Eminem 〜 Dr.Dreの野望 〜
Back D-WanとHip
Hop ここが違うよ!2Pac!
ドン!
Eminem Hip Hop
その他
- Eminem
現在、あらゆる面から考えて、最も可能性を秘めてるラッパーは、このEminemしかいないでしょう。彼は、白人ラッパーですけど、その実力・センス・芸・キャラなどなど、ズバ抜けた物を持っています。
- 白人ラッパー in Hip Hop
Eminemは、アンダーグランド時代、かなり名の知れた人だったみたいですねぇ〜。それでも、彼の特集を載せた雑誌を見ましたが、実力うんぬん以前に、白人というだけで、ブーイングされて受け入れられなかった事もあったと。昔、Vanilla Iceという白人ラッパーがいましたが、あまりにも作られたアイドル・ラッパーだった故に、白人の女の子には人気があった一方で、こっち側では、ボロクソ状態でした。そんな、とんでもねぇ〜野郎がいたからか、トラウマの如く、白人というだけで、拒絶反応がでてしまうんでしょうか。なんにせよ、このジャンルは、「白人は認めねぇ〜」的なところが十分すぎる程あります。
- 実力
はっきり言って、彼のラップはトップクラスのものです。個人的に、私は、彼を他のラッパーと比較出来ない程の存在と思ってますが、現在、トップ5を選べと言われれば、誰もが、まず間違いなく、この人の名前をいれると思います。雑誌で見ましたが、RZA,Timbaland,Nasなどなどが、彼の実力を絶賛してると・・・この業界のトップとして一目置かれてる、とうの黒人達が認めるほどの実力の持ち主なのです。彼らが、Eminemを認めちゃうその1番の要因は、なんと言ってもEminemのリリックが、彼らのリリックよりバイオレンスだからと思います。逆に言うと、そこまでズバ抜けた実力がないと、現在、白人ラッパーが、シーンに出てくることは、かなり難しいんじゃないかと思います。
- 声&キャラ
彼のラップですが、かなり特徴があります。確か、「Slim
Shady」という架空の人物を操る&演じるというようなことだったと思いますが、それが異様に彼の声質とマッチしてて、十分に魅力を出してると思います。Eminemの声は、浮いてるというか人肌を感じさせないというか、上手く言葉が見つかりませんが、ワンテンポ置いてる感じがします。例えるなら、アニメの声優です。彼らは、アニメの役のために声を作りますが、地声と比べると異様に声が浮いてるのを感じます。Eminemの場合、天然で声がそうなってるのか、アニメの声優と似てると私は感じますし、アニメの声優をやらしたら面白いと思います。そんなんで、彼のSlim
Shadyというキャラですが、曲の中で1人歩きしてて、十分にそのスタンスを表現出来てると思います。彼の寸劇・劇画調の曲をさらに引き立たせてます。
- 立ち位置 (注)私はEminemの詩は、ほんの少ししか知りませんし、他のラッパーが、どんなことラップしてるのか全然、調べたことないし、知りません。ですので、おそらくで書いてます。
手のつけられない悪ガキ、口の減らない奴、遠慮なし・手加減なしのバイオレンス・・・そんなんが、彼のイメージとして思い浮かびます。それらは、彼の立っている位置によって生まれてると思います。普通のラッパーは、自分というものを中心に物事を見てるから、当り障りのないリリックになってしまいます(ラッパーに限らず、殆んどのアーティストがそうだと思いますが)。例えば、よく仲間の裏切りや成功への嫉妬などをラップしてますが、全ては、嫉妬された側・裏切られた側に立って、語られると思います。「俺は裏切った」なんて、話聞いたことないです(あるかも、しれないけど)。で、このEminemですが、彼は違います。例えば、自分の子供(赤ちゃん)を、ほったらかしにして、死なせてしまった事件がありましたが、そのリリックを書いてみます。
私は、去年結婚した17。
でも、上手くいかなくて、すぐバイバイ。
今は、スカンク(赤ちゃん)と2人暮らし。
毎日が・・・全てが・・・頭痛の種。
暗闇に流れる音楽、眠れない夜が続く。
頭がおかしくなるよ・・・病気だね。
決めた。新しい彼氏と1週間、バカンス。
(中略)
ちょっと聞いて、家に帰ってきたら、すごい臭いの。
ほんと、最後まで世話かけるのね。
ちょうど、明日、生ゴミの日だ。よかった。
でも、なんか病気治ったみたい。
これから、また、昔のように、毎日、遊んで楽しもう。
- と、悪いほうの視点で考えると、こんな感じです。私は、Eminemが、問題のある方に立って、ラップしてると思ってますし、彼のその立ち位置が、さらなるヴァイオレンスを可能にして、他と一線をかす存在にさせてると思います。(もっと彼のリリックをチェックしたら、考えが変わるかもしれないです)
- アイドル&幅
雑誌で見ましたが、彼のファンには、白人のティーンの女の子が多いと。Eminem自身、白人ですから、黒人のようにStreet、Gangsta、Thugなんかにとらわれる事は、出来ないと思うし、その必要もないと思います。彼のラップしてることは、ティーン・人間が持つ憂鬱や不満や理性に抑えられてる願望なんかじゃないでしょうか。その部分で、なんとなく尾崎豊に似てると感じます。“My Name Is...”で、クリントンとモニカのスキャンダルを面白可笑しく、笑いにしてますが、これなど、彼のユーモアや幅のあるとこをみせてます。そのユーモア・幅・センスによって、彼のバイオレンスが、重くならずに異様に軽くなってるというか、和らげられてると感じます。自分の母ちゃんさえもネタ・笑いにしてますし、自分自身をもネタ・笑いに出来る人だと思ってます。彼は、キャラ・実力が超一流だけじゃなく、十分なアイドル性や幅広くアピールできる部分を兼ね揃えてるを垣間見せてます。これが、あらゆる面で、1番重要だとみています。
- 「Slim Shady」
Eminemのスタイルにおいて、この「Slim
Shady」は、重要な役割をしていると思います。こんだけの冷酷なヴァイオレンスですので、Eminem本人が、危ない奴に見られるんじゃないでしょうか。そこで、「Slim
Shady」という架空の人物を作って、そのキャラを通してヴァイオレンスを表現すると、Eminemが受けるはずのマイナス・イメージを、「Slim
Shady」が受けて、少しは和らげてる部分があるんじゃないかと思います。それと、「Slim
Shady」を立体化できる彼の声質もなくてはならないです。
- 影響
彼の出現で、立ち位置をマネして、ラップをする人が出てくると思いますし、彼の出現以前にもいたと思いますが、Enminem程、ブチ切れられないだろうし、ヴァイオレンスを出し切れないだろうし、こなせないだろうし、話題にならないと思います(ついでに、「Slim
Shady」みたいな分身を作れないだろうし)。Eminemのやってることは、黒人に限らず、白人も含め・・・と言うか、人種を超えた部分・・・すべての人間が持ってる悪の部分を、強調してるわけですから、自分の経験・体験・考えだけを語ってるラッパーでは、限界があると思います。黒人社会といっても、銃や血の匂い、ダチの死などと平行して、そこには、ルールや仲間達の絆なんかもあったりしますが(あと、「俺はすげぇ〜んだぜ的」部分)、Eminemの場合は、世の中にあるルール無用のヴァイオレンスを表現してると思います。簡単に言うと、血も涙もあるヴァイオレンスと冷酷なヴァイオレンスの違いかと・・・そんな感じですかね。これから、Hip
Hopが変わるというか、幅が広がる可能性はあると思います。
- Rock
Eminemは、白人のティーンに人気があるわけですけど、彼らはEminemの事をカート・コバーンやKornなどと同じように見てるんじゃないでしょうか(Rockのことは全然知りませんが)。普通、白人はRockで表現するのに、なぜだかEminemはHip
Hopというジャンルで表現してます。古くはRun DMCに始まり、最近ではPuffy,Ice Cube,DMX,SnoopなどがRock勢と合体しました。が、彼らがそこから何か新しいものを生む事は出来ずに、ただ単に「一緒にやりました」と、あくまで企画モノ的要素しか感じられませんでした(当然ですけど)。
が、このEminemは別です。Rockの匂いがプンプンします。彼の場合、ド真ん中のRockサウンドに乗って、ラップしても全然、違和感がないだろうと感じます。「Rockサウンドで、ラップする」・・・アルバムの中で1曲、2曲やる&半分やるんじゃなくて、これで丸々1枚アルバム制作して欲しいです。未知のモノですが、話題性もあるだろうし、かるく300万枚は売れるんじゃないでしょうか。Rockには全然、興味ないですが、やったら即買います。これが出来るのは、Eminemしかいないですから、これは絶対に実現して欲しい!
- 総評
ヴァイオレンスだけじゃなく、ユーモアやセンスなども兼ね備えてる。幅広い層にアピールできる&投げかけられる彼のテーマ。Hip
Hop界に留まらず、Music界全てを見渡しても、彼みたいな存在は稀だと思うし、強烈な個性をはなって、十分な存在感があると思うけど。実力・ラップ・キャラ・スタイル・ヴァイオレンス・ユーモア・アイドル性・センスなどなど、あらゆる要素がガッチリ噛み合って、ここまでの存在を出してると思います。彼のアルバムは、1000万枚売れる可能性はあるんじゃないでしょうか。個人的に、そんぐらい売ってくれ&売れてくれと思ってます。
- Dr.Dre
Eminemを語るうえで、この人の存在を抜きに語る事は出来ません。こんだけの実力があるEminemですが、Dreの影があるのとないのとじゃ、大違いだったでしょう。シーンに出てこれなかったとまでは、言い切れませんが、彼がいくら実力があるからといっても、Blackオンリーのこのジャンルのど真ん中に入り込めて、順調にいったのは、この業界のドンであるDreが認めたという問答無用のお墨付きが、少なからず影響したと思います。あとは、Eminem自身のバケモノ級の実力で、このジャンルのど真ん中にいとも簡単に座り込んじゃいました。
Dreが、自分で手掛けるアーティストに要求するものは、実力はもちろんのこと、「業界を引っ張っていけるだけのスパースター性」・・・・この両方です。アーティストとして最前線に立つ気のないDreにとって、自分以上の売上げを記録できない人では、手掛ける意味はないです。今まで、これをクリアしてるのは、N.W.A.とSnoop
Dogg・・・そして、このEminemです。他のジャンルと比べると、このジャンルはあまりにも売上げが低いです。ミュージックというジャンルの中に入ってしまったら、300万枚、400万枚の売上げを連発してきたDreも「あんた、誰?」状態です。そんなDreにとって、もうワンステップできる願ってもないチャンスが訪れてます。アイドル性があり、幅広い層へのアピールができるEminemなら、N.W.A.やSnoop以上の活躍が期待できます。目標1000万枚です。
Eminemにとって、Dreの存在はどうでしょうか。彼の曲“Gulity Conscience”を中心に考えていくと、Dreがベスト・パートナーなんじゃないでしょうか。Eminemは、「手のつけられない悪ガキ」、「口の減らない&遠慮なしの奴」ですから、そんな彼の魅力を引き立てようとする場合、相手は自ずと、損な役割をすると思います。そして、その相手は限られた人にしか出来ないです。まず、「俺が1番」精神の第一線で活躍しているラッパーが、引き立て役をすることは無理です(相手を賞賛することは、出来ますが)。Dre以外で、あとは誰がサポート役になれるか考えると、「まぁ〜、出来ないこともないかぁ〜」という感じで、TimbalandとJDしか思い浮かびません。ですが、TimとJDじゃ、Eminemのスタイルとあまりにもかけ離れていますし、プロデューサーとしては1流ですけど、スター性では、Dreよりも明らかに劣ってます。それと、貫禄です。Eminemが、大物アーティストなどをおちょくってますが、あれは相手が明らかに大物だから聞き流せますが、中物をおちょくった場合は、バカにしてることになるし、洒落にならない部分がでてくると思います。その点を考えると、Dreが1番でしょう。彼なら十分な存在感・貫禄がありますから、なに言われようが、受け止められます。大人なのと貫禄で、Ice-Tも考えられますが、彼の場合は、シーンの最前線での活躍ができてないです。そんな事を総合して考えていくと、Dreがベスト・パートナーでしょう。1番売れる可能性のあるラッパーと1番売れるプロデューサーですから。
- 今後
Eminemは、Dreにとって最大で最後のパートナーになるんではないでしょうか。はっきり言って、この先、Eminemを超えるパートナーが、現れるとは考えられないです。昔、雑誌でDreは、「ブラック・ロックンロールなるジャンルを作る」などと、語ってました。もうHip
Hopの世界では、頂点を極めて、すべてやり尽くしたと思いますし、次に何をやるのか見えてこないです。そうなると必然的にEminemのRock転向があって、「ブラック・ロックンロール」とは言い切れませんが、そこにDreが絡んで、何かを作り出すんでは・・・それしかないですし、本気でDreが新しい事をやろうと考えてるいるならEminemを手に入れた今が、最大のチャンスなのではないでしょうか。
注)私はEminemの詩は、ほんの少ししか知りませんし、他のラッパーが、どんなことラップしてるのか全然、調べたことないし、知りません。そんなんで、「こんな感じだろう〜」という部分でほとんど書いてます。これから、いろいろ知っていくにつれ、考えが変わり、大幅に書き換える可能性があります。
Back D-WanとHip
Hop ここが違うよ!2Pac!
ドン!
Eminem Hip Hop
その他