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       聞王昌齡左遷龍標遙有此寄

                 李白


楊花落盡子規啼,
聞道龍標過五溪。
我寄愁心與明月,
隨風直到夜郎西。


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王昌齡が龍標に左遷せらるるを 聞き  遙かに 此の寄 有り
 
楊花 落ち盡くして  子規 啼
(な)く,
聞道
(きくなら)く 龍標  五溪を過ぐと。
我 愁心を 寄せて  明月に 與
(あた)ふ,
風に隨
(したが)ひて 直ちに到れ  夜郎の西。

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◎ 私感註釈
※李白:(701〜762年)盛唐の詩人。字は太白。自ら青蓮居士と号する。世に詩仙と称される。西域・隴西の成紀の人で、四川で育つ。若くして諸国を漫遊し、後に出仕して、翰林供奉となるが高力士の讒言に遭い、退けられる安史の乱では苦労をし、後、永王が謀亂を起こしたのに際し、幕僚となっていたため、罪を得て夜郎にながされ、やがて赦された。

※聞王昌齡左遷龍標遙有此寄:王昌齢が低い官職におとされて、地方の竜標に出されたとのことを聞いて、この手紙を出した。 ・聞:伝え聞く。 ・王昌齡:詩人。李白の友人。『舊唐書・文苑 下』では、簡単に「王昌齡者,進士登第,補祕書省校書郎。又以博學宏詞登科,再遷水縣尉。不護細行,屡見貶斥,卒。昌齡爲文,緒微而思清。有集五卷。」とだけ記している。本サイトでは、次のような作品を載せている。『芙蓉樓送辛漸』「寒雨連江夜入呉,平明送客楚山孤。洛陽親友如相問,一片冰心在玉壺。」 『出塞』「秦時明月漢時關,萬里長征人未還。但使龍城飛將在,不ヘ胡馬渡陰山。」 『從軍行』「青海長雲暗雪山,孤城遙望玉門關。黄沙百戰穿金甲,不破樓蘭終不還。龍標:湖南省西南部にある地名。現・黔陽」 等。 ・左遷:それまでよりも低い官職、地位におとすこと。中央から地方に移すこと。朝廷の内官から外官にさげること。「左−」は、嘗て右を尊び、左を卑しんだことに由来する。 ・龍標:湖南省西南部にある地名。現・黔陽。江上流域にある。 ・寄:手紙を差し出す。また、その手紙。

※楊花落盡子規啼:(風にさすらう)柳絮は、すっかり散り尽くして、ホトトギスが啼いている(夏がやってきた)。 ・楊花:柳絮。晩春、初夏の風物詩でもある。あてどもなく風に吹かれてさすらうことをも指す。そのさすらう規模が大きくなれば「飛蓬」。 ・落盡:散り尽くす。すっかり落ちてしまった。 ・子規:ホトトギス。哀しげな啼き声がする鳥とされ、夏の季節を表す鳥である。また、蜀王の霊の化した鳥で、幽冥界との往復をする鳥でもある。ここでは、前二者の意で使われている。

※聞道龍標過五溪:竜標への(旅路は、もう已に)五渓を通り過ぎたとのことを聞いた。 ・聞道:聞くことには。きくならく。この語以降が伝聞の内容になる。 ・過:すぎる。…を すぐ。…に よぎる。 ・五溪:湖南省東北部の常徳附近をいう。前出龍標(現・黔陽)を流れる江の下流に該り、洞庭湖に近い。雄渓、渓、酉渓、渓、辰渓の五つの渓のこと。陶潜の武陵桃源、『桃花源記』、『桃花源詩』の舞台でもある。

※我寄愁心與明月:わたしは、愁いの思いを明月に託して伝えてもらう(ので)。 *月は、古来離れた親戚友人の間の思いを伝える橋渡しをするものでもある。宋・蘇軾の『水調歌頭』「明月幾時有?把酒問天。不知天上宮闕,今夕是何年。我欲乘風歸去,又恐瓊樓玉宇,高處不勝寒。起舞弄C影,何似在人間!   轉朱閣,低綺戸,照無眠。不應有恨,何事長向別時圓?人有悲歡離合,月有陰晴圓缺,此事古難全。但願人長久,千里共嬋娟。 や、李白の『把酒問月』 「天有月來幾時,我今停杯一問之。人攀明月不可得,月行卻與人相隨。皎如飛鏡臨丹闕,拷喧ナ盡C輝發。但見宵從海上來,寧知曉向雲陝刀B白兔搗藥秋復春,娥孤棲與誰鄰。今人不見古時月,今月曾經照古人。古人今人若流水,共看明月皆如此。唯願當歌對酒時,月光長照金樽裏。など多い。 ・寄:よせる。 ・愁心:愁いの思い。 ・與:あずける。託(ことづけ)る。あたえる。 ・明月:澄み渡った月。

※隨風直到夜郎西:(わたしの愁いの思いは)風に吹かれて、真っ直ぐに夜郎の西へ飛んで行け。 ・隨風:風に乗る。風に運んでもらう。「乘風」よりも消極的な雰囲気になるか。 ・直到:真っ直ぐに…へ行く。直ちに…に到る。 ・夜郎:現・貴州省北部に置かれた県名。漢代には現在の桐梓県、唐代には石阡県の地。前出の龍標(現・黔陽)の西に当たる。いずれも西南の各種少数民族の居住地である。唐代の感覚で謂えば、南方の蛮地になる。なお、漢代に、西南部に居住した非漢民族の一種。武帝に平定されて、漢の郡県に編入された。こちらは、『後漢書・南蠻西南夷列傳・西南夷』の夜郎の項に「夜郎者,初有女子浣於遯水,有三節大竹流入足閨C聞其中有號聲,剖竹視之,得一男兒,歸而養之。及長,有才武,自立爲夜郎侯,以竹爲姓。」とある。これは我が国の『桃太郎』と『古事記』のホトタタライススキキヒメの故事や『竹取物語』に似ている。極めて面白いことだ。「武帝元鼎六年,平南夷,夜郎侯迎降,天子賜其王印綬。後遂殺之。」と平定の経緯が記録されている。李白はここでは、夜郎の地方の中にある王昌齢の任地・龍標と捉えていよう。

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◎ 構成について

韻式は「AAA」。韻脚は「啼溪西」で、平水韻上平八齊。次の平仄はこの作品のもの。

○○●●●○○,(韻)
◎●○○◎●○。(韻)
●●○○●○○,
○○●●●○○。(韻)
2005.2. 2
     2. 3
     2. 4完
2007.4.29補

漢詩 填詞 詩餘 詩余 

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