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2001年11月5日(月)JOE HISAISHI SUPER ORCHESTRA NIGHT in ザ・シンフォニーホール

指揮:斎藤一郎、演奏:関西フィルハーモニー管弦楽団、ピアノ:久石 譲
会場:ザ・シンフォニーホール(座席数:1704 残響:2秒(満席時))

コンサート後半〜コンサート終了
 コンサート後半〜BROTHER〜MC(20:00ごろ)

ステージの照明が一際明るくなり、コンサートは後半がスタート。前半と同じく、オーケストラの人が入場し、位置につくと、続いて指揮の斎藤さん、久石さんが出てこられる。

1曲目は「Drifter...in LAX」だ。始めはまずパーカッションがスタートした。白い太鼓のふたのようなものを手のひらで叩く。ドタ、バタという独特の音だった。その後、タンバリンが入り、チッチッチッチッとハイハット等のドラムがリズムを刻み始める。そのリズムに乗りストリングス、ピアノと各楽器が入る。そして、トランペットのソロがメインメロディーを・・。何とも渋い演奏でした(笑)ピアノは印象的な単旋律を・・。そうして、壮大な中間部のフレーズへ・・・一斉に盛りあがる。

続いて間がほとんど無く、「Wipe out」がスタート。この曲は千と千尋の1曲目と同じく久石さんのピアノから始まる。始めの分散和音と言うのは、久石さんの曲に非常に良く見られる形式だが、どれももちろん構成音が違うので、印象が異なる。聴きなれてくると、いわば曲の「顔」のような特徴的な存在すら感じる。この曲は映画のクライマックスシーンの音楽でもある。そのフレーズの後すぐに、緊張感漂うピアノの特徴的な和音がリズムを刻み始め、次第に各パートが入り重厚な演奏で盛りあがる。管楽器、ストリングスとモチーフを重ねて行く。一定のリズムのもとに曲が進行していく。その感じがとても緊張感のある演奏に繋がっている。そして息のつく間もなく「Ranging men」へ!パーカッションの皆さんは一気にフォルテッシモへ!ダダン、ダダン・・・というとても強いリズムが刻まれる。サントラとは全く違うと言っても良いほどのアレンジだった。ブラスの意表を突くようなフレーズ、弦の切迫感。非常に盛りあがる。盛りあがりが頂点に達したところで、一瞬、静かになったかと思うと、「パン!、パン!」と2発の銃声の大音響が!パーカッションの人が何と銃を構えていたのだ。(正直びっくりしました(笑))そして次第に演奏は静かに・・・。

最後は「I love you…Aniki」コンサートではサントラの後半の部分のアレンジが演奏された。久石さんのピアノによるメインテーマが奏でられる。サンラに比べ装飾音が付いていて、さらに渋いメロディーに・・。そしてリズムが変わり、ホルンやチェロ、オーボエ、フルート等がメロディーを交互に弾いていく、そして曲のクライマックスへ。サントラ通りでは無く、なんとドラムが入り、軽快なシャッフルのリズムで一斉にメインテーマが奏でられる!コンサート独特のアレンジで、同じメロディーなのだが、こう言うリズムも、良いな〜と心の中でつぶやく。にも一連のBROTHERのコンサートアレンジの演奏を聴き、是非CD化して欲しいと思うのであった。それほど面白く、満足のいく演奏だった。

BROTHERの4曲が終わると久石さんのMCが始まった「BROTHERから4曲聴いていただきました。ピストルが鳴ったりして途中驚かれた方もいると思います(笑)昨日ちょうどテレビでBROTHERが放映されたそうです。丁度タイミングの良いときに、聞いていただけたかな〜と思っています。今回、BROTHERは、映像につける音楽としては、完璧なものが出来たと思っています。今回聴いていただいた曲は、コンサートツアーのために全てアレンジし直しました。映画の中の音楽と、こういうステージで皆さんに聞いていただく音楽って、実は全然違うものなんですね。ま、それだけ労力をかけたんだぞ!と言うことを言いたいんですね(笑)」会場からも笑いが(笑)「そろそろ皆さんにも御馴染みのある曲を聴いていただこうと思います。」
 
 もののけ姫〜MC〜プログラム終了

そして「もののけ姫」の演奏が始まった。言わずと知れた、大ヒット映画「もののけ姫」のテーマ曲である。アレンジは、Works2バージョンとほとんど同じだったと思う。ただやはり生は初めてだったので、音の存在感に感動(笑)この曲もコンサートバージョンでは転調を重ね、徐々に盛り上がっていくアレンジだ。ピアノのフレーズがあったり、弦楽器に変わったり、ホルンなどのブラスが奏でたり、一つのメロディーをいろいろな楽器が演奏していく。ピアノ旋律もとても分厚く、熱い演奏だ(笑)

次の曲は「la pioggia」 「時雨の記」と言う映画のテーマ曲である。やさしいメロディーが特徴の1曲だ。特に、始めのフレーズ(メインのフレーズでもあるが)が、なんとも涙が出てくるぐらい、やさしいフレーズだ。マーラーの交響曲を意識して作ったと久石さんご本人は言う。とてもゆったりとしていて、その感じが、いっそう包み込むようなメロディーを強調する。バイオリンやチェロのストリングスのゆったりとした心温まるメロディーが始まる。

続いて「HANA-BI」の演奏が始まる。3拍子の独特のリズムを持った、寂しげな旋律が響く。映画の心情を、まさにこの旋律があらわしていると言えよう。次第に演奏は情熱的になっていく・・。後半のメインメロディーの部分は、いわばサビにあたるのだが、メインのメロディーに合わせ、ベース音は、底へ底へと掛け下がり、メロディーは上へ・・。この辺りに何とも熱いモノを感じた演奏だった。

3曲が終わりココで、いったん久石さんのMCがはいる。「3曲聴いてもらいました。」「14年ぶりになるのかな・・。久しぶりのピアノソロのアルバムを発売する予定です。「ENCORE」というタイトルなんですが、その名の通り、今までの曲をピアノソロで、アレンジするというアルバムです。ピアノソロという原点に戻って、もう1度再構築しようと言うものです。皆さんお楽しみに・・(笑)」「最後の2曲になりました。まずはTango X.T.Cという僕の、とても思い出深い曲と、Kids Returnという曲を聴いていただきます。Kids Returnはオーケストラは初めてで、今回のツアーのために新しく管楽器のフレーズを入れたりして、アレンジしたものです。」

そして「TANGO X.T.C.」の演奏が始まった。この曲はMCでもあるように、93年に公開された大林監督の映画「はるか、ノスタルジィ」のテーマ曲である。サントラや、ソロアルバム「My Lost City」のバージョンに比べ、オーケストラアレンジは、若干テンポが遅いのが特徴。半音を巧みに取り入れた、何とも哀愁を感じる特徴的なメロディーが、ホールに響き渡る。コンサートアレンジということで、後半はタンゴのリズムが入り、リズミカルに展開。

そして続いて、プログラム最後の曲である「Kids Return 2001」が始まった。この曲は、MCでもあったように、オーケストラで演奏されるのは今年が初めてだ。少し不気味な雰囲気の和音のフレーズの後、タタタタ、タタタタというリズムに合わせて曲が展開していく。最後までそのリズムが続くという、とても躍動感のある曲である。そして掛けぬけていくスピード感があるナンバー。ピアノのプレーズに始まり、木管、ブラスと、非常に変化に富んだアレンジで、オーケストラで聴くと、その迫力がさらに広がったのが、実感できる。ブラスによる副旋律などは、曲に更なるスピード感をもたらし、とても格好良いという印象だった。最後は一斉に「ジャン!」で締めくくられる。それと同時に、さらに大きな拍手が・・・。久石さんが立ち上がり、続いてオーケストラの皆さんが立ち上がり、客席の方を向く。久石さんは、とてもにこやかな表情で、四方に向い、丁寧に「ありがとう」のお辞儀を(笑)拍手は鳴り止まない・・・。

久石さん、指揮者の斎藤さんが、楽屋へ戻る。しかし、やはり拍手は続く。そして徐々に立つ人が現れたと思うと、ほぼ全員によるスタンディングオーベーションが! 拍手に混じって、口笛や掛け声も(笑)ますますその勢いは増していく気さえした。久石さんがふたたび登場。いっそう拍手は大きくなった。とても嬉しそうな久石さん(笑)1700人の拍手というのは大迫力の、大音響でした(笑)
 
 アンコール〜MC〜Friends(スペシャルアンコール)

3回ほど、ステージと楽屋の間を、行き来を・・(笑)5分ぐらいは経っただろうか・・・。ホール全体の照明が落ち、コンサートグランドピアノにスポットライトが当てられる。ホール内は、拍手が鳴り止み、一斉に静かに・・・。何とアンコール1曲目はピアノソロ!

曲は「Summer」。ペダルを使わず、スタッカートの効いた、コードのアルペジオ演奏から始まった。実際に弾いてみると、この弾き方は、実は結構難しい(笑)(八尾のコンサートでNOMOtyさんがおしゃっていました(笑))もちろん、コンサートアレンジなので、今までに、聴いたことのない、新しいアレンジが加わっていた。とても爽やかな、アレンジになっている。

「Kids Returnの後にこれ(Summer)をやるのは辛いんだよ〜(笑)」と一言(笑)アンコール1曲目のSummerのピアノソロが終わると、久石さんのMCが始まった。「次の曲はフランス映画のテーマ曲を聴いていただきます。プチプセと言う映画なのですが、監督はOlivier Dahanという人で、まだ30代の方です。耳にピアノ目にピアス、鼻にピアスのすごい雰囲気の人なんですけど(笑)プランスでは結構大作の映画と言うことで、日本人で参加したのは僕だけです。そのテーマ曲を一足先にお届けします。」

そうして「Le Petit Poucet」のテーマ曲の演奏が始まった。この映画の音楽も、今年(2001年)の久石さんの作品として、はずせないだろう。(個人的に4 MOVEMENTもやってほしいと思っていたのですが(笑))この曲は、初めて聴いたとき、とても久石さんらしい曲だ、という印象が強かった。フランス映画の音楽だが、日本的な旋律も交え、非常に壮大な雰囲気を漂わせる曲である。コンサートアレンジでは、そのテーマ部分の旋律を、ピアノ、ホルン、バイオリン、チェロなどが、繰り返し奏でていくというアレンジだった。荘厳で、かつ力強い、そんなイメージの曲であろうか。

そして続いて「Madness」が勢い良くスタート!やはり今年もか!と思わず、笑ってしまったが(爆)、生のオーケストラで聴くMadnessは、やはりすごい・・。日本名「狂気」という名にふさわしく、緊張感、躍動感というものが、久石さんをはじめ、オーケストラの皆さんからも感じられた。Kids Returnと同じく、タタタタタタタタという、走り抜けるリズムで、こちらは裏拍が強調された独特のリズムが特徴の曲。メロディーラインも、どこか、謎めいた感じで、先の見えない不安のようなものさえ感じる。しかし後半は、次第に各楽器がまとまっていき、ピアノの強打とともに、盛りあがる。そして最後は、全ての楽器が一斉に「ジャン!」で締めくくられた。同時に、客席は再び、大音響の拍手と供に、スタンディングオベーションの渦に!! 今日は、始めから御客さんの乗りが良かったが、最後は、やはりその勢いのまま、盛り上がりに盛り上がったという感じで、全く、拍手の鳴り止む気配は無い・・・。久石さん、指揮の斎藤さん、オーケストラの皆さんが、退場し始める・・・。それでも、拍手は続く・・・。再び久石さんが登場。さらに大きな拍手に・・・。 また楽屋に戻られる、久石さん。まだまだ続く拍手・・。そう言うのが続き、5分ぐらいが過ぎたが、帰る人がいない・・。なんだか、拍手がも「う1曲やってくれ〜」というようにも聞こえた(笑)鳴り止まない拍手・・・。

そして、なんと久石さんがピアノに!椅子に座られると、同時に、拍手が鳴り止み、皆さん一斉に腰を下す(笑)前代未聞のアンコール4曲目が!!(なんだか、久石さんわがまま言ってごめんなさいという感じでした(笑))久石さんがマイクを持ち一言「練習してきた曲、全部弾いちゃったんだよ〜(苦笑)だから間違えても、文句言わないでね(苦笑)」と一言。客席は大爆笑でした(笑)なんの曲か、音が出るまで分からない・・・これこそまさに、本当のアンコール!という気がした。久石さんが鍵盤に指を構えた。その曲は「Friends」だった。さすがに、練習されていなかったためか、所々、ゆっくりとなったり、間違えたり・・・、最後は「あれ?!」という感じで終わってしまったが(笑)まさに、真の意味でのアドリブ演奏だった(笑)(久石さんお疲れ様ででした(苦笑))
しかし、とても心に残る演奏だったことは間違えなくコンサートに来た人、全員が思っていることだろう。

そしてあっという間にコンサートは終了した。2時間がとても短く感じた充実のコンサートだった。今年はとてもダイナミックな曲が多く、非常に力強いコンサートだった様に思う。興奮覚めやらぬコンサート終了後、後オフ会に・・・。といっても美濃さんと、はまじさんの3人ですが・・(笑)こうして、感動のコンサートは幕を閉じた。


コンサート開場から開演〜コンサート前半

背景:コンサート開演前のシンフォニーホールエントランス前

Written by HeeFoo at 2001.11.7 最終改訂2001.12.8 執筆協力:美濃、MONOty
 
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