皇帝の正しくないチェス

3.5 2002年


2月9日

 この日は美濃加茂市で行われた「こどもチェスイベント」に参加してきました。

 このイベントはEBSという団体が主催してのもので、名古屋チェスクラブに協力依頼が来たのでした。

 依頼の内容は、「子供相手に多面指しをやってもらえないか」とのことで、名古屋チェスクラブを代表して、Fさんと私の2人が参加しました。

 それはそれで良いのですが、この情報を聞きつけたyahooのamagligoric氏、mac_aomori氏、sunny_rabbitさんが何故か(?)参加。

 子供相手と楽観していた私に、甘栗氏と青森氏が「皇帝との多面指しに参加させろ」との申し出がありました。
 僕としては、強豪のF氏相手にやってもらいたかったわけで、僕の出した条件は「じゃあ、君たちはF氏と僕の2面指しでやって(笑)」というものでした。

 結局、僕は途中参加の子と甘栗氏・青森氏を含めて都合9面指し(だったかな?)、お二人はF氏と私の2面指しという変則マッチが行われたのでした。

 実は、青森氏とはICCで負かされていた経験があったので密かに燃えていたのですが、後からゾロゾロやってくる子供達のために青森氏が急遽チェス講座を始めるなどグチャグチャの展開に(笑)。

 そんな状況になりましたが、この2人相手に勝ったのは大きな喜びでした(ちっちゃーい・笑)。

 この日のイベントの模様が甘栗氏によってレポートされていますので、よろしく→で、レポートはこちら

 

3月24日

 3月は、全国大会の予選があちこちで行われるわけでして、今年は名古屋・大阪・福岡に出場予定でした。
 しかし、トップページにも書いたように、急性腺窩性扁桃炎という謎の病気で2度高熱を出しまして、さらに年度末の業務多忙と相まって、名古屋と大阪は欠席(涙)。
 全国大会最後の切符を得るために、意を決しての福岡選手権の出場となりました。

 去年の3月まで福岡支店勤務だった私は、当然のように前日は飲み会をセッティングしまして、福岡時代の同僚と午後5時半から飲み始め、カラオケを5時間こなし、睡眠4時間で対局に望んだのでした(爆)。
 そんなんでいいのか(笑)!?

 でもって、福岡選手権の参加者は14人。1721のレートの僕は7番目(出世したなぁ)。実は僕よりレート上位の方は、既に全国の権利を持っているか、あるいは全国大会に出られない人ばかりだったので、私が権利取りの大本命(福岡チェスクラブリーダー:Y氏談)だったのでした(ラッキー♪)。

・1R vsA氏ってcodfishさんだけど(レート1927) 私の白番−ドロー
 codfishさんは当然カロカン(笑)。僕はカロカンがキライ(爆)。何故なら、きちんとした対策を持っていないから。
 最近は、定跡を知らなくても知らないなりに指せるようになっておりまして、早々に定跡を外してもほぼ互角で中盤の争いに。
 と、実はお互いに時間を使いまくりまして、25手を指したあたりでお互いに残り時間は5分ほど。
 勢いでcodfishさんは無茶なエクスチェンジ・サクリファイスを繰り出して、局面は僕に有利だったのですが、35手で互いの残り時間は1分を切り、ドローとなりました。
 実は、僕の最後の手は超悪手だったのですが(感想戦で気付きました)、時間もないことから、僕のドロー提案をcodfishさんが慌てて了承して助かったのでした。

・2R vsI氏(レート1204) 私の黒番−勝ち
 福岡チェスクラブ所属のI氏。申し訳ないのですが、さすがに負けちゃいけない相手。
 1.e4 e5から当然のようにラトビアンになりまして、序盤に早々にピースアップ、きっちりと勝たせていただきました。

・3R vsO氏(レート1963) 私の白番−負け
 同じく福岡チェスクラブ所属のO氏。O氏といえばピルツ・・・、のはずが、1.e4 Nf6でアレキンかい!?
 知らないなら知らないなりに指せるようになっておりまして(笑)、ワンポーン・ダウンのルーク・エンディングになり、ギリギリで凌ぎぎった感がありました。
 この対局は40手を越え、このラウンドでは最も長い対局となりました。周囲には対局を終えた人がわらわらと・・・。
 隣の1番ボードから見ていたM君は「ドローだな」と思ったらしいのですが、そこをドローに出来ないのが私の実力(笑)。
 最後はあっと驚くバックランクメイトを食らい、観戦者にささやかな笑いを提供してしまいました(涙)。

・4R vsO君(レート1850) 私の黒番−ドロー
 東京から参加のO君、全国大会で負かされています。1.Nf3 f5で局面はダッチに。
 実はここで問題となるのが、私の終電(笑)。19時27分博多発ののぞみに乗らなければならないのに、4R開始は既に17時15分。会場から博多までは地下鉄で20分だぞ(笑)。
 35手を過ぎたところで、時間は18時45分を越え、駒の損得は無し。ピースは同色ビショップとルークが2つ残り、局面は互角ながらもまだまだこれからという場面。
 駒損していたら、素直にリザインして帰るつもりでしたが、互角の局面なので泣きのドローオファー。O君はちょっと考えて、「しょうがないですね、ドローで良いですよ」との優しいお言葉(嬉し泣き)。

 これで何とか2P確保し、慌てて博多駅に直行。後ほど電話で確認したところ、全国大会への切符は何とか私の物に。
 ちなみに、O君との最終局面をフリッツ君で解析したところ、互角でやや黒(僕の方ね)良しとのことでした。

 ともかくも、2年連続で全国大会に出場です。去年の成績を上回れるように頑張らないとね!

4月7日

 この日はアンパサンで、名古屋と大阪の対抗戦。私は名古屋チームの末席として、参加してきました。

 実はもう一つ、yahooのfishpie氏、wia君とバダス君との初対面、関西選手権をさぼった謝罪をジャバ様にすることが目的です(笑)。
 他にも甘栗氏が参加、大阪チェスクラブには黒白師匠とまつたけさんがいるわけで、yahoo軍団の一大オフ会さながらの様相を呈したのでした。

 そりゃそうとまずは対抗戦3試合の結果報告。

・1R vsL氏(レート1942) 私の白番−負け
 昨年の全国大会で負かされたLさん。戦型はペトロフですが、3. ... Qe7と変則に。
 序盤でちょっとしたコンビネーションを読んで、クイーンを交換して相手にダブルポーンを作らせることに成功。やや有利のルーク・エンディングで勝負することにしました。
 しかし、中盤以降で強いのがLさん。今度はこっちのミスを的確に咎めて、私の1ポーンダウンに。
 とはいえ、本当は最後まで互角のエンディングだったのですが、そこはポーン・エンディングの実力の差、自分のミスで負かされました。

・2R vsD氏(レート1471) 私の黒番−勝ち
 大阪に来るたびに対戦している気がするDさん。戦型は勢いで、ツーナイツのフリッツ・バリエーションになってしまいました。助けて、hiyagonせんせぇ・・・(涙)。
 そう思ったのもつかの間、先に間違えたのはDさんで、そこから複雑怪奇なドロドロの局面になりました。
 こういうのを必死に読みまくるのが楽しいわけで、互いにキャスリング出来ない状況を何とか読み勝ちました。

・3R vsM氏(レート1801) 私の黒番−ドロー
 あれ?半年前にはURだった気がする、M氏。もう1800かよ・・・。
 1.e4 e5 2.Bc4でビショップ・オープニング。あまり知らないので、これも必死に読みまくり。それもまた良き哉。
 攻撃的なM氏をきっちりと咎めて、白のキャスリングを阻止。序盤は優勢で通過したものの、うっかりした1手でエクスチェンジダウンに(涙)。
 そうは言っても、クイーンは残り、まだまだ複雑な局面。クイーンで相手陣を引っかき回し、ナイトでクイーンとルークをフォークし、今度はこっちが優勢に!と思いきや、時間切迫の為に、ドローにしました。

 終了後はいつもの魚民で飲み会。16才のwia君がフニャフニャになったりしましたが、それはそれで楽しく飲めました。

 ところで3試合のパフォーマンスは1738、福岡選手権のパフォーマンスも1780ですから、とりあえずレート1700台の実力はついたかなーという感じですね。

 

4月29日〜5月5日

 今年も出場できました、全日本選手権。

 自戦記等は、今年も「2003 全日本選手権参戦記」と題して、別頁を用意しています。是非、御覧になってください。

6月1日〜2日

 全日本選手権後は今年も抜け殻となりましたが、そのタイミングを見計らったようにやってくるのが、名古屋オープンです。

 hiyagon先生が欠席でしたが、東京・大阪から今年も強豪が集結。勿論、福岡からは今日も弱気な(しつこい)Oさんが来名し、参加者は32名。

 しかも今年はyahoo軍団が大集合。いるか師匠,黒白師匠の常連組に加えて、東京からはトクト,長野からシームが初参加。また、ovさん,suga君,mirage君,うぃあ君も名古屋に初登場。噂では名古屋にたどり着けなかった人もいるとか・・・?
 仕事の都合で観戦組となった、fox_masakiki氏に甘栗氏、sunnyさんが応援です。

・1R vsT氏(レート2024) 私の黒番−ドロー
 Tさんとは初対決。1Rから2000超との対決か・・・。
 1.e4 e5 2.f4!おおっ、キングズ・ギャンビットだー!!勿論、私がギャンビット・マニアであることを御承知の上での、この選択。2. ... exf4 3.Nf6 Be7とCunningham Defenceで真っ向から応戦です。
 中盤までかなり押されましたが、一瞬の隙を逃さずに反撃!逆転はしたものの、時間は切迫。お互いにクイーンは残って、まだまだの局面のためにドローを提案し、合意ドローとなりました。
 まぁ、出だしは良しとしよう。

・2R vsI氏って、ryohma59さんです(レート2036) 私の黒番−負け
 実に2年半ぶりの対決です。勿論、今の私はその頃とは比べものにはならないぜぇ、と気合い十分で望んだこの対局。
 1.d4 f5とダッチで始まりましたが、なんとピンにひっかかること2回!1回目はryohmaさん曰く「ひっかかると思っていた」そうで、とにかく悪手!悪手!!の連続はアイドルのサイン会の如き(?)状態で惨敗を喫しました(涙)。

・3R vsOh氏(レート1580) 私の白番−勝ち
 昨年の名古屋オープン以来、1年ぶり2度目の対決。前回は負かされています(笑)。
 1.e4 c6とカロカンに。2.d4 e5 3.Nc3 Nd7で「うむぅ・・・」という感じです。
 早々にポーン1個をかすめ取られましたが、「男はワンポーンダウンしてからが勝負だ」という神のお告げ(嘘)により、猛反撃。ナイトをインチキ・サクリファイス(本当は成立しないサクリファイスを言う)して、大逆転。2ポーンアップのルーク・エンディングに持ち込んでの勝ちとなりました。

 終了後は当然のように飲み会。1次会は総勢25人(?)!2次会の終了は午前2時という有様の為に、特別に飲み会報告。ということで、緊急特別レポートは→まだです。

 2日目は朝から二日酔いでふらふらと会場へ。気分は既にピースダウンです。
 なんとか、4R開始時刻の9時10分には間に合ったのですが・・・。

・4R vsK氏(レート1927) 私の黒番−負け
 初対決です。1.Nf3 f5でダッチにトランスポーズ。レニングラード・ダッチのメインライン(?)になったものの、どうにもピースの配置やポーンを突くタイミング等々、上手くいかずにめろめろのままに負け(涙)。
 ダッチはまだまだ試行錯誤の真っ最中。本当に難しいオープニングだと思いますね・・・。

 

・5R vsT君ってa_mirage君です(レートUR) 私の白番−勝ち
 yahooではオレンジレートのmirage君。ネットでも対戦したことは(おそらく)無く、初対決です。
 1.e4 e6でフレンチかよ!やむを得ず、2.d4 d5 3.exd5 exd5と、エクスチェンジ・バリエーションで力勝負を挑むことにしました。
 mirage君、日頃はネットでブリッツ専門なだけに、キングサイドからちょっと無茶な攻撃を仕掛けてきました。ブリッツなら攻め潰せそうでも、持ち時間の長いOTBではそう簡単にはいきません。
 冷静に受けて、最後は6ポーンアップ(?)となり、慎重にポーンを押し進めて勝たせてもらいました。

・6R vsOt氏(レート1783) 私の黒番−負け
 初対決です。1.e4 e5の後、ちょっと間をおいて2.Nc3でビエナ・ゲームに。うーむ、やはりラトビアンは避けられているのか・・・?
 あまりわからないとはいえ、対キングズ・ギャンビットを応用してピースを展開。うっかりナイトを取られたものの、「男はピースダウンしてからが勝負だ」という神のお告げ(嘘)により、猛反撃。
 ところが、ドロドロの中盤で時計を押したにもかかわらず、実は自分の持ち時間が減り続けていたというアクシデントのおかげで、ピースダウンとタイムトラブルのダブルパンチ!
 攻めまくったものの、攻め潰れた上に時間切れで負けとなりました。
 実は勝った方が3.5Pで賞金をもらえるところだったのですが・・・(涙)。

 結果は2勝3敗1分の2.5P、5Rを抜いた(対戦相手がURの為)パフォーマンスは1710。可もなく不可もなくという数字は、よく言えば「安定している」という感じでしょうか(苦笑)。

 しかし、今回は中盤の指し回しにかなり狂いが生じていることが判明。ホント、チェスって難しいですね・・・、楽しいけど(笑)。

10月〜11月

 10月中旬から、11月中旬までの約1ヶ月。会社の海外研修でネパールに行きました。

 「ネパールのチェスチャンピオンになって帰ってくるぜ!」とか言いながらも、ネパールではチェスをすることもなく、スゴスゴと帰国してきました(涙)。

 ネパールでの生活については、「短期集中連載−ネパールチェスチャンピオンへの道」を御覧下さい。

 結局、この年のチェス生活はここまで・・・。