漢詩 陸放翁
小園
其三
南宋 陸游
村南村北
鴣聲,
水刺新秧漫漫平。
行遍天涯千萬里,
却從鄰父學春耕。
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小園 其の三
村南 村北
鴣
(ぼっこ)
の聲,
水は 新秧
(しんあう)
を刺し 漫漫として平らかなり。
行きて遍ねし 天涯 千萬里,
却
(かへ)
って 鄰父に從ひて 春耕を學ぶ。
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◎私感訳注:
※村南村北
鴣聲:村のあちこちでスズカゲバトの鳴き声が(聞こえる春の季節となった)。 ・村南村北:村のあちこちで。村中で。 ・
鴣:〔ぼっこ;bo2gu1●○〕鳩の一種。スズカゲバト。カノコバト。
※水刺新秧漫漫平:水には、植えたての苗が突き出て、水面が広々と平らかに広がっている。 ・刺:さす。切る。苗が水面から出ている様の表現。 ・新秧:植えたての苗。 ・漫漫:水流の広いさま。
※行遍天涯千萬里:(志を高く持って)故郷を遠く離れた地の涯までも、遥かな旅をして遍く旅をした(ものだったが)。 ・行:旅して行く。 ・遍:行き渡る。あまねし。 ・天涯:故郷を遠く離れたきわめて遠いところ。異郷。天のはて。地の涯。 ・千萬里:長大な道程を謂う。
※却從鄰父學春耕:しかしながら(今では過去とは)反対に、となりの(農家の)親父さんから春の農耕の手ほどきを受けている(ようになった)。 ・却:反対に。かえって。 ・從:…より。 ・鄰父:となりの親父さん。 ・春耕:春の農作業の支度。春に農作物を植える準備のために田畑を耕すこと。
◎ 構成について
韻式は「AAA」。韻脚は「聲平耕」で、平水韻下平八庚。次の平仄はこの作品のもの。
○○○●●○○,(韻)
●●○○●●○。(韻)
○●○○○●●,
●○○●●○○。(韻)
2006.12.27
12.28
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