽引力増強装置が付きました。
C62 常磐線仕様 2006年 常磐線仕様 C62 常磐線仕様
2006年 (拡大写真)
動力ユニットの構造が少し変わりました。手動逆転機で、デフ3種と作り分け用の各種パーツ付きです。
C62の組み立て(接着剤)

呉・山陽線仕様以降で、C59戦後型などで先に採用されたのと同様の牽引力増強機構(荷重分配装置)がつき、さらに牽引力が向上しました。同時にそれまで完成品だった動力ユニットが組立式に変わり、モーターも小型のものに変更されました。 牽引力増強装置とは、火室内に設置したウェイトが、可動式のドローバーを介してテンダーの前方を上から押し付けるというものです(時として、荷重に負けてテンダーが前方に傾いてしまうことがあります)。
常磐線仕様ではまた小変更があり、動力ユニットの左右のフレームをつないでいたベーク板が廃止されました。

●動力ユニット改良(2007〜)

2007年以降は動力ユニットの変更により、少し長かったテンダーがほぼスケールどおりになりました。車輪も黒色仕様になりました。その後ほぼ毎年のように発売されています。

C62 汽車会社常磐線仕様 2007年 汽車会社常磐線仕様 C62 汽車会社常磐線仕様
2007年 (拡大写真)
同年のC57に続き、各種パーツの材質や精密度が大幅に変わりました。写真では未取り付けですが、空気作用管も付属しています。
ワールド工芸 C62汽車会社常磐線仕様
C62 15/16号機北海道時代 2008年 15/16号機北海道時代 C62 15/16号機北海道時代
2008年 (拡大写真)
各種パーツを使い分けて15/16号機を作り分けます。ドーム後端が相当にゆるやかな形になりました(このあと汽車会社製を除いてずっとこれが使われます)。
このあとはすべて、特定機をあげた商品展開になっていきます。
ワールド工芸 C62 15/16号機 組立手順1
C62 2号機II(新) 2008年 2号機(新) C62 2号機II(新)
2008年 (拡大写真)
初期製品のC62 2をフルリニューアルしたものです。つばめマークはステンレスのエッチングで、2タイプが付属しています。
C62 2(新)の組み立て
C62 32号機 2009年 32号機 C62 32号機
2009年 (拡大写真)
今度は32号機です。付属パーツの使い分けで27、30号機にも対応します。シリンダーの上部が外側に広がっておらず、ストレートなのが特徴です。
ワールド工芸 C62 32号機 北海道時代
発電機周辺 このグループからはランボードがリン青銅製に変更されており、部品を固定するための正確な小穴がたくさん空いているので、部品の位置決めが楽です。素組みでも十分なディテール表現になります。ただしディテールパーツはかなり多いので、組み立て総時間は少し長いかもしれません。
旋回窓

15/16号機、2号機(新)、32号機にはプロテクター付き旋回窓がついています。繊細な部品なのでとても壊れやすく、組み立ては難しいです。これらのタブレット受けは単なるシルエット抜きではなく、エッチングで立体表現されています。

プロポーションがよく実用的な走行性能を持っています。特に前面やキャブなどの造形のセンスは秀逸です。まずメーカーにはこのC62をデザインしてフルスクラッチできる方がいらっしゃるに違いないわけで、それだけですごいことですが、それを他人が組み立てられるキット形式にまとめられるというのもすごいことです。一体どんなご苦労があるんでしょう。

●最新グループ(2010〜)

2010年の製品より、下廻りの外観・動力がさらに変更されています。

C62 25号機 山陽(呉)線時代 2010年 25号機 山陽(呉)線時代

C62 25号機 山陽(呉)線時代
2010年 (拡大写真)

この時期の最新仕様に合わせてリニューアルされたものです。32号機と同様、シリンダー側面がストレートな仕様です。作例はATS非搭載の姿で組み立てました。

C62 15号機 山陽(呉)線時代 2010年 15号機 山陽(呉)線時代

C62 15号機 山陽(呉)線時代
2010年 (拡大写真)

同時に発売された15号機です。2年前に北海道型としても発売されています。こちらは蓋付きデフを付けました。

C62 44号機 2014年 44号機

C62 44号機
2014年 (拡大写真)

北海道時代です。C62は4年ぶりですが、この間にKATOがC62北海道形を各種発売しているため影が薄かったかもしれません。ただし久々の汽車会社製造機です。

C62 32号機II(新) 2014年 32号機II

C62 32号機II(新)
2014年 (拡大写真)

2009年の32号機のリニューアル品です。真鍮プレスだった煙室扉が真鍮ロストに変更されました。 ドーム形状も見直すと事前に告知されましたが、発売されたものは以前と変わっておらず、そのことは発売後半年以上経ってから発表されました。手遅れでしたワ(笑)。
ワールド工芸 C62 32号機(II)

このグループから、それまで固定式だった加減リンクが動くようになり、バルブスピンドルガイドもロスト製になりました。動力は「高精度ギヤ」とされ、洋白を多用したものに変更されています。

ワールド工芸の製品には完成品もありますが、まったくの初心者という方にはあまりお勧めしません。構造がわからないと、ちょっとした不調が発生しても自力で直せないかもしれませんし、そうなるとダウンタイムが多すぎて楽しめないからです。1両目は自分で組み立てたが、2両目は面倒なので完成品が欲しいという方なら安心ですね。


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