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三井埠頭5号機(新)の組み立て(4)

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ロッドの取り付け

うまく走るようになったら、輪心とロッドを取り付けます。
今回は説明書に手順がきちんと書かれているので(当たり前のような気もしますが)助かります。大切なことがたくさん書かれているので熟読し、説明書のとおりに組み立てました。

輪心の調整

輪心をはめる前に、中央の穴を2.5mmのヤスリでさらいます。また写真のように、平ヤスリの上で軽く回してフチのテーパーを若干削っておくと入れやすくなります。
ただし、強くこすり付けると細いスポーク輪心が壊れてしまうので注意が必要です。

ピン穴の貫通

ロッドピンの入る穴は、1.0mmドリルを通しておきます。
第1動輪はロッドを取り付けないので、この穴の周りの突起は削っておきます。

今回は第1〜第3動輪までギヤ連動で、第2・第3動輪のみサイドロッドで連結する構造です。

輪心をはめ込む

ピン穴の位置を真下に揃え、輪心をはめ込みます。
左右に動輪を動かすと少しギヤのガタがあるので、その中間あたりで真下に来るようにします。

きちんと穴が揃ったら(特に第2・第3)、輪心が動かないように少量の接着剤で固定するようにと書かれています。
私はあらかじめ輪心の裏側に、少量のゴム系接着剤を付けておきました。今回はそれで十分でした。

サイドロッドの取り付け

サイドロッドの穴を第3動輪の穴に合わせ、ロッドピンをまっすぐ差し込んで留めます。
きついときは無理せず、もう一度輪心の穴を1.0mmドリルで軽くさらいます。

あまり最後まで深く差し込まず、ピンの頭との間にロッドの厚み程度の余裕ができるようにしました。

前方には、エキセントリックロッドの先端が入る金具を1.0mmネジで留めます。
※当初説明書には1.4mmネジと指定されていましたが、メーカーサイトにて訂正されました。

クロスヘッドの確認

組み立て済みのクロスヘッドをスライドバーに通し、軽く往復するか確認しておきます。
クロスヘッドのピストン棒の先端は切りっぱなしになっているので、ヤスリで平らにしておきます。またスライドバーの上下も目の細かい耐水ペーパーで磨いておきます。

旧キットでは、クロスヘッドの折り曲げも、メインロッドのカシメも自分でやる必要があったので、面倒で失敗の危険も高かったです。今回のキットは楽です。
なお、無理な力を加えずに丁寧に扱わないと、カシメが取れる恐れがあるかもしれません。

シリンダーの取り付け

シリンダーブロックを台枠先端にネジ留めします。このとき、なるべく車体の外側に寄せて留めるとよいようです。
メインロッドの穴を第2動輪に合わせます。

メインロッドは、あらかじめ説明書を参考にゆるく内側に寄せるように曲げておきますが、曲げるといってもほんのわずかです。曲げが強すぎても弱すぎても、サイドロッドやクランクピンに強く当たってしまい、動きが悪くなります。

リターンクランクの取り付け

リターンクランクのついたエキセントリックロッドは、一番長い位置ぎりぎりでランナーから切り離します。

エキセントリックロッドの先端を穴に通してから、クランクピンを第2動輪の穴に差し込みます。このとき、傾かないようまっすぐ差し込みます。きついときは再度1.0mmドリルで輪心の穴をさらいます。

公式側ロッド完了

片側のロッドが全部付いた状態。クランクピンの差し込みも、深くなりすぎないように余裕を持たせます。浅すぎてもエキセントリックロッドが外側に斜めに飛び出して、スムーズに往復しなくなります。

走行チェックしながらスムーズに動くように調整します。

動力ユニット完了(非公式側) 動力ユニット完了(公式側)
同じ要領で反対側も組み立てます。反対側は動輪が90度先行しているので、輪心のはめ込みのときに注意します。 完成した動力ユニットです。
動力ユニット完了(非公式側) 同じ要領で反対側も組み立てます。反対側は動輪が90度先行しているので、輪心のはめ込みのときに注意します。
動力ユニット完了(公式側) 完成した動力ユニットです。

仕上げ

ウエイトの取り付け(1)

今回の製品にはウェイトも付属しています(旧製品にはありません)。
説明書の通りに切ったり削ったりして、サイドタンクの中と、煙室の中に取り付けます。

サイドタンクのウエイトは、あとで取り付ける動力ユニットの床板に触れないようにします。また、ボイラー裏側にドームの取り付け足などが出っ張っていないか、もう一度確認します。

ウエイトの取り付け(2)

後部タンクの位置にもウェイトを付けます。これは外から見えるので黒く塗るとよいのでしょうが、忘れてしまいました。

ナンバーの取り付け

安全弁を金色で塗り、ナンバーを貼り付けます。前後の窓ガラスは省略しました。

あとは動力ユニットをネジ留めし、後部に床板をネジ留めすれば完成です。

完成

完成 よく走るようになり、とても嬉しいです。
完成

しかし。
前のページで起動電圧が高いと書きましたが、その理由はまだどこかに不具合(磨き不足など)があったためでした。本来の姿より回転がしぶかったようです。
そのまま走らせているうちに、次第に走行音がガーガーと大きくなり、軸受け部の車軸が磨り減ってきてしまいました。これはマズいです。

仕方ないので分解して調整をやり直しました。ギヤ軸が再使用できなくなりますが、今までキットをたくさん組んだので余っていました。

分解

動輪を引き離さなくてはならないのは旧キットと同じですが、スライドバーを安全に取り外せるので、旧キットよりは気が楽です。

動輪を抜き取るときに、勢い余って台枠を曲げては大変なので、原始的な抜き取り金具(写真右側)を作って使いました。 A・B部のフォークを左右の車輪と台枠の隙間に差し込み、C・D部をヤットコなどで挟むと、車輪の間がカクンと開いて軸から抜けるというものです。なんかボロっちいですが役に立ちました。
安物の万力などにフォーク金具を取り付けて、もっとましなものを作れるかもしれません。

分解後、軸穴をもう一度入念に整え、各種ワッシャの切り口や裏表も磨きなおして再組み立てしました。今度は低電圧から非常に軽く動き出すようになりました。

油さし

説明書には、「軸受部はごく少量ですが、集電向上、防錆用のオイルをさしておくと良いでしょう」とあります。
軸受けは通電部分なので、普段オイルが付かないよう注意していますが、電気接点やモーターにまで油をさすという流儀の方は確かにいらっしゃいます。

何事も経験だと思い、針先で金属の軸受け部分にだけ微量の油を付けてみたところ、音が静かになり、走行も目に見えて滑らかになりました。意外にも集電状態も良好です。恐らく集電不良で動かなくなるだろうと思っていたので、自分の頭の中にあった理屈に合いません。

使った家庭用シリコンオイル(写真)そのものは絶縁体だと思いますが、きれいなオイルをさすことによって軸受けの接触状態に影響があり、何かが改善したのかもしれません。でも普通市販品の軸受けからは油を拭き取りますよね。オイルがきれいなうちはよくても、きっと汚れてくると通電不良になるのでしょう。
今度は導電性のオイルを用意して試してみようかと思っています。

「油をさすな」と書かれている製品にはさしません。

小半径には強いようです。R80も通過しました。

R80通過

完成

今回は色々なことがわかって実りが多かったです。次はもう少し手戻りなしに組み立てられればいいと思います。
(おわり)


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