huanying xinshang Ding Fengzhang de zhuye




                     
柳梢青
          

                         
         明末・張煌言

錦樣江山。
何人壞了,
雨瘴煙巒。
故苑鶯花,
舊家燕子,
一例闌珊。


此身付與天頑。
休更問、秦關漢關。
白髮鏡中,
靑萍匣裏,
和涙相看。
    **********************






       柳梢青 

錦樣(きんやう)江山(くゎうざん)
何人(なんぴと)(こは)したる,
雨瘴(うしゃう) 煙巒(えんらん)
故苑の鶯花(あうくゎ)
舊家の燕子(えん し )
一例(いちれい)に 闌珊(らんさん)たり。


()の身 天頑(てんぐゎん)付與(ふよ)せられたれども。
秦關(しんくゎん) 漢關(かんくゎん)を (さら)()ふことを()めん。
白髮は 鏡中(きゃうちゅう)に,
青萍(せいひん)は (かふ)()に,
涙に()して ()ひ看ん。
             ******************





◎ 私感訳註:

※張煌言:明末の抗清の将領。万暦四十八年(1620年)~康煕三年(1664年)。字は玄著。号して蒼水。鄞県(現・浙江省鄞県)の人。明の滅亡後、筆を捨てて従軍し、魯王朱以海を奉じて監国とすることを提倡し、兵部右侍郎の官に就任した。魯王が福建に逃れた後、浙江で抗清を続けた。鄭成功の軍と北伐し、南京を包囲した。後に北伐は失敗して、隠れ住んでいたが、清軍に捕われて杭州で処刑された。

※柳梢青:詞牌の一。詳しくは「◎構成について」を参照。 *この作品と似た思いの詞に、明末・陳子龍の『點絳脣』春日風雨有感「滿眼韶華,東風慣是吹紅去。幾番煙霧。只有花難護。   夢裏相思,故國王孫路。春無主。杜鵑啼處。涙染臙脂雨。」がある。

※錦様江山:錦(にしき)のように美しい祖国の山河。 ・錦様:にしきのように美しい。≒錦繍。 ・江山:山河。 *国家の支配権を指す。≒国土。

※何人壊了:(それを)だれが壊(こわ)したのか。 ・何人:誰。なんぴと。 ・壊:こわす。 ・-了:…た。【動詞+了】で、完了(や過去)を表す。

※雨瘴煙巒:南の方の熱帯地方の(環境の)山々。 ・瘴:〔しゃう;zhang4●〕熱帯の毒気。 ・巒:〔らん;luan2○〕めぐり連なった山。山並み。山々。みね。

※故苑鶯花:ふるさとのウグイスと花といった春の風物。 ・故苑:ふるさと。 ・鶯花:ウグイスと花と。春の風物。

※旧家燕子:昔から(続いて棲んでいる)ツバメ。 *作者・張煌言は、南宋の忠臣・文天祥の『金陵驛』に「草合離宮轉夕暉,孤雲飄泊復何依。山河風景元無異,城郭人民半已非。滿地蘆花和我老,
舊家燕子傍誰飛。從今別卻江南路,化作啼鵑帶血歸。」とあるのを意識していよう。 ・旧家:(詞語)以前の。昔の。宋代の言い回しという。『中国詞学大辞典』(浙江教育出版社)より。また、古くから続いてきた家。古い家柄。*ここは「名門、旧家」の意の「きゅうか」ではない。中唐・劉禹錫の『烏衣巷』「朱雀橋邊野草花,烏衣巷口夕陽斜。舊時王謝堂前燕,飛入尋常百姓家。」とある。後世、元・薩都剌は『滿江紅』金陵懷古で「六代豪華,春去也、更無消息。空悵望,山川形勝,已非疇昔。王謝堂前雙燕子,烏衣巷口曾相識。聽夜深、寂寞打孤城,春潮急。   思往事,愁如織。懷故國,空陳跡。但荒煙衰草,亂鴉斜日。玉樹歌殘秋露冷,臙脂井壞寒螿泣。到如今、只有蔣山青,秦淮碧。」と詠う。 ・燕子:ツバメ。「-子」は接尾語。名詞の接尾字で、特段の意味はなく、「こども」の意はない。

※一例闌珊:(これらは、)一様に尽きようとしている。 ・一例:一律に。一様に。同様に。 ・闌珊:〔らんさん;lan2shan1○○〕盛(さか)りがすぎる。尽きようとする。衰えてゆく。南唐後主・李煜の『阮郞歸』呈鄭王十二弟に「東風吹水日銜山,春來長是閑。落花狼籍酒
闌珊,笙歌醉夢間。   珮聲悄,晩妝殘,憑誰整翠鬟。留戀光景惜朱顏, 黄昏獨倚欄」とあり、両宋・李淸照の『好事近』に「風定落花深,簾外擁紅堆雪。長記海棠開後,正是傷春時節。   歌罷玉尊空,靑缸暗明滅。魂夢不堪幽怨,更一聲啼鴂。」とあり、南宋・辛棄疾の『青玉案』に「東風夜放花千樹,更吹落、星如雨。寳馬雕車香滿路。鳳簫聲動,玉壺光轉,一夜魚龍舞。   蛾兒雪柳黄金縷,笑語盈盈暗香去。衆裏尋他千百度,驀然回首,那人却在,燈火闌珊。」とある。

※此身付与天頑:この身は、生まれつきの頑(かたく)なさを授かっていた(が)。 ・付与:渡す。手渡す。与える。 ・天頑:生まれつきのかたくなさ。 ・頑:愚かである。かたくなである。

※休更問秦関漢関:もはやこの上、秦代の関(せき)や漢代の関(せき)など(といった国防問題)を問題にすることは止(や)めよう。(悲しいことだが、祖国・明は亡(ほろ)んでしまったのだ…)。 ・休:…をやめよ。やめる。 ・更:その上。さらに。 ・問:問題にする。追究する。 ・秦関漢関:秦代の関(せき)や漢代の関(せき)など(といった国防問題)。盛唐・王昌齡の『出塞』(『從軍行』)「
時明月,萬里長征人未還。但使龍城飛將在,不敎胡馬渡陰山。」とある。

※白髪鏡中:白髪(の老人=年取った作者)が鏡の中に(映って)。 ・鏡中:かがみの中に、の意。

※青萍匣裏:(民族の敵と戦う時に用いる)宝剣は、箱の中に(しまわれており)。 ・青萍:古代の宝剣の名。また、広く刀剣を指す。また、兵権・軍権。=青蓱。 ・匣:〔かふ;xia2●〕箱。 ・裏:…の中。

※和涙相看:涙に濡れて、みつめている。 ・和涙:涙と共に。涙に濡れて。 ・相看:みつめている。「相」は、動作が対象に及んでくる時に使う。「…ていく」「…てくる」の意。「相互に」の意味はここではない。白居易の『勸酒』「昨與美人對尊酒,朱顏如花腰似柳。今與美人傾一杯,秋風颯颯頭上來。年光似水向東去,兩鬢不禁白日催。東鄰起樓高百尺,題照日光
。」 李白に『把酒問月』「靑天有月來幾時,我今停杯一問之。人攀明月不可得,月行卻與人。皎如飛鏡臨丹闕,綠煙滅盡淸輝發。但見宵從海上來,寧知曉向雲閒沒。白兔搗藥秋復春,娥孤棲與誰鄰。今人不見古時月,今月曾經照古人。古人今人若流水,共看明月皆如此。唯願當歌對酒時,月光長照金樽裏。」や、陶潜の『飮酒二十首』其一「衰榮無定在,彼此更共之。邵生瓜田中,寧似東陵時。寒暑有代謝,人道毎如茲。達人解其會,逝將不復疑。忽與一觴酒,日夕歡。」 、陶淵明の『雜詩十二首』其七の「日月不肯遲,四時催迫。寒風拂枯條,落葉掩長陌。弱質與運頽,玄鬢早已白。素標插人頭,前途漸就窄。家爲逆旅舍,我如當去客。去去欲何之,南山有舊宅。」や張説の『蜀道後期』「客心爭日月,來往預期程。秋風不,先至洛陽城。」杜甫の『州歌十絶句』其五に「西一萬家,江北江南春冬花。背飛鶴子遺瓊蕊,趁鳧雛入蒋牙。」とある。李煜『柳枝詞』「風情漸老見春羞,到處消魂感舊遊。多謝長條似,強垂煙穗拂人頭。」 、范仲淹の『蘇幕遮』「碧雲天,黄葉地,秋色連波,波上寒煙翠。山映斜陽天接水,芳草無情,更在斜陽外。   黯鄕魂,追旅思,夜夜除非,好夢留人睡。明月樓高休獨倚,酒入愁腸,化作思涙。」 前出・韋莊の『浣溪沙』「夜夜思更漏殘 など、下図のように一方の動作がもう一方の対象に及んでいく時に使われている。
B
もっとも、李白の『古風』「龍虎相啖食,兵戈逮狂秦」、「遠別離」の「九疑聯綿相似,重瞳孤墳竟何是。」や『長相思』「相思,在長安」や王維の「入鳥不相亂,見獸相親。」などは、下図のような相互の働きがある。
B
また、これらとは別に言葉のリズムを整える働きのために使っていることも、詩では重要な要素に挙げられる。
               ***********







◎ 構成について

 柳梢青 (早春怨ともいう)
  四十九字。双調。『早春怨』とは、一調二体。平韻一韻到底。韻式は「(A)AA AAA」。韻脚は「山巒珊頑関看」で、詞韻第七部平声十四寒(巒珊)・十五刪(山頑関看)。本サイトの作品の韻脚は第一句でも韻を踏む体。


   ●○○,(韻。この句は韻を踏まない場合もある
   ●,
   ●○○。(韻)
   ●○○,

   ●,
   ●○○。(韻)


   ●○○。(韻)
   ●、○○●○。(韻)
   ●○○,
   ●,
   ●○○。(韻)

2017.7. 5
     7. 6完
     7.31補

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