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                   玉樓春 擬古决絶詞
清・納蘭性德   



人生若只如初見,
何事秋風悲畫扇。
等閒變卻故人心,
卻道故人心易變。

驪山語罷淸宵半,
夜雨霖鈴終不怨。
何如薄幸錦衣兒,
比翼連枝當日願。



    **********************


玉樓春 擬古の决絶詞
人生 だ  初見ごとくあらば,
何事ぞ 秋風  畫扇ぐゎせんを悲しまん。
等閒とうかんは  故人の心を 變卻へんきゃくす,
かへってふ  故人は 心 はりやすしと。


驪山 り ざん 語りはる  淸宵のなかば
夜雨やう霖鈴りんれい  つひに怨まず。
何如いかんぞ 薄幸の  錦衣きん い
比翼 連枝 ひ よく れん り は  當日たうじつねがひ。

             ******************


◎ 私感訳註:

※納蘭性德:清初の文学者。納蘭(なふらん(のうらん);na4lan2)で姓。満洲民族の姓。文武両道に秀でる。滿洲正黄旗の人。北京で育つ。宰相・納蘭明珠の長子。性德が名。原名は成德。字は容若。号して楞伽山人。填詞に巧みである。1654年(55年)(明・永暦八、九年)頃~1685年(康煕二十四年)。

※玉樓春:木蘭花令。詞牌の一。押韻や構成からみると七言律詩(或いは二組の七絶)に似ているが、この作品では以下の点で異なっている。標準的な律詩を基にして比べると、粘法が無く、仄字韻である。また、文字の重複(「人」が三回)が見られるところや対句の無いところ異なる。しかし、節奏は、同じといえる。作品例に等がある。

※擬古決絶詞:昔のものに擬(なぞら)えて、作った別れの歌の填詞。変わりやすい人の心と、変わることのない情愛をうたう。前闋は現在の恋人同士のさまをうたい、後闋は唐代・天宝年間の玄宗と楊貴妃との愛情をうたう。 ・擬古:昔のものに擬(なぞら)えて、詩や文を作る。中唐・白居易の『長恨歌』等にうたわれた玄宗と楊貴妃の恋愛譚を擬(なぞら)えて作られている。 ・决絶:別れる。たちきる。决=決。 ・詞:填詞、詩餘のこと。唐代の中葉に現れ、宋代に隆盛を極めた長短句入り混じった規則の極めて多い複雑な詩形の歌辞。また、その韻文形式。燕樂の歌辞や民間歌謡、歌曲の歌詞、また、唐詩形式の発展したもの

※人生若只如初見:人生が、もしもただ初めての出会いのうちだけのようならば(初々(ういうい)しく、お互いに魅力的に感じて求め合うもので)。 ・若:もしも。 ・只:ただ…だけ。 ・如:…のよう。また、勝る。匹敵する。如(し)く。 ・初見:初めての出会い。

※何事秋風悲畫扇:(新鮮な恋愛期間中であれば)どうして秋風の吹く時節になって(顧みられなくなった)美しい扇を歎くことが起ころうか。(見捨てられた身(=宮女)を悲しむような事態は起ころうか。 *季節が過ぎて、もはや顧みられなくなった秋の扇=見捨てられた宮女)のような状態が起こり得ようかと謂うこと。班婕妤の『怨歌行』「新裂齊紈素,皎潔如霜雪。裁爲
合歡,團團似明月。出入君懷袖,動搖微風發。常恐秋節至,涼風奪炎熱。棄捐篋笥中,恩情中道絶。」に基づく。 ・何事:どうして。何故。何事(なにごと)。 ・秋風:(侘びしげな)秋の風。『古歌』に「秋風蕭蕭愁殺人,出亦愁,入亦愁。座中何人,誰不懷憂。令我白頭。胡地多飆風,樹木何修修。離家日趨遠,衣帶日趨緩。心思不能言,腸中車輪轉。」がある。 ・畫扇:美しい扇。

※等閒變卻故人心:(今の人は)なおざりにしていれば、恋人の心をすっかり変えてしまうもので。 ・等閒:なおざりにする。 ・變卻:すっかり変えてしまう。 ・-卻:…し去る。…し捨てる。…し払う。動詞の後に置き、強調する。 ・故人:昔からの友人。ここでは恋人のことをいう。

※卻道故人心易變:(今の人は)反対に言えば、恋人の心とは変わりやすいものなのだ。

※驪山語罷清宵半:(唐代、天宝の昔に、)驪山(にある華清池の離宮・華清宮の長生殿)で(玄宗と楊貴妃は愛を)語り終えた清々しい秋の夜半に。 ・驪山:〔りざん;Li2shan1○○〕玄宗と楊貴妃が愛を語った華清池の離宮・華清宮の長生殿があった一帯。『中国歴史地図集』第五冊 隋・唐・五代十国時期(中国地図出版社)40-41ページ「京畿道 関内道」、にある。西京(長安)の東北東15キロメートルのところ。長生殿:驪山の華清宮にある宮殿。ここで玄宗は楊貴妃に寵を賜った。白居易の『長恨歌』「春寒賜浴華淸池,温泉水滑洗凝脂。侍兒扶起嬌無力,始是新承恩澤時。」とある。  ・語罷:語り終わる。 ・清宵半:清々しい秋の夜半。玄宗と楊貴妃が愛を誓った季節と時刻。(「淸」:秋の季節の形容。後出・旧暦「七月七日」も秋)「
七月七日長生殿,夜半無人私語時。在天願作比翼鳥, 在地願爲連理枝。」とある。

※夜雨霖鈴終不怨:夜に降る雨に響く夜警のための鈴の音は(別れた後の独り身になった後でも、思慕の念をひきおこし)、最後には(別れることになっても)うらめしくは思わない。 ・夜雨:夜に降る雨。後出・『長恨歌』の青字部分参照。 ・霖鈴:雨の中に響く夜警のための鈴の音で、別れた後の独り身になった後、思慕の念をひきおこす音。白居易の『長恨歌』に「蜀江水碧蜀山靑,聖主朝朝暮暮情。行宮見月傷心色,
夜雨腸斷聲。」とあるのに基づく。 ・終:ついに。 ・不怨:(人を)うらまない。

※何如薄倖錦衣兒:錦(にしき)の衣裳を身につけた皇帝は、どうして薄情者になろうか。 *玄宗はしばしば、楊貴妃を見殺しにしたと批判されるが、そうではなかろう、ということ。 ・何如:どうであるか。いかん。疑問を表す辞で、状態・程度・是非を問う。蛇足になるが、「如何」は、読みは同じ「いかん(せん/ぞ)」ではあるが、「どうしようか」の意で手段・方法・処置を問う。李商隠の『馬嵬』に「海外徒聞更九州,他生未卜此生休。空聞虎旅傳宵柝,無復鶏人報曉籌。此日六軍同駐馬,當時七夕笑牽牛。如何四紀爲天子,不及盧家有莫愁。」とある。 ・薄倖:〔はくかう;bo2xing4●●〕薄情。また、ふしあわせ。不運。薄命。軽薄。浮気。ここは、前者の意。「薄情」の義の用例に唐・杜牧の『遣懷』「落魄江南載酒行,楚腰腸斷掌中輕。十年一覺揚州夢,占得靑樓
薄倖。」がある。  ・錦衣兒:皇帝。錦(にしき)の衣裳を身につけた者。ここでは、玄宗を指す。

※比翼連枝當日願:比翼鳥や連理枝に擬(なぞら)えた永遠の契りは、昔の日の(彼等の真実の)願いであったのだ。 *白居易の『長恨歌』に「七月七日長生殿,夜半無人私語時。在天願作
比翼鳥, 在地願爲連理枝。」とある。 ・比翼:「比翼鳥」比翼の鳥のこと。南方にいる鳥で、並ばないと飛べない鳥。鶼鶼という。翼が一つで二羽並んではじめて飛ぶことができるという。伝説中の鳥で、夫婦仲の親密なことをいう。『爾雅』釋地「東方有比目魚焉,不比不行,其名謂之鰈。南方有比翼鳥焉,不比不飛,其名謂之鶼鶼。」。もっとも『爾雅』でイメージすると、「東海には左に目のあるヒラメ(比目魚)と、右に目のあるカレイ(鰈)が二匹つがいで、目のない白い面をくっつけ合って二匹で一体となって、鯛(タイ)のようになって泳いでいる姿(ヒラメとカレイは同一種の雌雄と判断されていたようだが)があり、それが鳥に変わったものが比翼鳥、という感じもするが…。つまり「比翼鳥」は「比目魚」と対になることばになる。 『古詩爲焦仲卿妻作(孔雀東南飛)』の「府吏聞此事,心知長別離。徘徊庭樹下,自掛東南枝。兩家求合葬,合葬華山傍。東西植松柏,左右種梧桐。枝枝相覆蓋,葉葉相交通。中有雙飛鳥,自名爲鴛鴦。仰頭相向鳴,夜夜達五更。行人駐足聽,寡婦起傍徨。多謝後世人,戒之慎勿忘。」に基づこう。 ・連枝:「連理枝」連理の枝のこと。幹が別々でも枝が(手を繋いだように)連なっている木をいう。伝説でもあり、実際にも存在する。夫婦仲の親密なことをいう。『古詩爲焦仲卿妻作(孔雀東南飛)』でいえば「東西植松柏,左右種梧桐。枝枝相覆蓋,葉葉相交通。」の部分になる。 ・當日:昔の日。その頃。当時。 ・願:ねがい。漢の烏孫公主劉細君の『悲愁歌』に「吾家嫁我兮天一方,遠託異國兮烏孫王。穹盧爲室兮氈爲牆,以肉爲食兮酪爲漿。居常土思兮心内傷,願爲黄鵠兮歸故鄕。」とある。劉希夷(劉廷芝)の『公子行』では「願作輕羅著細腰,願爲明鏡分嬌面。與君相向轉相親,與君雙棲共一身。願作貞松千歳古,誰論芳槿一朝新。」 とあり、『古詩爲焦仲卿妻作(孔雀東南飛)』では「君當作磐石,妾當作蒲葦,蒲葦紉如絲,磐石無轉移。」とある。





◎ 構成について

韻式は「aaa aaa」。韻脚は「見扇變 半怨願」で、第七部去声十七霰(見扇變)、十四願(半怨願)。次の詞譜は『玉楼春』のもの。

   ●○○●,(韻)
   ○○●●。(韻)
   ●●○○,
   ○○●●。(韻)


   ●○○●,(韻)
   ○○●●。(韻)
   ●●○○,
   ○○●●。(韻)



2009.5.23
     5.24

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