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|Q&A|方向変換の仕方(図解)|コース|
静岡県では中部運転免許試験場でしか試験が行われていません。 一人の試験官がけん引と抱き合わせで試験を行うことが殆どです。(殆どがけん引を先に行います) 午前中はけん引と合わせて受付順に6人まで、7人目以降は午後試験になります。 県内の受験者が集まるので朝早くから並んでいることがあります。
一種と二種混合で同じコースを使って試験が行われます。 大特試験では立会人(次番者)の同乗はありません。 試験官だけが同乗します。
大型特殊の主な課題は方向変換だけです。 Sやクランクはありません。 走行距離も短く、そういう意味では比較的に取得しやすい免種かもしれません。 ここでは、課題のほかに大型特殊独特の操作方法(各操作/直線コース(指示速度)/右折/左折)について説明します。 基本的な運転操作については「運転の基本」ページをご覧ください。
全免種ともに乗車から降車までが試験です。ただし、ならし走行では採点されません。 100点満点から試験開始し減点法で採点されます。 試験終了時に一種は70点以上、二種は80点以上残っていれば合格です。 危険行為や課題通過不能等で試験中止になった場合は0点となります。 また、ある程度減点超過した場合も採点を中止します。 不合格の多くは、ふらつきと左折の方法が悪くて減点されていると思います。
大型特殊は名前からしても特殊な構造をしています。 静岡県では中折れ式のホイールローダを試験車として使用しています。 中折れ式というのは、車両の真中(前輪部分と後輪部分と)で「く」の字形に折れ曲がる構造をしています。 後輪部分に運転席があり、ハンドルを左に切ると後輪すなわち運転席は右側を向きます。 右に切ればその逆になります。 そのため、慣れないと大きくふらついてしまいます。
また、内輪差が殆ど無い(本の少し内側に入るらしいが気にしなくて良い)ので普段の感覚でハンドルを切ると大回りしてしまいます。
ふらつきやすい、大回りしやすい、路面の僅かな凹凸でショックを受けやすい、音がうるさい、スピードが出ないといった走行上のマイナスの特徴があります。
運転操作は、どちらかと言うと普通乗用車を運転する感じに近いのですが、車を運転しているというよりはロボットを操縦しているといった感じがします。
試験開始までにコースを歩いて確認しておきましょう。 試験官からコースの指示はありますが、エンジン音がうるさくてよく聞こえません。 単純なコースなのですぐに覚えられます。
<注>文中に、運転席からの見え方で説明している個所がありますが、見え方には個人差があり、誰にでもその通りに見えるというものではありません。
□各操作について(静岡県中部運転免許試験場の試験車 TCM830)
ハンドルノブ:ハンドルを切るたびにノブの位置はズレていきます。ハンドルを戻してもノブの位置は変っています。
※普通車や大型車はハンドルの回転数が固定されていますが、大特試験車では固定されていません。限界以上にハンドルを回すとエンジン音が変ります(エンストするかもしれません)。
前進/後退レバー(上段の短い方):奥(F)にすると前進、中(N)がニュートラル、手前(R)にするとバック
変速レバー(下段の長い方):奥から手前に1,2,3速となる。(試験では1速は使用しません。)ノークラッチ式なので走行中にレバーを操作できます。アクセルを緩めたりする必要はありませんが、減速はエンブレが大きいので注意。(2速にするときは発進時と方向変換のときだけです)
※レバーの下から握るようにしたほうがよいでしょう。(走行中に誤って、変速レバーの上にある前進/後退のレバーを操作しニュートラルにしてしまうことがよくあるからです)
ウィンカ:自動では戻りません。手動で戻します。
※エンジン音でリレーの音が聞こえません。戻し忘れに注意が必要です。ハンドルを戻すと同時に合図を戻す習慣をつけておきましょう。
作業用ブレーキ:試験では使用しません。(使っても良いそうですが)
※変速時に、クラッチと勘違いして作業用ブレーキを踏んでしまい、急停車する受験者もいるようですから注意しましょう。
サイドブレーキ:レバーにロック解除ボタンがありません。レバーをそのまま押し倒すとブレーキ解除、そのまま引き起こすとロックになります。
バケット操作レバー:前方に押すとバケット全体(のアーム)が下がります。後方に引くとバケット全体(のアーム)が上がります。
左側(運転席側)に引くとバケットの先(ツメ)が上がります。右側に押すとバケットの先(つめ)が下がります。
レバーを押すか引き続けているあいだバケットが動きます。レバーを離す(中立にする)と止まります。
可動範囲を超えてレバーを押すか引き続けるとエンストします。
運転姿勢:通常は、左手でハンドルノブを、右手はバケット操作レバーの上に置いて運転するのが基本姿勢です。両手でハンドルを操作してもかまいませんが、この方が運転しやすかったです。曲がる時や方向変換ではノブで、直線では右手でハンドルを支える程度にしていました。
左手でハンドルノブを、右手は「右膝の上」が良いと思います。車両系建設機械の運転講習では、走行中レバーに手を掛けていると、車体が揺れた際に操作してしまう可能性があるので「厳禁」となっているそうです。 より安全に留意していると言う点をアピールする意味を込め「右手は右膝の上」の方が良いと思います。ただし、直線コースでは両手でハンドルを持った方が車体を安定させやすいと思います。(みこふこさんよりご指摘いただき、訂正・加筆しました。2014/04/27)
小松メックの運転席
(静岡県中部運転免許試験場の試験車TCM830ではありません)
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□乗車
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はしごを上る前に後方を確認します。
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はしごを上って乗車。ドアは前方が開くようになっています。このとき、ドアが半ドアになっていないか確認します。(振動が大きく走行中にドアが開いた事例があります。もちろん、減点です)
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シート、ミラーを調整してシートベルトをします。
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変速レバーを1〜3速まで動かしてみて、2速にします。
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前進/後退レバーを動かしてみて、ニュートラル(N)にします。
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ブレーキを踏みエンジンをかけます。
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バケット操作レバーを左側に引き倒し、バケットの先端(ツメ)をいっぱいまで上げます
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次に、バケット操作レバーを後方に引き倒し、バケットを地上から50cm位に上げます。
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前進/後退のレバーを前進にしサイドブレーキを解除します。
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通常の5点確認に加え、左右のアンダーミラーの確認もします。 試験官いわく、「タイヤのところに子供が入っても死角で見えないだろッ」とのこと。(以降、7点確認と称します)
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右に合図を出して、3秒後に再度右後方を目視確認して発進します。
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発進すると同時にすぐに3速にします。(充分力があるので3速発進も可能だが一応そういう指示なので)
- 発進したらすぐ3速にすることを意識しておきましょう。ノークラッチ式なのでエンストや逆行はまず無いと思います。 仮にあった場合、エンストは1回までは減点されませんが、2回3回エンストすると1回にさかのぼって減点(5点/回)されます。さらに、同じ場所で4回エンストすると発進不能で試験中止になります。
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□ならし走行
- ならし走行では、静岡県の場合は外周を1周するのではなく発着所の周辺を1周するだけの短い距離です。できるだけ大きく回って有効に使いましょう。(短い距離でしたがわざと進路変更などして特性をつかもうと大きく回りましました)
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□直線コース(指示速度)
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直線コースの指示速度は25km/hです。直線コースに入ったらすぐに、3速のままアクセルをベタ踏みします。
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ハンドルを両手で握り、脇を絞め、肘は体につけるなどしてハンドルが動かないように固定します。大特はハンドルが良く切れるので、僅かなハンドルのぶれでふらついてしまいます。
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時々スピードメータを見て、直線コースの中央付近までに25km/hにします。(静岡県中部運転免許試験場の直線コース中央付近は路面が僅かに凹凸になっており、速度が速いと大きく跳ねてしまいます。初めての人は跳ねると収拾がつかなくなるかもしれません)
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25km/hになったらアクセルを緩め、中央付近では速度を落として通過します。あまり極端に速度を落とさなくても、ある程度落ちれば跳ねなくなります。
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直線コースの終わり頃、つまり最初のカーブの手前で更に速度を落としてカーブに入っていきます。
- アクセルベタ踏みで30数km/h出ます
- 一瞬でも指示速度に達すればOKですが、出来れば、短い距離でも指示速度を維持して走行できればBestです
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□右折
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バケット右先端またはバケットに少し(1/8位)に入り込んだところにセンターラインが見える位置まで右寄せします。(1/4まで入ると白線を踏む可能性があります)
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右折先の車線にバケットがまっすぐ入るようにハンドルを切っていきますが、バケットの左側が交差点中央の▽や◇マークの真上を通っているように曲がっていきます。
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曲がり終わったら合図を戻し、バケットが常に道路と直角になるようにハンドルを操作していきます。
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信号などで止まった場合を除き3速のままでOKですがゆっくりと(徐行して)曲がります。
- 合図、進路変更、安全確認、巻き込み確認等の運転の基本も怠らずに。
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□左折
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バケットの先端左角が縁石の上を通っているように見える位置まで左寄せします。(バケットの左側1/4まで入ると脱輪の可能性がありますから注意)
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曲り角のRに差しかかったら、バケットの左先端がRから外れないように(Rに沿うように)ハンドルを切っていきます。つまり、早めにハンドルを切っていることになります。(前輪が通ったところを後輪も通るので、出来るだけ前輪を縁石に近づけています)
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前輪が曲がり終えるころ、バケットが左折先の道路と常に直角になるようにハンドルを戻していきます。(ハンドルの戻しが遅れるとふらついてしまいます)
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曲がり終わったら合図を戻します。
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信号などで止まった場合を除き3速のままでOKですがゆっくりと(徐行して)曲がります。
◆ Rが小さい、またはRの無い曲り角では直角に曲がります。(ここで大回りしてしまう受験者をよく見受けられますが、前輪の位置をしっかり把握して、角から離れないようにします。2,3ヶ所あります。運転席から見てウインカの延長線が大体タイヤの接地面です)
- 合図、進路変更、安全確認、巻き込み確認等の運転の基本も怠らずに。
路側帯がある場所は、「縁石」を「路側帯」と読み替えてください。(静岡県の大特試験では路側帯のあるコースは通りません。平成18年12月現在)
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□方向変換(左へバックして右へ出で行く方法) →方向変換の仕方(図解)
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縁石から50cm位に寄せていきます。(バケットの左先端に縁石がかかっているように見える位置)
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凹部に障害物がないか目視確認して通過する。
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左ミラーを見て、進行方向の凹部縁石から50cmくらい左後輪が過ぎたら平行に止まる。(前輪は真っ直ぐ)
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変速レバーを2速にし、前進/後退レバーをバックに切り替える。
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7点確認して、左ミラーで後輪を見ながらゆっくりとバックする。
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後輪が凹部Rに来たら、Rに沿うようにハンドルを切っていく。
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両方の後輪が凹部に入ってもまだハンドルを戻さず、逆「く」の字のまま凹部に入っていきます。(車体後輪部分が凹部に対して斜めの状態)
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車体がある程度凹部に入ったら、ゆっくりと下がりながら少しずつハンドルを戻していきます。逆「く」の字が徐々に伸びていき車体が真っ直ぐになっていきます。
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車体が真っ直ぐになったら、後ろを見ていっぱいまで真っ直ぐに下がります。
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前進/後退レバーをニュートラルにしサイドブレーキを引いて、試験官に「完了しました」と報告します。 完了報告する前に試験官から「じゃ、出て」と先に言われるときもあります。
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前進/後退レバーを前進に切り替えてサイドブレーキを解除、右に合図を出します。
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7点確認をして、右前輪を凹部出口側Rに向かっていくようにハンドルを切りながら発進します。このとき、車体は「く」の字になりますので車体左側がポールに接触しないように必ず注意してください。
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前輪が右寄りであれば左前輪はあまり気にしなくても大丈夫だと思います。思い切っていきましょう。(脱輪したら右寄りがまだ甘いということになります)
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バケットが出口側道路に入ったら、バケットが常に直角になるようにハンドルを戻していきます。ハンドルの戻し遅れると出口側道路でも「く」の字になったままになります。この状態で真っ直ぐにしようとすると、バケットが幹線コースにはみ出てしまいます。ここはバケットをよく見てしっかりとやりましょう。
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幹線コースに出る直前で左右の安全を確認します。このとき、右後ろもしっかりと確認してください。大型試験車が後方から左折して入ってくることがあります。
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安全が確認できたら3速にして直角に曲がるように出て行きます。
- 1回の切り返しは減点されませんが、2回3回切り返すと減点(5点/回)されます。4回目は課題不能で試験中止となります。
- 切り返すたびに前進およびバックそれぞれに7点確認をしなくてはいけません。(切り返しが2回3回となると疎かになりやすいので注意)
ここでのポイントは、凹部に車体を逆「く」の字に入れることです。また、出て行くときの幹線道路へのバケットの飛び出しと右後方の安全確認です。
方向変換は、落ち着いてできれば、それほど難しい課題ではないと思います。
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□降車(お疲れ様でした。 でも、まだ気が抜けません・・・)
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左に合図を出し、3秒後に左後方を目視確認します。
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バケットの左側1/4あたりに白線が通っているように見える位置まで寄せていきます。最終的に左ミラーで確認します。
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目標のポールがバッケトの根元(ツメの反対側)あたりに見えたら止まる。(バケットがポールを超えないように)
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サイドブレーキを引き、前進/後退のレバーをニュートラルにします。
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バケット操作レバーを前方に押し倒し、バケットのシリンダが水平よりやや前方に下がり気味にします。(水平でもOKです)
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次に、バケット操作レバーを静かに右側に押し倒し、バケットの先端(ツメ)を路面に接地させます。このとき激しく接地させないように注意してください。接地すると車体前部が浮き上がる感じがするので分かります。
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合図を戻してエンジンを切ります。
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ドアを開ける前に後方を確認し、はしごを降りてからドアを閉めます。
- 他の免種では駐車処置としてバックギアに入れますが、大特ではニュートラルでOKです。変速ギアも指定はありませんが、できたら1速にしておいたほうがいいかもしれません。
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