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                | 『風の又三郎』の第二話です。
 
    ** 『とっこべとら子』 8p **  .
 
 |  狐にだまされた、っつー話は愉快だにゃぁ、『とっこべとら子』。
 っつーことで、『賢治童話を丸写しシリーズその46』だよん。(^ ^;
 <イントロ>
 おとら狐(ぎつね)のはなしは、どなたもよくご存じでしょう。おとら狐にも、いろいろあったのでしょ
 うか、私の知っているのは「とっこべ、とら子」というのです。
 「とっこべ」というのは名字でしょうか。「とら」というのは名前ですかね。そうすると、名字がさま
 ざまで、名前がみんな「とら」という狐が、あちこちに住んでいたのでしょうか。
 さて、むかし、とっこべとら子は大きな川の岸に住んでいて、夜、網打ちに行った人から魚を盗
 (と)ったり買い物をして町から遅く帰る人から油揚げを取りかえしたり、実に始末におえないもの
 だったそうです。
 欲ふかのじいさんが、ある晩ひどく酔っぱらって、町から帰って来る途中、その川岸を通ります
 と、ピカピカした金らんの上下(かみしも)の立派なさむらいに会いました。じいさんは、ていねいに
 おじぎをして行き過ぎようとしましたら、さむらいがピタリととまって、ちょっとそらを見上げて、それ
 からあごを引いて、六平を呼び留めました。秋の十五夜でした。
 (丸写しオシマイ)
 『賢治童話を丸写しシリーズその46』でした。
 
 
            
                | 『とっこべとら子』の漫画の紹介はできましぇん。
 
 さびしかぁぁぁぁ。
 
 
 |  漫画版『とっこべとら子』は、おそらく多分ありましぇん。漫画版『紫紺染(しこんぞめ)について』も、『化物丁場(ばけものちょうば)』も、『耕耘部(こううんぶ)の時計』
 も、おそらく多分ありましぇん。
 っつーことで漫画の紹介は、ずうっとしばらくシバラク暫く、お待ちくなさい。(^ ^;
 
 
            
                | 『とっこべとら子 』 お気に入りのオノマトペ
 季節: 秋の十五夜と春
    
 ◆オラが好きなオノマトペ(初読)=☆☆☆
                (☆5つが最高。)
 Bごわり:【さむらいはふところから白いたすきを取り出して、たちまち十字にたすきをかけ、ご
 わりと袴(はかま)のもも立ちを取り、とんとんとんと土手の方へ走りましたが、ちょっと
 かがんで土手のかげから、千両ばこを一つ持って参りました。】
 Rばやばや:【(第一おら、下座だちゅうはずぁあんまい、ふん、お椀のふぢぁ欠げでる、油煙は
 ばやばや、さがなの眼玉は白くてぎろぎろ、誰(だ)っても盃(さかずき)よごさないえい糞
 面白ぐもなぃ)とうとう小吉がぷっと座を立ちました。】
 27だらり:【お客さまの中の一人がだらりと振り向いて返事しました。】
 
 
 ▼ボクの好きなオノマトペ(再読)=★ (★5つが最高。)
 Iウントコショ、ウントコショ、ウウントコショ:【「へいへい。ウントコショ、ウントコショ、ウウントコ
 ショ。ウウントコショ。」】
 Lどっかり:【そして荷物をどっかり庭におろして、おかしな声で外から怒鳴りました。】
 29ヘタヘタ:【もう大へんなさわぎです。みんな泥足でヘタヘタ座敷へ逃げ込みました。】
 30かさかさ:【みんなもこれに力を得てかさかさしたときの声をあげて景気をつけ、ぞろぞろ随(つ)
 いて行きました。】
 35ぎっくり:【今度はみんなは却(かえ)ってぎっくりしてしまいました。】
 38かさかさ:【夜中になってから「とっこべ、とら子」とその沢山の可愛らしい部下とが又出て来て、
 庭に抛(ほう)り出されたあのおみやげの藁の苞(つと)を、かさかさ引いた、たしかにその
 音がしたとみんながさっきも話していました。】
 
 
 |  「オノマトペ(擬音語・擬声語・擬態語)なんて集めてどうすんの?」
 ごわり、ばやばや、だらり、mmm、こういうの、好きだなや。(^
        ^;
 
 
            
                | 
    ** 『とっこべとら子』のオノマトペ **  .
 
 | @ピカピカ:【欲ふかのじいさんが、ある晩ひどく酔っぱらって、町から帰って来る途中、その川岸を通りますと、ピカピカした金らんの上下(かみしも)の立派なさむらいに会いました。】
 Aピタリ:【じいさんは、ていねいにおじぎをして行き過ぎようとしましたら、さむらいがピタリととま
 って、ちょっとそらを見上げて、それからあごを引いて、六平を呼び留めました。】
 Bごわり:【さむらいはふところから白いたすきを取り出して、たちまち十字にたすきをかけ、ご
 わりと袴(はかま)のもも立ちを取り、とんとんとんと土手の方へ走りましたが、ちょっと
 かがんで土手のかげから、千両ばこを一つ持って参りました。】
 Cとんとんとん:【とんとんとんと土手の方へ走りましたが、ちょっとかがんで土手のかげから、千
 両ばこを一つ持って参りました。】
 Dごろり:【ははあ、こいつはきっと泥棒だ、そうでなければにせ金使い、しかし何でもかまわな
 い、万一途中相果てたなれば、金はごろりとこっちのものと、六平はひとりで考えて、
 それからほくほくするのを無理にかくして申しました。】
 Eほくほく:【六平はひとりで考えて、それからほくほくするのを無理にかくして申しました。】
 Fぎらぎら:【蓋(ふた)を開くと中に小判が一ぱいつまり、月にぎらぎらかがやきました。】
 Gハイ、ヤッ:【ハイ、ヤッとさむらいは千両函(ばこ)を又一つ持って参りました。】
 Hハイ、ヤッ、ハイヤッ、ハイヤッ:【ハイ、ヤッ、ハイヤッ、ハイヤッ。千両ばこはみなで十ほど
 そこに積まれました。】
 Iウントコショ、ウントコショ、ウウントコショ:【「へいへい。ウントコショ、ウントコショ、ウウントコ
 ショ。ウウントコショ。」】
 Jパッ:【さむらいは銀扇をパッと開いて感服しましたが、六平は余りの重さに返事も何も出来
 ませんでした。】
 Kよろよろ:【六平は十の千両ばこをよろよろしょって、もうお月さまが照ってるやら、路(みち)が
 どう曲ってどう上ってるやら、まるで夢中で自分んの家までやってまいりました。】
 Lどっかり:【そして荷物をどっかり庭におろして、おかしな声で外から怒鳴りました。】
 Mガタッ:【六平の娘が戸をガタッと開けて、「あれまあ、父さん。そったに砂利しょって何しただ
 す」と叫びました。】
 Nクウ、クウ、クウ:【六平はクウ、クウ、クウと鳴って、白い泡をはいて気絶しました。】
 Oちゃん:【どうしてって、私はその偽(うそ)の方の話をも一つちゃんと知ってるんです。】
 Pワッハハ、アッハハ:【もうみんな大よろこび、ワッハハ、アッハハ、よう、おらおととい町さ行っ
 たら魚屋の店で章魚(たこ)といかとが立ちあがって喧嘩した、ワッハハ、アッハハ、そ
 れはほんとか、それがらどうした、うん、かつおぶしが仲裁に入った、ワッハハ、アッ
 ハハ、それからどうした、ウン、するとかつおぶしがウウゥイ、ころは元禄十四年んん、
 おいおい、それは何だい、うん、なにさ、かつおぶしだもふしばかり、ワッハハアッハ
 ハ、まあのめ、さあ一杯、なんて大さわぎでした。】
 Qウウゥイ:【それからどうした、ウン、するとかつおぶしがウウゥイ、ころは元禄十四年んん、お
 いおい、それは何だい、うん、なにさ、かつおぶしだもふしばかり、ワッハハアッハハ、
 まあのめ、さあ一杯、なんて大さわぎでした。】
 Rばやばや:【(第一おら、下座だちゅうはずぁあんまい、ふん、お椀のふぢぁ欠げでる、油煙は
 ばやばや、さがなの眼玉は白くてぎろぎろ、誰(だ)っても盃(さかずき)よごさないえい糞
 面白ぐもなぃ)とうとう小吉がぷっと座を立ちました。】
 Sぎろぎろ:【さがなの眼玉は白くてぎろぎろ、誰(だ)っても盃(さかずき)よごさないえい糞面白ぐも
 なぃ)とうとう小吉がぷっと座を立ちました。】
 21ぷっ:【とうとう小吉がぷっと座を立ちました。】
 22ぷいっ:【平右衛門が、「待て、待て、小吉。もう一杯やれ、待てったら」と言っていましたが、小
 吉はぷいっと下駄をはいて表に出てしまいました。】
 23にやり:【小吉も怒ってすぐそれを引っこ抜いて田の中に投げてしまおうとしましたが俄(にわか)
 に何を考えたのかにやりと笑ってそれを路(みち)のまん中に立て直しました。】
 24ぷんぷんぷんぷん:【そして又ひとりでぷんぷんぷんぷん言いながら二つの低い丘を越えて自
 分の家に帰り、おみやげを待っていた子供を叱りつけてだまって床にもぐり込んでしま
 いました。】
 25ぶらりぶらり:【ちょうどその頃平右衛門の家ではもう酒盛りが済みましたので、お客様はみん
 なでご馳走の残りを藁のつとに入れて、ぶらりぶらりと提げながら、三人ずつぶっつか
 ったり、四人ずつぶっつかり合ったりして、門の処(ところ)まで出て参りました。】
 26アッハッハッハ:【「それではお気をつけて。おみやげをとっこべとらこに取られないようにアッ
 ハッハッハ」】
 27だらり:【お客さまの中の一人がだらりと振り向いて返事しました。】
 28ハッハッハ:【「ハッハッハ。とっこべとらこだらおれの方で取って食ってやるべ」】
 29ヘタヘタ:【もう大へんなさわぎです。みんな泥足でヘタヘタ座敷へ逃げ込みました。】
 30かさかさ:【みんなもこれに力を得てかさかさしたときの声をあげて景気をつけ、ぞろぞろ随(つ)
 いて行きました。】
 31ぞろぞろ:【ぞろぞろ随(つ)いて行きました。】
 32ありあり:【さて平右衛門もあまりといえばありありとしたその白狐の姿を見ては怖さが咽喉(の
 ど)までこみあげましたが、みんなの手前もありますので、やっと一声切り込んで行きま
 した。】
 33やっ:【みんなの手前もありますので、やっと一声切り込んで行きました。】
 34ブルブル:【たしかに手ごたえがあって、白いものは薙刀(なぎなた)の下で、ブルブル動いていま
 す。】
 35ぎっくり:【今度はみんなは却(かえ)ってぎっくりしてしまいました。】
 36やっぱり:【「やっぱり古い狐だな。まるで眼玉は火のようだったぞ」】
 37キリキリ:【「源の大将」はお顔を半分切られて月光にキリキリ歯を喰いしばっているように見え
 ました。】
 38かさかさ:【夜中になってから「とっこべ、とら子」とその沢山の可愛らしい部下とが又出て来て、
 庭に抛(ほう)り出されたあのおみやげの藁の苞(つと)を、かさかさ引いた、たしかにその
 音がしたとみんながさっきも話していました。】
 
 『とっこべとら子』のオノマトペ、これで、おすめえだぁ。まんず、えがっだなす。 スネオ 拝 (^ ^;
 2006.3.18.
 
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