『イーハトーヴ・オノマトペ症候群』やってます。(^ ^;
      ひなげしはみんなまっ赤に燃えあがり、                             めいめい風にぐらぐらゆれて、                                        息もつけないようでした。               そのひなげしのうしろの方で、                                       やっぱり風に髪もからだも、                                          いちめんもまれて立ちながら                                         若いひのきが云いました。               「おまえたちはみんなまっ赤な帆船でね、                           いまがあらしのとこなんだ」

 
          蛙にばけた悪魔のささやき、美の誘惑、くらくらだにゃぁ、『ひのきとひなげし』


 『イーハトーヴオノマトペ(擬音語・擬声語・擬態語) .
      「いやあだ、あたしら、                                                  そんな帆船やなんかじゃないわ。                                    せだけ高くてばかあなひのき。」                                      ひなげしどもは、みんないっしょに云いました。      「そして向うに居るのはな、                                             もうみがきたて燃えたての銅づくりのいきものなんだ。」              「いやあだ、お日さま、                                                 そんなあかがねなんかじゃないわ。                                  せだけ高くてばかあなひのき。」                                      ひなげしどもはみんないっしょに叫びます。
宮沢賢治童話の私設ファンコーナー22です。

               ★宮沢賢治童話を是非ぜひゼヒ読んでネ★
んで、22回目の今回は、


           ** ダウンロード篇  **
   手に入らなかった短篇、ネットで探し、ダウンロードさせていただきました。感謝。(^ ^;    .
                             ところがこのときお日さまは、                                         さっさっさっと大きな呼吸を四五へんついて                         るり色をした山に入ってしまいました。
             黒ぶどう
 ────────────── 6p
             マリヴロンと少女
─────────── 7p
             毒蛾
 ─────────────── 18p
             革トランク
 ───────────── 10p
             バキチの仕事
──────────── 7p →ここまで20ページです。
             手紙
 ─────────────── 13p
             馬の頭巾
  ───────────── 12p
             氷と後光(習作)
───────────11p
             車
───────────────── 9p
             カイロ団長
───────────── 27p →ここまで21ページです。
             ひのきとひなげし ────────── 13p
             畑のへり
 ────────────── 6p
             サガレンと八月
─────────── 12p
              葡萄水
 ────────────── 12p
             寓話 洞熊学校を卒業した三人 ────
 28p
             三人兄弟の医者と北守将軍[韻文形]── 39p→ここから23ページです。
              けだものの運動会 ────────── 6p

             月夜のけだもの ─────────── 15p
             よく利く薬とえらい薬
 ───────── 12p
             チュウリップの幻術
────────── 18p の20短編です。

                   


 
 


『ダウンロード篇』の第十一話です。

           風が一そうはげしくなって                                             ひのきもまるで青黒馬のしっぽのよう、                              ひなげしどもはみな熱病にかかったよう、                           てんでに何かうわごとを、南の風に云ったのですが                 風はてんから相手にせずどしどし向うへかけぬけます。          .    ひなげしどもはそこですこうししずまりました。     

 『ひのきとひなげし』 13p 
 

 蛙にばけた悪魔のささやき、美の誘惑、くらくらだにゃぁ、      美容院はどちらでしょうか。   『ひのきとひなげし』。

 っつーことで、『
賢治童話丸写しシリーズその95』だよん。(^ ^;

 向うの葵の花壇から悪魔が小さな蛙にばけて、ベートーベンの着たような青いフロックコート
を羽織りそれに新月よりもけだかいばら娘に仕立てた自分の弟子の手を引いて、大変あわて
た風をしてやって来たのです。
 「や、道をまちがえたかな。それとも地図が違ってるか。失敗。失敗。はて、一寸聞いて見よ
う。もしもし、美容術のうちはどっちでしたかね。」
 ひなげしはあんまり立派なばらの娘を見、又美容術と聞いたので、みんなドキッとしましたが、
誰もはずかしがって返事をしませんでした。悪魔の蛙がばらの娘に云いました。
 「ははあ、この辺のひなげしどもはみんなつんぼか何かだな。それに全然無学だな。」娘に
ばけた悪魔の弟子はお口をちょっと三角にしていかにもすなおにうなずきました。
 女王のテクラが、もう非常な勇気で云いました。「何かご用でいらっしゃいますか。」
 「あ、これは。ええ、一寸おたずねいたしますが、美容院はどちらでしょうか。」
 「さあ、あいにくとそういうところ存じませんでございます。一体それがこの近所にでもござい
ましょうか。」
 「それはもちろん。現に私のこのむすめなど、前は尖
(とが)ったおかしなもんでずいぶん心配
しましたがかれこれ三度助手のお方に来ていただいてすっかり術をほどこしましてとにかく今
はあなた方ともご交際なぞ願えばねがえるようなわけ、あす紐育
(ニューヨーク)に連れてでますの
でちょっとお礼に出ましたので。では。」
 「あ、一寸。一寸お待ち下さいませ。その美容術の先生はどこへでも出張なさいますかしら。」
 「しましょうな」
 「それでは誠になんですが、お序
(つい)での節、こちらへもお廻りねがえませんでしょうか。」
 「そう。しかし私はその先生の書生というでもありません。けれども、しかしとにかくそう云い
ましょう。おい。行こう。さよなら。」
 悪魔は娘の手をひいて、向うのどてのかげまで行くと片眼をつぶって云いました。
 「お前はこれで帰ってよし。そしてキャベジと鮒とをな灰で煮込んでおいてくれ。ではおれは
今度は医者だから。」といいながらすっかり小さな白い鬚の医者にばけました。悪魔の弟子
はさっそく大きな雀の形になってぼろんと飛んで行きました。
                                   
(丸写しオシマイ)
 
賢治童話丸写しシリーズその95』でした


 ひのきとひなげし 漫画紹介できましぇん。

       申し訳なかぁ。


 

 漫画版『ひのきとひなげし』は、おそらく多分ありましぇん。
 漫画版『畑のへり』も、『サガレンと八月』も、『葡萄水』も、おそらく多分ありましぇん。

 っつーことで漫画の紹介は、ずうっとしばらくシバラク暫く、お待ちくなさい。(^ ^;


 ひのきとひなげし お気に入りオノマトペ
 季節: 春
                  向うの葵の花壇から悪魔が小さな蛙にばけて、                  ベートーベンの着たような青いフロックコートを羽織り              それに新月よりもけだかいばら娘に仕立てた                       自分の弟子の手を引いて、                                         大変あわてた風をしてやって来たのです。               「や、道をまちがえたかな。                                            それとも地図が違ってるか。失敗。失敗。                         はて、一寸聞いて見よう。                                           もしもし、美容術のうちはどっちでしたかね。」

◆オラが好きなオノマトペ=読んでない。

▼ボクの
好きなオノマトペ5つが最高。)
B
さっさっさっ:【ところがこのときお日さまは、さっさっさっと大きな呼吸を四五へんついて
      るり色をした山に入ってしまいました。】
G
ぼろん:【悪魔の弟子はさっそく大きな雀の形になってぼろんと飛んで行きました。】
 

 「オノマトペ(擬音語・擬声語・擬態語)なんて集めてどうすんの?」

 
ぼろん:【悪魔の弟子はさっそく大きな雀の形になってぼろんと飛んで行きました。】

 雀がぼろんと飛んで行きました、っつーの何か変だにゃぁ。(^ ^;

 ps.悪魔の弟子っつーのなかなか魅惑的だにゃぁ。(^ ^;



        「お前はこれで帰ってよし。                                           そしてキャベジと鮒とをな灰で煮込んでおいてくれ。               ではおれは今度は医者だから。」といいながら                     すっかり小さな白い鬚の医者にばけました。               .       悪魔の弟子はさっそく大きな雀の形になって                       ぼろんと飛んで行きました。  

 * ひのきとひなげしオノマトペ *.
 

@ぐらぐら:【ひなげしはみんなまっ赤に燃えあがり、めいめい風にぐらぐらゆれて、息もつけな
      いようでした。】
Aやっぱり:【そのひなげしのうしろの方で、やっぱり風に髪もからだも、いちめんもまれて立ち
      ながら若いひのきが云いました。】
Bさっさっさっ:【ところがこのときお日さまは、さっさっさっと大きな呼吸を四五へんついてるり
      色をした山に入ってしまいました。】
Cどしどし:【風が一そうはげしくなってひのきもまるで青黒馬のしっぽのよう、ひなげしどもは
      みな熱病にかかったよう、てんでに何かうわごとを、南の風に云ったのですが風は
      てんから相手にせずどしどし向うへかけぬけます。】
Dこそこそ:【いちばん小さいひなげしが、ひとりでこそこそ云いました。】
Eドキッ:【ひなげしはあんまり立派なばらの娘を見、又美容術と聞いたので、みんなドキッと
      しましたが、誰もはずかしがって返事をしませんでした。】
Fすっかり:【「お前はこれで帰ってよし。そしてキャベジと鮒とをな灰で煮込んでおいてくれ。
      ではおれは今度は医者だから。」といいながらすっかり小さな白い鬚の医者にばけ
      ました。】
Gぼろん:【悪魔の弟子はさっそく大きな雀の形になってぼろんと飛んで行きました。】
Hだんだん:【東の雲のみねはだんだん高く、だんだん白くなって、いまは空の頂上まで届くほ
      どです。】
Iドキドキ:【賢いテクラがドキドキしながら云いました。】
Jしいん:【ひなげしはしいんとしてしまいました。】
Kそおっ:【雲のみねはだんだん崩れてしずかな金いろにかがやき、そおっと、北の方へ流れ
      出しました。】
Lじっ:【お医者もじっとやっぱりおひげをにぎったきり、花壇の遠くの方などはもうぼんやりと
      藍いろです。】
Mぼんやり:【花壇の遠くの方などはもうぼんやりと藍いろです。】
Nざわっ:【そのとき風が来ましたのでひなげしどもはちょっとざわっとなりました。】
Oちらっ:【お医者もちらっと眼をうごかしたようでしたがまもなくやっぱり前のようしいんと静ま
      り返っています。】
Pぱらぱら:【「ではそのわしがこの紙をひとつぱらぱらめくるからみんないっしょにこう云いな
      さい。】
Qぱらぱらぱらぱら:【「では」ぱらぱらぱらぱら、】
Rきらきら:【「するとここらの空気にな。きらきら赤い波がたつ。」】
Sきっ:【悪魔のお医者はきっと立ってこれを見渡していましたがその光が消えてしまうとまた
      云いました。】
21ちらちら:【空気へうすい蜜のような色がちらちら波になりました。】
22ザァッ:【その時風がザァッとやって来ました。】
23ぽかっ:【ひなげしはみんなあっけにとられてぽかっとそらをながめています。】
24ばりばり:【「もう一足でおまえたちみんな頭をばりばり食われるとこだった。」】
25がりがり:【「おまえたちが青いけし坊主のまんまでがりがり食われてしまったらもう来年はこ
      こへは草が生えるだけ、それに第一スターになりたいなんておまえたち、スターて何
      だか知りもしない癖に。」】
26ちゃん:【「つまり双子星座様は双子星座様のところにレオーノ様はレオーノ様のところに、ち
      ゃんと定まった場所でめいめいのきまった光りようをなさるのがオールスターキャスト、
      な、ところがありがたいもんでスターになりたいなりたいと云っているおまえたちがその
      ままそっくりスターでな、おまけにオールスターキャストだということになってある。」】
27ぴかぴか:【それは雲の峯がみんな崩れて牛みたいな形になりそらのあちこちに星がぴかぴか
      しだしたのです。】

 『ひのきとひなげし』のオノマトペ、これで、おすめえだぁ。まんず、えがっだなす。 スネオ 拝 (^ ^;
                                                      2006.9.16.

 
 




『ダウンロード篇』の第十二話です。

          麻が刈られましたので、                                              畑のへりに一列に植えられていたとうもろこしは、                  大へん立派に目立ってきました。          小さな虻(あぶ)だの                                                  べっ甲いろのすきとおった羽虫だの                                  みんなかわるがわる来て挨拶して行くのでした。            .       とうもろこしには、もう頂上にひらひらした穂が立ち、               大きな縮れた葉のつけねには                                       尖(とが)った青いさやができていました。   .

** 『畑のへり』 6p **
 

 上等の遠めがねでとうもろこしを覗いた蛙クン、    「ぎゃぁ、幽霊ぢゃ!」     早とちりだにゃぁ、『畑のへり』。

 っつーことで、『
賢治童話丸写しシリーズその96』だよん。 (^ ^;

 一疋
(ぴき)の蛙が刈った畑の向うまで跳んで来て、いきなり、このとうもろこしの列を見て、びっく
りして云いました。
 「おや、へんな動物が立っているぞ。からだは瘠
(や)せてひょろひょろだが、ちゃんと列を組んで
いる。ことによるとこれはカマジン国の兵隊だぞ。どれ、よく見てやろう。」
 そこで蛙は上等の遠めがねを出して眼にあてました。そして大きくなったとうもろこしのかたちを
ちらっと見るや蛙はぎゃあと叫んで遠めがねも何もほうり出して一目散に遁げだしました。
 蛙がちょうど五百ばかりはねたときもう一ぴきの蛙がびっくりしてこっちを見ているのに会いまし
た。
 「おおい、どうしたい。いったい誰ににらまれたんだ。」
 「どうしてどうして、全くもう大変だ。カマジン国の兵隊がとうとうやって来た。みんな二ひきか三
びきぐらい幽霊をわきにかかえてる。その幽霊は歯が七十枚あるぞ。あの幽霊にかじられたら、
もうとてもたまらんぜ。かあいそうに、麻はもうみんな食われてしまった。みんなまっすぐな、いい
若い者だったのになあ。ばりばり骨まで噛じられたとは本当に人ごととも思われんなあ。」
 「何かい、兵隊が幽霊をつれて来たのかい、そんなにこわい幽霊かい。」
 「どうしてどうしてまあ見るがいい。どの幽霊も青白い髪の毛がばしゃばしゃで歯が七十枚おま
けに足から頭の方へ青いマントを六枚も着ている。」
 「いまどこにいるんだ。」
 「おまえのめがねで見るがいい。あすこだよ。麻ばたけの向う側さ。おれは眼鏡も何もすてて来
たよ。」
 あたらしい蛙は遠めがねを出して見ました。
                           
(丸写しオシマイ)
 『
賢治童話丸写しシリーズその96』でした。


  畑のへり お気に入りオノマトペ
 季節: 夏            「何だあれは幽霊でも何でもないぜ。                                あれはとうもろこしというやつだ。                                     おれは去年から知ってるよ。」          「そんなに人が悪くない。                                               わきに居るのは幽霊でない。」            「みんな立派な娘さんだよ。                                          娘さんたちはみんな緑色のマントを着てるよ。」

◆オラが好きなオノマトペ=読んでない。

▼ボクの好きなオノマトペ(再読)=5つが最高。)
H
ばしゃばしゃ:【「どの幽霊も青白い髪の毛がばしゃばしゃで歯が七十枚おまけに足
      から頭の方へ青いマントを六枚も着ている。」】
N
ぎゅっくぎゅっく:【「いいかい、うたうよ。ぎゅっくぎゅっく。」】

 「オノマトペ(擬音語・擬声語・擬態語)なんて集めてどうすんの?」

 
ばしゃばしゃ:【「どの幽霊も青白い髪の毛がばしゃばしゃで歯が七十枚おまけに足
      から頭の方へ青いマントを六枚も着ている。」】

 青白い髪の毛がばしゃばしゃ、っつーのビミョウに変だにゃぁ。 (^ ^;


           「歌ってるんだ。                                                        けれどもぼくたちよりはへただねえ。」               「へただ、ぼく少しうたってきかしてやろうかな。                       ぼくうたったらきっとびっくりしてこっちを向くねえ。」           .       「うたってごらん。                                                       こっちへ来たらその葉のかげにかくれよう。」   .

** 畑のへりオノマトペ **

@ひらひら:【とうもろこしには、もう頂上にひらひらした穂が立ち、大きな縮れた葉のつけねに
      は尖
(とが)った青いさやができていました。】
Aざわざわ:【そして風にざわざわ鳴りました。】
Bひょろひょろ:【「おや、へんな動物が立っているぞ。からだは瘠
(や)せてひょろひょろだが、ち
      ゃんと列を組んでいる。」】
Cちゃん:【「からだは瘠
(や)せてひょろひょろだが、ちゃんと列を組んでいる。ことによるとこれ
      はカマジン国の兵隊だぞ。」】
Dちらっ:【そして大きくなったとうもろこしのかたちをちらっと見るや蛙はぎゃあと叫んで遠めが
      ねも何もほうり出して一目散に遁げだしました。】
Eぎゃあ:【蛙はぎゃあと叫んで遠めがねも何もほうり出して一目散に遁げだしました。】
Fとうとう:【「カマジン国の兵隊がとうとうやって来た。みんな二ひきか三びきぐらい幽霊をわき
      にかかえてる。」】
Gばりばり:【「ばりばり骨まで噛じられたとは本当に人ごととも思われんなあ。」】
Hばしゃばしゃ:【「どの幽霊も青白い髪の毛がばしゃばしゃで歯が七十枚おまけに足から頭の
      方へ青いマントを六枚も着ている。」】
Iつやつや:【「それにとうもろこしの娘さんたちの長いつやつやした髪の毛は評判なもんだ。」】
Jがりがり:【「みんながりがりとってるねえ。」】
Kざあざあ:【「とうもろこしは恐がってみんな葉をざあざあうごかしているよ。」】
Lぱっ:【「するとそれがぱっと青白い火になって燃えあがったよ。」】
Mきっ:【「ぼくうたったらきっとびっくりしてこっちを向くねえ。」】
Nぎゅっくぎゅっく:【「いいかい、うたうよ。ぎゅっくぎゅっく。」】
Oぎゅっく:【「どうもつかれて声が出ないよ。ぎゅっく。もうよそう。」】
Pやっぱり:【とうもろこしはさやをなくして大変さびしくなりましたがやっぱり穂をひらひら空にう
      ごかしていました。】

 『畑のへり』のオノマトペ、まんず、これで、おすめえだぁ。えがっだなす。 スネオ 拝 (^ ^;
                                                 2006.9.30.

 
 


『ダウンロード篇』の第十三話です。

          「何の用でここへ来たの、                                             何かしらべに来たの、                                                何かしらべに来たの。」           西の山地から吹いて来たまだ少しつめたい風が                   私の見すぼらしい黄いろの上着を                                  ぱたぱたかすめながら                                                 何べんも何べんも通って行きました。           「おれは内地の農林学校の助手だよ、                             だから標本を集めに来たんだい。」         .       私はだんだん雲の消えて                                             青ぞらの出て来る空を見ながら、                                   威張ってそう云いましたらもうその風は                              海の青い暗い波の上に行っていて                                  いまの返事も聞かないよう                                           あとからあとから別の風が来て                                       勝手に叫んで行きました。   .

*** 『サガレンと八月』 12p ***
 

 オホ−ツクの渚で、風のきれぎれの物語を聞きたいにゃぁ、『サガレンと八月』。

 っつーことで、『
賢治童話丸写しシリーズその97』だよん。(^ ^;

 向うの海が孔雀石いろと暗い藍いろと縞になっているその堺のあたりでどうもすきとおった風ども
が波のために少しゆれながらぐるっと集って私からとって行ったきれぎれの語
(ことば)を丁度ぼろぼろ
になった地図を組み合せる時のように息をこらしてじっと見つめながらいろいろにはぎ合せているの
をちらっと私は見ました。
 また私はそこから風どもが送ってよこした安心のような気持も感じて受け取りました。そしたら丁
度あしもとの砂に小さな白い貝殻に円い小さな孔があいて落ちているのを見ました。つめたがいに
やられたのだな朝からこんないい標本がとれるならひるすぎは十字狐
(じゅうじぎつね)だってとれるにち
がいないと私は思いながらそれを拾って雑嚢
(ざつのう)に入れたのでした。そしたら俄かに波の音が
強くなってそれは斯
(こ)う云ったように聞えました。
 「貝殻なんぞ何にするんだ。そんな小さな貝殻なんど何にするんだ、何にするんだ。」
 「おれは学校の助手だからさ。」私はついまたつりこまれてどなりました。するとすぐ私の足もとか
ら引いて行った潮水はまた巻き返して波になってさっとしぶきをあげながら又叫びました。
 「何にするんだ、何にするんだ、貝殻なんぞ何にするんだ。」
 私はむっとしてしまいました。
 「あんまり訳がわからないな、ものと云うものはそんなに何でもかでも何かにしなけぁいけないも
んじゃないんだよ。そんなことおれよりおまえたちがもっとよくわかってそうなもんじゃないか。」
 すると波はすこしたじろいだようにからっぽな音をたててからぶつぶつ呟くように答えました。
 「おれはまた、おまえたちならきっと何かにしなけぁ済まないものと思ってたんだ。」
 私はどきっとして顔を赤くしてあたりを見まわしました。
 ほんとうにその返事は謙遜な申し訳けのような調子でしたけれども私はまるで立っても居てもい
られないように思いました。
 そしてそれっきり浪はもう別のことばで何べんも巻いて来ては砂をたててさびしく濁り、砂を滑ら
かな鏡のようにして引いて行っては一きれの海藻をただよわせたのです。
 そして、ほんとうに、こんなオホ−ツク海のなぎさに座って乾いて飛んで来る砂やはまなすのい
い匂を送って来る風のきれぎれのものがたりを聴いているとほんとうに不思議な気持がするので
した。それも風が私にはなしたのか私が風にはなしたのかあとはもうさっぱりわかりません。また
それらのはなしが金字の厚い何冊もの百科辞典にあるようなしっかりしたつかまえどこのあるも
のかそれとも風や波といっしょに次から次と移って消えて行くものかそれも私にはわかりません。
ただそこから風や草穂のいい性質があなたがたのこころにうつって見えるならどんなにうれしいか
しれません。
       
(丸写しオシマイ)
 『
賢治童話丸写しシリーズその97』でした。

 ps.サガレン、て何だべ? わがらないだっちゃ。


 サガレンと八月 お気に入りオノマトペ
 季節: 夏            「ひとりで浜へ行ってもいいけれど、                                   あそこにはくらげがたくさん落ちている。」         「寒天みたいなすきとおしてそらも見えるようなものが               たくさん落ちているからそれをひろってはいけないよ。               それからそれで物をすかして見てはいけないよ。」         「おまえの眼は悪いものを見ないように                              すっかりはらってあるんだから。」           「くらげはそれを消すから。                                             おまえの兄さんもいつかひどい眼にあったから。」

◆オラが好きなオノマトペ=読んでない。

ボクの好きなオノマトペ(再読)=★★★5つが最高。)
21
にがにが:【タネリはにがにが笑いながらはだしでそのぬれた砂をふんで行きました。】
24
にくにく:【そこに指をあてて見ますとにくにく寒天のようなつめたいものでした。】
33
ちょぼん:【「小僧、来い。いまおれのとこのちょうざめの家に下男がなくて困ったいると
      こだ。ごち走してやるから来い。」云ったかと思うとタネリはもうしっかり犬神に両
      足をつかまれてちょぼんと立ち、陸地はずんずんうしろの方へ行ってしまって自
      分は青いくらい波の上を走って行くのでした。】
 

 「オノマトペ(擬音語・擬声語・擬態語)なんて集めてどうすんの?」

 
にくにく:【そこに指をあてて見ますとにくにく寒天のようなつめたいものでした。】

 にくにく寒天のようなつめたいもの、っつーのすっごくキモイにゃぁ。(^ ^;


         「こんならもう穴石はいくらでもある。                                 それよりあのおっ母の云った                                         おかしなものを見てやろう。」               タネリはにがにが笑いながら                                          はだしでそのぬれた砂をふんで行きました。           すると、ちゃんとあったのです。        .         砂の一とこが円くぽとっとぬれたように見えて                       そこに指をあてて見ますと                                            にくにく寒天のようなつめたいものでした。   .

*** サガレンと八月オノマトペ ***
 

@ぱたぱた:【西の山地から吹いて来たまだ少しつめたい風が私の見すぼらしい黄いろの上着
      をぱたぱたかすめながら何べんも何べんも通って行きました。】
Aだんだん:【私はだんだん雲の消えて青ぞらの出て来る空を見ながら、威張ってそう云いまし
      たらもうその風は海の青い暗い波の上に行っていていまの返事も聞かないようあとか
      らあとから別の風が来て勝手に叫んで行きました。】
Bとうとう:【私はそこでとうとうまた言ってしまいました。】
Cどんどん:【「そんなにどんどん行っちまわないでせっかくひとへ物を訊いたらしばらく返事を待
      っていたらいいじゃないか。」】
Dぷいっ:【もうほんとうにだめなやつだ、はなしにもなんにもなったもんじゃない、と私がぷいっ
      と歩き出そうとしたときでした。】
Eぐるっ:【向うの海が孔雀石いろと暗い藍いろと縞になっているその堺のあたりでどうもすきと
      おった風どもが波のために少しゆれながらぐるっと集って私からとって行ったきれぎれ
      の語
(ことば)を丁度ぼろぼろになった地図を組み合せる時のように息をこらしてじっと見
      つめながらいろいろにはぎ合せているのをちらっと私は見ました。】
Fきれぎれ:【私からとって行ったきれぎれの語
(ことば)を丁度ぼろぼろになった地図を組み合せ
      る時のように息をこらしてじっと見つめながらいろいろにはぎ合せているのをちらっと
      私は見ました。】
Gぼろぼろ:【丁度ぼろぼろになった地図を組み合せる時のように息をこらしてじっと見つめなが
      らいろいろにはぎ合せているのをちらっと私は見ました。】
Hじっ:【息をこらしてじっと見つめながらいろいろにはぎ合せているのをちらっと私は見ました。】
Iちらっ:【いろいろにはぎ合せているのをちらっと私は見ました。】
Jさっ:【するとすぐ私の足もとから引いて行った潮水はまた巻き返して波になってさっとしぶきを
      あげながら又叫びました。】
Kむっ:【私はむっとしてしまいました。】
Lもっ:【「そんなことおれよりおまえたちがもっとよくわかってそうなもんじゃないか。」】
Mぶつぶつ:【すると波はすこしたじろいだようにからっぽな音をたててからぶつぶつ呟くように答
      えました。】
Nどきっ:【私はどきっとして顔を赤くしてあたりを見まわしました。】
Oさっぱり:【それも風が私にはなしたのか私が風にはなしたのかあとはもうさっぱりわかりませ
      ん。】
Pしっかり:【またそれらのはなしが金字の厚い何冊もの百科辞典にあるようなしっかりしたつか
      まえどこのあるものかそれとも風や波といっしょに次から次と移って消えて行くものか
      それも私にはわかりません。】
Qぷつっ:【「おれ海へ行って孔石(あないし)をひろって来るよ。」とタネリが云いましたらおっか
      さんは太い縫糸を歯でぷつっと切ってそのきれはしをぺっと吐いて云いました。】
Rぺっ:【そのきれはしをぺっと吐いて云いました。】
Sすっかり:【「おまえの眼は悪いものを見ないようにすっかりはらってあるんだから。」】
21にがにが:【タネリはにがにが笑いながらはだしでそのぬれた砂をふんで行きました。】
22ちゃん:【すると、ちゃんとあったのです。】
23ぽとっ:【砂の一とこが円くぽとっとぬれたように見えてそこに指をあてて見ますとにくにく寒天
      のようなつめたいものでした。】
24にくにく:【そこに指をあてて見ますとにくにく寒天のようなつめたいものでした。】
25どぼん:【間もなく浪がどぼんと鳴ってそれからすうっと白い泡をひろげながら潮水がやって来
      ました。】
26ぷらん:【思わずくらげをぷらんと手でぶら下げてそっちをすかして見ましたらさあどうでしょう、
      いままでの明るい青いそらががらんとしたまっくらな穴のようなものに変ってしまってそ
      の底で黄いろな火がどんどん燃えているようでした。】
27がらん:【いままでの明るい青いそらががらんとしたまっくらな穴のようなものに変ってしまって
      その底で黄いろな火がどんどん燃えているようでした。】
28むくむく:【おまけに水平線の上のむくむくした雲の向うから鉛いろの空のこっちから口のむく
      れた三疋
(びき)の大きな白犬に横っちょにまたがって黄いろの髪をばさばささせ大きな
      口をあけたり立てたりし歯をがちがち鳴らす恐ろしいばけものがだんだんせり出して
      昇って来ました。】
29ばさばさ:【口のむくれた三疋
(びき)の大きな白犬に横っちょにまたがって黄いろの髪をばさば
      ささせ大きな口をあけたり立てたりし歯をがちがち鳴らす恐ろしいばけものがだんだ
      んせり出して昇って来ました。】
30がちがち:【大きな口をあけたり立てたりし歯をがちがち鳴らす恐ろしいばけものがだんだん
      せり出して昇って来ました。】
31ちらちら:【もうタネリは小さくなって恐れ入っていましたらそらはすっかり明るくなりそのギリヤ
      −クの犬神は水平線まですっかりせり出し間もなく海に犬の足がちらちら映りながら
      こっちの方へやって来たのです。】
32ぱくぱく:【すると犬神はまるでこわい顔をして口をぱくぱくうごかしました。】
33ちょぼん:【「小僧、来い。いまおれのとこのちょうざめの家に下男がなくて困ったいるとこだ。
      ごち走してやるから来い。」云ったかと思うとタネリはもうしっかり犬神に両足をつかま
      れてちょぼんと立ち、陸地はずんずんうしろの方へ行ってしまって自分は青いくらい波
      の上を走って行くのでした。】
34ずんずん:【陸地はずんずんうしろの方へ行ってしまって自分は青いくらい波の上を走って行
      くのでした。】
35ぎゅっ:【すると犬神はぎゅっとタネリの足を強く握って「ほざくな小僧、いるかの子がびっくりし
      てるじゃないか。」と云ったかと思うとぽっとあたりが青ぐらくなりました。】
36ぽっ:【と云ったかと思うとぽっとあたりが青ぐらくなりました。】
37ぼんやり:【肩をひどく打ってタネリが起きあがって見ましたらそこはもう海の底で上の方は青
      く明るくただ一とこお日さまのあるところらしく白くぼんやり光っていました。】
38ぼろぼろ:【タネリは辛い塩水の中でぼろぼろ涙をこぼしました。】
39にやにや:【犬神はおかしそうに口をまげてにやにや笑って又云いました。】
40ごほごほ:【「ちょうざめ、どうしたい。」するとごほごほいやなせきをする音がしてそれから「ど
      うもきのこにあてられてね。」ととても苦しそうな声がしました。】
41ぴしぴし:【「実はね、おまえのとこに下男がなかったもんだから今日一人見附けて来てやっ
      たんだ。蟹にしておいたがね、ぴしぴし遠慮なく使うがいい。」】
42ぶるぶる:【タネリはこわくてもうぶるぶるふるえながらそのまっ暗な孔
(あな)の中へはい込んで
      行きましたら、ほんとうに情けないと思いながらはい込んで行きましたら犬神はうしろ
      から砂を吹きつけて追い込むようにしました。】
43うう:【するとちょうざめがううと一つうなりました。】

 『サガレンと八月』のオノマトペ、これで、おすめえだぁ。まんず、えがっだなす。 スネオ 拝 (^ ^;
                                                     2006.10.02.

 
 


『ダウンロード篇』の第十四話です。

         耕平は髪も角刈りで、おとなのくせに、                             今日は朝から口笛などを吹いています。       畑の方の手があいて、ここ二三日は、西の野原へ、             葡萄をとりに出られるようになったからです。       そこで耕平は、うしろのまっ黒戸棚の中から、                     兵隊の上着を引っぱり出します。                                  一等卒の上着です。       いつでも野原へ出るときは、                                         きっとこいつを着るのです。     .       空が光って青いとき、                                                黄いろなすじの入った兵隊服を着て、                             大手をふって野原を行くのは、                                      誰だっていい気持ちです。  .  

**** 『葡萄水』 12p ****
 

 岩手弁がじわぁぁぁっと、いんだなや、      「うんにゃ。税務署に見っけらえれば、罰金取らえる。              見っけらえなぃば、すっこすっこど葡ん萄酒呑む。」               「なじょして蔵(かく)して置ぐあんす。」『葡萄水』。

 っつーことで、『
賢治童話丸写しシリーズその98』だよん。(^ ^;

 野原の上の空などは、あんまり青くて光ってうるんで、却って気の毒なくらいです。
 その気の毒なそらか、すきとおる風か、それともうしろの畑のへりに立って、玉蜀黍
(とうもろこし)
ような赤髪を、ぱちゃぱちゃした小さなはだしの子どもか誰か、とにかく斯
(こ)う歌っています。
    「馬こは、みんな、居なぐなた。
    仔っこ馬もみんな随
(つ)いで行た。
    いまでぁ野原もさぁみしんぢゃ、
    草ぱどひでりあめばがり。」
 実は耕平もこの歌をききました。ききましたから却って手を大きく振って、
 「ふん、一向さっぱりさみしぐなぃんぢゃ。」と云ったのです。
 野原はさびしくてもさびしくなくても、とにかく日光は明るくて、野葡萄はよく熟しています。そのさま
ざまな草の中を這って、まっ黒に光って熟しています。
 そこで耕平は、葡萄をとりはじめました。そして誰でも、野原で一ぺん何かをとりはじめたら、仲々
やめはしないものです。ですから耕平もかまわないで置いて、もう大丈夫です。今に晩方また来て
見ましょう。みなさんもなかなか忙がしいでしょうから。
                                
(丸写しオシマイ)
 『
賢治童話丸写しシリーズその98』でした。


 葡萄水 お気に入りオノマトペ
 季節:         すっかり夜になりました。                                             耕平のうちには黄いろのランプがぼんやりついて、                  馬屋では馬もふんふん云っています。         耕平は、さっき頬っぺたの光るくらい                                ご飯を沢山喰べましたので、まったく嬉しがって                    赤くなって、ふうふう息をつきながら、大きな木鉢へ                葡萄のつぶをパチャパチャむしっています。        耕平のおかみさんは、                                               ポツンポツンとむしっています。        耕平の子は、葡萄の房を振りまわしたり、                         パチャンと投げたりするだけです。                                    何べん叱られてもまたやります。          「おお、青い青い、見る見る。」なんて云っています。              その黒光りの房の中に、ほんの一つか二つ、                      小さな青いつぶがまじっているのです。

◆オラが好きなオノマトペ=読んでない。

ボクの好きなオノマトペ(再読)=★★★5つが最高。)
D
どしゃどしゃ:【日暮れの草をどしゃどしゃふんで、もうすぐそこに来ています。】
P
すっこすっこ:【「うんにゃ。税務署に見っけらえれば、罰金取らえる。見っけらえなぃば、
      すっこすっこど葡ん萄酒呑む。」】
R
こちこち:【そのうちにおかみさんは流しでこちこち瓶を洗って持って来ました。】
26
きいらりきいら:【「一昨日、みぃぞれ降ったればすずらんの実ぃ、みんな赤ぐなて、雪の
      支度のしろうさぎぁ、きいらりきいらど歯ぁみがぐ。」】
 

 「オノマトペ(擬音語・擬声語・擬態語)なんて集めてどうすんの?」

 
すっこすっこ:【「うんにゃ。税務署に見っけらえれば、罰金取らえる。見っけらえなぃば、
      すっこすっこど葡ん萄酒呑む。」】

 意味ゆぐわがらないがども、たしか、
『鹿踊りのはじまり』に、すっこんすっこ(ごくりごくり)
っつーのがあっただなや。
 そうすっと、
すっこすっこ、っつーのは、ごくごく、っつー意味だべさ。(^ ^;


         「ぢゃ、今年ぁ、こいつさ砂糖入れるべな。」                        「罰金取らえらんすぢゃ。」          「うんにゃ。税務署に見っけらえれば、罰金取らえる。              見っけらえなぃば、すっこすっこど葡ん萄酒呑む。」               「なじょして蔵(かく)して置ぐあんす。」        「うん。砂糖入れで、すぐに今夜、                                    瓶さ詰めでしむべぢゃ。そして落しの中さ置ぐべすさ。             瓶、去年なのな、あったたぢゃな。」                                「瓶はあらんす。」        「そだら砂糖持ってこ、                                                喜助ぁ先どな持って来たけぁぢゃ。」                               「あん、あらんす。」                                                    砂糖が来ました。                                                    耕平はそれを鉢の汁の中に投げ込んで掻きまわし、             その汁を今度は布の袋にあけました。   .       袋はぴんとはり切ってまっ赤なので、                               「ほう、こいづはまるで牛の胆のよだな。」                             と耕平が云いました。                                                そのうちにおかみさんは流しで                                       こちこち瓶を洗って持って来ました。  .

**** 葡萄水オノマトペ ****
 

@のっしのっし:【大きげんでのっしのっしと、野原を歩いて参ります。】
Aぱちゃぱちゃ:【その気の毒なそらか、すきとおる風か、それともうしろの畑のへりに立って、
      玉蜀黍
(とうもろこし)のような赤髪を、ぱちゃぱちゃした小さなはだしの子どもか誰か、と
      にかく斯
(こ)う歌っています。】
Bさっぱり:【ききましたから却って手を大きく振って、「ふん、一向さっぱりさみしぐなぃんぢゃ。」
      と云ったのです。】
Cだんだん:【向うの山は群青いろのごくおとなしい海鼠
(なまこ)のようによこになり、耕平はせな
      かいっぱい荷物をしょって、遠くの遠くのあくびのあたりの野原から、だんだん帰って
      参ります。】
Dどしゃどしゃ:【日暮れの草をどしゃどしゃふんで、もうすぐそこに来ています。】
Eぼんやり:【耕平のうちには黄いろのランプがぼんやりついて、馬屋では馬もふんふん云って
      います。】
Fふんふん:【馬屋では馬もふんふん云っています。】
Gふうふう:【耕平は、さっき頬っぺたの光るくらいご飯を沢山喰べましたので、まったく嬉しがっ
      て赤くなって、ふうふう息をつきながら、大きな木鉢へ葡萄のつぶをパチャパチャむし
      っています。】
Hパチャパチャ:【大きな木鉢へ葡萄のつぶをパチャパチャむしっています。】
Iポツンポツン:【耕平のおかみさんは、ポツンポツンとむしっています。】
Jパチャン:【耕平の子は、葡萄の房を振りまわしたり、パチャンと投げたりするだけです。】
Kきょろきょろ:【実際コンネテクカット大学校で、私の習ってきたことは、「お前はきょろきょろ、
      自分と人とをばかりくらべてばかりいてはならん。」ということだけです。】
Lてかてか:【おとなしい耕平のおかみさんが、葡萄のはいったあの桶を、てかてかの板の間の
      まん中にひっぱり出しました。】
Mぴょんぴょん:【子供はまわりをぴょんぴょんとびます。】
Nフウフウ:【耕平は今夜も赤く光って、熱
(ほて)ってフウフウ息をつきながら、だまって立って見て
      います。】
Oじっ:【耕平はじっとしばらく見ていましたが、いきなり高く叫びました。】
Pすっこすっこ:【「うんにゃ。税務署に見っけらえれば、罰金取らえる。見っけらえなぃば、すっこ
      すっこど葡ん萄酒呑む。」】
Qぴん:【袋はぴんとはり切ってまっ赤なので、「ほう、こいづはまるで牛の胆のよだな。」と耕平が
      云いました。】
Rこちこち:【そのうちにおかみさんは流しでこちこち瓶を洗って持って来ました。】
Sせっせ:【それから二人はせっせと汁を瓶につめて栓をしました。】
21だんだん:【「うう、渋、うう、酸っかい。湧ぃでるぢゃい。」なんて云いながら、一本ずつだんだん
      のんでしまったのでした。】
22ずらり:【さて瓶がずらりと板の間にならんで、まるでキラキラします。】
23キラキラ:【まるでキラキラします。】
24ボッ:【そこで「ボッ」という爆発のような音が、どこからとなく聞えて来ました。】
25ずうっ:【それからずうっとしばらくたって、又音がします。】
26きいらりきいら:【「一昨日、みぃぞれ降ったればすずらんの実ぃ、みんな赤ぐなて、雪の支度の
      しろうさぎぁ、きいらりきいらど歯ぁみがぐ。」】
27そっ:【さあ、そこでこんどこそは、耕平が、そっとしまった葡萄酒は順序ただしくみんなはじけて
      なくなった。と斯
(こ)う云うわけです。】

 『葡萄水』のオノマトペ、まんず、これで、おすめえだぁ。えがっだなす。 スネオ 拝 (^ ^;
                                               2006.10.03.

 
 


『ダウンロード篇』の第十五話です。

        「ここはどこでござりまするな。」                                       と云いながら                                                          めくらのかげろうが杖をついてやって来た。       「ここは宿屋ですよ。」                                                 と蜘蛛が六つの眼をパチパチさせて云った。                        かげろうはやれやれというように、巣へ腰をかけました。       蜘蛛は走って出ました。                                            「さあ、お茶をおあがりなさい。」                                       と云いながらいきなり                                                 かげろうの胴中に噛みつきました。       そして、かげろうは                                                     お茶をとろうとして出した手を空にあげて、                         バタバタもがきながら、                                               「あわれやむすめ、父親が、旅で果てたと聞いたなら」              と哀れな声で歌い出しました。       「えい。やかましい。じたばたするな。」                                と蜘蛛が云いました。     .       するとかげろうは手を合せて、                                       「お慈悲でございます。遺言のあいだ、                               ほんのしばらくお待ちなされて下されませ。」                        とねがいました。  .

ほらくま                         .
***** 『寓話 洞熊学校を卒業した三人』 28p *****
 

 先生って生徒から見るとこんな風だにゃぁ、   「大きなものがいちばん立派なのです。」    『寓話 洞熊学校を卒業した三人』。

 っつーことで、『
賢治童話丸写しシリーズその99』だよん。(^ ^;
<イントロ>
 赤い手の長い蜘蛛と、銀いろのなめくじと、顔を洗ったことのない狸が、いっしょに洞熊学校に
はいりました。洞熊先生の教えることは三つでした。
 一年生のときは、うさぎと亀のかけくらのことで、も一つは大きなものがいちばん立派だという
ことでした。それから三人はみんな一番になろうと一生けん命競争しました。一年生のときは、
なめくじと狸がしじゅう遅刻して罰を食ったために蜘蛛が一番になった。なめくじと狸とは泣いて
口惜しがった。二年生のときは、洞熊先生が点数の勘定を間違ったために、なめくじが一番に
なり蜘蛛と狸とは歯ぎしりしてくやしがった。三年生の試験のときは、あんまりあたりが明るいた
めに洞熊先生が涙をこぼして眼をつぶってばかりいたものですから、狸は本を見て書きました。
そして狸が一番になりました。そこで赤い手長の蜘蛛と、銀いろのなめくじと、それから顔を洗っ
たことのない狸が、一しょに洞熊学校を卒業しました。三人は上べは大へん仲よさそうに、洞熊
先生を呼んで謝恩会ということをしたりこんどはじぶんらの離別会ということをやったりしました
けれども、お互にみな腹のなかでは、へん、あいつらに何ができるもんか、これから誰がいちば
ん大きくえらくなるか見ていろと、そのことばかり考えておりました。さて会も済んで三人はめい
めいじぶんのうちに帰っていよいよ習ったことをじぶんでほんとうにやることになりました。洞熊
先生の方もこんどはどぶ鼠をつかまえて学校に入れようと毎日追いかけて居りました。
                                              
(丸写しオシマイ)
 『
賢治童話丸写しシリーズその99』でした。

 ps.『寓話 洞熊学校を卒業した三人』は、
『蜘蛛となめくじと狸』をほぼそのまま使いながら作
   り直した童話作品だなす。


 寓話 洞熊学校を卒業した三人 漫画紹介

 @ますむらひろし:『カイロ団長 洞熊学校を卒業した三人』(偕成社)  .

                    狸クン、グンバツだにゃぁ。(^ ^;
 

 ますむらひろしの漫画版『寓話 洞熊学校を卒業した三人』は、狸クン、      「そうじゃ。みんな往生じゃ。                                          山猫大明神さまのおぼしめしどおりじゃ。な。                     なまねこ。なまねこ。」 えがっだなす。

 ますむらひろし、律儀だなや。(^ ^;
 あとがきを読むと、赤い手長の蜘蛛をあちこち探しまくってもう大変なんすから。
 結局、実在しない蜘蛛だっつーことがわかってほんとにおつかれさんでした。
 今回は動物や虫たちが何種類も登場して、なかなか楽しかったですよ。特にチョイ役の旅の蚊
のしっぽに小さな小さな風呂敷包みが結わえてあったりして、リアルとデフォルメのバランスが心
地いがっだにゃぁ。蛙のとぼけた顔やズルイ目つきも楽しかったにゃぁ。
 けれども、なんつっても「顔を洗ったことのない狸クン」の豊かな表情がブラボーだったにゃぁ。
 あくびする狸クン、悔しがる狸クン、馬鹿にする狸クン、腹ぺこな狸クン、悪巧みな狸クン、そら
涙ボロボロ狸クン、困ってる狸クン、一筋縄では行かないダーティー・ヒロイックな狸クン、えがっ
だなす。ボクが見て来た全漫画中、狸ではナンバー・ワンな名優狸クンでげすな、こいつは。なま
ねこ、なまねこ。
 狸クンの名演技に思わずニンマリのボクでしたなも。えがっだ、えがっだ。

 っつーことで、『寓話 洞熊学校を卒業した三人』の漫画版、狸クンに乾杯なのら。(^ ^;


 寓話 洞熊学校を卒業した三人 お気に入りオノマトペ
 季節: 不特定
        かたつむりは、                                                        「なめくじさん。                                                         今度は私もすっかり困ってしまいましたよ。                         まだわたしの食べるものはなし、水はなし、                         すこしばかりお前さんのうちにためてある                             ふきのつゆを呉れませんか。」と云いました。         するとなめくじが云いました。                                       「あげますともあげますとも、さあ、おあがりなさい。」        「ああありがとうございます。助かります。」                            と云いながらかたつむりは                                            ふきのつゆをどくどくのみました。        「もっとおあがりなさい。                                                 あなたと私とは云わば兄弟。ハッハハ。                             さあ、さあ、も少しおあがりなさい。」                                となめくじが云いました。        「そんならも少しいただきます。                                         ああありがとうございます。」                                          と云いながらかたつむりはも少しのみました。       「かたつむりさん。気分がよくなったら                                 一つひさしぶりで相撲をとりましょうか。                             ハッハハ。久しぶりです。」となめくじが云いました。

◆オラが好きなオノマトペ=読んでない。

ボクの好きなオノマトペ(再読)=5つが最高。)
C
くうん:【夜あけごろ、遠くから小さなこどものあぶがくうんとうなってやって来て網につきあた
      った。】
D
むんず:【蜘蛛はまるできちがいのように、枝のかげから駆け出してむんずとあぶに食いつ
      いた。】
28
どくどく:【「ああありがとうございます。助かります。」と云いながらかたつむりはふきのつゆ
      をどくどくのみました。】
30
みしみし:【そこで銀色のなめくじはかたつむりを殻ごとみしみし喰べてしまいました。】
31
もがもが:【「も少しよく嘗めないとあとで大変ですよ。今度又来てももう直してあげませんよ。
      ハッハハ。」となめくじはもがもが返事をしながらやはりとかげを嘗めつづけました。】
38
どくどくどくどく:【蛙はどくどくどくどく水を呑んでからとぼけたような顔をしてしばらくなめくじ
      を見てから云いました。】
 

 「オノマトペ(擬音語・擬声語・擬態語)なんて集めてどうすんの?」

 
どくどく:【「ああありがとうございます。助かります。」と云いながらかたつむりはふきのつゆ
      をどくどくのみました。】
 
どくどくどくどく:【蛙はどくどくどくどく水を呑んでからとぼけたような顔をしてしばらくなめくじ
      を見てから云いました。】

 かたつむりはふきのつゆをどくどくのみました、っつーのなんとなく、全身で呑んでる感じが
  するにゃぁ。(^ ^;

 どくどくどくどく水を呑む、っつーのなんとなく、ハゲシク呑んでる感じがするにゃぁ。(^ ^;


        狸はわざと顔を洗わなかったのだ。                                  丁度蜘蛛が林の入口の楢の木に、                                二銭銅貨位の巣をかけた時、                                      じぶんのうちのお寺へ帰っていたけれども、                         やっぱりすっかりお腹が空いて                                       一本の松の木によりかかって目をつぶっていました。         すると兎がやって参りました。                                       「狸さま。こうひもじくては全く仕方ございません。                    もう死ぬだけでございます。」         狸がきもののえりを掻き合せて云いました。                       「そうじゃ。みんな往生じゃ。                                          山猫大明神さまのおぼしめしどおりじゃ。な。                     なまねこ。なまねこ。」         兎も一諸に念猫をとなえはじめました。                           「なまねこ、なまねこ、なまねこ、なまねこ」         狸は兎の手をとって                                                   もっと自分の方へ引きよせました。                                「なまねこ、なまねこ、                                                  みんな山猫さまのおぼしめしどおりになるのじゃ。                  なまねこ。なまねこ。」                                                と云いながら兎の耳をかじりました。     .       兎はびっくりして叫びました。                                       「あ痛っ。狸さん。ひどいじゃありませんか」  

***** 寓話 洞熊学校卒業した三人オノマトペ *****
 

@ぶんぶんぶんぶん:【ちょうどそのときはかたくりの花の咲くころで、たくさんのたくさんの眼の碧い
      蜂の仲間が、日光のなかをぶんぶんぶんぶん飛び交いながら、一つ一つの小さな桃いろ
      の花に挨拶して蜜や香料を貰ったり、そのお礼に黄金
(きん)いろをした円い花粉をほかの
      花のところへ運んでやったり、あるいは新らしい木の芽からいらなくなった蝋を集めて六
      角形の巣を築いたりもういそがしくにぎやかな春の入口になっていました。】
Aぼんやり:【そこでひもじいのを我慢して、ぼんやりしたお月様の光で網をかけはじめた。】
Bやっ:【けれども蜘蛛は、「いまに見ろ、いまに見ろ」と云いながら、一生けん命糸をたぐり出して、
      やっと小さな二銭銅貨位の網をかけた。】
Cくうん:【夜あけごろ、遠くから小さなこどものあぶがくうんとうなってやって来て網につきあたった。】
Dむんず:【蜘蛛はまるできちがいのように、枝のかげから駆け出してむんずとあぶに食いついた。】
Eほっ:【そしてほっと息をついてしばらくそらを向いて腹をこすってから、又少し糸をはいた。】
Fギラギラ:【蜘蛛はまた枝のかげに戻って、六つの眼をギラギラ光らせながらじっと網をみつめて
      居た。】
Gじっ:【六つの眼をギラギラ光らせながらじっと網をみつめて居た。】
Hパチパチ:【「ここは宿屋ですよ。」と蜘蛛が六つの眼をパチパチさせて云った。】
Iやれやれ:【かげろうはやれやれというように、巣へ腰をかけました。】
Jバタバタ:【かげろうはお茶をとろうとして出した手を空にあげて、バタバタもがきながら、「あわれ
      やむすめ、父親が、旅で果てたと聞いたなら」と哀れな声で歌い出しました。】
Kじたばた:【「えい。やかましい。じたばたするな。」と蜘蛛が云いました。】
Lほん:【するとかげろうは手を合せて「お慈悲でございます。遺言のあいだ、ほんのしばらくお待ち
      なされて下されませ。」とねがいました。】
Mなみなみ:【「もうしご冥加ご報謝と、かどなみなみに立つとても、非道の蜘蛛の網ざしき、さわるま
      いぞや。よるまいぞ。」】
Nぱちぱち:【そしてしばらくそらを向いて、腹をこすってからちょっと眼をぱちぱちさせて「小しゃくな
      ことを言うまいぞ。」とふざけたように歌いながら又糸をはきました。】
Oすっかり:【蜘蛛はすっかり安心して、又葉のかげにかくれました。】
Pスルスル:【「赤いてながのくぅも、天のちかくをはいまわり、スルスル光のいとをはき、きぃらりきぃ
      らり巣をかける。」】
Qきぃらりきぃらり:【「きぃらりきぃらり巣をかける。」】
Rすうっ:【「ここへおいで」と手長の蜘蛛が云って糸を一本すうっとさげてやりました。】
Sへらへら:【ある日夫婦のくもは、葉のかげにかくれてお茶をのんでいますと、下の方でへらへら
      した声で歌うものがあります。】
21ずっ:【見るとそれはいつのまにかずっと大きくなったあの銀色のなめくじでした。】
22すうすう:【網は時々風にやぶれたりごろつきのかぶとむしにこわされたりしましたけれどもくもは
      すぐすうすう糸をはいて修繕しました。】
23どんどん:【虫がどんどんひっかかります。】
24キリキリキリッ:【蜘蛛はキリキリキリッとはがみをして云いました。】
25きっ:【「何を。狸め。おれはいまに虫けら会の会長になってきっときさまにおじぎをさせて見せる
      ぞ。」】
26べとべと:【そこで四人は足のさきからだんだん腐れてべとべとになり、ある日とうとう雨に流され
      てしまいました。】
27とうとう:【ある日とうとう雨に流されてしまいました。】
28どくどく:【「ああありがとうございます。助かります。」と云いながらかたつむりはふきのつゆをどく
      どくのみました。】
29もっ:【「もっとおあがりなさい。あなたと私とは云わば兄弟。ハッハハ。」】
30みしみし:【そこで銀色のなめくじはかたつむりを殻ごとみしみし喰べてしまいました。】
31もがもが:【「も少しよく嘗めないとあとで大変ですよ。今度又来てももう直してあげませんよ。ハッ
      ハハ。」となめくじはもがもが返事をしながらやはりとかげを嘗めつづけました。】
32やはり:【なめくじはもがもが返事をしながらやはりとかげを嘗めつづけました。】
33やっ:【それを聞いたとき、とかげはやっと安心しました。】
34ペロリ:【そこでなめくじはペロリととかげをたべました。】
35ふう:【そしてかえって蜘蛛からあざけられて、熱病を起して、毎日毎日、ようし、おれも大きくなる
      くらい大きくなったらこんどはきっと虫けら院の名誉議員になってくもが何か云ったときふ
      うと息だけついて返事してやろうと云っていた。】
36ヘラヘラ:【なめくじはいつでもハッハハと笑って、そしてヘラヘラした声で物を言うけれども、どう
      も心がよくなくて蜘蛛やなんかよりは却って悪いやつだというのでみんなが軽べつをはじ
      めました。】
37せいせい:【そのうちに蜘蛛が腐敗して溶けて雨に流れてしまいましたので、なめくじも少しせい
      せいしながら誰か早く来るといいと思ってせっかく待っていた。】
38どくどくどくどく:【蛙はどくどくどくどく水を呑んでからとぼけたような顔をしてしばらくなめくじを見
      てから云いました。】
39むっくり:【蛙はそれを聞くと、むっくり起きあがってあぐらをかいて、かばんのような大きな口を
      一ぱいにあけて笑いました。】
40せっせ:【そうそうこのときは丁度秋に蒔いた蕎麦の花がいちめん白く咲き出したときであの眼
      の碧いすがるの群はその四っ角な畑いっぱいうすあかい幹の間をくぐったり花のつい
      たちいさな枝をぶらんこのようにゆすぶったりしながら今年の終りの蜜をせっせと集め
      て居りました。】
41やっぱり:【丁度蜘蛛が林の入口の楢の木に、二銭銅貨位の巣をかけた時、じぶんのうちのお
      寺へ帰っていたけれども、やっぱりすっかりお腹が空いて一本の松の木によりかかっ
      て目をつぶっていました。】
42むにゃむにゃ:【狸はむにゃむにゃ兎の耳をかみながら、「なまねこ、なまねこ、世の中のことは
      な、みんな山猫さまのおぼしめしのとおりじゃ。おまえの耳があんまり大きいのでそれを
      わしに噛って直せというのは何というありがたいことじゃ。なまねこ。」と云いながら、とう
      とう兎の両方の耳をたべてしまいました。】
43ボロボロ:【兎もそうきいていると、たいへんうれしくてボロボロ涙をこぼして云いました。】
44ぎろぎろ:【狸は眼をぎろぎろして外へ聞えないようにしばらくの間口をしっかり閉じてそれから
      手で鼻をふさいでいました。】
45しっかり:【外へ聞えないようにしばらくの間口をしっかり閉じてそれから手で鼻をふさいでいま
      した。】
46きょろきょろ:【狼はすっかりおびえあがって、しばらくきょろきょろしながらたずねました。】
47ちくちく:【どういうわけか非常に腹が痛くて、のどのところへちくちく刺さるものがある。】
48ボロ−ン:【とうとう狼をたべてから二十五日めに狸はからだがゴム風船のようにふくらんでそ
      れからボロ−ンと鳴って裂けてしまった。】
49だんだん:【あの狼の下げて来た籾が芽を出してだんだん大きくなったのだ。】

 『寓話 洞熊学校を卒業した三人』のオノマトペ
                     これで、おすめえだぁ。まんず、えがっだなす。 スネオ 拝 (^ ^;
                                                     2006.10.07.

 














        「美容院はどちらでしょうか。」    









       
 


目次ジャンプ

 

  (貴重なほんのわずかな読者の方々へ)
目次の掲示板に、ご意見ご感想おたより等お寄せくなさい。 スネオ 拝 (^ ^;

 

ダウンロード篇4

 

次回配本は、第16話『三人兄弟の医者と北守将軍[韻文形]』です。

 
ダウンロード篇2
 
前ページに戻ります。

     「現に私のこのむすめなど、                                            前は尖(とが)ったおかしなもんで                                    ずいぶん心配しましたがかれこれ三度                             助手のお方に来ていただいて                                        すっかり術をほどこしましてとにかく今は                             あなた方ともご交際なぞ願えばねがえるようなわけ、              あす紐育(ニューヨーク)に連れてでますので                       ちょっとお礼に出ましたので。」                                                        by『ひのきとひなげし』

   トップページは因果応報だなす。                                                     ♪肩こりギャグ痛♪