Nゲージ蒸気機関車>その他>このサイトについて/用語集
2003.10.1/2024.4.7
このサイト「Nゲージ蒸気機関車」は、複数のメーカーから発売されているNゲージ蒸気機関車の、デザインや表現の違いをご紹介しているサイトです。
個人のWEBサイトですからリンクはご自由ですし、私に連絡していただく必要もありません。どこに直接リンクされても結構です。
各種の記述には誤りがあるかもしれませんので、恐れ入りますがご自分の判断でご利用ください。利用結果についての責は負いかねます。
私は鉄道関連の書籍をあまり買いませんし、クラブ等に所属したこともありませんので、誰でも知っているような事実を知りません。誤り・補足情報等ありましたら、お知らせいただければ幸いです。
Nゲージ(9mmゲージ)鉄道模型の老舗です。「せきすい」ではなく「かんすい」と呼ぶ子供がたくさんいました。知らなければ仕方ないことですが…。
プラ量産品にコアレスモーターをいち早く採用し、細密なプラ表現の蒸気機関車を多数発売しています。走行性能が安定しており価格も低めです。
まだ小型のモーターがなかった時代からNゲージの製造を始めたため、以前の蒸機は約1/140前後と大きく作られていました。現在ではほとんどが縮尺1/150に変更されています。
Nゲージの蒸機からしばらく遠ざかっていましたが、2009年にC57 135を発売して再参入しました。
現在のラインナップは保存機・復活機が中心で、大半がC57のバリエーションとなっています。2017年の真岡鐡道C11 325ではコアレスモーターも採用されましたが、その後のC11シリーズ(きかんしゃトーマス号)は通常モーターに戻りました。
過去には、久々の新作であった9600がマイクロエースとバッティングしてしまい、影が薄くなるという不運もありました。
Nゲージではプロポーションを重視した真鍮キットの蒸気機関車を多数発売してきました。プラ製品では成立しないような希少な形式もありました。
テンダー機の大半はテンダードライブ方式を採用していますが、中にはエンジンドライブのものもあります。よく走るかどうかは工作者の腕と根性にかかっています。
組み立てやすくするために隅々に細かい工夫がみられます。組み立てを進めていくうち、この凹みにはこういう意味があったのかなど、目からうろこが落ちることもあります。
最近は16.5mmゲージ方面にシフトしたようで、2021年を最後にNゲージ蒸気機関車の新形式は発売されなくなりました。バリエーション製品も2022年が最後となっています。しかし既存品のモーターを変更した再生産は2024年現在も行われています。
2012年に雨宮タイプBタンクを発売し、小型蒸気機関車のキットを中心にラインナップを増やしています。小型機ながら安定した低速走行が可能なのが特長です。一部は完成品も販売されています。
2021年には3Dプリントの車体と組み立て調整済みの動力ユニットからなる、別バージョンの雨宮タイプBタンクが登場し、今までにないイージーキットとして人気を博しました。2023年現在でも同じ構成のイージーキットで新製品の発売が続いており、表現面もさらに向上しています。
C11といえばKATOの旧製品しかなかった2013年末に、新製品のC11を発表し、2年半かかって発売にこぎつけました。
初回製品には作りにばらつきもあり、自分で調整や修理ができるベテランに向いているようです。その後動力は小改良され、第2弾以降のラインナップやC10も発売されました。
古くからNゲージのアクセサリーや車両製品を発売しており、プラ製の機関庫キットも手ごろなものがいくつか揃っています。自走するプラ完成品のNゲージ蒸機としては最小の部類である「有田鉄道コッペル1号機」などを発売しています。
エッチング板を折り曲げるだけで上廻りが完成する「とても簡単な〜」シリーズで、Nゲージ蒸気機関車の「産業用Bタンク」「標準型Cタンク」などを発売しています。動力ユニットは組み立て調整済みのため手軽に取り組めます。
旧アリイ(有井製作所)の新しい名前です。2000年前後にそれまでなかった各種形式を次々とプラ量産品で製品化し、最も多くの形式を発売したメーカーとなりました。そのすべてが中国製です。
一部を除き、全長に対して全高の高い変則スタイルです。しかし中には形態が良いものもあり、特に9600は評判のよい模型です。
ややモールドが甘く、歪んだまま無理に組み立てたような製品もありましたが、走りは当時としては概ね良好でした。すでに蒸機はあまり積極的に展開されておらず、2017年に発表されていた最後の予定品も、2024年にすべて中止されました。
→マイクロエースのNゲージ蒸機機関車
このサイトで「マイクロエース」を短縮して表記する際は、旧名の「アリイ」と書いています。アリイはかつてユニークなプラモデルをたくさん製造していましたので、昔からの模型ファンの方にはむしろ通りがよく、「ああ、あのアリイね」とすぐにわかってもらえます。
2009年末よりマイクロエースのD51の上廻りを置き換えるコンバージョンキットの発売を始め、その後C59・C61・D52なども加えてラインナップを増やしました。今のところキットのみで、完成品は作られていません。
パーツ販売からスタートしたこともあり、ロストワックスのパーツが豊富に使われているのが特徴です。2018年の9600を最後にNゲージの新形式は発売されておらず、縮尺1/80方面にシフトしたようですが、2023年には1/150の新作パーツも発売されました。
乗工社(後述)の発売していたC56シリーズを引き継ぎ、コアレスモーター化した完成品を発売しました。2015年にも久々の発売がありました。
Nゲージの蒸気機関車では過去に金属製の9600が発売されています。テンダードライブで当時としては魅力的な模型となっていました。
当時のKATO製の蒸機とほぼ同じ縮尺だったので、重連させても違和感がありませんでした。
水と油を混合したものを発煙剤とする、発煙装置を組み込むこともできました。
1980年代、当時のKATO・トミックス・エンドウが発売していなかった形式を積極的に製品化したメーカーです。製品は一部を除いてテンダードライブ(後述)ですが、機関車本体が中まで詰まった金属の塊でできているので、重量があります。
現代の製品から見るとディテールは簡略化された素朴なものが多いですが、一作目のC51を除いては割とよく実物の印象を捉えているように思います。
ダブルルーフの客車キットなどもたくさん発売しており、当時から向こう側まで抜けたスポーク車輪を持っていました。
1998年頃から、KATOのC55の下回りを利用した金属製の蒸気機関車ボディキットを各種発売しました。
寸法は大きくなっていますが、よく特徴を捉えているうえ確実に走るので好感を持った人が多いと思います。キングスホビーは2013年に閉店となってしまいました。
→キングスホビーの蒸機
韓国メーカーに発注し、コアレスモーターを内蔵した精密な金属蒸機を発売しました。
タンク機中心で、C12、C56、4110、E10が発売されました。手作りでよい風合いがあって滑らかに走ります。スタイルもディテールも素晴らしく好評を博しましたが、何を出してもほぼ同時期にマイクロエースから同じ形式が出るという惨事に見舞われていました。
韓国の製造メーカーの撤退により、今後の再生産は絶望的です。中古などで見かけることもほとんどありませんでしたが、最近はKATOからもC12、C56が発売されたこともあり、以前よりは出てきているようです。
→トレインショップの蒸機
ワールド工芸製のD52ボディキットのバリエーションを、ミヤザワブランドで発売したというものなので、実質的にはワールド工芸製品でした。
テンダーモーター方式のC56キットを発売しましたが、残念なことに廃業してしまいました。その後Models IMONからコアレスモーター化した完成品も発売されています。このC56も隠れた傑作で、ほとんど中古市場に出てくることはありません。
韓国メーカー製造のC53を発売しました。動力の都合かボイラーが太くなっているようですが、ディテール表現は繊細です。
同じ韓国製でも、トレインショップや天賞堂とは少し作風が違います。
1980年代、ロータリー除雪車キ620を発売し、そのままお隠れになってしまいました。このキ620はなぜか自走することで話題になりました(実物は他の機関車に押されて進みます)。
※前述の「ホビーショップ モア」とは違うメーカーです。
韓国メーカー製造のC62、D51、C57、C59を発売しました。
コアレスモーターを使用して基本の縮尺1/150に近づけられており、製造に手間がかけられている点が特徴です。そのため9mmゲージとしてはかなり高い価格設定でした。C59やC62の改良品では12万円を超えていました。
下廻りはすべてエンジンドライブで、フルワーキングのバルブギヤを持っています。
旧トミー製品を中心に、蒸機に似合った貨車をたくさん発売していたメーカーです。プラ量産品や金属キットのB6も発売しました。トラ90000など渋い形式の貨車も出してくれて注目されるメーカーでしたが、2012年秋に破産してしまいました。
その後、貨車製品はポポンデッタに受け継がれています。
蒸気機関車は出していませんが、蒸機によく似合う旧型客車のキットを1970年代からたくさん送り出してきたメーカーです。500円のキットに300円の台車を買って、KATOの客車と同じ値段という感じでした。最後の塗装の段階で台無しにしてしまった苦い経験をお持ちの方もいらっしゃるのでは。
プラ模型メーカーのハセガワがエンドウと共同で作った鉄道模型ブランドです。蒸気機関車は出していませんが、前述の中村精密の客車キットをもとにした完成品を多数発売してきました。古い蒸機列車にぜひ欲しいダブルルーフのスハ32も完成品で揃っているのでありがたいです。
2007年よりプラスチック製のD51をバリエーション展開していたメーカーです。
プラ製品ですが量産品というわけではなく、手作りで特定ナンバーのD51を少量ずつ生産していました。先行プラ製品にはなかった細密な表現は発表当時のファンに衝撃を与えました。取り扱いは初歩の方には少々難しいかもしれません。2012年より休業となり、2015年末に公式サイトも閉鎖されました。
大井川鐡道で運行されている「きかんしゃトーマス号」のコンバージョンプラキットを発売しました。
KATOの旧C11の動力部を利用するキットで、少々プラ模型製作の経験があれば、比較的簡単に組み立てて走らせることができました。
蒸気機関車のプラ製コンバージョンキットとしては唯一の存在です。
何らかの動力で自走し、実物にそっくりか、実物の存在しそうなフリーデザインの模型のことを言うようです。なぜかあまり「鉄道プラモデル」のことは「鉄道模型」とは言わないようです。
小型の鉄道模型の多くは、線路に流した電気を金属製の車輪から取り入れてモーターを回します。車両模型の外観や動力は、児童向け玩具に比べればかなり精密ですが、両者の本質はそれほど違わないのかもしれません。
多くの人が模型を好きなように加工したり、塗装したりするのが普通だった時代は過ぎ去り、最近ではプラ製の量産品にすら、過大な要求が課せられるようになりました。
それでもちょっとした加工のスキルを身につけておくと、自力で市販品の不満を解消できることもあるかもしれません。
「Nゲージ」「HOゲージ」という言葉から類推されるからか、鉄道模型を称して「ゲージ」と呼ばれるのを耳にしたことがありますが、その使い方は間違いです。
大きさも線路幅(ゲージ)もばらばらな各国の車両を、すべて同じ9mm幅の線路上で走らせるよう取り決めた鉄道模型です。値段が手ごろなことや、狭い場所でも思い切ったレイアウトを作れる特長があり、大変広まりました。
車体の縮尺は国などによって違い、日本の狭軌の車両は1/150で作ることになっています。しかし小型モーターがなかった時代に蒸気機関車をその縮尺で作るのは難しく、かつては1/130〜1/140くらいのものも多くありました。
ゲージが9mmということは狭軌(1067mm)の約1/119ですから、上廻りの1/150とは縮尺が違います。また小型のため、レールをある程度太くし車輪も厚く作らないと安定して走れません。模型化にあたって全体を単純に縮小できないところに面白さがあり、そこに各社のセンスの違いが表れます。実物の写真ではなく似顔絵といったほうが近いでしょう。
このサイトは、メーカー間の表現の違いをできるだけ楽しんでいただけるように作りました。
なお、ここでとりあげているNゲージ鉄道模型のほかにも、「Nゲージ」という商品名の玩具・完成模型も各種売られていますが、別のものです。
このサイトでは、「Nゲージ」と同じ意味で使っています。古い言い方でもありますが、何となく発音の歯切れがよいので好きです。
KATOとトミックスは毎年カタログを発売しています。マイクロエースもかつては発売していましたが、2012年のVol.4よりあとは発売されていません。
カタログに載っているのに店頭にない商品はたくさんあります。ほとんどの製品はたまにしか生産されないうえ、次の生産まで在庫が持たずに売り切れてしまうためです。特に車両の場合、店頭になければ問屋にもメーカーにも在庫はまずないので、メーカーに注文しても取り寄せられる可能性は低いです。
有料で売っているカタログに載っている製品が、そのカタログの販売期間中に買えないことも多いのですから、知らないうちは戸惑うと思います。今のところ、Nゲージのカタログとはそういったものです。
人気の高い車両は、買い逃しても再生産されることがあります。1年以内に再生産されることもたまにありますが、再生産まで10年以上かかることもあります。今後再生産があるかどうかを予測する方法はありません。
欲しい模型を新品で入手するには、新製品を力のあるお店で確実に予約するか、10年、15年…という気長な姿勢で再生産の可能性に賭けることになります。しかし今では中古品販売やネットオークションという市場も存在しているため、以前よりは買い逃した品を入手する手段は増えています。
このサイトでは各所で「蒸機」と略しています。趣味で蒸気機関車に関する話をする人は、あまり「SL」とは言わず、「蒸機」のほうを好むようです。ただし一般的な話をすれば、「SL」という言葉は日本中で広く通用し、辞書にも載っており、別のものに誤解される心配はありません。
このサイトでは蒸気機関車の全体の格好(主にシルエット)という意味で使っています。長さと高さのバランスや、動輪やボイラーの太さのバランスなどです。人間でいえば背格好のようなものです。 模型のプロポーションがきちんと押さえられていないと、いくら他の特徴が表現されていても、さっぱり実物に似なくなります。背格好の違う他人に同じ服装や髪型をさせて、同じ持ち物を持たせても、本人に見えないようなものです。
模型と実物の大きさはあまりにも違うので、寸法が正しくても実物どおりのプロポーションに見えないこともあります。個人の好みや思い込みが影響しますし、実物をどの程度の距離で見ていたかによっても印象が変わります。そのため記憶では似ているのに、写真で比べると似ていないということも起きます。
このサイトでは模型同士の形の違いを表面的に比べることはできますが、模型の価値についてまで比べることはできません。そこはまったく人それぞれです。
本来は模型化にあたって実物の特徴を強調する表現手法です。実物では目に留まっても、小さい模型では表現しにくい部分を強調するなどして「それらしく」見せるためのものです。
Nゲージの場合、モーターや動力機構に必要な大きさを確保するため、車体を大きくしたり変形させたりしてまとめることが主にデフォルメと呼ばれているようです。また普及価格の量産品として必要な、部品共通化や合理化までデフォルメと呼ばれることもあります。本来これらは別の概念のものでしょう。単にメーカー完成品の形が気に入らないことが「勝手にデフォルメされた」のように表現されることもあります。
小さい模型を極端な急カーブで走らせるのですから、車輪ひとつとっても実物と同じ格好には作れません。形と性能のバランスを保たせて、いかに実用的な商品にまとめるかがメーカーの工夫のしどころです。買う側には表面的なことしかわかりませんから、せっかくの工夫がユーザーに気に入ってもらえないこともあります。好まれる製品というのは時代によってどんどん変化していくのも難しいところだと思います。
機関車の基本形の上に表現された、各種パーツや手すり、リベット、配管などの詳細部分の表現です。プロポーションがよい模型をディテールアップすると、一層実感が増すものです。またプロポーションの再現に制限がある模型でも、特徴的なディテールアップを施して感じを出そうという試みも行われます。
ディテールアップ用のパーツは色々市販されているので、ディテールが不足と感じたら、力量に応じて気の済むまで取り付けていくことができます。パーツそのものを工夫して自作してみるのも楽しいものです。最近では光造形式3Dプリンターを使ったパーツ製作も個人レベルで行われるようになりました。
一方、9mmゲージの車両の見え方は、実物の列車全体を遠方から眺める感じになることが多いので、あまり目立たないものは無理に作らず、適当に省略したほうがよい場合もあります。前述のデフォルメとも関係しますが、よく見えない特徴をあえて見せたり、見えすぎると似なくなる特徴を目立たなくしたりと、そのさじ加減が難しいところです。
他人が見ると不自然にパーツが混んでやりすぎに見えることもあり、「おみこし」などと言われてしまうこともあります。しかし難しいことを考えず、模型にパーツを取り付けて飾ってみるのは実際に面白いことで、改造の練習にもなります。いきなり車体を切り込んで形を変えていく改造は大変です。
また、きちんと塗装を終えるまで、ディテールアップの効果のほどは評価できません。特に黒いプラ車両に金色の真鍮線の配管をたくさん施すと、途中の過程では相当大げさに見えます。最後にきちんと塗装したときに、配管類は一回り細く見え、狙った効果が出てきたりします。
モーターを機関車のどこに積み、どの車輪を回転させるかという方式です。車のFRとかFFとかいうのと同様です。いろいろ発明できるでしょうが、現在は次の3種が主流です。
テンダー(炭水車)にモーターを置き、テンダーの車輪を駆動して機関車を押します。ギア類も全部テンダーに入るので、あまり小型のテンダーには向きません。また、船底テンダーでは、動力台車が丸見えになるのであまりすっきりしません。
テンダーの重量が多く取れないと牽引力が弱くなってしまうので、ワールド工芸ではエンジン側に積んだ補助ウエイトの架重をテンダーにもかける特殊機構を採用したものもあります。
トミックスの旧C57、エンドウの9600、ワールド工芸の多くの製品、中村精密の多くの製品がこの方式です。
テンダーにモーターを置き、機関車本体(エンジン)にシャフトを伸ばし、機関車の動輪を駆動します。テンダーはモーターが入る大きさがあればOKです。
動輪駆動のため機関車側に重量が必要ですが、集電と駆動の安定化のためテンダーにも重量が必要です。
KATOの初代C50、トミックスの9600、乗工車のC56などがこの方式です。
機関車本体にモーターを積み、動輪を駆動します。現在最も一般的な方法です。
機関車内部にモーターを置くスペースが必要なので、プラ量産品では全体を1/140くらいに大きくしたり、ボイラーを太くしたり、車高を上げたりしてやりくりすることがあります。キャブの中いっぱいにモーターが詰まっていたり、後ろからはみ出している模型もよく見ます。
機関車にモーターだけを置き、テンダーを駆動するというエンジンモーター・テンダードライブも考えられますが、ほとんど使われません。
このほかに「ダミー」とか「幽霊」とかいう方式もあります。これは機関車を動力化するのはあきらめて、後続の客車や貨車にモーターを積み込んで駆動させ、押してもらうという方法です。 KATOの「チビロコ」や、中村精密の7100(弁慶)がこの方式です。走らせてしまえば運転の楽しさは他の駆動方式のものと変わりません。
蒸気機関車は、対になっている左右の動輪のうち、一方が他方より90度先に回転した位置になっていて、多くの形式は右の動輪が進んでいるので右先行といいます。9600は逆で左先行です。
左右同時に目に入ることはないので、模型の場合は違っていてもたいしたことはありません(それより大きい実物との差異などいくらでもあります)。
KATOの場合、一般の蒸機は右先行、9600だけは左先行というように作り分けてあります。マイクロエースでは形式と関係なく初期は左先行でしたが、その後時期や形式により右先行のものも混在しており、メーカーとしてもあまり重視していないようです。
マイクロエースの蒸気機関車は上下に伸びて見えるものが多く、特に動輪とランボードの間が空いて見えるので「腰高」と呼ばれます。
腰高というとランボードが高いように聞こえますが、実際にはそうとは限りません。動輪がやや小さくボイラーが高いせいで、プロポーションとしては腰高に見えるということです。
なお動輪が小さいのは、フランジの高さを確保するため仕方のなかったことかもしれません。これはマイクロエースに限ったことではありません。小型の模型は機構的な制約も多いので、努力してもなかなか似ないのですね。自分で作ったり改造したりしてみると、似せることの難しさがよくわかります。
完成品とは異なり、組み立て前のパーツ一式がセットになっており、自分で組み立てて完成させる形式の製品です。
Nゲージの機関車はもともと完成品ばかりでしたが、1980年頃から一部のメーカーが金属製のキットの発売を始めました。現在ではワールド工芸が最も多くの蒸気機関車キットを発売しています。
多くはハンダ付けによって組み立てる真鍮キットで、動力部の組み立て調整や塗装も必要なので、ある程度の工作経験が必要です。組み立てに必要なすべての部品が含まれているキットと、車輪や配管用の真鍮線など、一部のパーツは別途用意しなくてはいけないキットがあります。
初めての方にはトーマモデルワークスの「3D雨宮Bタイプ(一体型キット)」「日車35トンCタンク 南薩4号機(動力組立済キット)」や、アルモデル(アルナイン)の「とても簡単な」シリーズなどが取り組みやすいと思います。
Nゲージについてまったく初めてというかたは、「Nゲージを始めるには」もどうぞ。蒸気機関車中心ではありますが、もっと一般的なことについてご説明しています。