地上デジタル放送受信再テスト(2004年1月12日:名古屋市守山区元郷)・・・何とダイポールアンテナでHDTV受信OK!
昨日NGに終わった受信テストに再びトライし見事に成功する。手始めに一体どれ位のレベルで電波が届いているのかをトランシーバー(Kenwood/TH-F7)のワイドバンド受信機能で確認した。玄関の前で18〜23チャンネルに相当する500〜536MHz付近を受信すると「ザー音」が聞こえた。これはいわゆるFMノイズと思いきや、Sメーターが振れているのでそれではない事が分かる。Sが強くなると音声レベルが上がるので普通のFMとは違う。ただし受信モードをWFM(WideBandFM)にしないとSを拾いきれないようでNFM(NarrowFM)では音声出力されなかった。またAMも同様であった。写真は矢田川の土手に上がり瀬戸デジタルタワーの見通し位置に立って測定したものでメーターはS=8まで振れた。アンテナを垂直にするとS=5。更に土手下の見通し外まで降りるとS=5であった。家の前では建物の影響かS=2で瞬断を伴う。これで電波到来を確認できたので、昨日NGだったUHFアンテナの出力を確認すると驚き。全く不感であった。こりゃ可笑しい、アンテナ系にUHFのBPFでも入っているのだろうか、それともアンテナのビームが鋭いのか・・・いずれにしてもこれじゃぁ受信できる訳が無い。
そこでロッドアンテナで作られたダイポールアンテナを持ち出し、TH-F7につなぎ居間で確認をすると微かに受信が出来る。次に2Fのベランダに上がり方向を調整すると見事矢田川の土手で受信したレベルS=8まで上がった。いける!。物置まで降り何かのイベントで貰った「のぼりポール」を持ち出した。その先端にダイポールアンテナを取り付け「仮設アンテナシステム」を組んだ。アンテナは300Ω/BALのためバランで75Ω/UNBALに変換し居間まで3C-2V(約7m)で引き込んだ。これでチューナーのスキャンを行うと見事全てのデジタルチャンネルを拾い上げた。
このデジタルTVシステムは、受信電界と映像の良否がリニアに関係しないので、真面目にアンテナ方向調整をやろうとする場合は必ず高周波段階のレベルを見なければいけない。またさすがOFDMで、ダイポール程度のいいかげんなアンテナでも、反射皆無の大変良好な映像(音声)を受信できる。
丁度NHK-Gでは「青春メッセージ」のアトラクションでロックバンドの演奏を放送しており、照明や電飾が激しく動いていたが、まずまずの画質(ブロック歪みの有無)であった。もっともディスプレイは525本であるから歪みも相殺されてはいるが・・・。
写真は走査線525本のディスプレイに映し出されたハイビジョンのダウンコンバート映像をデジカメで再撮したもの。本来なら走査線1125本(有効1080本)のハイビジョンディスプレイがないと高画質は体験できない。この映像はアスペクト比16:9に変換され横長映像にはなっているが、垂直方向525本(有効485本)のうち使用しているのは360本程度である。したがって、とてもハイビジョンとは呼べないのでご注意を。
写真では「放送映像と地域のデータ」が合成処理されている。こうした映像処理が容易に出来てしまうチューナーは、まさに魔法の箱と呼べないだろうか・・・。余談だが、1.5GHzもあるハイビジョンデータを6MHz幅の放送チャンネルに押し込みそれらしく見せてしまう圧縮技術はスゴイと思う。しかし、圧縮技術に惑わされない目はいつも持ちたいものである。
最後に現状のアンテナでの「電界マージン」とチューナーが表示する「アンテナレベル」、それに隠しコマンドによる「Bit Error Rate」「Error状況」「C/N」を表に示した。Errorは全局FreeであるがBERの悪い局があるのがやや気になる。電界マージンは映像がブロック歪を発生する直前値を1dB単位でATTを挿入し測定したものである。30W出力で規定電力の-20dB落ちだから全く問題ない。今後こうした電界マージンを把握する事がデジタル波受信の要となるだろう。何故なら従来のアナログTVは、電界が低下し映像がノイズに紛れても何とか内容を確認できたが、デジタルでは一気に映像が消えてしまうからである。
アンテナ高アップで各データ大幅改善!(2004年1月17日)