Nゲージ蒸気機関車>蒸機の工作>日車Cタンク(新動力)の組み立て(トーマモデルワークス)
ロッド類を取り付けて、動力部を完成させます。
輪心の穴に、M1.0タップを立てました。
輪心を接着する前に、この穴にロッドピンが軽くねじ込めることを確認したほうがよいです。私は、ネジがゆるくなりすぎるのを恐れて(M1.0の場合、時々あります)、軽くネジを切る程度にしておいたのですが、接着後のロッドピンのねじ込みが固く、ねじ込むと輪心の接着が外れて一緒に回ってしまう有様でした。
ネジを切ってから、輪心の向きを揃えて動輪に接着しました。ギヤの遊びがあるので、それぞれのアソビの中央ぐらいの位置が揃うようにしました。説明書にもこの要領は書かれています。
右側は90度先行させて接着しました。いずれも目分量です。
左右のサイドロッドです。
3軸ともギヤ連動の動輪に取り付けるので、クランクピンの穴に余裕がないと、互いの動きが戦ってぎこちなくなってしまいます。
あらかじめ穴は大きめに作られており、特に第1・第3動輪の穴は長穴になっていますが、私は様子を見ながら上下にも少し削りました。もし広げすぎたら、ヤットコで少し上下から押しつぶして狭くするつもりでした。
サイドロッドの裏側を平ヤスリで軽くヤスり、さらにサンドペーパーで磨いて、動輪に引っかかりにくいようにしておきました。
旧動力のロッドピンは、マイナスドライバーを使うネジでしたが、新動輪では六角ネジになっています。
六角ネジを回すため、頭に六角穴の掘られたボルトが付属しています。
そのままでは少し回しにくいので、ピンバイスにくわえて使うのがよいかもしれません。
また、トレインショップの蒸機シリーズに付属していた六角レンチ付きのドライバーも、そのまま使えました(写真下)。
左右のサイドロッドを六角ネジで取り付けました。ネジ穴はホワイトメタルで柔らかいので、締めすぎに注意します(しかし、緩すぎると走行中に落ちます)。
第2動輪ピンは長い六角ネジです。走行チェックのために取り付けましたが、あとでメインロッドを付けるときにいったん外します。
この状態で走行チェックしました。スムーズに走りましたが、ぎこちないときは輪心の位相や、ロッドのクランクピン穴の大きさなどをチェックすることになるかと思います。
公式側のクロスヘッド(B1)と、メインロッド(B3)です。旧動力ではピストン棒の部分も別パーツでしたが、新動力ではクロスヘッドと一体化して組みやすくなっています。
クロスヘッドは上部の折り線(点線部分)を山折りし、裏側に2つ折りにします。挟まれた部分の溝にはスライドバーが通ります(次の写真を参照)。スライドバーからクロスヘッドが落ちる心配がありません。全体によく改良されています。
メインロッドはビッグエンドを裏側に山折りして、2枚重ねにします。
折り曲げる前のクロスヘッドを裏側から見たところです。
折り線の上下にある溝が向き合って、クロスヘッドを貫通する穴になり、そこにスライドバーが通ります。
引っかからないよう、サンドペーパーで溝を磨いておきました。
先端のピストン棒もサンドペーパーで磨きました。
クロスヘッドとメインロッドの所定の箇所を折り曲げたところです。
時々失敗するカシメです。
クロスヘッドとメインロッドの穴を重ねて銀ピンを差し込み、万力で上下から圧迫して締め付けました。要領は説明書に書かれているとおりです。
昨年はメインロッドが浮いたままカシメられて失敗したので、今年はクロスヘッドとメインロッドがぴったり重なるよう、特に注意しました。
うまくいきました。裏側から見たところです。
ピンの余分な出っ張りは、あとでカットしました。
スライドバーの部品B7を折り曲げ、スライドバーはサンドペーパーで磨いておきました。
クロスヘッドをスライドバーに通し、スムーズに往復することを確認しました。
もし、クロスヘッドがメインロッドに斜めに引っ張られて、ピストン棒が引っかかるときは、※印の穴を細いヤスリで少し広げるとよいかもしれません。広げすぎるとどうなるかは未確認です。
スライドバーとクロスヘッドをフレームに取り付けました。
1. スライドバーの後端を、フレームの横に張り出している穴に通しました。
2. M1.4×L1.5ネジで留めました。
メインロッドを、六角ネジ(長)で第2動輪に留めました。
この状態で走行をチェックしておきます。特に問題はありませんでした。
もし、ゴロン・ゴロンとむらのある動きをするようなら、どこかが引っかかっていたり、摩擦が強かったりしていると思います。
また、サイドロッドと動輪のギヤ連動のマッチングがあまり良くなかったのが、メインロッドなどを付けることによって目立ってくることもあります。各部の穴を広げたり、磨き直したり、第2動輪ピンに強く当たらないようにメインロッドの位置を調整したりします。
ウォームのかみ合わせが不適切で回転にむらが出ることもあります。モーターの前後位置を調整します。
集電ブラシを動輪に接触させている場合は、その接触具合も大きく影響し、調整が長引いたりします。
今度は反対側です。
同じようにクロスヘッド・メインロッドを準備して組み合わせ、万力でカシメました。今までの失敗例を思い出して…。
うまくいきました。ピンの余分な部分をカットしました。
今までのトーマモデルワークスのキットの中には、クロスヘッドがカシメ済みのものもあったのですが、やはり手間がかかるのでしょう。最近はユーザー組み立て式に戻っています。
それでも昨年の旧キットと比べると、部品構成も整理され、組み立てやすく改良されているところがたくさんあります。全体的にはとても快適に組み立てることができました。
公式側と同じように取り付けました。
走行チェックの結果、ここまでは問題ありませんでした(ここまでは…というのは、上廻りを取り付けると思わぬ問題が出てくることもありますので)。ウェイトを載せなくても、単体ならよく走っています。
これで動力ユニットの組み立ては終わりです。旧動力に比べると、ずいぶん簡単に感じました。ワールド工芸の小型機の組み立てに慣れた方なら、調整らしい調整をしなくても、一度でスムーズに動くかもしれません。