Tingara[天河原]

解説
縄の方言で「天の川」という意味を持つ言葉、「天河原(てぃんがーら)」をアーティスト名として用いたTingaraは米盛つぐみ(ボーカル)、ゲレン大島(三線)、石島英雄(サウンドプロデュース)で構成されたユニットです。
彼らが出会ったきっかけはTingaraの全作品のジャケットを手掛けている名嘉睦稔(なか ぼくねん)の展覧会だそうです。(彼はジャケットデザインだけでなくTingaraに詩や曲もいくつか提供しておりある意味Tingaraのメンバーの一人とも言えるでしょう)
もちろん、彼等が作り出す音楽も沖縄民謡を下地としてものですがボーカルの米盛つぐみの幻想的な歌声が「現代風にアレンジした沖縄民謡」と言う枠を超えてTingara独自の世界を作り上げています。

なお2005年春にゲレン大島はTingaraのメンバーから外れましたが今後もゲストアーティストとしてTingara作品に関わって行くそうです。

Tingaraは2003/9/30に初の本格ライブを行いました。(筆者によるライブレポート
2004/10/30には2回目のライブを行っています。(ライブレポート
2005/4/22〜23にSeasons Concertの「春」のアーティストとしてTingaraがライブを行いました。(ライブレポート
2005/12/3に3回目のライブを行っています。(ライブレポート


アルバム一覧
アルバム名 説明
天河原
インディーズレーベルからリリースされたTingaraのデビューアルバムです。
収録曲の大半が伝統的な沖縄民謡をTingara流にアレンジしたもので2ndアルバムに比べると沖縄民謡色の強い内容となっていて次作で開花するTingara独自の世界の源流とも言える作品です。
さきよだ
2ndアルバムにしてメジャーデビューアルバムです。
今作になってTingara独自の世界が更に前面に出るようになって曲の大半がオリジナル曲で構成されていて今作でTingaraオリジナルの世界が確立したと筆者は位置付けています。
米盛つぐみによるボーカルもより幻想的になりEnyaの沖縄版とも言える内容になっています。
太陽の花
前作のタイトルのイメージが「夜」ならばこちらは「昼」のイメージをタイトルに冠した3ndアルバムです。
と言ってもDeep Forestのように作風を大きく変えているわけではなく「Tingara節」はそのままに前作より更に洗練させたサウンドを披露しています。
余談ですがこのアルバム発売時に配布されたパンフレットにはEnyaの国内盤アルバムのレビューを手掛けている伊藤なつみのレビューが掲載されていました。
みるや かなや
沖縄の伝説に残る海上楽土「ニライカナイ」の古語をタイトルに関した4thアルバムです。
全曲がTingaraオリジナルの曲で過去の作品以上に「沖縄音楽の現代版」ではなく「Tingara独自の世界」を指向した作品と言えるでしょう。
また、Tingaraのルーツを求めてボーカルのTsugumiの故郷である石垣島を訪れた映像作品「遥かなる みるや かなや」DVD同梱盤も発売されました。
うなさか
5thアルバムです。
Tingaraの持つ独特の浮遊感・幻想性は健在で今までの作品が好きな人ならば間違い無く気に入るでしょう。
また一部の曲では新たなTingaraの音楽性を模索している様に感じられました。
ちなみにTingaraの原点とも言える曲「夜間飛行」も新規レコーディングで収録されています。
風の旋律
レーベルを移籍しての6thアルバムです。
今作では過去作以上にTingara独自の世界観の輪郭線が明瞭なものになっています。
特にリードトラック「水の炎」はそれを象徴したものだと言えます。
またアルバムタイトルにもなった曲「風の旋律」はどことなくAdiemusを彷彿とさせます。
ただし今まで曲ごとに添えられていた名嘉睦稔のアートが無くなってしまったのが残念です。
組曲 〜命の森〜
2008年に行われた名嘉睦稔の個展「命の森」のために制作された7thアルバムです。
アルバムは個展と同じく「陸の森」「海の森」の2部構成になっており「名嘉睦稔氏の作品を音で表現するには?」という命題に対するアンサーともいえるでしょう。
作品の傾向は「風の旋律」と同じくTingaraならではの世界を目指した内容になっています。
このアルバムはTingara自らが立ち上げたレーベルから販売しているため購入は名嘉睦稔公式サイトからの通販かボクネンズアート東京のみで可能です。(試聴
かむながら
8thアルバムです。
今作は三線や沖縄調の音階を用いない大胆な構成となっています。
近年の作品は沖縄的要素が徐々に薄れてTingara独自の路線を模索しているように感じていましたが今作で遂にある種の到達点に達したと言えるでしょう。
しかしながら本質的な「Tingaraらしさ」は失うことはなく今作にも受け継がれているので違和感を感じるような事はありません。
ちなみにタイトルは沖縄方言ではなく古語で「神であるままに」「神のおぼしめしのままに」を意味します。
海森彩生
東日本大震災復興支援イベント「海森彩生」のテーマ曲および会場BGMとして制作されたアルバムです。
1曲を除き基本的にはアンビエント系のインスト曲で構成されています。
itunesやTingara公式サイトで購入できます(試聴も)。



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