地上デジタルTV放送受信テスト(福井市宝永2丁目/Oct 16, 2007)
2007年6月に異動があり、福井県福井市宝永2丁目で単身生活が始まった。入居当初より福井ケーブルTVによる地上デジタル放送を受信していたが、戸別アンテナではどの程度の受信状況になるか興味があり測定してみた。
参考・・・地上デジタル放送受信の実験データ
@名古屋市守山区元郷地区の受信状況と対策
A静岡市葵区上足洗2丁目の受信状況と対策
B静岡市清水区山切伊野川原の受信状況と対策
C静岡市清水区山切伊野川原の受信状況と対策その2
Dミッドバンドコンバータの試作
E福井市宝永2丁目の受信状況・・・本ページ

(1)現状の受信スペクトラムの確認・・・八木アンテナ
UHF(MH帯)用八木アンテナを足羽放送所方向に向けスペアナ(50Ω)で観測する。 左がその様子である。ここ福井は民放局が2局(FBC:福井放送、FTB:福井テレビ)で、NHK福井の2波と合わせて計4波がオンエアしている(2006年5月1日開局)。 物理チャンネルは19ch:NHK-G、20ch:FBC、21ch:NHK-E、22ch:FTBで、左から順に並んでいる。
自宅から放送所までの距離は約3Kmであるが、JR福井駅周辺のビルにより見通し外となっている。 現状での受信レベルは-60dB程度であるが、見通しなら更に数dBのレベル改善と波形の改善が期待できると思われる。
この状態で全チャンネルにおいてエラーフリー受信が可能で、良好な地上デジタル放送が楽しめる。見通し外であるからアナログなら反射やゴーストが多くこの限りではない。流石OFDMのデジタル放送と言える。なお福井市中心街ではCATVが発達しているため戸別アンテナを見かける事は少ない。

アンテナ:マスプロUW144C(14エレ)/地上高:約15m
同 軸 長:5C-2V/1m
ス パ ン:約3km/見通し外
スペアナ:R4131A(アドバンテスト)

(2)現状の受信スペクトラムの確認・・・CATV出力
左は同じスペアナレンジでアパート内で分配されている共聴出力を見たもの。 思いがけず戸別アンテナ受信よりレベル・波形共に劣り。特にレベルは約13dBも低い。また21ch/22chのサグも気になる。ケーブル伝送は管理がしっかりしているかと思っていたが、アナログ・デジタル含め多くのチャンネルを取り扱う(広帯域増幅・ヘテロダイン)ため潜在的にIMやf特があるのか・・・と想像している。

共聴受信:福井ケーブルテレビ(壁コンセントより5C-2V/1.5m)

(3)まとめ
私の住まいでは、見通し外伝搬であるが戸別アンテナの方が遥かに良好である事が分かった。見通し状態でどの程度になるかも確認しておきたい。
CATVはそれなりに安定で多くの番組を楽しめるだろうが、システム的に冗長系が多く非常時の放送確保に疑問が残る。戸別受信ならそうした心配もなく安心である。UHF帯だからアンテナも大して大きくならない。もっともCATVのないところは戸別受信に頼るしかないのであるが・・・。

(5)地域外DTVの再送信開始・・・CATV出力
2008年7月になり、福井県内では軒並みCATVで県外DTV局の再送信が始っている。自宅のCATV端子を見たものである。周波数スケールは前項のスペアナと同じにしてあるので、両サイドに新たにチャンネルが追加された事が分かる。またCATV端子はFCTV(福井ケーブルテレビ)からの分配であるが、この並びとは別にFCTV独自チャンネルのDTVが放送されている。この独自チャンネルはセットトップボックス無しで地上DTV受像機のみで拾い上げることができる。
両サイドに追加されたチャンネルは石川県のと北陸朝日放送(HAB)北陸放送(MRO)である。これによりDTVでもアナログ放送波の受信環境が整った。

ちなみにリモコン上のチャンネル登録状況は・・・@:NHK-G、ANHK-E、B:未登録、C:未登録、D:HAB、E:MRO、F:FBC、G:FTB、H:FCTV(独自番組)、I〜K:未登録。 物理チャンネルは19ch:NHK-G、20ch:FBC、21ch:NHK-E、22ch:FTBなので、両サイドは18chと23chである。ところが 金沢の基幹局のチャンネルはHABは23chでOKだが、MROは14chであるからFCTV内で18chに変換しているものと思われる。