Huanying xinshang Ding Fengzhang de wangye

                            


南柯子  
宋・仲殊



十里靑山遠,
潮平路帶沙。
數聲啼鳥怨年華。
又是凄涼時候,
在天涯。


白露收殘月,
清風散曉霞。
綠楊堤畔問荷花:
記得年時沽酒,
那人家?






******
南柯子

十里 青山 (とほ)く,
(たひら)かにして 路に沙を帶ぶ。
數聲 啼鳥(ていてう)  年華(ねんくゎ)を怨む。
()()れ 凄涼(せいりゃう)たる時候に,
天涯(てんがい)に在り。


白露 殘月に(をさ)まり,
清風 曉霞(げう か )に散ず。
綠楊(りょくやう)堤畔(ていはん)に 荷花( か くゎ)に問ふ:
「記し()たりや  年時 酒を()りたる,
()人家(ひと)を?」

                    ****************






◎ 私感註釈

※仲殊:北宋の僧侶、詞人。生歿年不詳。字は師利。安州(現・湖北省安陸)の人。本姓は張。名は揮。仲殊は法号。若い頃に放蕩の限りを尽くしたため、妻に毒を盛られ続けて殺されかかり、家を棄てて僧侶となった。蘇州の承天寺や杭州の宝月寺に住み、常に蜜を食べて解毒を図っていたため、蜜殊と呼ばれていた。後に、首つり自殺をした。

※南柯子:詞牌の一。詳しくは「◎構成について」を参照

※十里青山遠:五キロメートルほど青い山は遠くへと(連なり)。 *『南柯子』では、多く始めの部分「十里青山遠,潮平路帯沙」を対句にするが、このページの作品はそうなっていない。但し、後闋の始めでは「白露収残月,清風散暁霞」と、対になっている。 ・十里:約五キロメートル。一里はこの時代約553メートルで、十里では約5.5キロメートルとなる。ここでは、ざっと一望した範囲を謂おう。:「十里不同風,百里不同俗。」の感覚から謂えば、見える範囲の、比較的身近なところ。 ・青山:樹木が青々と茂っている山。また、墳墓の地。ここは、前者の意。晩唐・杜牧の『寄揚州韓綽判官』に「
靑山隱隱水遙遙,秋盡江南草木凋。二十四橋明月夜,玉人何處敎吹簫?」とあり、元・劉秉忠の『桃花曲』に「一川芳景,一壺春酒,一襟幽緒。今朝好天色,又無風無雨。   水滿淸溪花滿樹。有閒鷗、伴人來去。行雲望逾遠,靑山無數。」とあり、清・陳文述の『漁父詞』に「打槳湖邊問酒家,青山澹冶隔明霞。風過處,縠紋斜,蓑衣吹滿碧桃花。」とある。

※潮平路帯沙:潮(うしお)が平らかになって、(満潮時の海水が運んできた)砂が道の上にあらわれている。 ・潮平:潮(うしお)が平らである。 ・帯沙:砂があらわれている、意。砂をおびる、意。

※数声啼鳥怨年華:幾声か鳥が鳴いて、(過ぎ去った)歳月に怨み言(を言うかのようである)。 ・啼鳥:鳥が鳴く。また、鳥の鳴き声。 ・年華:年月。歳月。北宋・蘇舜欽の『秋懷』に「
年華冉冉催人老,風物蕭蕭又變秋。家在鳳凰城闕下,江山何事苦相留。」とある。

※又是凄涼時候:(地の果てを流離(さすら)っている時に、)またしても、もの寂しい時期(=秋)が回って来た。 ・又是:またしても…だ。 ・凄涼:心や情景がもの寂しい。=淒涼、凄凉。 ・時候:とき。時候(じこう)。

※在天涯:地の果てに/で。 ・天涯:空のはて。

※白露収残月:きらきら光る露(つゆ)も、残月のもと、光も収まって。 ・白露:きらきら光る露(つゆ)。露(つゆ)の美称。また、二十四節気の一の「白露(はく ろ)」で、大気が冷えてきて秋の気配がし始める頃。陽暦・九月八日頃。ここは、前者の意。 ・残月:旧暦月末に見られる三日月。また、明け方まで空に残っている月。有明の月。後者の用例に:宋・太祖 趙匡胤の『旭日』「太陽初出光赫赫,千山萬山如火發。一輪頃刻上天衢,逐退羣星與
殘月。」がある。

※清風散暁霞:清々(すがすが)しい風も、朝焼けのもと、消えていった。 ・清風:すがすがしい風。 ・暁霞:朝焼け。

※緑楊堤畔問荷花:緑のヤナギのつつみのほとりで、ハスの花に(以下のことを)尋ねてみよう。 ・楊:やなぎ。ハコヤナギ。カワヤナギ。ネコヤナギ。「楊」は句中、
とすべきところで使い、「柳」は、とすべきところで使う。ここはとすべきところで、「楊」が適切。 ・堤畔:つつみのほとり。 ・荷花:ハスの花。清・陳文述の『漁父詞』に「雨後蜻蜓散夕陽,晩來水碧似清湘。明鏡裏,月華涼,荷花世界柳絲鄕。」とある。

※記得年時沽酒:「あの頃、酒を売っていた(あの人を)覚えているだろうか」と。 ・記得-:…を覚えている。晩唐/蜀・韋莊の『荷葉杯』に「
記得那年花下。深夜。初識謝娘時。水堂西面畫簾垂。攜手暗相期。   惆悵曉鶯殘月。相別。從此隔音塵。如今倶是異鄕人。相見更無因。」とある。 ・年時:当時。往年。あの頃。歳月。時間の流れ。魏~西晋・張華の『壯士篇』に「天地相震蕩,回薄不知窮。人物稟常格,有始必有終。年時俯仰過,功名宜速崇。壯士懷憤激,安能守虚沖。乘我大宛馬,撫我繁弱弓。長劍橫九野,高冠拂玄穹。慷慨成素霓,嘯咤起淸風。震響駭八荒,奮威曜四戎。濯鱗滄海畔,馳騁大漠中。獨歩聖明世,四海稱英雄。」とあり、北宋・曹組の『憶少年』に「年時酒伴,年時去處,年時春色。清明又近也,卻天涯爲客。   念過眼光陰難再得。想前歡、盡成陳蹟。登臨恨無語,把欄杆暗拍。」とある。 ・沽酒:酒を売る。また、酒を買う。酒を商う。また、買って来た酒。 ・沽:〔こ;gu1○〕売る。買う。商う。また、〔こ;gu3●〕酒を売る商人。

※那人家:あの人。 ・那人家:あのひと。「那」:〔na4〕遠称で「あそこ、あの、あれ」。なお、「那」:には(=哪)〔na3〕どこ。どの。どれ。また、だれ。といった疑問詞の意もある。ただし、疑問詞の意は現代語では、“哪”と表記することが多い。「人家」:あの人。(ほかの)人。ひとさま。

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◎ 構成について

 南柯子 
『南歌子』『風蝶令』ともいう。 双調。五十二字。平韻一韻到底。韻式は「AAA AAA」。韻脚は「沙華涯霞花家」で詞韻第十部平声九佳(涯)・六麻(沙華霞花家)、第五部平声九佳(涯)

                         

   
●○○●,
   ●○。
(平韻)
   ●●○○。(平韻)
   
●●○○。(平韻)

                        
   
●○○●,
   ●○。(平韻)
   ●●○○。(平韻)
   
●●○○。(平韻)
2017.6.24



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