生世不諧
『後漢書・儒林列傳・周澤』 時人
生世不諧,
作太常妻。
一歳三百六十日,
三百五十九日齋。
**********************
。
生世不諧
世に生まれて 諧
(かな)
はざるは,
太常の妻と 作
(な)
ること。
一歳
(ひととし)
三百六十日,
三百五十九日は 齋
(つつし)
む。
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◎ 私感訳註:
※生世不諧:『後漢書・儒林列傳・周澤』に「數月,復爲太常。清潔循行,盡敬宗廟。常臥疾齋宮,其妻哀澤老病,窺問所苦。澤大怒,以妻干犯齋禁,遂收送詔獄謝罪。當世疑其脆激。時人爲之語曰:『
生世不諧,作太常妻,一歳三百六十日,三百五十九日齋
。』十八年,拜侍中騎都尉。後數爲三老五更。建初中致仕,卒於家。」とある「やがてまた大常となった。身を清め命令通りに誠心誠意祭祀を執り行っていた。しばしば病気になり、斎宮に病臥していたが、(周沢の)妻は周沢の持病を心配し、病状を窺い訊ねて来た。しかし、夫の周沢は、妻が斎戒の禁を犯したと大いに怒り、妻を監獄に送って謝罪した。世間の人は、その行為をきわどいことと考えて、次のように語りあっていた。 『世に生まれて 諧(かな)わずして,太常の妻となる。 一歳 三百六十日, 三百五十九日 齋(ものい)む。」古註に、「
漢官儀
:此の下(つづき)に云ふに:「『一日 齋(ものい)まざるは 酔ひて 泥の如し』と。…」。後世、唐の李白がこれに基づき、『贈内』「
三百六十日,日日醉如泥。雖爲李白婦,何異太常妻。
」
を作った。
※生世不諧:(この)世に生まれて、(…になることは、)釣り合わない。世に生まれて、(…になることは、)勘定に合わない。 ・生世:(この)世に生まれて。 ・諧:〔かい;xie2○〕かなう。調和する。やわらぐ。ととのう。
※作太常妻:祭祀を掌る官である太常の妻となる(ことは、全く勘定に合わない)。 ・作:…となる。 ・太常:卿の一。礼儀、祭祀を掌る官(『後漢書・百官』)。ここでは、漢の周沢のこと。
※一歳三百六十日:一年三百六十日のうち。 ・一歳:一年。 ・三百六十日:一年の全ての日。陰暦での一年の日数。
※三百五十九日齋:(一日だけを除いた残りの)三百五十九日は、物忌みをしている。 ・三百五十九日:一年で一日を除いた残りの日。 ・齋:〔さい;zhai1○〕物忌みする。精進する。つつしむ。いつく。
◎
構成
について
詩ではなく、語と書き表しているが、押韻している。韻式は「AAA」。韻脚は「諧妻齋」で、平水韻でいえば上平九佳,。次の平仄はこの作品のもの。
○●●○,(韻)
●●○○。(韻)
●●○●●●●,
○●●●●●○。(韻)
2005.1.11
1.12
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