眞州絶句六首之五 清・王士禛
| 江鄕春事最堪憐， 寒食清明欲禁煙。 殘月曉風仙掌路， 何人爲弔柳屯田。 |
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眞州絶句六首之五 | 江鄕春事最堪憐， 寒食清明欲禁煙。 殘月曉風仙掌路， 何人爲弔柳屯田。 |
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眞州絶句六首の五
江鄕 の春事 最も憐むに堪 えたり，
寒食 清明 煙を禁 ぜんと欲 す。
殘月 曉風 仙掌 の路，
何人 か爲 にを弔 す柳屯田 。
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◎ 私感訳註：
※王士禛：清代の詩人。字は貽上、また子眞。号して漁洋。士禎と名を賜る。１６３４年（明・崇禎七年）～１７１１年（洪煕五十年）。
大きな地図で見る長江北岸：東より揚州（扬州）、儀徴（仪征）。
※真州絶句：真州での詩。六首の五。船旅の途上の景。酒屋があって、立派な橋がある、といった江（こう）沿いの市街地を眺め、昔、春の季節の頃にもやって来た思いでを呼び覚ました情景を詠う。 ・真州：揚州と南京の中間にある長江北岸の都市。揚州の西南西３０キロメートル、南京の東北東４０キロメートルの地にある（現・江蘇省儀徴市）。『中国歴史地図集』第六冊 宋・遼・金時期（中国地図出版社）６２ページ「南宋 淮南東路 淮南西路」の「揚州附近」にある。
※江郷春事最堪憐：水郷（すいごう）の春の耕作の仕事は、まことに憐れなふぜいがある。 ・江郷：水郷（すいごう）。 ・春事：春の耕作の仕事。春の行事。 ・堪：堪（た）え忍ぶ。こらえる。…に堪（た）える。
※寒食清明欲禁煙：寒食・清明節（のため、炊事の）煙が起ころうとしない。 ・寒食：〔かんしょく/かんじき/かんじょく；han2shi2○●〕寒食節を謂う。清明節の前日。冬至から百五日目にあたる日の前後三日間（陽暦の四月三、四日頃）は、火をたくことが禁じられ、冷たいものを食べる。春秋時代・介之推が山で焼け死んだのを晋の文公が悲しみ、その日に火をたくことを禁じたことによる。盛唐・杜甫に『小寒食舟中作』 「佳辰強飯食猶寒，隱几蕭條帶鶡冠。春水船如天上坐，老年花似霧中看。娟娟戲蝶過閒幔，片片輕鷗下急湍。雲白山青萬餘里，愁看直北是長安。」や唐・韓翃に『寒食』「春城無處不飛花，寒食東風御柳斜。日暮漢宮傳蝋燭，輕煙散入五侯家。」
がある。 ・清明：春分後十五日の旧暦三月三日（新暦四月五日頃）の三月節。万物が清々しくなる時期（『暦書』）。二十四節気の一。晩唐・杜牧の『淸明』に「淸明時節雨紛紛，路上行人欲斷魂。借問酒家何處有，牧童遙指杏花村。」
※残月暁風仙掌路：（「…多情自古傷離別，更那堪、冷落清秋節。今宵酒醒何處？楊柳岸、曉風殘月。」
※何人為弔柳屯田：どのような人が柳永を弔いに（行くのか）。 ・何人：なんぴと。なんびと。何者。だれ。どういう人。いかなる人。 ・為：〔ゐ；wei4●〕ため（に）。 ・弔：とむらう。「弔古」：古(いにしえ)をしのぶ。 ・柳屯田：柳永のこと。屯田は官職名。柳永は、屯田員外郎で退官したしたので、世に柳屯田と呼ばれた。北宋の詞人。生没年不詳（９７１年頃～１０５３年頃か）。字は耆卿。初名は三変。崇安（現・福建省崇安県）の人。進士ともなるが、世俗民間で世を送り、作詞を専門とするようになった。慢詞（長篇の詞）が多く、繊細な男女の情愛や旅情、都市の風光を描くなど、典型的な大型の婉約派詞人。詞彙も典雅で感傷的なものが多く、唐詩に慣れた眼でみれば、浅、易、俗…となるが、雅でもあり、婉約の伝統を開花させた蘇軾出現前の北宋前半を代表する詞人。
◎ 構成について
| ２０１７．８．６ ８．７ |
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