『セロ弾きのゴーシュ』の第十一話です。
.
|
|
.
|
|
.
|
* 『セロ弾きのゴーシュ』 25p * .
|
宮沢賢治の最高傑作だにゃぁ、『セロ弾きのゴーシュ』。
楽長がいんだにゃぁ。三毛猫、かっこう、子狸、野鼠の親子、いんだにゃぁ。
そしてゴーシュがいんだにゃぁ。『セロ弾きのゴーシュ』、いんだにゃぁ。
名セリフ・オン・パレードだにゃぁ。
っつーことで、『賢治童話を丸写しシリーズその43』だよん。(^ ^;
<楽長さん、熱くなっでるだなや。>
「セロがおくれた。トォテテ テテテイ、ここからやり直し。はいっ。」
「セロっ。糸が合わない。困るなあ。ぼくはきみにドレミファを教えてまでいるひまはないんだが
なあ。」
「だめだ。まるでなっていない。このへんは曲の心臓なんだ。それがこんながさがさしたことで。」
「諸君。演奏までもうあと十日しかないんだよ。音楽を専門にやっているぼくらがあの金沓鍛冶
(かなぐつかじ)だの砂糖屋の丁稚(でっち)なんかの寄り集りに負けてしまったらいったいわれわれ
の面目はどうなるんだ。」
「おいゴ−シュ君。君には困るんだがなあ。表情ということがまるでできてない。怒るも喜ぶも感
情というものがさっぱり出ないんだ。」
<第一夜、トマトを持って来た三毛猫クン、にやにや生意気だにゃぁ。>
「ああくたびれた。なかなか運搬はひどいやな。」
「先生、そうお怒りになっちゃ、おからだにさわります。それよりシュ−マンのトロメライをひいて
ごらんなさい。きいてあげますから。」
「いやご遠慮はありません。どうぞ。わたしはどうも先生の音楽をきかないとねむられないんで
す。」
<第二夜、かっこうは、正確なドレミファを習いたいんだとさ。>
「ところがそれがひどいんです。たとえばかっこうとこうなくのとかっこうとこうなくのとでは聞いて
いてもよほどちがうでしょう。」
「なぜやめたんですか。ぼくらならどんな意気地(いくじ)ないやつでものどから血が出るまでは叫
ぶんですよ。」
<第三夜、子狸クン、『愉快な馬車屋』の楽譜をしょってるんだなや。>
「狸汁ってぼく知らない。」
「だってぼくのお父さんがね、ゴ−シュさんはとてもいい人でこわくないから行って習えと云った
よ。」
「ゴ−シュさんはこの二番目の糸をひくときは奇態に遅れるねえ。なんだかぼくがつまずくよう
になるよ。」
<第四夜、野鼠の親子は栗の実を持って来たずら。>
「だって先生先生のおかげで、兎さんのおばあさんもなおりましたし狸さんのお父さんもなおり
ましたしあんな意地悪のみみずくまでなおしていただいたのにこの子ばかりお助けをいただけな
いとはあんまり情ないことでございます。」
「はい。からだ中とても血のまわりがよくなって大へんいい気持ちですぐに療(なお)る方もあれ
ばうちへ帰ってから療る方もあります。」
(丸写しオシマイ)
『賢治童話を丸写しシリーズその43』でした。
『セロ弾きのゴーシュ 』の漫画の紹介
@片山愁:銀河鉄道の夜(角川書店)
Aあすなひろし:宮沢賢治漫画館(潮出版社)第1巻
B高畑勲(監督):セロ弾きのゴーシュ(アニメージュ文庫V
徳間書店)
Cますむらひろし:ラビット・タウン(朝日ソノラマ)
D松田一輝:文芸まんがシリーズ15銀河鉄道の夜(ぎょうせい)
◆一等賞は、松田一輝、だにゃぁ。(^
^;
|
@片山愁の漫画版『セロ弾きのゴーシュ』は、ゴーシュ、いくにゃい。
三毛猫がいくにゃい。かっこうがいくにゃい。子狸がいくにゃい。野鼠の親子がいくにゃい。
片山愁チャン、アアタ、猫きらいにゃの?
猫好きの漫画家だったら、こんな無表情でぎこちない猫、じぇったい描けない、んじゃにゃぁい?
動物の写真を見て描いたとしか思えない動き・表情がいくにゃい。漫画的デフォルメ・アクション
がじぇんじぇんにゃい。片山愁チャン、絵がじぇんじぇん動いてにゃいじゃん。
片山愁チャン、アアタの漫画がゴーシュだっちゃ。楽長のセリフをそのまんま、片山愁チャンに
捧げたいにゃぁ。ごみんね。(^ ^;
「おいゴ−シュ君。君には困るんだがなあ。表情ということがまるでできてない。怒るも喜ぶも感
情というものがさっぱり出ないんだ。」
Aあすなひろしは、影、ぐー。小津安二郎ばりのローアングル、ぐー。
楽長、ぐー。三毛猫、ぐー。子狸、ぐー。
ゴーシュ、かっこう、野鼠の親子、のーぐっど。
ゴーシュのコンプレックスがいまいち伝わって来なかったのら。
B高畑勲は、良くも悪くもスタジオ・ジブリなのら。
風景、グンバツ。
人物の表情、薄っぺら。感情、薄っぺら。生活感、薄っぺら。っぺらっぺら。
風景と人物とのギャップ、唖然、愕然、呆然自失。ま、いつものジブリだけどね。
三毛猫、よろし。かっこう、子狸、野鼠の親子、mmmいまいち。
楽長、演技が臭い。渋い脇役っつーの、できんのかね、ったく。
ゴーシュ、大根、ぶりっこ、はしゃぎすぎ、ったく。
そして高畑勲、アアタよろしくにゃい。クライマックスの、ゴーシュのセリフ、
「ねこです、鳥です、たぬきです、ねずみです!!」って、アアタ恥ずかしくにゃいのかぁ、ったく。
これ、宮沢賢治の原作にはもちろんありましぇん。こんな身も蓋もにゃいセリフをゴーシュに云
わせちゃった高畑勲クン、好きくにゃい。感動が安っぽくなっちゃったじゃん。
「こんやは変な晩だなあ。」の浮遊感や、
「ああかっこう。あのときはすまなかったなあ。おれは怒ったんじゃなかったんだ。」の余韻を、
小学3年生(オラのことだども)だって感じる、っつーことを、アアタわかってにゃい。
「こんやは変な晩だなあ。」と、ぼうっとしてるゴーシュが、いいのら。
ガキ相手のアニメ監督にゃのに、
「これくらい懇切丁寧に説明してやんないと、ガキどもにゃわからんやろな。」
っつーガキをなめきったようにゃ演出、やだにゃぁ。
高畑勲クン、アニメ監督でしょ、
「ねこです、鳥です、たぬきです、ねずみです!!」っつー恥ずかしいセリフをカットして、Aあす
なひろしのように、せめて映像表現だけにとどめてほしかったにゃぁ。ガキなめちゃいけねぇずら。
高畑勲クンには、Aあすなひろしの漫画版『セロ弾きのゴーシュ』を読んでほしかったにゃぁ。
(オイオイずいぶんな態度じゃにゃい?)
ps.「セロがおくれた。トォテテ テテテイ、ここからやり直し。はいっ。」の名セリフがなかったの
は残念。
ベートーベンの第六交響曲では「トォテテ テテテイ」のリズムが見つからんかったんかもね。
Cますむらひろしは、やっぱし猫がいぃ。かっこうもいぃ。絵はへたくそなんだけども、表情が
いぃ。絵のへたなのとゴーシュのコンプレックスとが、いぃハーモニー。
楽長、ゴーシュ、子狸、野鼠の親子、いまいちだにゃぁ。
けれども、ラストシーン、とてもいぃ。読後感、さわやか。
みなしゃん、読みんしゃぃ。(^ ^;
D松田一輝は、初対面。ふむふむ、mmm、これ、いんでなぃかぃ。
楽長、ゴーシュ、三毛猫、かっこう、子狸、野鼠の親子、いんでなぃかぃ。
表情、ゴーシュのコンプレックス、ユーモア、バランス、ラストシーン、読後感、いんでなぃかぃ。
コンプレックスを描くには、ゴーシュは不細工でなきゃいかんずら、ぶ男でなきゃいかんずら。
ゴーシュのキャラクター、いんでなぃかぃ。おいゴーシュ君、君の表情、いんでなぃかぃ。
ゴーシュファンのみなしゃ〜ん、
松田一輝の『セロ弾きのゴーシュ』、是非ぜひゼヒ読みんしゃぃ。(^
^;
っつーことで、『セロ弾きのゴーシュ』の漫画版、一等賞は、松田一輝、だにゃぁ。(^
^;
ps2.蛇足、だども、
ゴーシュのキャラ、一等賞は、松田一輝。
楽長、一等賞は、松田一輝。僅差であすなひろし。(^
^;
三毛猫、あすなひろし。僅差で高畑勲。(^
^;
かっこう、松田一輝。
子狸、あすなひろし。
野鼠の親子、松田一輝。
兎さんのおばあさん、狸さんのお父さん、みみずく、高畑勲。
風景、高畑勲。
影、アングル、あすなひろし。
表情、コンプレックス、ユーモア、バランス、松田一輝。
ラストシーン、読後感、ますむらひろし。僅差で松田一輝。だなや。(^
^;
ps3.蛇足、だども、part2.
オラの好きな名セリフ。ゴーシュくん、さわやか、なのら。(^
^;
「こんやは変な晩だなあ。」
「ああかっこう。あのときはすまなかったなあ。おれは怒ったんじゃなかったんだ。」
『セロ弾きのゴーシュ 』 お気に入りのオノマトペ
季節: 夏
◆オラが好きなオノマトペ(初読)=☆ (☆5つが最高。)
@ボ−ボ−:【クラリネットもボ−ボ−とそれに手伝っています。】
Eトォテテ テテテイ:【「セロがおくれた。トォテテ テテテイ、ここからやり直し。はいっ。」】
Nかっきり:【「では今日は練習はここまで、休んで六時にはかっきりボックスへ入ってくれ給
え。」】
35ベロリ:【猫はばかにしたように尖(とが)った長い舌をベロリと出しました。】
▼ボクの好きなオノマトペ(再読)=★
(★5つが最高。)
Iそら:【そらと思って弾き出したかと思うといきなり楽長が足をどんと踏んでどなり出しまし
た。】
43こっこっ:【誰か屋根裏をこっこっと叩くものがあります。】
83ギウギウ:【ゴ−シュはちょっとギウギウと糸を合せてそれからいきなりのねずみのこども
をつまんでセロの孔(あな)から中へ入れてしまいました。】
|
「オノマトペ(擬音語・擬声語・擬態語)なんて集めてどうすんの?」
トォテテ テテテイ:【「セロがおくれた。トォテテ テテテイ、ここからやり直し。はいっ。」】
トォテテ テテテイ、っつーの、いんでなぃかぃ。もちろん、初対面。(^
^;
|
|
.
|
|
|
*
『セロ弾きのゴーシュ』のオノマトペ
* .
|
@ボ−ボ−:【クラリネットもボ−ボ−とそれに手伝っています。】
Aりん:【ゴ−シュも口をりんと結んで眼を皿のようにして楽譜を見つめながらもう一心に弾いて
います。】
Bぱたっ:【にわかにぱたっと楽長が両手を鳴らしました。】
Cぴたり:【みんなぴたりと曲をやめてしんとしました。】
Dしん:【みんなぴたりと曲をやめてしんとしました。】
Eトォテテ テテテイ:【「セロがおくれた。トォテテ テテテイ、ここからやり直し。はいっ。」】
Fほっ:【ほっと安心しながら、つづけて弾いていますと楽長がまた手をぱっと拍(う)ちました。】
Gぱっ:【楽長がまた手をぱっと拍(う)ちました。】
Hどきっ:【またかとゴ−シュはどきっとしましたがありがたいことにはこんどは別の人でした。】
Iそら:【そらと思って弾き出したかと思うといきなり楽長が足をどんと踏んでどなり出しました。】
Jどん:【いきなり楽長が足をどんと踏んでどなり出しました。】
Kがさがさ:【「だめだ。まるでなっていない。このへんは曲の心臓なんだ。それがこんながさがさ
したことで。」】
Lさっぱり:【「怒るも喜ぶも感情というものがさっぱり出ないんだ。」】
Mぴたっ:【「それにどうしてもぴたっと外の楽器と合わないもなあ。」】
Nかっきり:【「では今日は練習はここまで、休んで六時にはかっきりボックスへ入ってくれ給え。」】
Oぼろぼろ:【ゴ−シュはその粗末な箱みたいなセロをかかえて壁の方へ向いて口をまげてぼろ
ぼろ泪(なみだ)をこぼしましたが、気をとり直してじぶんだけたったひとりいまやったとこ
ろをはじめからしずかにもいちど弾きはじめました。】
Pごつごつ:【あの夕方のごつごつしたセロでした。】
Qそっ:【ゴ−シュはそれを床の上にそっと置くと、いきなり棚からコップをとってバケツの水をごく
ごくのみました。】
Rごくごく:【いきなり棚からコップをとってバケツの水をごくごくのみました。】
Sごうごうごうごう:【譜をめくりながら弾いては考え考えては弾き一生けん命しまいまで行くとまた
はじめからなんべんもなんべんもごうごうごうごう弾きつづけました。】
21とんとん:【そのとき誰かうしろの扉をとんとんと叩くものがありました。】
22すう:【「ホ−シュ君か。」ゴ−シュはねぼけたように叫びました。ところがすうと扉を押してはいっ
て来たのはいままで五六ぺん見たことのある大きな三毛猫でした。】
23むしゃくしゃ:【ゴ−シュはひるからのむしゃくしゃを一ぺんにどなりつけました。】
24にやにや:【すると猫は肩をまるくして眼をすぼめてはいましたが口のあたりでにやにやわらっ
て云いました。】
25すっかり:【ゴ−シュはすっかりまっ赤になってひるま楽長のしたように足ぶみしてどなりました
がにわかに気を変えて云いました。】
26ぎっしり:【セロ弾きは何と思ったかまずはんけちを引きさいてじぶんの耳の穴へぎっしりつめ
ました。】
27パチパチパチッ:【すると猫はしばらく首をまげて聞いていましたがいきなりパチパチパチッと眼
をしたかと思うとぱっと扉の方へ飛びのきました。】
28ぱっ:【ぱっと扉の方へ飛びのきました。】
29どん:【そしていきなりどんと扉へからだをぶっつけましたが扉はあきませんでした。】
30ぱちぱち:【猫はさあこれはもう一生一代の失敗をしたという風にあわてだして眼や額からぱち
ぱち火花を出しました。】
31ぐるぐるぐるぐる:【しまいは猫はまるで風車のようにぐるぐるぐるぐるゴ−シュをまわりました。】
32ぐるぐる:【ゴ−シュもすこしぐるぐるして来ましたので、「さあこれで許してやるぞ」と云いながら
ようようやめました。】
33ようよう:【「さあこれで許してやるぞ」と云いながらようようやめました。】
34ぐっ:【セロ弾きはまたぐっとしゃくにさわりましたが何気ない風で巻たばこを一本だして口にく
わいそれからマッチを一本とって「どうだい。工合をわるくしないかい。舌を出してごら
ん。」】
35ベロリ:【猫はばかにしたように尖(とが)った長い舌をベロリと出しました。】
36シュッ:【「ははあ、すこし荒れたね。」セロ弾きは云いながらいきなりマッチを舌でシュッとすって
じぶんのたばこへつけました。】
37どん:【さあ猫は愕(おどろ)いたの何の舌を風車のようにふりまわしながら入口の扉へ行って頭
でどんとぶっつかってはよろよろとしてまた戻って来てどんとぶっつかってはよろよろま
た戻って来てまたぶっつかってはよろよろにげみちをこさえようとしました。】
38よろよろ:【よろよろとしてまた戻って来てどんとぶっつかってはよろよろまた戻って来てまたぶっ
つかってはよろよろにげみちをこさえようとしました。】
39せいせい:【それから、やっとせいせいしたというようにぐっすりねむりました。】
40ぐっすり:【ぐっすりねむりました。】
41ぐんぐん:【そして水をごくごくのむとそっくりゆうべのとおりぐんぐんセロを弾きはじめました。】
42ごうごう:【それからもう何時だかもわからず弾いているかもわからずごうごうやっていますと誰
か屋根裏をこっこっと叩くものがあります。】
43こっこっ:【誰か屋根裏をこっこっと叩くものがあります。】
44ぼろん:【ゴ−シュが叫びますといきなり天井の穴からぼろんと音がして一疋(ぴき)の灰いろの鳥
が降りて来ました。】
45ボロンボロン:【ゴ−シュはセロを取り上げてボロンボロンと糸を合せてドレミファソラシドとひきま
した。】
46ばたばた:【するとかっこうはあわてて羽をばたばたしました。】
47かっこうかっこうかっこうかっこうかっこう:【「つまりこうだろう。」セロ弾きはまたセロをとって、か
っこうかっこうかっこうかっこうかっこうとつづけてひきました。】
48とうとう:【ゴ−シュはとうとう手が痛くなって「こら、いいかげんにしないか。」と云いながらやめま
した。】
49かっこうかくうかっかっかっかっか:【するとかっこうは残念そうに眼をつりあげてまだしばらくない
ていましたがやっと「……かっこうかくうかっかっかっかっか。」と云ってやめました。】
50こんこん:【かっこうは頭を何べんもこんこん下げました。】
51くっ:【かっこうは「くっ。」とひとつ息をして「ではなるべく永くおねがいいたします。」といってまた一
つおじぎをしました。】
52むしゃくしゃ:【ゴ−シュははじめはむしゃくしゃしていましたがいつまでもつづけて弾いているうち
にふっと何だかこれは鳥の方がほんとうのドレミファにはまっているかなという気がしてき
ました。】
53ふっ:【ふっと何だかこれは鳥の方がほんとうのドレミファにはまっているかなという気がしてきま
した。】
54ぴたり:【「えいこんなばかなことしていたらおれは鳥になってしまうんじゃないか。」とゴ−シュはい
きなりぴたりとセロをやめました。】
55どしん:【するとかっこうはどしんと頭を叩かれたようにふらふらっとしてそれからまたさっきのよう
に「かっこうかっこうかっこうかっかっかっかっかっ。」と云ってやめました。】
56ふらふらっ:【ふらふらっとしてそれからまたさっきのように「かっこうかっこうかっこうかっかっかっ
かっかっ。」と云ってやめました。】
57ぼうっ:【東のそらがぼうっと銀いろになってそこをまっ黒な雲が北の方へどんどん走っています。】
58どんどん:【そこをまっ黒な雲が北の方へどんどん走っています。】
59ばたっ:【そして硝子にはげしく頭をぶっつけてばたっと下へ落ちました。】
60するする:【ゴ−シュはあわてて立って窓をあけようとしましたが元来この窓はそんなにいつでもす
るする開く窓ではありませんでした。】
61がたがた:【ゴ−シュが窓のわくをしきりにがたがたしているうちにまたかっこうがばっとぶっつか
って下へ落ちました。】
62ばっ:【またかっこうがばっとぶっつかって下へ落ちました。】
63じっ:【ゴ−シュがやっと二寸ばかり窓をあけたとき、かっこうは起きあがって何が何でもこんど
こそというようにじっと窓の向うの東のそらをみつめて、あらん限りの力をこめた風でぱ
っと飛びたちました。】
64ぱっ:【あらん限りの力をこめた風でぱっと飛びたちました。】
65ばっ:【ゴ−シュは思わず足を上げて窓をばっとけりました。】
66がらん:【そのがらんとなった窓のあとをかっこうが矢のように外へ飛びだしました。】
67こつこつ:【次の晩もゴ−シュは夜中すぎまでセロを弾いてつかれて水を一杯のんでいますと、ま
た扉をこつこつと叩くものがあります。】
68ぼんやり:【すると狸の子はぼんやりした顔をしてきちんと床へ座ったままどうもわからないとい
うように首をまげて考えていましたが、しばらくたって「狸汁ってぼく知らない。」と云いま
した。】
69きちん:【きちんと床へ座ったままどうもわからないというように首をまげて考えていましたが、し
ばらくたって「狸汁ってぼく知らない。」と云いました。】
70くたくた:【ゴ−シュはその顔を見て思わず吹き出そうとしましたが、まだ無理に恐い顔をして、
「では教えてやろう。狸汁というのはな。おまえのような狸をな、キャベジや塩とまぜてく
たくたと煮ておれさまの食うようにしたものだ。」と云いました。】
71ちらちら:【ゴ−シュは狸の子がどうするのかと思ってちらちらそっちを見ながら弾きはじめまし
た。】
72ぽんぽん:【すると狸の子は棒をもってセロの駒の下のところを拍子をとってぽんぽん叩きはじ
めました。】
73はっ:【ゴ−シュははっとしました。】
74とんとん:【狸の子はさっきのようにとんとん叩きながら時々頭をまげてセロに耳をつけるように
しました。】
75ぼう:【そしておしまいまで来たときは今夜もまた東がぼうと明るくなっていました。】
76ぱちん:【狸の子は大へんあわてて譜や棒きれをせなかへしょってゴムテ−プでぱちんととめて
おじぎを二つ三つすると急いで外へ出て行ってしまいました。】
77うとうと:【次の晩もゴ−シュは夜通しセロを弾いて明方近く思わずつかれて楽器をもったままう
とうとしていますとまた誰か扉をこつこつと叩くものがあります。】
78ちょろちょろ:【そして大へんちいさなこどもをつれてちょろちょろとゴ−シュの前へ歩いてきまし
た。】
79きょろきょろ:【すると野ねずみは何をわらわれたろうというようにきょろきょろしながらゴ−シュ
の前に来て、青い栗の実を一つぶ前においてちゃんとおじぎをして云いました。】
80ちゃん:【青い栗の実を一つぶ前においてちゃんとおじぎをして云いました。】
81むっ:【「おれが医者などやれるもんか。」ゴ−シュはすこしむっとして云いました。】
82ぴたっ:【さっきまであれ位ごうごうと鳴らしておいでになったのに、病気になるといっしょにぴたっ
と音がとまってもうあとはいくらおねがいしても鳴らしてくださらないなんて。】
83ギウギウ:【ゴ−シュはちょっとギウギウと糸を合せてそれからいきなりのねずみのこどもをつま
んでセロの孔(あな)から中へ入れてしまいました。】
84ばたばた:【野ねずみはばたばたしながら中のこどもに叫びました。】
85ごうごうがあがあ:【ゴ−シュはおっかさんのねずみを下におろしてそれから弓をとって何とかラ
プソディとかいうものをごうごうがあがあ弾きました。】
86ぶるぶるぶるぶる:【見るとすっかり目をつぶってぶるぶるぶるぶるふるえていました。】
87どっかり:【ゴ−シュはねどこへどっかり倒れてすぐぐうぐうねむってしまいました。】
88ぐうぐう:【すぐぐうぐうねむってしまいました。】
89ぱっ:【金星音楽団の人たちは町の公会堂のホ−ルの裏にある控室へみんなぱっと顔をほてら
してめいめい楽器をもって、ぞろぞろホ−ルの舞台から引きあげて来ました。】
90ぞろぞろ:【ぞろぞろホ−ルの舞台から引きあげて来ました。】
91のそのそ:【楽長はポケットへ手をつっ込んで拍手なんかどうでもいいというようにのそのそみん
なの間を歩きまわっていましたが、じつはどうして嬉しさでいっぱいなのでした。】
92ぱちぱち:【ホ−ルではまだぱちぱち手が鳴っています。】
93きっ:【すると楽長がきっとなって答えました。】
94わあ:【わあと叫んだものもあるようでした。】
95しいん:【ところが聴衆はしいんとなって一生けん命聞いています。】
96どんどん:【ゴ−シュはどんどん弾きました。 】
97じっ:【すると楽屋では楽長はじめ仲間がみんな火事にでもあったあとのように眼をじっとしてひ
っそりとすわり込んでいます。】
98ひっそり:【ひっそりとすわり込んでいます。】
99さっさ:【ゴ−シュはやぶれかぶれだと思ってみんなの間をさっさとあるいて行って向うの長椅子
へどっかりとからだをおろして足を組んですわりました。】
100どっかり:【向うの長椅子へどっかりとからだをおろして足を組んですわりました。】
101がぶがぶ:【そしてまた水をがぶがぶ呑みました。】
102ああ:【「ああかっこう。あのときはすまなかったなあ。おれは怒ったんじゃなかったんだ。」と云い
ました。】
『セロ弾きのゴーシュ』のオノマトペ、これで、おすめえだぁ。えがっだなす。
スネオ 拝 (^
^;
2006.3.12.
|