『いーはとーう゛・おのまとぺ症候群』やってます。(^ ^;
      そのとき私は大へんひどく疲れていて                               たしか風と草穂との底に倒れていたのだとおもいます。                                                    by 『インドラの網』            その秋風の昏倒の中で私は                                        私の錫いろの影法師にずいぶん馬鹿ていねいな                 別れの挨拶をやっていました。            そしてただひとり                                                       暗いこけももの敷物(カアペット)を踏んで                          ツェラ高原をあるいて行きました。

 
       ゴダイゴの♪ガンダ〜ラ♪ガンダ〜ラ♪ リフレインがとまらにゃい (^ ^; 『インドラの網』


      イーハトーヴオノマトペ(擬音語・擬声語・擬態語)     .
    こけももには赤い実もついていたのです。           白いそらが高原の上いっぱいに張って                              高陵(カオリン)産の磁器よりもっと冷たく白いのでした。             稀薄な空気がみんみん鳴っていましたが                          それは多分は白磁器の雲の向うをさびしく渡った日輪が         もう高原の西を劃(かぎ)る黒い尖尖(とげとげ)の                山稜の向うに落ちて薄明が来たために                             そんなに軋(きし)んでいたのだろうとおもいます。
宮沢賢治童話の私設ファンコーナー11です。

               ★宮沢賢治童話を是非ぜひゼヒ読んでネ★
んで、11回目の今回は、


                 * 風の又三郎 
角川文庫 380円 274p 表紙:飯野和好 注釈・解説:堀尾青史 参考文献・年譜:中村稔 影絵:藤城清治
                               私は魚のようにあえぎながら                                         何べんもあたりを見まわしました。
                風の又三郎
─────────── 59p
                とっこべとら子
─────────── 8p
                紫紺染
(しこんぞめ)について────── 9p
                祭の晩
───────────── 8p
                なめとこ山の熊
──────────14p
                土神と狐
──────────── 18p
                虔十
(けんじゅう)公園林─────── 12p
                化物丁場
(ばけものちょうば)───────10p
                耕耘部
(こううんぶ)の時計 ─────── 8p →ここまではページです。
                毒もみのすきな署長さん
─────── 7p
                税務署長の冒険 ──────────32p
                ガドルフの百合
 ────────── 10p
                マグノリアの木
 ────────── 7p →ここまでは10ページです。
                 インドラの網 ──────────── 9p
                 学者アラムハラドの見た着物 ───── 11p
                 ビジテリアン大祭 ────────── 53p
 の16短編です。

               注:
は『注文の多い料理店3』ご覧ください。

                 は『新編 風の又三郎2』ご覧ください。

                 は『新編 風の又三郎3』ご覧ください。

                   


 
 


『風の又三郎』の第十四話です。

      ただ一かけの鳥も居ず、どこにも                                    やさしい獣のかすかなけはいさえなかったのです。       (私は全体何をたずねてこんな気圏の上の方、                     きんきん痛む空気の中をあるいているのか。)    私はひとりで自分にたずねました。         こけももがいつかなくなって                                           地面は乾いた灰いろの苔で覆われ                                ところどころには赤い苔の花もさいていました。        けれどもそれは                                                       いよいよつめたい高原の悲痛を増すばかりでした。  

 **** 『インドラの網』 9p **** .
 

 ガンダーラ壁画の三人の童子、『インドラの網』。
 ゴダイゴの♪ガンダ〜ラ♪ガンダ〜ラ♪ リフレインがとまらにゃい。(^ ^;

 っつーことで、『
賢治童話丸写しシリーズその54』だよん。(^ ^;

 ふと私は私の前に三人の天の子供らを見ました。それはみな霜を織ったような羅
(うすもの)
つけすきとおる沓
(くつ)をはき私の前の水際に立ってしきりに東の空をのぞみ太陽の昇るのを
待っているようでした。その東の空はもう白く燃えていました。私は天の子供らのひだのつけよ
うからそのガンダ−ラ系統なのを知りました。又そのたしかにコウタン大寺の廃趾
(はいし)から
発掘された壁画の中の三人なことを知りました。私はしずかにそっちへ進み愕
(おどろ)かさない
ようにごく声低く挨拶しました。
 「お早う、コウタン大寺の壁画の中の子供さんたち。」
 三人一諸にこっちを向きました。その瓔珞
(ようらく)のかがやきと黒い厳(いか)めしい瞳。
 私は進みながら又云いました。
 「お早う、コウタン大寺の壁画の中の子供さんたち。」
 「お前は誰だい。」
 右はじの子供がまっすぐに瞬
(またた)きもなく私を見て訊(たず)ねました。
                                           
(丸写しオシマイ)
 『
賢治童話丸写しシリーズその54』でした。


 インドラの網 漫画紹介はできましぇん。

    残念だなす。

 

 漫画版『インドラの網』は、おそらく多分ありましぇん。
 漫画版『学者アラムハラドの見た着物』も、『ビジテリアン大祭』も、おそらく多分ありましぇん。


 っつーことで漫画の紹介は、ずうっとしばらくシバラク暫く、お待ちくなさい。(^ ^;


 インドラの網 お気に入りオノマトペ
 季節: 秋
           その冷たい桔梗(ききょう)色の底光りする空間を                 一人の天人が翔(か)けているのを私は見ました。       (とうとうまぎれ込んだ、                                                人の世界のツェラ高原の空間から天の空間へ                    ふっとまぎれこんだのだ。)    私は胸を躍(おど)らせながらこう思いました。       天人はまっすぐに翔(か)けているのでした。           (一瞬百由旬(ゆじゅん)を飛んでいるぞ。                          けれども見ろ、少しも動いていない。                               少しも動かずに移らずに変らずに                                   たしかに一瞬百由旬づつ翔けている。実にうまい。)

◆オラが好きなオノマトペ(初読)=☆☆ 5つが最高。)
@みんみん:【稀薄な空気がみんみん鳴っていましたがそれは多分は白磁器の雲の向うを
      さびしく渡った日輪がもう高原の西を劃(かぎ)る黒い尖尖(とげとげ)の山稜の向う
      に落ちて薄明が来たためにそんなに軋(きし)んでいたのだろうとおもいます。】
A
きんきん:【(私は全体何をたずねてこんな気圏の上の方、きんきん痛む空気の中をある
      いているのか。)】

ボクの好きなオノマトペ(再読)=5つが最高。)
Dきしきし:【砂がきしきし鳴りました。】
I
ぷりぷり:【又その桔梗(ききょう)いろの冷たい天盤には金剛石の劈開片(へきかいへん)
      青宝玉の尖った粒やあるいはまるでけむりの草のたねほどの黄水晶のかけらま
      でごく精巧のピンセットできちんとひろわれきれいにちりばめられそれはめいめい
      勝手に呼吸し勝手にぷりぷりふるえました。】

 

 「オノマトペ(擬音語・擬声語・擬態語)なんて集めてどうすんの?」

みんみん:【稀薄な空気がみんみん鳴っていました。】っつーの、ムードあるじゃん。(^ ^;


   「お早う、コウタン大寺の壁画の中の子供さんたち。」     .     三人一諸にこっちを向きました。            その瓔珞(ようらく)のかがやきと                                     黒い厳(いか)めしい瞳。     「お前は誰だい。」        .    右はじの子供がまっすぐに                                           瞬(またた)きもなく私を見て訊(たず)ねました。  

 **** インドラの網オノマトペ ****.
 

@みんみん:【稀薄な空気がみんみん鳴っていましたがそれは多分は白磁器の雲の向うをさび
      しく渡った日輪がもう高原の西を劃(かぎ)る黒い尖尖(とげとげ)の山稜の向うに落ちて
      薄明が来たためにそんなに軋(きし)んでいたのだろうとおもいます。】
Aきんきん:【(私は全体何をたずねてこんな気圏の上の方、きんきん痛む空気の中をあるいて

      いるのか。)】
Bやっぱり:【それでもやっぱり私は急ぎました。】
Cだんだん:【湖はだんだん近く光って来ました。】
Dきしきし:【砂がきしきし鳴りました。】
Eきいん:【あたりが俄にきいんとなり、(風だよ、草の穂だよ。ごうごうごうごう。)こんな語
(ことば)
      が私の頭の中で鳴りました。】
Fごうごうごうごう:【(風だよ、草の穂だよ。ごうごうごうごう。)こんな語
(ことば)が私の頭の中で鳴
      りました。】
Gすっかり:【いつの間にかすっかり夜になってそらはまるですきとおっていました。】
Hきちん:【又その桔梗
(ききょう)いろの冷たい天盤には金剛石の劈開片(へきかいへん)や青宝玉
      の尖った粒やあるいはまるでけむりの草のたねほどの黄水晶のかけらまでごく精巧の
      ピンセットできちんとひろわれきれいにちりばめられそれはめいめい勝手に呼吸し勝手
      にぷりぷりふるえました。】
Iぷりぷり:【又その桔梗
(ききょう)いろの冷たい天盤には金剛石の劈開片(へきかいへん)や青宝玉
      の尖った粒やあるいはまるでけむりの草のたねほどの黄水晶のかけらまでごく精巧の
      ピンセットできちんとひろわれきれいにちりばめられそれはめいめい勝手に呼吸し勝手
      にぷりぷりふるえました。】
Jちらちら:【私は又足もとの砂を見ましたらその砂粒の中にも黄いろや青や小さな火がちらちら

      またたいているのでした。】
Kちらっ:【そして私は又ちらっとさっきのあやしい天の世界の空間を夢のように感じたのです。】
Lほん:【ほんのまぐれあたりでもあんまり度々になるととうとうそれがほんとになる。】
Mとうとう:【ほんのまぐれあたりでもあんまり度々になるととうとうそれがほんとになる。】
Nじっ:【「何しに来たんだい。」少しの顔色もうごかさずじっと私の瞳を見ながらその子は又こう云

      いました。】
Oかちかち:【光は針や束になってそそぎそこらいちめんかちかち鳴りました。】
Pよろよろ:【私はそれをあんまり永く見て眼も眩しくなりよろよろしました。】
Qクウクウ:【まことに空のインドラの網のむこう、数しらず鳴りわたる天鼓のかなたに空一ぱいの

      不思議な大きな蒼い孔雀が宝石製の尾ばねをひろげかすかにクウクウ鳴きました。】
Rぼんやり:【却って私は草穂と風の中に白く倒れている私のかたちをぼんやり思い出しました。】

 『インドラの網』のオノマトペ、まんず、これで、おすめえだぁ。えがっだなす。 スネオ 拝 (^ ^;
                                                    2006.4.2.

 
 


『風の又三郎』の第十五話です。

      学者のアラムハラドはある年                                        十一人の子を教えて居りました。      みんな立派なうちの子どもらばかりでした。            王さまのすぐ下の裁判官の子もありましたし                       農商の大臣の子も居ました。

      また毎年じぶんの土地から十石の香油さえ穫る                  長者のいちばん目の子も居たのです。       けれども学者のアラムハラドは                                      小さなセララバアドという子がすきでした。        この子が何か答えるときは                                           学者のアラムハラドはどこか非常に遠くの方の                     凍ったように寂(しず)かな蒼黒い空を感じるのでした。  

 ***** 『学者アラムハラドの見た着物』 11p ***** .
 

 不思議な着物が気になるにゃぁ、『学者アラムハラドの見た着物』。

 っつーことで、『
賢治童話丸写しシリーズその55』だよん。(^ ^;

 けれども学者のアラムハラドは小さなセララバアドという子がすきでした。この子が何か答えるとき
は学者のアラムハラドはどこか非常に遠くの方の凍ったように寂
(しず)かな蒼黒い空を感じるのでし
た。それでもアラムハラドはそんなに偉い学者でしたからえこひいきなどはしませんでした。
 アラムハラドの塾は街のはずれの楊
(やなぎ)の林の中にありました。
 みんなは毎日その石で畳んだ鼠いろの床に座って古くからの聖歌を諳誦したり兆よりももっと大きな
数まで数えたりまた数を互に加えたり掛け合せたりするのでした。それからいちばんおしまいには鳥
や木や石やいろいろのことを習うのでした。
 アラムハラドは長い白い着物を着て学者のしるしの垂れ布のついた帽子をかぶり低い椅子に腰掛
け右手には長い鞭をもち左手には本を支えながらゆっくりと教えて行くのでした。
 そして空気のしめりの丁度いい日又むずかしい諳誦でひどくつかれた次の日などはよくアラムハラ
ドはみんなをつれて山へ行きました。
 このおはなしは結局学者のアラムハラドがある日自分の塾でまたある日山の雨の中でちらっと感じ
た不思議な着物についてであります。
                      
(丸写しオシマイ)
 『
賢治童話丸写しシリーズその55』でした。


 学者アラムハラドの見た着物 お気に入りオノマトペ
 季節: 不明
        「そんならなぜ鳥は啼(な)くのかまた飛ぶのか。                     おまえたちにはわかるだろう。」      「鳥はみな飛ばずにいられないで飛び                                啼(な)かずに居られないで啼く。                                   それは生まれつきなのだ。」      「さて斯(こ)う云うふうに                                               火はあつく、乾かし、照らし騰(のぼ)る、                           水はつめたく、しめらせ、下る、                                      鳥は飛び、また啼(な)く。」      「魚について獣について                                                 おまえたちはもうみんな                                               その性質を考えることができる。」      「けれども一体どうだろう、                                            小鳥が啼(な)かないでいられず                                    魚が泳がないでいられないように                                    人はどういうことがしないでいられないだろう。」      「人が何としてもそうしないでいられないことは                       一体どういう事だろう。考えてごらん。」

◆オラが好きなオノマトペ(初読)=5つが最高。)
Fぴんぴん:【「ああ、ただも一度二本の足でぴんぴん歩いてあの楽地の中の泉まで行きあの冷
      たい水を両手で掬(すく)って呑むことができたらそのまま死んでもかまわないとこう思う
      だろう。」】

ボクの好きなオノマトペ(再読)=★★5つが最高。)
Kさんさんさん:【眼をつぶったくらやみの中ではそこら中ぼおっと燐の火のように青く見え、ずう
      っと遠くが大へん青くて明るくてそこに黄金(きん)の葉をもった立派な樹がぞろっとならん
      でさんさんさんと梢(こずえ)を鳴らしているように思ったのです。】

 

 「オノマトペ(擬音語・擬声語・擬態語)なんて集めてどうすんの?」

 
さんさんさん:【さんさんさんと梢(こずえ)を鳴らしている。】、ゆぐわがらないけんど、いんだにゃぁ。


        「たしかに人は歩かないでいられない、                               また物を言わないでいられない。                                    けれども人にはそれよりも                                            もっと大切なものがないだろうか。                                   足や舌とも取りかえるほど                                           もっと大切なものがないだろうか。                                   むずかしいけれども考えてごらん。」   .       タルラがまるで小さな獅子のように答えました。           「私は饑饉(ききん)でみんなが死ぬとき                             若し私の足が無くなることで饑饉がやむなら                       足を切っても口惜しくありません。」      アラムハラドは                                                         あぶなく泪(なみだ)をながしそうになりました。      ブランダと呼ばれた子は                                              すばやくきちんとなって答えました。     「人が歩くことよりも言うことよりも                                     もっとしないでいられないのは                                       いいことです。」  

***** 学者アラムハラド見た着物オノマトペ *****
 

@ゆっくり:【アラムハラドは長い白い着物を着て学者のしるしの垂れ布のついた帽子をかぶり低い
      椅子に腰掛け右手には長い鞭をもち左手には本を支えながらゆっくりと教えて行くのでし
      た。】
Aちらっ:【このおはなしは結局学者のアラムハラドがある日自分の塾でまたある日山の雨の中で

      ちらっと感じた不思議な着物についてであります。】
Bやっぱり:【「焔
(ほのお)というものはよく見ていると奇体なものだ。それはいつでも動いている。動い
      ているがやっぱり形もきまっている。」】
Cくるっ:【「硫黄を燃せばちょっと眼のくるっとするような紫いろの焔
(ほのお)をあげる。」】
Dちゃん:【「水もやっぱり火のようにちゃんときまった性質がある。それは物をつめたくする。」】
Eはっきり:【うぐいすならば春にはっきり啼
(な)く。】
Fぴんぴん:【「ああ、ただも一度二本の足でぴんぴん歩いてあの楽地の中の泉まで行きあの冷た

      い水を両手で掬(すく)って呑むことができたらそのまま死んでもかまわないとこう思うだろ
      う。」】
Gきちん:【ブランダと呼ばれた子はすばやくきちんとなって答えました。】
Hぼおっ:【眼をつぶったくらやみの中ではそこら中ぼおっと燐の火のように青く見え、ずうっと遠くが

      大へん青くて明るくてそこに黄金(きん)の葉をもった立派な樹がぞろっとならんでさんさんさ
      んと梢(こずえ)を鳴らしているように思ったのです。】
Iずうっ:【ずうっと遠くが大へん青くて明るくてそこに黄金の葉をもった立派な樹がぞろっとならんで

      さんさんさんと梢(こずえ)を鳴らしているように思ったのです。】
Jぞろっ:【そこに黄金の葉をもった立派な樹がぞろっとならんでさんさんさんと梢
(こずえ)を鳴らしてい
      るように思ったのです。】
Kさんさんさん:【さんさんさんと梢を
(こずえ)鳴らしているように思ったのです。】
Lじっ:【子供らがじっとアラムハラドを見上げていました。】
Mしん:【つめたいしめった空気がしんとみんなのからだにせまったとき子供らは歓呼の声をあげま

      した。】
Nくしゃくしゃ:【それにいろいろの太さの蔓
(つる)がくしゃくしゃにその木をまといみちも大へんに暗か
      ったのです。】
Oやっ:【ただその梢
(こずえ)のところどころ物凄いほど碧いそらが一きれ二きれやっとのぞいて見え
      るきり、そんなに林がしげっていればそれほどみんなはよろこびました。】
Pばあ:【大臣の子のタルラはいちばんさきに立って鳥を見てはばあと両手をあげて追い栗鼠
(りす)
      を見つけては高く叫んでおどしました。】
Qだんだん:【林はだんだん深くなりかしの木やくすの木や空も見えないようでした。】
Rゆさゆさ:【樹はゆさゆさとゆすれ大へんにむしあつくどうやら雨が降って来そうなのでした。】
Sぱちぱち:【ところがアラムハラドのこう云ってしまうかしまわないうちにもう林がぱちぱち鳴りはじ

      めました。】

 『学者アラムハラドの見た着物』のオノマトペ、これで、おすめえだぁ。えがっだなす。 スネオ 拝 (^ ^;
                                                         2006.4.7.

 
 


『風の又三郎』の第十六話です。

      私は昨年九月四日、                                               ニュウファウンドランド島の小さな山村、                            ヒルテイで行われた、      ビジテリアン大祭に、                                                 日本の信者一同を代表して列席して参りました。       全体、私たちビジテリアンというのは、                               ご存知の方も多いでしょうが、                                      実は動物質のものを食べない                                      という考えのものの団結でありまして、      日本では菜食主義者と訳しますが                                主義者というよりは、                                                 も少し意味の強いことが多いのであります。      菜食信者と訳したら、                                               或は少し強すぎるかも知れませんが、                              主義者というよりは、                                                 よく実際に適(かな)っていると思います。      もっともその中にもいろいろ派がありますが、                       まあその精神について大きくわけますと、                           同情派と予防派との二つになります。  .        この名前は横からひやかしにつけたのですが、                     大へんうまく要領を云いあらわしていますから、                    かまわず私どもも使うのです。  

 ****** 『ビジテリアン大祭』 53p ****** .
 


 シカゴ畜産組合vsビジテリアン!トーク・バトルが愉快だにゃぁ、『ビジテリアン大祭』。

 っつーことで、『
賢治童話丸写しシリーズその56』だよん。(^ ^;

 私はパンフレットを手にとりました。それは今ももっていますがこう書いてあったのです。
 「◎偏狭非文明的なるビジテリアンを排す。
 マルサスの人口論は、今日定性的には誰も疑うものがない。その要領は人類の居住すべき世界
の土地は一定である、又その食料品は等差級数的に増加するだけである、然るに人口は等比級数
的に多くなる。則ち人類の食料はだんだん不足になる。人類の食料と云えば蓋
(けだ)し動物植物鉱
物の三種を出でない。そのうち鉱物では水と食塩とだけである。残りは植物と動物とが約半々を占
める。ところがここにごく偏狭な陰気な考えの人間の一群があって、動物は可哀そうだからたべては
ならんといい、世界中にこれを強いようとする。これがビジテリアンである。この主張は、実に、人類
の食物の半分を奪おうと企てるものである。換言すれば、この主張者たちは、世界人類の半分、則
ち十億人を饑餓によって殺そうと計画するものではないか。今日いずれの国の法律を以てしても、
殺人罪は一番重く罰せられる。間接ではあるけれども、ビジテリアンたちも又この罪を免れない。近
き将来、各国から委員が集って充分商議の上厳重に処罰されるのはわかり切ったことである。又こ
の事実は、ビジテリアンたちの主張が、畢竟
(ひっきょう)自家撞着に終ることを示す。則ちビジテリアン
は動物を愛するが故に動物を食べないのであろう。何が故にその為に食物を得ないで死亡する、十
億の人類を見殺しにするのであるか。人類も又動物ではないか。」
 「こいつは面白い。実に名論だ。文章も実に珍無類だ。実に面白い。」トルコの地学博士はその肥
った顔を、まるで張り裂けるようにして笑いました。みんなも笑いました。
                                          
(丸写しオシマイ)
 『
賢治童話丸写しシリーズその56』でした。

ps.こんなパンフレットが更に4種類も登場。愉快・滑稽・珍無類・トーク・バトルなのら。(^ ^;

ps2.
日本では菜食主義者と訳しますが主義者というよりは、も少し意味の強いことが多いのであり
   ます。
    菜食信者と訳したら、或は少し強すぎるかも知れませんが、主義者というよりは、よく実際に
   適
(かな)っていると思います。
    ビジテリアン=菜食信者と訳すんですかぁ、知らんかったにゃぁ。(^ ^;


  ビジテリアン大祭 お気に入りオノマトペ
           
       不意に教会の近くから、のろしが一発昇りました。             そらがまっ青に晴れて、                                              一枚の瑠璃(るり)のように見えました。       その冴(す)みきったよく磨かれた青ぞらで、                        まっ白なけむりがパッとたち、それから                               黄いろな長いけむりがうねうね下って来ました。       それはたしかに、                                                      日本でやる下り竜の仕掛け花火です。       そこで私ははっと気がつきました。             こののろしは陳氏があげているのだ、                               陳氏が支那式黄竜の仕掛け花火をやったのだと                気がつきましたので、                                                 大悦びでみんなにも説明しました。
 季節: 九月四日                 
      その時又、今朝のすてきなラッパの声が                            遠くから響いて参りました。

◆オラが好きなオノマトペ(初読)=☆☆ 5つが最高。)
Gうねうね:【それから黄いろな長いけむりがうねうね下って来ました。】

ボクの好きなオノマトペ(再読)=★★5つが最高。)
27くりくり:【あたまをまん中だけ残して、くりくり剃(そ)って、恭(うやうや)しく両手を拱(こまね)いて、陳氏
      のうしろに立っていました。】
41
きぱきぱ:【異教徒席の中からせいの高い肥ったフロックの人が出て卓子の前に立ち一寸会釈
      してそれからきぱきぱした口調で斯(こ)う述べました。】
42
きろきろ:【その人は大へん皮肉な目付きをして式場全体をきろきろ見下してから云いました。】
 

 「オノマトペ(擬音語・擬声語・擬態語)なんて集めてどうすんの?」

 
うねうね、くりくり、きぱきぱ、きろきろ、っつーの使ったことないけど、いんだにゃぁ。(^ ^;


        「◎偏狭非学術的なるビジテリアンを排せ。」           「ビジテリアンの主張は全然誤謬(ごびゅう)である。」           「今この陰気な非学術的思想を                                     動物心理学的に批判して見よう。」
      「ビジテリアンたちは                                                    動物が可哀そうだから食べないという。」      「動物が可哀そうだということがどうしてわかるか。                  ただこっちが可哀そうだと思うだけである。」      「全体豚などが死というような高等な観念を                       持っているものではない。」
      .        「あれはただ腹が空(へ)った、かぶらの茎、噛みつく、               うまい、厭きた、ねむり、起きる、鼻がつまる、                      ぐうと鳴らす、腹がへった、麦糠、たべる、うまい、                  つかれたねむる、という工合に                                       一つずつの小さな現在が続いて居るだけである。」  

 ****** ビジテリアン大祭オノマトペ ******.
 

@さっぱり:【第三は私たちもこの中でありますが、いくら物の命をとらない、自分ばかりさっぱりして
      いると云ったところで、実際にほかの動物が辛くては、何にもならない、結局はほかの動
      物がかあいそうだからたべないのだ、小さな小さなことまで、いちいち吟味して大へんな手
      数をしたり、ほかの人にまで迷惑をかけたり、そんなにまでしなくてもいい、もしたくさんの
      いのちの為に、どうしても一つのいのちが入用なときは、仕方ないから泣きながらでも食べ
      ていい、そのかわりもしその一人が自分になった場合でも敢(あえ)て避けないとこう云うので
      す。】
Aぞろぞろ:【実は私は日本から出ました際には、ニュウファウンドランドへさえ着いたら、誰の眼もみ

      なそのヒルテイという村の方へ向いてるだろう、世界中から集った旅人が、ぞろぞろそっち
      へ行くのだろうから、もうすぐ路(みち)なんかわかるだろうと思って居りました。】
Bがやがや:【トルコ人たちは、みちに出ている岩にかなづちをあてたり、がやがや話し合ったりして

      行きました。】
Cじっ:【私はじっとその顔を見ました。】
Dとうとう:【けれどもその日はとうとう話しかけるでもなく、別れてしまいましたが、その人がやはりビ

      ジテリアンで、大祭に来たものなことは疑いもありませんでした。】
Eせっせ:【旗や電燈が、ひのきの枝ややどり木などと、上手に取り合せられて装飾され、まだ七八

      人の人が、せっせと明後日の仕度をして居りました。】
Fパッ:【その冴
(す)みきったよく磨かれた青ぞらで、まっ白なけむりがパッとたち、それから黄いろな
      長いけむりがうねうね下って来ました。】
Gうねうね:【それから黄いろな長いけむりがうねうね下って来ました。】
Hはっ:【そこで私ははっと気がつきました。】
Iどやどや:【地学博士を先登
(せんとう)に、私たちは、どやどや、玄関へ降りて行きました。】
Jぐう:【あれはただ腹が空った、かぶらの茎、噛みつく、うまい、厭きた、ねむり、起きる、鼻がつま

      る、ぐうと鳴らす、腹がへった、麦糠、たべる、うまい、つかれたねむる、という工合に一つ
      ずつの小さな現在が続いて居るだけである。】
Kキ−キ−:【殺す前にキ−キ−叫ぶのは、それは引っぱられたり、たたかれたりするからだ、その

      証拠には、殺すつもりでなしに、何か鶏卵の三十も少し遠くの方でご馳走をするつもりで、
      豚の足に縄をつけて、ひっぱって見るがいいやっぱり豚はキ−キ−云う。】
Lそうっ:【こんな訳だから、ほんとうに豚を可哀そうと思うなら、そうっと怒らせないように、うまいもの

      をたべさせて置いて、にわかに熱湯にでもたたき込んでしまうがいい、豚は大悦びだ、くるっ
      と毛まで剥(む)けてしまう。】
Mくるっ:【うまいものをたべさせて置いて、にわかに熱湯にでもたたき込んでしまうがいい、豚は大悦

      びだ、くるっと毛まで剥(む)けてしまう。】
Nしっかり:【「ふん。今度のパンフレットはどれもかなりしっかりしてるね。」】
Oやっぱり:【「しかしどっかやっぱり調子が変だね。」】
Pどきどき:【正直を云いますと私もこの時は少し胸がどきどきしました。】
Qしん:【この宣伝書を読んでしまったときは、白状しますが、私たちはしばらくしんとしてしまったので

      す。】
Rパッ:【まっ青なそらで、白いけむりがパッと開き、それからトントンと音が聞えました。】
Sトントン:【それからトントンと音が聞えました。】
21つくづく:【なるほどやっぱり陳氏だ、お経にある青色青光、黄色黄光、赤色赤光、白色白光をやっ

      たんだなと、私はつくづく感心してそれを見上げました。】
22そっくり:【スナイダ−は、自分のバンド(もっともその半数は、みんなビジテリアンだったのです、)

      を、そっくりつれてやはり一昨日、ここへ着いたのだそうです。】
23じっ:【とにかく、式の始まるまでは、まだ一時間もありましたけれども、斯うにぎやかにやられては、

      とてもじっとして居られません、私たちは、大急ぎで二階に帰って、礼装をしたのです。】
24スラッ:【燕尾服もあれば厚い粗羅紗
(そらしゃ)を着た農夫もあり、綬をかけた人もあれば、スラッと瘠
      (や)せた若い軍医もありました。】
25ぞろぞろ:【そして私たちは、いつかぞろぞろ列になっていました。】
26すっかり:【一昨日別段気にもとめなかった、小さなその門は、赤いいろの藻類と、暗緑の栂
(つが)とで
      飾られて、すっかり立派に変っていました。】
27くりくり:【あたまをまん中だけ残して、くりくり剃
(そ)って、恭(うやうや)しく両手を拱(こまね)いて、陳氏のう
      しろに立っていました。】
28べらべら:【「おめでとう。お早う。いいお天気です。天の幸、君にあらんことを。」とつづけざまにべら

      べら挨拶しました。】
29シュッ:【はじめの子は、シュッとマッチをすりました。】
30ド−ン:【しばらくたって、「ド−ン」けむりと一諸に、さっきの玉は、汽車ぐらいの速さで青ぞらにのぼ

      って行きました。】
31ポンポン:【たちまち空で白いけむりが起り、ポンポンと音が下って来それから青い柳のけむりが垂

      れ、その間を燕の形の黒いものが、ぐるぐる縫って進みました。】
32ぐるぐる:【その間を燕の形の黒いものが、ぐるぐる縫って進みました。】
33ぎっしり:【式場の中はぎっしりでした】
34しいん:【いろいろな服装や色彩が、処々に配置された橙や青の盛花と入りまじり、秋の空気はすき

      とおって水のよう、信者たちも又さっきとは打って変って、しいんとして式の始まるのを待って
      いました。】
35とうとう:【とうとう、そっと私にささやきました。】
36そっ:【とうとう、そっと私にささやきました。】
37ずっ:【「けれども又異教席のやつらと、異派席の連中とくらべて見たんじゃ又ずっと違ってますね。」】
38おろおろ:【そして何か云おうとしたようでしたが、あんまり嬉しかったと見えて、もうなんにも云えず、

      ただおろおろと泣いてしまいました。】
39やっ:【長老はやっと気を取り直したらしく、大きく手を三度ふって、何か叫びかけましたけれども、今

      度だってやっぱりその通り、崩れるように泣いてしまったのです。】
40よろよろ:【拍手は天幕もひるがえるばかり、この間デビスはただよろよろと感激して頭をふるばか

      りでありました。】
41きぱきぱ:【異教徒席の中からせいの高い肥ったフロックの人が出て卓子の前に立ち一寸会釈して

      それからきぱきぱした口調で斯(こ)う述べました。】
42きろきろ:【その人は大へん皮肉な目付きをして式場全体をきろきろ見下してから云いました。】
43ほん:【神経なんというのはほんの少ししか働きません。】
44ぐんぐん:【「その証拠にはご覧なさい鶏では強制肥育ということをやる、鶏の咽喉にゴム管をあてて

      食物をぐんぐん押し込んでやる。」】
45ちゃん:【ふだんの五倍も十倍も押し込む、それでちゃんと肥
(ふと)るのです、面白い位肥るのです。】
46だんだん:【人間の心もちがだんだん人間に近いものから遠いものに行われて居ります。】
47ゆっくり:【「どうぞシカゴ畜産組合の事務所でゆっくり御計算を願います。」】
48しょんぼり:【しょんぼり壇に登って来て「悔悟します。今日から私もビジテリアンになります。」と云っ

      て今の青年の手をとったのでした。】
49すうすう:【二人は連れ立って私たちの方へ下り技師もその空いた席へ腰かけて肩ですうすう息をし

      ていました。】
50チラッ:【その男はもう大得意でチラッとさっき懺悔してビジテリアンになった友人の方を見て自分の

      席へ帰りました。】
51どっ:【ずいぶんみんな堪えたのでしたがあんまりその人の身振りが滑稽でおまけにいかにも小学

      校の二年生に教えるように云うもんですからとうとうみんなどっと吹き出しました。】
52さっさっ:【こう云ってその人はさっさっと席に戻ってしまいました。】
53くしゃくしゃ:【「私は実は宣伝書にも云って置いた通り充分詳しく論じようと思ったがさっきからのくし

      ゃくしゃしたつまらない議論で頭が痛くなったからほんの一言申し上げる、魚などは諸君が
      喰べないたって死ぬ、鰯なら人間に食われるか鯨に呑まれるかどっちかだ。」】
54ほろほろ:【「そのときと鰯もつぐみもまっ黒な鯨やくちばしの尖ったキスも出来ないような鷹に食べ

      られるよりも仁慈あるビジテリアン諸氏に泪をほろほろそそがれて喰べられた方がいいと
      云わないだろうか。」】
55ぶるぶるっ:【マットン博士はしずかにフラスコから水を呑み肩をぶるぶるっとゆすり腹を抱えそれ

      から極めておもむろに述べ始めました。】
56ぐるっ:【博士は実に得意になってかかとで一つのびあがり手で円くぐるっと環を描きました。】
57ぶるぶる:【博士はたしかに青くなってぶるぶる顫
(ふる)えていました。】
58フラッ:【私はこの時 あんまりひどい今の語
(ことば)に頭がフラッとしました。】
59せかせか:【その人はまるで顔をまっ赤にしてせかせかと祭壇にのぼりました。】
60ピタッ:【ところが水をのむとその人は俄
(にわ)かにピタッと落ち着きました。】
61ガタガタ:【その人は興奮の為にガタガタふるえてそれからやけに水をのみました。】
62しおしお:【神学博士がまたしおしおと壇に立ちました。】
63めちゃめちゃ:【すると異教席はもうめちゃめちゃでした。】
64どうん:【そのとき外ではどうんと又一発陳氏ののろしがあがりました。】
65ぴたっ:【ヒルガードは一礼して脱兎のように壇を下りただ一つあいた席にぴたっと座ってしまいま

      した。】
66ぼんやり:【けれども私はあんまりこのあっけなさにぼんやりしてしまいました。】

 『ビジテリアン大祭』のオノマトペ、まんず、これで、おすめえだぁ。えがっだなす。 スネオ 拝 (^ ^;
                                                       2006.4.7.

 
 










 
 

  「お早う、コウタン大寺の壁画の中の子供さんたち。」   








 
       
 


    トップページは曖昧模糊だなす。                                    ♪のれんにギャグ押し♪

 

  (貴重なほんのわずかな読者の方々へ)
トップページのみんなの掲示板も、ご覧くなさい。 スネオ 拝 (^ ^;

       
 

イーハトーボ農学校の春

 
次ページは『或る農学生の日誌』です。

     「お前は誰だい。」                                                右はじの子供がまっすぐに                                           瞬(またた)きもなく私を見て訊(たず)ねました。                                                             by『インドラの網』