『ダウンロード篇』の第十五話です。
ほらくま .
***** 『寓話 洞熊学校を卒業した三人』 28p *****
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先生って生徒から見るとこんな風だにゃぁ、 『寓話 洞熊学校を卒業した三人』。
っつーことで、『賢治童話を丸写しシリーズその99』だよん。(^
^;
<イントロ>
赤い手の長い蜘蛛と、銀いろのなめくじと、顔を洗ったことのない狸が、いっしょに洞熊学校に
はいりました。洞熊先生の教えることは三つでした。
一年生のときは、うさぎと亀のかけくらのことで、も一つは大きなものがいちばん立派だという
ことでした。それから三人はみんな一番になろうと一生けん命競争しました。一年生のときは、
なめくじと狸がしじゅう遅刻して罰を食ったために蜘蛛が一番になった。なめくじと狸とは泣いて
口惜しがった。二年生のときは、洞熊先生が点数の勘定を間違ったために、なめくじが一番に
なり蜘蛛と狸とは歯ぎしりしてくやしがった。三年生の試験のときは、あんまりあたりが明るいた
めに洞熊先生が涙をこぼして眼をつぶってばかりいたものですから、狸は本を見て書きました。
そして狸が一番になりました。そこで赤い手長の蜘蛛と、銀いろのなめくじと、それから顔を洗っ
たことのない狸が、一しょに洞熊学校を卒業しました。三人は上べは大へん仲よさそうに、洞熊
先生を呼んで謝恩会ということをしたりこんどはじぶんらの離別会ということをやったりしました
けれども、お互にみな腹のなかでは、へん、あいつらに何ができるもんか、これから誰がいちば
ん大きくえらくなるか見ていろと、そのことばかり考えておりました。さて会も済んで三人はめい
めいじぶんのうちに帰っていよいよ習ったことをじぶんでほんとうにやることになりました。洞熊
先生の方もこんどはどぶ鼠をつかまえて学校に入れようと毎日追いかけて居りました。
(丸写しオシマイ)
『賢治童話を丸写しシリーズその99』でした。
ps.『寓話 洞熊学校を卒業した三人』は、『蜘蛛となめくじと狸』をほぼそのまま使いながら作
り直した童話作品だなす。
『寓話 洞熊学校を卒業した三人 』の漫画の紹介
@ますむらひろし:『カイロ団長 洞熊学校を卒業した三人』(偕成社) .
◆狸クン、グンバツだにゃぁ。(^ ^;
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ますむらひろしの漫画版『寓話
洞熊学校を卒業した三人』は、狸クン、 えがっだなす。
ますむらひろし、律儀だなや。(^ ^;
あとがきを読むと、赤い手長の蜘蛛をあちこち探しまくってもう大変なんすから。
結局、実在しない蜘蛛だっつーことがわかってほんとにおつかれさんでした。
今回は動物や虫たちが何種類も登場して、なかなか楽しかったですよ。特にチョイ役の旅の蚊
のしっぽに小さな小さな風呂敷包みが結わえてあったりして、リアルとデフォルメのバランスが心
地いがっだにゃぁ。蛙のとぼけた顔やズルイ目つきも楽しかったにゃぁ。
けれども、なんつっても「顔を洗ったことのない狸クン」の豊かな表情がブラボーだったにゃぁ。
あくびする狸クン、悔しがる狸クン、馬鹿にする狸クン、腹ぺこな狸クン、悪巧みな狸クン、そら
涙ボロボロ狸クン、困ってる狸クン、一筋縄では行かないダーティー・ヒロイックな狸クン、えがっ
だなす。ボクが見て来た全漫画中、狸ではナンバー・ワンな名優狸クンでげすな、こいつは。なま
ねこ、なまねこ。
狸クンの名演技に思わずニンマリのボクでしたなも。えがっだ、えがっだ。
っつーことで、『寓話 洞熊学校を卒業した三人』の漫画版、狸クンに乾杯なのら。(^ ^;
「オノマトペ(擬音語・擬声語・擬態語)なんて集めてどうすんの?」
どくどく:【「ああありがとうございます。助かります。」と云いながらかたつむりはふきのつゆ
をどくどくのみました。】
どくどくどくどく:【蛙はどくどくどくどく水を呑んでからとぼけたような顔をしてしばらくなめくじ
を見てから云いました。】
かたつむりはふきのつゆをどくどくのみました、っつーのなんとなく、全身で呑んでる感じが
するにゃぁ。(^ ^;
どくどくどくどく水を呑む、っつーのなんとなく、ハゲシク呑んでる感じがするにゃぁ。(^
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『寓話 洞熊学校を卒業した三人』のオノマトペ
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@ぶんぶんぶんぶん:【ちょうどそのときはかたくりの花の咲くころで、たくさんのたくさんの眼の碧い
蜂の仲間が、日光のなかをぶんぶんぶんぶん飛び交いながら、一つ一つの小さな桃いろ
の花に挨拶して蜜や香料を貰ったり、そのお礼に黄金(きん)いろをした円い花粉をほかの
花のところへ運んでやったり、あるいは新らしい木の芽からいらなくなった蝋を集めて六
角形の巣を築いたりもういそがしくにぎやかな春の入口になっていました。】
Aぼんやり:【そこでひもじいのを我慢して、ぼんやりしたお月様の光で網をかけはじめた。】
Bやっ:【けれども蜘蛛は、「いまに見ろ、いまに見ろ」と云いながら、一生けん命糸をたぐり出して、
やっと小さな二銭銅貨位の網をかけた。】
Cくうん:【夜あけごろ、遠くから小さなこどものあぶがくうんとうなってやって来て網につきあたった。】
Dむんず:【蜘蛛はまるできちがいのように、枝のかげから駆け出してむんずとあぶに食いついた。】
Eほっ:【そしてほっと息をついてしばらくそらを向いて腹をこすってから、又少し糸をはいた。】
Fギラギラ:【蜘蛛はまた枝のかげに戻って、六つの眼をギラギラ光らせながらじっと網をみつめて
居た。】
Gじっ:【六つの眼をギラギラ光らせながらじっと網をみつめて居た。】
Hパチパチ:【「ここは宿屋ですよ。」と蜘蛛が六つの眼をパチパチさせて云った。】
Iやれやれ:【かげろうはやれやれというように、巣へ腰をかけました。】
Jバタバタ:【かげろうはお茶をとろうとして出した手を空にあげて、バタバタもがきながら、「あわれ
やむすめ、父親が、旅で果てたと聞いたなら」と哀れな声で歌い出しました。】
Kじたばた:【「えい。やかましい。じたばたするな。」と蜘蛛が云いました。】
Lほん:【するとかげろうは手を合せて「お慈悲でございます。遺言のあいだ、ほんのしばらくお待ち
なされて下されませ。」とねがいました。】
Mなみなみ:【「もうしご冥加ご報謝と、かどなみなみに立つとても、非道の蜘蛛の網ざしき、さわるま
いぞや。よるまいぞ。」】
Nぱちぱち:【そしてしばらくそらを向いて、腹をこすってからちょっと眼をぱちぱちさせて「小しゃくな
ことを言うまいぞ。」とふざけたように歌いながら又糸をはきました。】
Oすっかり:【蜘蛛はすっかり安心して、又葉のかげにかくれました。】
Pスルスル:【「赤いてながのくぅも、天のちかくをはいまわり、スルスル光のいとをはき、きぃらりきぃ
らり巣をかける。」】
Qきぃらりきぃらり:【「きぃらりきぃらり巣をかける。」】
Rすうっ:【「ここへおいで」と手長の蜘蛛が云って糸を一本すうっとさげてやりました。】
Sへらへら:【ある日夫婦のくもは、葉のかげにかくれてお茶をのんでいますと、下の方でへらへら
した声で歌うものがあります。】
21ずっ:【見るとそれはいつのまにかずっと大きくなったあの銀色のなめくじでした。】
22すうすう:【網は時々風にやぶれたりごろつきのかぶとむしにこわされたりしましたけれどもくもは
すぐすうすう糸をはいて修繕しました。】
23どんどん:【虫がどんどんひっかかります。】
24キリキリキリッ:【蜘蛛はキリキリキリッとはがみをして云いました。】
25きっ:【「何を。狸め。おれはいまに虫けら会の会長になってきっときさまにおじぎをさせて見せる
ぞ。」】
26べとべと:【そこで四人は足のさきからだんだん腐れてべとべとになり、ある日とうとう雨に流され
てしまいました。】
27とうとう:【ある日とうとう雨に流されてしまいました。】
28どくどく:【「ああありがとうございます。助かります。」と云いながらかたつむりはふきのつゆをどく
どくのみました。】
29もっ:【「もっとおあがりなさい。あなたと私とは云わば兄弟。ハッハハ。」】
30みしみし:【そこで銀色のなめくじはかたつむりを殻ごとみしみし喰べてしまいました。】
31もがもが:【「も少しよく嘗めないとあとで大変ですよ。今度又来てももう直してあげませんよ。ハッ
ハハ。」となめくじはもがもが返事をしながらやはりとかげを嘗めつづけました。】
32やはり:【なめくじはもがもが返事をしながらやはりとかげを嘗めつづけました。】
33やっ:【それを聞いたとき、とかげはやっと安心しました。】
34ペロリ:【そこでなめくじはペロリととかげをたべました。】
35ふう:【そしてかえって蜘蛛からあざけられて、熱病を起して、毎日毎日、ようし、おれも大きくなる
くらい大きくなったらこんどはきっと虫けら院の名誉議員になってくもが何か云ったときふ
うと息だけついて返事してやろうと云っていた。】
36ヘラヘラ:【なめくじはいつでもハッハハと笑って、そしてヘラヘラした声で物を言うけれども、どう
も心がよくなくて蜘蛛やなんかよりは却って悪いやつだというのでみんなが軽べつをはじ
めました。】
37せいせい:【そのうちに蜘蛛が腐敗して溶けて雨に流れてしまいましたので、なめくじも少しせい
せいしながら誰か早く来るといいと思ってせっかく待っていた。】
38どくどくどくどく:【蛙はどくどくどくどく水を呑んでからとぼけたような顔をしてしばらくなめくじを見
てから云いました。】
39むっくり:【蛙はそれを聞くと、むっくり起きあがってあぐらをかいて、かばんのような大きな口を
一ぱいにあけて笑いました。】
40せっせ:【そうそうこのときは丁度秋に蒔いた蕎麦の花がいちめん白く咲き出したときであの眼
の碧いすがるの群はその四っ角な畑いっぱいうすあかい幹の間をくぐったり花のつい
たちいさな枝をぶらんこのようにゆすぶったりしながら今年の終りの蜜をせっせと集め
て居りました。】
41やっぱり:【丁度蜘蛛が林の入口の楢の木に、二銭銅貨位の巣をかけた時、じぶんのうちのお
寺へ帰っていたけれども、やっぱりすっかりお腹が空いて一本の松の木によりかかっ
て目をつぶっていました。】
42むにゃむにゃ:【狸はむにゃむにゃ兎の耳をかみながら、「なまねこ、なまねこ、世の中のことは
な、みんな山猫さまのおぼしめしのとおりじゃ。おまえの耳があんまり大きいのでそれを
わしに噛って直せというのは何というありがたいことじゃ。なまねこ。」と云いながら、とう
とう兎の両方の耳をたべてしまいました。】
43ボロボロ:【兎もそうきいていると、たいへんうれしくてボロボロ涙をこぼして云いました。】
44ぎろぎろ:【狸は眼をぎろぎろして外へ聞えないようにしばらくの間口をしっかり閉じてそれから
手で鼻をふさいでいました。】
45しっかり:【外へ聞えないようにしばらくの間口をしっかり閉じてそれから手で鼻をふさいでいま
した。】
46きょろきょろ:【狼はすっかりおびえあがって、しばらくきょろきょろしながらたずねました。】
47ちくちく:【どういうわけか非常に腹が痛くて、のどのところへちくちく刺さるものがある。】
48ボロ−ン:【とうとう狼をたべてから二十五日めに狸はからだがゴム風船のようにふくらんでそ
れからボロ−ンと鳴って裂けてしまった。】
49だんだん:【あの狼の下げて来た籾が芽を出してだんだん大きくなったのだ。】
『寓話 洞熊学校を卒業した三人』のオノマトペ、
これで、おすめえだぁ。まんず、えがっだなす。
スネオ 拝 (^ ^;
2006.10.07.
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