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2001年11月5日(月)JOE HISAISHI SUPER ORCHESTRA NIGHT in ザ・シンフォニーホール
指揮:斎藤一郎、演奏:関西フィルハーモニー管弦楽団、ピアノ:久石 譲
会場:ザ・シンフォニーホール(座席数:1704 残響:2秒(満席時))
コンサート開場から開演〜コンサート前半 |
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コンサート開場(18:00ごろ) |
大阪駅に近い、JR大阪環状線の福島駅を降り、なにわ筋を北へ、会場のシンフォニーホールへ向う。天候はあいにくの雨模様だが、コンサート前で、なんだかとてもわくわくした気分でした(笑)会場のシンフォニーホールは、すぐ南側に上福島北公園という公園があり、ポプラ並木の先にシンフォニーホールが堂々と見えてくる感じが、なかなか良い。入り口付近やホワイエ内はすでに大勢の人が・・。ホール自体は敷地の関係から立体構造になっていて1階、2階がグランドホワイエ、その上が客席、ステージのあるホール内部となっている。1,2階のホワイエは、とても豪華な造りになってている。コロネード(列柱に囲まれた廊下)になっており、とても重厚な雰囲気が漂う。2階へ続く大階段は、少し上り左右へ分かれると言う、いわば豪邸等で、よく見られる形式の階段である。そして、その上にあたる3階からが客席の1階席となっている。 |
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入り口付近には、コンサート前のオフ会に参加された、大阪オフ会幹事の美濃さん、ヨーコ。さん、すずしろさん、はまじさん、天気輪さん、s.tさん、MaHitoさんさん、ぼうさんなどが、すでに待っておられた。皆さん初めてお会いするためか、心持緊張した様子でした(笑)挨拶をして、いろいろな資料やプレゼントの交換を・・(笑)一行はメインエントランスでチケットをきってもらいホワイエへ入る。中ではコンサートのパンフレットや、復刻作品を含む久石さんのCDや楽譜の販売などがされていて、僕も「ふたり」「はるか、ノスタルジィ」のサントラの復刻版を購入(笑)毎年恒例になりつつある緑のタオルもやはり販売されていた(爆)コンサートのパンフレットをながめる。今年のパンフレットはA4版の大きさで、黒と白を基調にしたモノトーン構成。フォントは全体的に太くゴシック調でコンサートの力強さを予感させる。そして皆さんと、この曲が今年は演奏されるのか〜といろいろ・・(笑) |
↑シンフォニーホールメインエントランスのコンサートを知らせるネオンサイン |
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開演15分前となり、そろそろ客席へ向う・・・。階段一つ二つ昇り、3階の1階席へ。2階のホワイエでは、開演が遅い時間ということもあり御食事コーナが用意されていた。ホール内はすでにお客さんが大勢入っていて、コンサート前直前ということもあり、会場全体はざわざわした雰囲気だった(笑)シンフォニーホールはステージを客席が前後左右から取り囲むという、アリーナ・シアター形式(円形劇場形式)のクラシック音楽専用ホールだ。そのため客席と舞台が一体となった演奏ができる。ホール正面は大きなパイプオルガンが・・。僕ははまじさんと前後、一つ空きでかなり近かったです(笑)(はまじさん席を教えてくだりありがとうございました(笑))ちなみに僕はE列3番という一番左端の席だった(苦笑)ステージの上には、大屋根の開いたコンサートグランドピアノ(ちなみにメーカーは「スタインウェイ」でした)、そしてオーケストラの皆さんの椅子や楽譜立などがずらりと並べられていた。ハープの人やパーカッションの人はすでにステージ上で練習を・・。時折、オーケストラの人がステージと控室の間を行ったり来たりする。ドアが開いた瞬間、開演直前の練習音が(笑)もちろん久石さんの曲なので、聴き慣れたメロディーでした(笑)そしていよいよコンサート開演・・。 |
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コンサート開演(19:00ごろ)〜「千と千尋の神隠し」組曲 |
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↑チケットを切ってもらうお客の列 |
ステージ上にいた楽団の人達も全て控室へ戻る。ステージには誰もいなくなり、それまで客席と同じくらいの明るさだったステージがライトを浴びさらに明るくなった。いよいよコンサートが始まる・・。そして左右の扉から、衣装を着た楽団の人達が入場し始めた。木管楽器の人から順に自分の位置へそれぞれ付き始める。そして同時に拍手が・・・。木管楽器、高音弦楽器、ハープ、パーカッション等の人はステージ向かって左から、低音弦楽器、管楽器等は右の扉から一斉に配置につく。会場は次第に静かになり緊張した雰囲気に・・。コンサートマスターの人がピアノのラの音を1音鳴らした。そして一斉にチューニングが始まる。その後、指揮者の斎藤一郎さんが入る。最後に笑顔で久石さんが登場(笑)会場内は一際大きな拍手に包まれる。 |
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指揮者の斎藤さんが構え、すぐ左下の久石さんの方を向く。そして久石さんがピアノの手を構え曲がスタート。緊張の一瞬だ。
1曲目は「千と千尋の神隠し」組曲ということで「あの夏へ」の演奏がはじまる。第一声は久石さんのピアノだ。アレンジはサントラの「あの夏へ」よりも「あの日の川」のアレンジに近かった。あの神秘的なポロンという分散和音から曲が始まる。メロディーが進み、ストリングス、ハープが静かに入ってくる。音が良い〜!心の中でつぶやく(笑)本当にココで音が鳴っているのかと疑いたくなるぐらいに美しい音色だった。僕自身、久石さんの曲のオーケストラによるコンサートは初めてだったので、感動の瞬間でした(笑)この曲は前半と後半では大分雰囲気が変わる。途中、竜が空へ昇って行くイメージのフレーズでは、チェレスタとハープの音がまたとても綺麗だった。後半はテンポが早くなり管楽器の勢いのあるフレーズがホール全体を包む。生のオーケストラというのは、CDでは絶対に味わえない、音の奥ゆかしさのようなものを感じる。そして何よりもすぐそこで実際に鳴っていると言う音の存在感が、感動を呼んでいる気がする。ティンパニやコントラバスのピチカート等は床が振動するほど迫力で、改めて生のオーケストラは良い!と実感する(笑)演奏終了と同時に自然と拍手が・・。(ん〜拍手の音も、また様になっているなぁ〜と感じる(笑))
続いて「竜の少年〜底なし穴」が始まる。竜の少年は僕自身MIDIを作ったこともあり、注目していた。ハープから始まる旋律がピアノから、逆にピアノのフレーズがハープに・・。サントラよりもテンポが速めに曲が進行していく。非常にダイナミックな演奏だ。管楽器の4度や5度の和音の力強さは、生ではまるで違う。そして今までに聴いたことのない荘厳なフレーズが・・・、おそらくコンサート独自のアレンジによるものだと思われる。パーカッションではサントラにも登場する中国発祥の青銅の打楽器である、「銅鑼」が用意されており、演奏とともに「ドジャ−ン」という迫力満点の音が響きわたる。
3曲目は「6番目の駅」である。この曲はイメージアルバムでは「海」という曲にあたるのだが、映画の中で重要な海のシーンの音楽。映画の打ち合わせで、宮崎さんが真っ先に気に入ってくれたという曲だ。久石さんのピアノによる独特の雰囲気のあるアルペジオが始まる。久石チックで神秘的だが、なんとなく寂しく、物悲しげな旋律は、生の演奏で一層強調されて耳に届く。
続いて「ふたたび」の演奏が始まる。映画の最後を締めくくる曲である。グロッケンやハープ、そしてピアノなどが3拍子のリズムが刻み始じめる。グロッケンなどの高音楽器は普段スピーカから聞こえる音色に比べ、非常に高い高音部(超音波)まで良く届き、貫けて聞こえてくる感じがとても心地良い。この曲は同じモチーフが続くが、転調を重ね次第に盛りあがっていく曲である。各楽器が入れ変わり、最後は全ての楽器を動員して迫力のあるメインモチーフへ。テンポも変わり、さらに軽快な3拍子へ・・・。神秘的な久石チックなフレーズが・・。そして演奏はクライマックスへ。タンバリンなどもリズムを刻み始め盛りあがる。全ての楽器が一斉に鳴るとこんなにも音が大きくなるのかと、驚きさえあった。迫力満点の演奏だった。全曲そうだったのですが、曲が終わるか終わらないかのタイミングに、待ってましたと言わんばかりの拍手でした。
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MC〜Quartet〜Asian Dream Song |
「千と千尋の神隠し」組曲4曲が終わり、久石さんのMCが始まる。「こんばんは、久石譲です。」と久石さんが言うと、自然と会場内から一斉に拍手が(笑)
「なんだか舞台とお客さんの距離が近いですね(笑)弾いているとこが見えちゃいますね(笑)」と一言(笑)「 千と千尋の神隠しという大変な記録を作っている映画から4曲聴いていただきました。もののけ姫のときもそうだったのですが、僕達、映画を作る前に、こんなにたくさんの人に映画が見ていただけるなんて予想していなかったんですよ(笑)なので初日からあのお客の入りということを聞いて、スタッフ一同皆驚いちゃったんです(笑)」「今年は映画の監督もやりました。カルテットと言う映画なんですが、残念ながら客の入りがあまり良くありませんでしたね(苦笑)お客さん入らないなら、映画のタイトルを変えようと・・・。「千と千尋のカルテット」に変えちゃおうかと(爆)」と久石さん。会場は笑いの渦でした(笑)「この映画は、四人の音大生の物語なんですが、音大の風景って、練習しているシーンなどがあるのですが、非常にモーツァル的だったりとか、現代音楽って言うのはむしろあまり出てこないんですよね。今回の映画も全て僕が曲を書いているのですが、そういうのを意識して曲を書きました。」「皆さん、DVDとか、ビデオとかいずれ映画を観られる機会があると思いますので、まだご覧になっていない方は是非観ましょう(笑)」(会場から(笑)と拍手が)大体こんな内容だった。とても人情味あふれる喋りで、コンサート前オフィシャルHPのダイアリーのピアノの猛練習で辛そうな久石さんとは、まるで違う様子に驚いた。そしてなんだか一安心と言う感じだった(笑) 「次に聴いてもらう曲はそのカルテットから3曲、1曲目はBlack Wallと言う現代音楽的な曲で、映画では後半、主人公の心情の移り変わりを表しているシーンで流れる緊張感のある曲ですね。2曲目はモーツァル的なStudent Quartetと言う曲、最後にMain Themeです。1曲目は僕は出番が無いので楽屋に引っ込んでます(笑)」「指揮、斎藤一郎!、演奏、関西フィルハーモニー管弦楽団!」と次の曲が始まった。
「Black Wall」の演奏が始まる。ビオラから始まるとてもユニークで激しく、ピリッとした緊張感のある曲だ。サントラでは唯一この曲のみオーケストラバージョンが収録されているが、生はやはり迫力が断然違う。この曲はテクニック的にも難しい曲であるが、さらりと弾けてしまう関西フィルハーモニーの皆さんに感激(笑)曲が終わると斎藤さんと久石さんが勢い良くタッチを交わす(笑)なんと次の曲の指揮は久石さん!
ということで「Student Quartet」 は久石さんの指揮となった。後から振りかえると弦楽器のみの演奏だったというのがあるかもしれません(笑)久石さんの指揮姿は初めてだった。タクトは無く、素手で指揮をする。基本に忠実な指揮だったのかもしれない(笑)(指揮法というものは分からないのですが、素人ながら、なんとなくそんな雰囲気でした(笑))テンポの速い曲で、曲想はまさにモ−ツァルト。タタタタ、タタタタという四拍子のリズムが心地良く流れる。この曲はもちろんカルテットの曲なのでオーケストラバージョンは初めてだった。とても厚みがあり、またサントラとは少し違う雰囲気だった。
カルテットから3曲目は「Main Theme」の演奏だ。指揮は斎藤さんに戻る。4度の歯切れの良い和音から軽やかに勢い良く始まる。これもオーケストラバージョンは初めて、今度は管楽器や木管等も入り、サントラとはまた違うコンサートアレンジ独特の響きに・・。オーケストラで演奏するメインテーマはサントラとは違って、とても重厚さが増し面白かった。この曲はコンサートアレンジでは、1番最後がミソで、終わったかな〜と思うと、最後に「タン」と弦のピチカートが・・。拍手もタイミングがあれ?と言う感じで締めくくられた(笑)
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そして、続いてそのまま「Asian Dream Song」の演奏が始まった。コンサートバージョンのAsian Dream Songは個人的に気に入っていて、また現在練習中でもあり(笑)プログラムを見て演奏されると知り、これも注目だった。この曲はピアノで難しいフレーズが幾つかあるのだが、ほとんど完璧に弾きこなしている久石さんに感動した。座席が左側前方だったためハープに近く、サビのフレーズで、盛り上がる直前のハープのダラララ〜という連打のあと一斉に盛り上がる辺りはゾクゾクっと鳥肌が立つほど感動ものだった。コンサートバージョンのAsian Dream Songは転調を繰り返し、山有り谷有りのドラマチックな展開が魅力的。そして最後は、また元の調に戻るという複雑な構成だが、何度聴いてもアレンジの巧妙さが素晴らしかった。各パートの構成もはっきり手にとるように分かった。久石さんのピアノがバックになり、CDでは、ほとんど聞こえない部分でもこう言うフレーズなのか〜という感じだった。そして何と言っても生で聴くことが出来、その音の存在感と迫力に感動した。
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↑開演前のグランドホワイエ2階からの眺め |
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前半8曲が終了し15分の休憩へ。休憩ではなんとたけちゅーさんが登場。美濃さん、はまじさん、たけちゅーさんとお話していました(笑)(たけちゅーさんサントラについて本当にお詳しくてびっくりしました(笑))そしてコンサートは後半へ・・・。
→コンサート後半〜コンサート終了へ
背景:コンサート開演前のシンフォニーホールエントランス前 |
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Written by HeeFoo at 2001.11.7 最終改訂2001.12.8 執筆協力:美濃、MONOty |