huanying xinshang Ding Fengzhang de zhuye




 滿江紅
            
                    宋 岳飛


怒髮衝冠
憑闌處、
瀟瀟雨歇。
抬望眼、
仰天長嘯,
壯懷激烈。
三十功名塵與土,
八千里路雲和月。
莫等閒、
白了少年頭,
空悲切。


靖康耻,
猶未雪。
臣子憾,
何時滅。
駕長車踏破,
賀蘭山缺。
壯志饑餐胡虜肉,
笑談渇飮匈奴血。
從頭
收拾舊山河,
朝天闕。

    **********************




背景は、この詞『満江紅』(岳王廟にて)
秦檜(向かって右)と妻の王氏



      滿江紅

怒髮  冠を衝き,
欄に憑る 處
(とき)
瀟瀟たる 雨 歇む。
望眼を 抬
(もちあ)げ、
天を仰ぎ  長嘯
(ちゃうせう)すれば,
壯懷  激烈。
三十の功名  塵 與
(と)土,
八千里路  雲 和
(と)月。
等閒にする 莫れ、白く了
(なりおおせ)たる  少年の頭,
空しく 悲切。


靖康の 耻,
猶ほ未だ雪
(すす)がず。
臣子の 憾
(うらみ)
何れの時か 滅せん。
長車に駕し,
賀蘭山を 踏破して 缺
(こぼ)たん。
壯志あるもの  饑しとき 餐するは 胡虜の肉,
笑談して  渇きしとき 飮むは 匈奴の血。
(はじめ) 從(よ)り、舊(もと)の山河を 收拾せるを 待ちて,
天闕に 朝せん。



             ******************
私感訳注:

◎中国人では誰でも知っている憂国の詞として、この作品を挙げました。よく詠われ、秋瑾や毛沢東を始めとして、多くの慷慨の詞にも部分的に使われています。押印は入声でするので、独特の味わいがあります。
※満江紅:詞牌の一。詞の形式名。入声で押印する。詳しくは「構成について」を参照。
※岳飛:宋代相州湯陰の人。抗金の英雄。主戦派。そのため、講和派の秦檜の讒言により、罪を得て謀殺される。漢民族の英雄とされる。
※怒髮:憤怒のために髪が逆立つこと。
※衝冠:冠を突き上げる。史記・刺客列傳の荊軻の項に「髪盡上指冠。」とある。
※憑闌:欄干に寄りかかる。本によっては闌を欄とする。 ・處:とき。また、ところ。ここは、前者の意。
※瀟瀟:雨が寂しく降る様。「楚歌悲兮雨瀟瀟」の瀟瀟。「風蕭蕭兮易水寒。」の蕭蕭は、風がもの寂しく吹く様をいう。
※歇:(古・現代語)やむ。
※抬:(白話)持ち上げる。
※抬望眼:頭を擡げて、遠方を見晴るかす。
※仰天:天を仰ぐ。
※嘯:うそぶく。声をあげて、心の奥底に溜まった鬱懐を出す。唐の王維の「竹里館」(獨坐幽篁裏)に「彈琴復長嘯」が異なった雰囲気ではあるが、使われている。蛇足になるが、日本語では「うそぶく」に、とぼけて知らん顔をする、とか豪語するという意味もあるが、ここには、ない。
※壯懷:雄々しい思い。
※激烈:激烈。激しい。
※三十功名:岳飛の年齢。三十余歳までに立てた功名、功績。
※塵與土:塵と土。小さな取るに足らないもの。風塵にまみれて奔走する、ともとれる。
※八千里路:これは岳飛の野戦攻城の歴程をいう。
※和:(白話)…と。與と同じ働き。和は
のところで、與はのところで使う。
※雲和月:雲と月。つまり、昼夜を厭わずの意。
※莫:なかれ。
※等閒:等閑。なおざり。また、そうすること。ここでは動詞として使われている。
※白了:(白話)(頭髪が)白くなってしまった。
※了:なってしまった、という意味。動詞や形容詞の後に付き、状態の完成、変化を表す。
※少年:若い。年少。少年。
※空:むなしい。
※悲切:かなしい。かなしみが、ぴったりと密着している感じを謂う。切は、懇切、親切の切で、刃物が肌に密着したように、そのことが密着していることを表す。
※靖康耻:靖康の恥辱、つまり靖康の変のことをいう。靖康二年(1127年)に金が京(現・開封)を陥し、徽宗、欽宗を始め、皇族官僚ら数千名を北方に拉致し去った。これで北宋が滅んだ。この事件は、宋が金に対して度重なる背信行為を行ったために起こったものである(*** )が、漢民族にとっては、中原を取られて江南半壁の地に追いやられた屈辱の事件であり、自民族王朝(北朝)の亡国の恥辱として、長く深く心に刻まれている出来事である。
※猶未:なお いまだ。
※雪:すすぐ。雪辱の雪。
※臣子:岳飛を始めとする臣下。「子なる臣下」の意。「父なる君主」の意である「君父」の対義語。
※憾:憾を恨とする本が多い。
※滅:ほろぼす。根絶やしにすること。同じ「ほろぼす」でも「亡」とは感じが少し違う。「亡」は存在したものがすっかりなくなること:亡国、死亡、存亡。
※駕長車:戦車(当時の)に乗る。遠征することの比喩的表現。
※踏破:遠征して蹂躙すること。
※賀蘭山:中国の北西部、当時、金の根拠地があると思われていたところ。
※缺:こぼつ。峠。峠と見た場合、「駕長車踏破,賀蘭山缺。」は、「長車に駕し,賀蘭山缺(とうげ)を 踏破す。」となる。
※駕長車踏破,賀蘭山缺:この句は意味の繋がりから謂えば、「駕長車,踏破賀蘭山缺。」となる。『昭明文選』中に趙景真の『與嵇茂齊書』に「…批艱掃穢,蕩海夷岳,
蹴崑崙使西倒,踏泰山令東覆,平滌九區,恢維宇宙,斯亦吾之鄙願也。」(『昭明文選』下巻の471ページ 春風文芸出版社)と、ここの元になる型がある。(平成27.7.12追記)
※壯志:雄々しい志。武き心。
※饑餐:腹が減った時の食事として。
※胡虜:胡。夷狄。戎。西方の異民族。異民族の蔑称。ここでは金を指す
※笑談:談笑。余裕の表現か。豪放詞に、以後しばしばこの表現がでてくる。   
※渇飮:喉が渇いたときに飲む。
※匈奴:匈奴。北方・西方の異民族。ここでは金を指す。
※壯志饑餐胡虜肉,笑談渇飮匈奴血:憎い敵の肉を喰らい、その血を啜るということ。ここの聯を秋瑾は「饑時欲啖仇人頭,渇時欲飮匈奴血。」のようにして使っている。(秋瑾の詩:クリック
※待:逗のところ。
※從頭:(白話)はじめから。
※收拾:旧領土を恢復する。奪回する。
※舊山河:嘗ての宋の領土。淮河以北の部分を指す。 *「旧」は、古くからの、昔からの。「山河」は祖国の地域。祖国の山や川の意。
※朝:(天子に)拝謁する(動詞chao2)。むかう。
※天闕:宮門。皇城の門。転じて皇居。直に「皇帝」と言うのを避けた表現。
※朝天闕:天闕に朝(てう)す。朝廷に参内して天子に拝謁する。宋の旧版図であった淮河以北の土地を奪回して、天子に勝利の報告をする。ここでの「天闕」は宋の古都である開封府(京)の朝廷と見た方が意気熾んである。 *ここは、「天闕に朝(むか)う」とも無理なく読め、私たち日本人からすれば、昭和二十年のあの夏のように、「宮城を遙拝する」、という意味で読みとった方が自然だが、ここでは「皇帝に拝謁する」と言うところを遠慮した表現と見る方がいい。白居易の「長恨歌」などの例にもあるように。






◎ 構成について
詞調:双調。九十三字。

   □●○○,
   □□●,
   □○□●。(韻) 
   □□●+□○□●, 
   ●○○●。(韻)
   ○○●●,
   ●○○●。(韻)
   ●□○+●●○○,
   ○○●。(韻)


   ○□●,
   ○○●。 (韻)
   □□●,
   ○○● 。(韻)
   ●+□○○●,
   ●○○●。(韻)
   ○○●●,
   ●○○●。(韻)
   ●□○+●●○○,
   ○○●。(韻)

となる。
 脚韻は、入声韻一韻到底。韻式は「aaaa aaaaa」
韻脚は「歇烈月切 雪滅缺血闕」で、第十八部。
 
2000.6. 4
     6. 5
     6. 6
     6. 7
     6. 9完
     6.14補
     9.11
    10. 2
    12. 2
    12.19
2001.3.29
     4.10
     4.29
     5.20
     9.14
2003.11. 2
2009.10.10
2015. 7.12

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