スープカレーを解体!
一杯のスープカレーは大きく分けて「スープ」「スパイス」「具材」からできています。お店では、これに「ライス」を添えて提供される訳です。では、それぞれについてもう少し詳しく見てみましょう。
スープ

「スープ」カレーですから、スープが無くては始まりません。最もお店の個性が出る部分であり、コッテリ濃厚でとろみがあるものから、サラサラでアッサリしたものまで、その特徴も様々です。スープのベースとなる素材も、鶏がら、豚骨、トマト、コンソメ、和風出汁、これらを混合したものなど、実に多様です。懇切丁寧に作られたスープは、きっと貴方を虜にしてくれますよ。
スパイス

この料理の名に「カレー」と付く所以は、多彩なスパイスが使われているからです。複数のスパイスをブレンドして熟成させたものを「マサラ」と呼びますが、スープカレーにおいて、この「マサラ」はとっても重要。スパイスの配合次第で味の雰囲気がガラッと変わります。スパイスの多くは西洋のハーブや、東洋の漢方薬としてもお目にかかるものです。スープカレーは、薬膳スープの一種と見ることもできるでしょう。
具材
多くのスープカレー店では、メインの具材としてチキン(チキンレッグ)を据えています。トロトロに煮込まれたチキンは、スープとの相性抜群です。チキンは煮込むほか、パリパリに炙られている場合もあって、風味も違ってきますから、食べ比べてみるのも楽しいですよ。チキン以外では、豚の角煮やシーフードなども良く見かけますね。
野菜がたっぷり入るのもスープカレーの魅力。代表的な野菜としては、キャベツ、ナス、ピーマン、ニンジン、ジャガイモ、レンコン、カボチャなど。十種類近くの野菜が入ることも珍しくなく、栄養バランスにも優れた料理と言われます。
これらの具材はスープと一緒に煮込むものだけではなく、素揚げしたり、炙り焼いたり、生のままトッピングされるなど、素材を活かした調理法が選ばれる傾向にあります。ジャガイモやカボチャはホクホクに、ニンジンは柔らかく煮て甘みを出し、水菜やレタスはシャキシャキのまま……といった様に、それぞれに手間をかけて提供されると、作り手の愛情を感じます。
『スープカレーと和の食材』

【ぐゎらん洞】のアッサリした和風スープ。具材に舞茸の天ぷらや大根が使われている。
スープカレーには和の食材が使われることがあります。特に、大根、コンニャク、つみれ、はんぺんなど、おでん種はアッサリ系のスープカレーと相性の良いものが多く、良く使われています。その他、白菜や白滝など、鍋の具材としてお馴染みの食材も合います。鍋料理と同様に、スープ(出汁)が味の基調となっている料理ですから、当然と言えば当然かも知れませんね。スープの染みた具材の味は格別です。
ライス

スープカレーには、ライスが不可欠。ナンではなくライスです。白飯、麦飯、五穀米、十穀米、ターメリックライス、サフランライスなど、それぞれの店では、スープの特徴を考えて相性の良いライスを提供している様です。北海道産のお米にこだわって「きらら397」や「ほしのゆめ」などを使用している店もあります。
お店でスープカレーを食べてみよう!
色々とスープカレーの特徴について書き連ねてきましたが、百聞は一見に如かず。実際にスープカレーを食べてみて下さい。以下は、知らないと戸惑うかも知れないことについて、少しだけ補足です。
スープカレーの注文の仕方
それぞれの店によって注文の仕方は異なりますが、スープカレーを注文する際の大まかな流れは下記の様になります。
- スープの種類を選ぶ
- 具材の種類を選ぶ
- 辛さを選ぶ
- スープやライスの量を選ぶ
- トッピングを選ぶ
スープが1種類しか無かったり、辛さが選択できなかったりする店もありますが、以上を踏まえておけば困ることは無いでしょう。
『お店で辛さを選ぶコツ』
スープカレーを注文する時に、難しいのが「辛さ」の選択です。スープカレーは辛さの段階を上げると、辛味系スパイスだけではなく、香味系スパイスの量も増える場合があり(マサラとして追加されるため)結果として風味が増します。よって、自分の舌の耐え得るギリギリの辛さで頂くのが、最も美味しいとされています。
ところが、辛さの段階は店によって様々です。(5段階に分かれている店から100段階以上に分かれている店まで!)そこで、上級者はスパイス追加で有料となる段階と無料の段階との境界を目安にしたりしますが、良く判らない場合は……店員さんに尋ねて下さい。
スープカレーの食べ方
スープカレーには下記の様に色々な食べ方があります。正解はありませんので、それぞれ自由に楽しみましょう。
- ライスをスプーンにとって、スープにくぐらせて食べる
- スープとライスを交互に食べる
- ライスの上にスープをかけて食べる
- 具だけライスの上に載せて食べる
- スープの中にライスを入れて食べる
ちなみに私は、ライスをスプーンに少量とって、スープにくぐらせて食べていき、最後にスープとライスを少しずつ残しておいて、スープの中にライスを入れて食べるのが好きです。こうすると、雑炊の様になってスープを綺麗に頂けます。