プハラの町の署長さんが、あやしいずら、『毒もみのすきな署長さん』。
っつーことで、『賢治童話を丸写しシリーズその50』だよん。(^ ^;
さてこの国の第一条の、
「火薬を使って鳥をとってはなりません、
毒もみをして魚をとってはなりません。」
というその毒もみというのは、何かと云いますと床屋のリチキはこういう風に教えます。
山椒(さんしょう)の皮を春の午(うま)の日の暗夜(やみよ)に剥(む)いて土用を二回かけて乾かしうす
でよくつく、その目方一貫匁(かんめ)を天気のいい日にもみじの木を焼いてこしらえた木灰七百匁と
まぜる、それを袋に入れて水の中へ手でもみ出すことです。
そうすると、魚はみんな毒をのんで、口をあぶあぶやりながら、白い腹を上にして浮びあがるので
す。そんなふうにして、水の中で死ぬことは、この国の語(ことば)ではエップカップと云いました。これ
はずいぶんいい語(ことば)です。
とにかくこの毒もみをするものを押えることは警察のいちばん大事な仕事でした。
ある夏、この町の警察へ、新らしい署長さんが来ました。
この人は、どこか河獺(かわうそ)に似ていました。赤ひげがぴんとはねて、歯はみんな銀の入歯でし
た。署長さんは立派な金モ−ルのついた、長い赤いマントを着て、毎日ていねいに町をみまわりまし
た。
(丸写しオシマイ)
『賢治童話を丸写しシリーズその50』でした。
『毒もみのすきな署長さん 』の漫画の紹介はできましぇん。
申し訳ねぇす。
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漫画版『毒もみのすきな署長さん』は、おそらく多分ありましぇん。
漫画版『税務署長の冒険』も、『ガドルフの百合』も、『マグノリアの木』も、おそらく多分ありま
しぇん。
っつーことで漫画の紹介は、ずうっとしばらくシバラク暫く、お待ちくなさい。(^ ^;
「オノマトペ(擬音語・擬声語・擬態語)なんて集めてどうすんの?」
エップカップ(造語)=あぶあぶ、なんて、宮沢賢治クン、なかなか遊んでましゅねぇ。(^ ^;
@ごうごう:【四つのつめたい谷川が、カラコン山の氷河から出て、ごうごう白い泡をはいて、プ
ハラの国にはいるのでした。】
Aすっかり:【それは昔の川の流れたあとで、洪水のたびにいくらか形も変るのでしたが、すっ
かり無くなるということもありませんでした。】
Bやっぱり:【なまずのつぎに多いのはやっぱり鯉と鮒でした。】
Cあぶあぶ:【そうすると、魚はみんな毒をのんで、口をあぶあぶやりながら、白い腹を上にして
浮びあがるのです。】
Dエップカップ:【そんなふうにして、水の中で死ぬことは、この国の語(ことば)ではエップカップと
云いました。これはずいぶんいい語(ことば)です。】
Eぴん:【赤ひげがぴんとはねて、歯はみんな銀の入歯でした。】
Fつるり:【また春の午(うま)の日の夜の間に町の中にたくさんある山椒(さんしょう)の木がたびた
びつるりと皮を剥(む)かれて居りました。】
Gとうとう:【あんまりこんな話がさかんになって、とうとう小さな子供らまでは、巡査を見ると、わ
ざと遠くへ遁げて行って、「毒もみ巡査、なまずはよこせ。」なんて、力いっぱいからだ
まで曲げて叫んだりするもんですから、これではとてもいかんというので、プハラの町
長さんも仕方なく、家来を六人連れて警察に行って、署長さんに会いました。】
Hずうっ:【二人が一諸に応接室の椅子にこしかけたとき、署長さんの黄金(きん)いろの眼は、ど
こかずうっと遠くの方を見ていました。】
Iカ−ン:【署長さんは落ち着いて、卓子(テーブル)の上の鐘を一つカ−ンと叩いて、赤ひげのも
じゃもじゃ生えた、第一等の探偵を呼びました。】
Jもじゃもじゃ:【赤ひげのもじゃもじゃ生えた、第一等の探偵を呼びました。】
『毒もみのすきな署長さん』のオノマトペ、これで、おすめえだぁ。えがっだなす。
スネオ 拝 (^ ^;
2006.3.25.
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