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ロスト・イン・トランスレーション /
Lost in Translation

Sofia Coppola

2003 USA/J 102 Min. 劇映画

出演者

Scarlett Johansson
(Charlotte - ジョンの妻、小説家志望)

Giovanni Ribisi
(John - 写真家)

Bill Murray
(Bob Harris - スター)

Nancy Steiner
(Lydia Harris - ボブの妻)

Catherine Lambert
(ホテル・バーの歌手)

Fumihiro Hayashi
(チャーリー・ブラウン)

Akiko Takeshita (川崎)

Kazuyoshi Minamimagoe
(広報担当者)

Kazuko Shibata
(広報担当者)

Take (広報担当者)

田所豊
(サントリーのCMの撮影監督)

藤井隆
(Matthew Minami - ボブの友人、バラエティー・ショーの司会)

Jun Maki
(サントリーの依頼主)

Anna Faris (Kelly)

Asuka Shimuzu
(ケリーの通訳)

Kazuo Yamada
(病院の受付)

Osamu Shigematu (医者)

Kei Takyo
(テレビの通訳)

Ryo Kondo
(街角で選挙運動中の政治家)

Diedrich Bollman
(ホテルのサウナ客、ドイツ人)

Georg O.P. Eschert
(ホテルのサウナ客、ドイツ人)

見た時期:2003年12月

主演のビル・マーリーはベテラン、ダン・アクロイド、ジョン・ベルーシの友達、世界的に名前が知れていて、本職はコメディアンです。若いカップルの亭主の方のジョンの俳優が最近多少国際的にも名前が知られるようになり始めているところ。2人目の主演スカーレット・ヨハンセンについては私はまだほとんど知りませんでした。日本人も大量出演しているのですが、悲しいかな漢字がほとんど分からない。出演者の名前を求めてインターネットで探してみたのですが、日本語のサイトでは、観客として見たという報告ばかりで、映画関係のプロのサイトはあまり載っていません。ロスト・イン・インターネット。

日本人でもう見た人が書いている感想に私も同調。佳作です。嫌いだと言う人もこの映画が悪いというのではなく、こういう静かな映画が嫌いだという人の方が多いのではないかと思います。ビル・マーリーがジャック・レモンになる瞬間を見ました。長年コメディアンをやっていて、大スターの次ぐらいのランクですと、出演作の中には不本意なものもあるようです。最近ではチャーリーズ・エンジェルでリューシー・リウとやり合って平手打ちを食らったとか、張り倒されたとかいう噂が出、続編には大金を積まれても首を縦に振らなかったという話が伝わっています。本人もリウも詳しい事は語らないので、実際のところ宣伝用のギャグだったのかも知れませんが、チャーリーズ・エンジェルの2作目に出ていないことだけは確かです。

ドイツでのマーレーの評判はわりと良いのですが、私自身はそれほど感心する作品にぶつかったことがありませんでした。それでも見た作品の数はかなりになります。見た理由は全部偶然。マーレーを目指して見たわけではありませんし、彼が主演でないものもあります。

 ・ ロスト・イン・トランスレーション
 ・ チャーリーズ・エンジェル(3人なのになぜエンジェルズでないんだろう?)
 ・ 天才マックスの世界
 ・ ワイルド・シングス(こちらはちゃんとスがついている)
 ・ キングピン ストライクへの道
 ・ エド・ウッド
 ・ 恋に落ちたら・・・
 ・ 恋はデジャ・ブ
 ・ おつむて・ん・て・ん・クリニック
 ・ トッツィー

ロスト・イン・トランスレーションはコメディー的な部分もありますが、ジャック・レモンが幸せはパリででカトリーヌ・ドヌーヴに出会った時のような愛がテーマ。 マーレーがおかしな役を演じるシーンは僅かです。これが1969年のジャック・レモンのようにぴったり決まっているのです。不本意な役を演じなければならなくても、俳優、コメディアンは長く続けるべきだという良い例です。いつか夢のお姫様が現われて、すばらしい主役を持って来てくれる日もあるのですから。てんぷくトリオではあまり幸せそうな顔をしていなかった伊東四朗がある日野球が雨天で中止になった時、颯爽と輝くベンジャミン伊東に生まれ変わったがごとく、コメディアンにもこれぞというチャンスが回って来ることがあるのです。

そのお姫様。フランシス・フォード・コッポラの娘にして、ニコラス・ケイジ(本名 Nicholas Kim Coppola ) とジェーソン・シュヴァルツマン(天才マックスの世界スパンの主演)の従姉妹にして、スパイク・ジョーンズの元妻。コッポラはまだ若くて、スカーレット・ヨハンソンからはコッポラ嬢の生まれ変わりかというようなイメージもわいて来ます。作品中の夫ジョンが売れ始めた写真家で、どことなく映画監督のジョーンズ(前亭)を匂わせます。

リビシは5本見ましたが、偶然にも暗い役、父親ともめている男の役が続きました。それに比べるとロスト・イン・トランスレーションでは明るく社交的な役になっています。その5本というのは

 ・ ロスト・イン・トランスレーション
 ・ ヘヴン
 ・ ギフト
 ・ マネー・ゲーム
 ・ ロスト・ハイウェイ

マーレー演ずるところのボブ・ハリスは一応スター。大金を積まれてサントリー・ウイスキーのコマーシャルの撮影に日本にやって来ます。マーレーはコメディアンですが、ここで演じている役はスター。何となくハリソン・フォードなどを思わせますが、盛りを過ぎている上、超一流ではないという設定。それでもホテルのアメリカ人客などが彼に気づいてサインを求めたり、話しかけてくる程度の知名度。結婚25年で夫人と子供がいます。単身東京に到着した時は時差で睡眠不足。コンディション最悪。一流ホテルに泊まり、ラウンジで休養。

迎える日本人スタッフの通訳がどういうわけか撮影監督の言葉をばっさり。通訳をやる人は余計なおしゃべりをばっさりやっても構いませんが、要点を端折ってしまっては相手に話が全然伝わりません。この女性通訳はそれを絶大なる勇気を持って、キル・ビルのごとくばっさり。ですから彼女の話を監督の言葉として聞いたボブからは疑問続出。それで彼の方から監督に対して質問が出ます。それを通訳嬢はこれまた絶大なる勇気を示してばっさり。ですから監督が熱を入れてシーンの説明をしても、ボブはさっぱり要領を得ませんし、自分の言葉を納得して演じていると信じている監督はハリスの演技に満足していない様子。それを後ろでスポンサーのお偉方がじっと見守っています。この通訳嬢が全く疑問も持たずにばっさりやり続け(られ)るところがおかしいです。

エドワード・ノートン、ジャン・レノー、ペーター・ストルマーレなどのようにいくらか日本語に親しんでいて、日常会話ならできる人もいますが、まあハリソン・フォードの代理人のような役のボブが日本語が分からないのは普通かも知れません。しかし日本の大手の会社の偉いさんはたいてい英語は分かるでしょう。中には英語で重役会議をこなせるような人もいるのではないかと思います。それでも忍耐と寛容を持ってこの若い通訳嬢に仕事を任せ切っているところは見る人によってはコミカルに思えるかも知れません。

ボブと同じホテルに若いカメラマン夫婦が宿泊しています。2人はボブより一足先に来ていて、夫のジョンは多忙さを喜んでいる様子。ちょうどブレークしたところなのでしょう。若い妻シャーロッテも同行していますが、日中は夫が出かけていて一人ぼっち。夜は夫が疲れ切っていて話もできません。仕方なくシャーロッテは町に繰り出し、寺を訪ねたり、その辺のにぎやかな町を見たりします。新幹線に乗って遠出も。でもさびしそう。

アメリカにいる誰かに電話しても、正直にさびしい気持ちを伝えるより前に相手の方が彼女は元気だと決めつけてしまうので、切り出すことができません。このシーンを見ていて、欧州の人やアメリカの人はあまり家族や友人に「実はしょげている」とか言い出せないのだなあと思いました。ドイツで、映画や芝居でない世界で、何度かそういう状況を見たことがあります。「How are you?」、「Wie geht's?」(=お元気ですか)と言った時、相手は本当の返事が聞きたいのではなく、暗に「元気だと答えろ、それ以外の話は聞きたくない、それ以外の事は言うなよ」と催促しているようなシーンに出会ったことが何度かあります。

日本なら誰かの調子が良くないと聞いたら、じゃ慰めればいいという当たり前の原則で動くので、「最近ちょっと・・・」などと言うのも割に簡単ですが、欧米では「調子が良くない」という話を聞くのを恐れているような印象を受けることがあります。相手に気付いてもらえず悩み続ける人というのも見たことがあります。このあたりをコッポラ嬢はさりげなく短いシーンで表現しています。

ボブの方は二流とはいえ一応スター。家庭にも波風は立っておらず、スキャンダルの様子もなし。200万ドルという高額の CM の依頼が入る程度の幸運に恵まれています。不満は頭の中に雲のように、霧のようにたちこめていますが、具体的な形をなしておらず、人生はこういうものなのだと半ば諦めて従っているかのようです。夫人は夫を蔑ろにするどころか、東京時間の4時20分にせっせとファックスを送って来て、家の改装の相談をします。夫の意見を尊重しているのです。子供もかわいがっています。でもどこなく「こんなはずじゃなかった」という気持ちがもやもやっと。15年近く結婚していて、息子が2人いたマーレーもそう思ったのか、とかんぐってしまいました。

こういう状況の2人がホテルのバーで知り合います。若い女性に中年のスランプだとすぐ見抜かれてしまうところはパニック 脳壊のネイブ・キャンベルとウィリアム・H・マーシーの出会いと共通する点があります。その後の展開はパニック 脳壊とは全然違います。大きなドラマになるわけではありません。にも関わらず見て良かったと思わせる説得力のある作品に仕上がっています。

2人はそれぞれの状況を少しずつ語り始め、ちょっとしたきっかけで「エスケープしよう」ということで意見が一致。東京の町へ繰り出します。寿司屋で食事をしてみたり、パチンコ店に紛れ込んでみたり、変なダンスをする中年女性のいるバーに行ったり、カラオケで歌ってみたり、摩訶不思議な町東京を見て歩きます。ボブには多少日本人の知り合いもいて、それまでの1人っきりのホテル生活が俄然楽しいものになります。お行儀の良い妻帯者、写真家のまじめな妻が羽目をはずすと言ってもそうそう無茶はやりません。それでも心から笑い、楽しい一時を過ごします。2人とも間もなくそれが終わるのを重々承知で。悲劇にもならず、ハッピーエンドにもならず(なのにはっぴいえんどの曲がかかる)、いかにもアメリカ的でない終わり方。でもボブは東京に来て良かったと一生思い続けるでしょう。シャーロッテもボブを一生忘れないでしょう。そして観客は「見て良かった」と思い続けるでしょう。

日本を題材とした映画の中では出来の良い方に入ります。ちょっと前にドイツ映画 MON-ZEN というのがありました。MON-ZEN はドイツ人側の視点で撮った話ですが、日本の理解度という点では、あと一息。それまでの映画に比べれば大分良くなっていますが。日本を多少間違って解釈するドイツ人を撮った映画としては出来が良い方です。ドイツで大受けしたテレビ・ドラマ将軍はどうやら西洋人が想像する日本が主体で、日本人は首を傾げてしまうようです。私は見ていません。ドイツにはもう1つ Sumo Bruno という作品があるのですが、これもドイツ人が勝手に想像する日本。

それに比べロスト・イン・トランスレーションに私は違和感を抱きませんでした。多少愉快にするために誇張したところがあったとしても、フィーリングとしてこの監督は日本を理解しているという印象を受けました。ついでに作品中に取り扱ったテーマをいくつかドイツと比較してみましょう。

背の高い人

・・・はドイツの方がアメリカより多いのではないかと思います。自分のことは棚に置いて、相手が180センチでは私はあまり大きいと感じません。185センチあたりから徐々に、「ま、大柄か」と思い始めます。たまたま隣近所に190センチを越える大男が何人も住んでいるので慣れ切ってしまったせいかも知れません。ビル・マーレーは184センチですから、私でもそろそろ「大柄か」と思い始めるところ。日本でエレベーターの中に立っていたりすると確かに頭1つ半ぐらい上になってしまいます。くやしいことに「大きいことは良いことだ」というのは本当らしく、アメリカでは大柄な人の方が平均収入が多いのだそうです。ドイツを見ていると、日本人ぐらいの小柄な男性の方が商売上の頑張り屋が多いです。

スクランブル交差点

・・・というのはドイツには最近までありませんでした。ごく最近、以前西ベルリンと東ベルリンの接点だったチェック・ポイント・チャーリという場所に恐ろしく小さいスクランブル交差点が登場しました。目抜き通りなどでは見たことがありません。車天国のドイツにはああいう発想が無いのかも知れません。

信号が音楽を奏でる

・・・というのはありません。ただ、目の不自由な人のためにボタンを押すと音が出る装置はあります。

カラオケ

・・・はドイツでもかなり普及していて、日本語の名前をそのまま取ったカラオケ・バーというのがありますし、デパートの CD、DVD 売り場などに行くと、カラオケも売っています。私はソウルのカラオケが出るまで買わない決心をしているので、まだ1つも持っていませんが、ザ・テンプテーションズとかザ・コミットメンツなどのカラオケが出たら買おうと待っています。うたむらさん、情報があったら是非教えて下さい。

プールでアエロビックスをやる

・・・のはドイツではわりと普通で、私も見たことがあります。参加する元気はありませんでしたが、45分水の中でビートのきいた楽しい音楽に合わせて動きます。普段堅い職業についているようなインテリ風のおじさんおばさんたちが水の中で必死にインストラクターの言う通りに踊っています。コッポラ嬢の映画と同じです。どういうわけかベルリンのインストラクターはドイツ語をしゃべるのですがイギリス人のようでした。コッポラの映画でもアメリカ人風。ですから初めて見たような顔をして驚いているボブを見た私の方が驚きました。ドイツにも日本にもあるのにハリウッドのアメリカ人が知らないんだろうか。私が見ていた時には必ず片方の足がプールの底についている振り付けでした。ですから成人しても泳げない人が水に馴染むのにも良いかも知れません。

セックス産業

・・・は最近の日本ほど過激ではありませんが、ドイツには昔からあります。壁が開く前、西ベルリンは売春が全地域で合法化されていて、西ドイツのように駅の近くとか特定の地域に限られていませんでした。ツーリストが行きそうなのは、伝統的に道に女性が立っている所、新聞広告を見て客が訪ねて来るケース、ピープ・ショーと言って、ストリップのような動きをする女性を男性のお客さんが覗き窓から見るケース、普通の映画館では見せないような映画をやっているバーなど、わりとクラシックです。ポルノ雑誌は駅前などの普通のキオスクに売っていますし、ポルノ・ビデオをビデオ屋さんで借りることもできますが、そういうのは暖簾の向こう側に集めてあって、18才以下は入れません(ドイツでは大都市の駅前に集中的に怪し気な店があって、「赤灯の地域」と呼ばれています。「赤灯」と言っても日本の赤提灯とは全然意味が違うので直訳で言わないように。でないと誤訳でとんでもない目に遭います)。セックス博物館なるものもあります。しかしこういったものに比べると最近の日本は超先進国になってしまったようです。ドイツでは過激なのは堂々と町で見かけないようになっています。

後記: 少し前に開店したベルリン中央駅は、欧州全体で伝統と言えるほど定着していた「大きな鉄道の駅の付近に張り付く売春歓楽街」という習慣を全廃。ガラス張りの非常に寒々とした(吹き抜けになっていて本当に冬場は凍えるほど寒い)駅を作るのに成功しました。昔から何度も映画に出て来た欧州の駅のイメージは全く無くなり、売春関係の職業の人が暖を取る場所はゼロ。犯罪の巣窟にならないという利点があります。

現在周辺が大々的に工事中なので、間もなくショッピング・センターやホテルができるのだと思いますが、駅の建物が完成してから2011年までは、殺伐として何も無し。外国から到着した旅行客はそそくさとバスに乗って繁華街に消えて行きます。今工事中のようですが、今のところまだベルリン中央駅からは地下鉄の路線もトラムも無く、駅を離れ市内に繰り出す交通手段は普通の電車とバスのみ。パリやロンドン、それまでのベルリンを考えると非常に変わった駅です。(2012年4月)

ドイツの大人は法に触れない限り何をやってもいいですが、子供はそういのに参加できないようになっています。映画館でもビデオ屋さんでもキオスクでも18才以下の子供に売ったり入場を許可したのがばれると営業許可が取り消されるので、大人が必死で法律を守ります。この辺ドイツの方が地域社会が責任をきっちり取っているように見え、禁止の効果もあるようです。子供の方も18になりさえすれば全て OK なので、あせる必要はないわけです。

さて、ポルノとはまったく反対側に位置するこの映画、私が佳作と呼ぶ理由は監督の日本に対する視点がこれまでの他の作品に比べ現実に近づいているという点だけでなく、監督の人間に対する視点の木目の細かさにもあります。東京という町を幻想を交えず、きれいに撮っています。私も知っている町並みがたくさん出て来ます。それも滅多に帰れない私にはうれしい。

町を撮影する時、全体がブルーがかかっているのですが、私も明け方の東京などを見る時そういうイメージを抱きます。実は明け方新宿を歩いたなんてことがあるのです。前の晩大騒ぎした挙句に、朝ひっそりした大都会の大通りを歩くのって、若いからできるんだろうけれど、私も70年代には若かったのです。騒がしい東京から騒音を取り去り、視覚だけで町を見たらこういう風になるだろうという点もコッポラは良く出しています。うるさい町東京をコッポラは非常に落ち着いたトーンで撮影しています。

起用した俳優の役に対する理解も深く、選んだ監督の優秀さ + 選ばれた俳優が期待に応えた = 成功作。私が「マーレーはジャック・レモンの境地に達した」と言うのに同調してくれる人も1人、2人出るのではないかと思っています。容姿で観客を集める俳優でない上、私がマーレーは大嫌いだったことを考えると、その私に「上手い」と言わせるのだから、なかなかの演技です。

ドイツでは普通アメリカ映画はドイツ語に訳されてしまうのですが、私が見た日は試写で、オリジナルのままでした。それで、通訳嬢のやる無茶苦茶な「ばっさり」ぶりがそのまま見えて大笑い。一般公開の時訳をどうするのか気になります。

コッポラのマーレーに対する思いやりなのか、ゴルフのシーンも盛り込まれています。嫌がるマーレーを無理やりに口説き落として出演させたので、サービスしたのかも知れません。ゴルフ・シーンは別に必要ないからです。しかし野球、相撲の次にゴルフの好きな日本人という意味では的外れでもないでしょう。マーレーはキャディーをやっていたことがあるとのこと。

良い、良いと言っておきながらマーレーの演技の内容には触れませんでした。それは見ていただきたいのです。マーレーを知っていればいるほど、彼のために「コッポラが説得してくれて良かった」と思います。ジャック・レモン亡き後、誰が彼の後を継ぐのか気になりますが、マーレーも候補に入れましょう。

後記: この作品は米放送映画批評家協会賞に5つノミネートされています。マーレーも主演男優賞の候補。

後記: ゴールデン・グローブのノミネーションは作品賞、監督賞(コッポラ)、主演男優賞ミュージカル&コメディー部門(マーレー)、脚本賞(コッポラ)、主演女優・ミュージカル&コメディー部門(ヨハンソン)、とまあ快挙。

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