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KAMWOOD SYNDROME
〜とある神林狂いの日常〜

■過去の日記25(`03年9/7〜9/28)

<ふりむけば……>
 えーと、前月に引き続き、シゴトと観劇に明け暮れた一ヶ月でした(^^;;)。中旬に『第六大陸』のマイブームがあったり、久々に織田ネタ話したり……って、ほとんど神林話してねーじゃん(爆)。一応、月初めは8月末に買ったOVAの感想、月末にはようやく出た多田由美版『雪風』と、ネタは豊富だったはずなのに、なんでかなぁ……。

 すっかり「看板に偽りアリ」状態で、ご来訪くださる皆様には申し訳ない限りです。リピーターの方々には無論のこと、観劇系のキーワードで検索してこられた方には尚更、「空振りさせちゃってごめんなさい〜〜〜」と、平謝りですm(__)m。

(2003.10.13 kayako拝)

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ひさびさに「雪風」話(9/28)

 27日夕、土曜出勤(T_T)の帰りに、多田由美『YUKIKAZE I 戦闘妖精』を購入。25日に出たSFマガジン11月号の巻末で、「26日発売」との情報は得ていたのですが、ハヤカワの文庫じゃないコミックスなんて、どこに置いてあるかわからなくて発売日には見つけられなかったです(^^;;)。
 で、まず一読しての感想は……結構、追加ページがありますね。特に、最終話のチキンブロスのあたりとか。紙ナプキンに描かれたジャックの子供の絵も、なんか初めて見るような気がする……。その前後のセリフには記憶があるから、あの1ページだけが追加なのかな。他にも、細かくチェックすれば、色々あるかも。なので、雑誌連載で読んでいた方も、買って損はないと思います〜。

 記憶との比較だけでは加筆してるかどうか判別つきませんでしたが、CHAPTER 3のトマホーク・ジョンのエピソードも、連載当時に読んだ時よりも泣けましたね〜。これはまぁ、強烈な比較対象をつい先日観たばかりのせいかもしれませんが(^^;;)。OVA3巻に対しては、高めの評価をしたわたしですが、それってあくまでも「比較対象がOVA1巻と2巻だったから」でしかなかったんだな……と、思い知らされたり(^^;;)。多田版トム・ジョンの「──君は優しいな。」で改めて胸が詰まってしまった後では、OVAのとまぴょん…じゃない(^^;;)、トマジョンの「あなたはいい人ですね」のセリフは、上っ調子に聞こえちゃってキツイなぁ……。
 OVAのトムのキャラクターが原作や多田版よりも饒舌でなよなよした感じなのは、「ショック・ウェーブ」(『グッドラック』第1話)の矢頭君のキャラも入っているからだと解釈してるので、それはそれでいいのですが、「いい人ですね」のセリフのタイミングが、唐突というか空回りしているというか……。セリフが出てくるシチュエーションはだいたい同じだし、結局彼を助けられずに独り帰投した零の「喪失感」や「哀しみ」は、雨に濡れるコクピットでうつむくカットで描かれてると思うんだけど、「いい人ですね」やラストシーンに至るまでの二人の会話の積み重ねとかがやっぱり弱い。トム・ジョンを喪った零の「哀しみ」はわかるけど、いったい、「何故」悲しいのか?という掘り下げが弱いというか……。
 多田版「インディアン・サマー」の「──君は優しいな。」は、零にとってのトムを「自分を理解してくれるかもしれない。わかり合えるかもしれない存在」と認識させるキッカケとして働いていると思うんですよね。なのに、自らその機会を閉ざしたまま相手を永久に喪ってしまった。静かに涙するだけの原作やOVAに比べると、多田版は「──もうたくさんだ。」という激しいセリフで終わっていますが、こちらの零には、哀しみの底にある「悔恨」とそれ故にいっそう自閉に走っていく心境が出ていたのかな……なんて、今更思ったりして。
 で、「わかりあえる筈だった相手をみすみす殺してしまったやるせなさ」って、原作「ショック・ウェーブ」の零の矢頭君に対する感情でもあったわけで……。多田さんが零とトム・ジョンとの関係に矢頭君の要素を取り入れたかどうかはさだかではありませんが、OVAのトムは、「被撃墜経験アリ。零とは上からジャミーズの疑いを持たれている者同士」と、明らかに矢頭君の設定を入れているのに、彼に対する零の共感はどうして入れなかったんだろうか……

 ……と、途中からOVA話になっちゃいました(^^;;)。もっとも、多田版「インディアン・サマー」も、連載当時は某所じゃ賛否両論で、ここの日記で好意的な意見書いたら、あわや晒されかかった(URLは伏せてあったんで、ウチのことじゃなかったかもしれないけど、タイミング的にね……)なんてことがありましたが(^^;;)。まぁ、それも今となってはよい思い出ということで(笑)。とりあえず、某所での多田版への当たりがぐっと柔らかくなったのは、OVAのプラス効果 と数えてもよいのでしょうか(爆)。


がーん(9/25)

 『プラネテス』のアニメって、NHK BSだったんだ……。うち地上波しか入らないから見られない……(T_T)。サンライズで作るって話は聞いてたんだけど、それきり情報チェックしてなかったから、今まで知らなかった……。しばらく待ってれば、地上波にも下りてくるだろうけれど、ビデオが出るのとどっちが早いかなぁ……

 なんにしても、バックがNHKとなれば、お金のかかったゴージャスな映像になりそうだし、尺も26話とたっぷりあるみたいだし(逆に原作の方が足りないって(^^;;)。かなりオリジナルを追加するのかな?)。まぁ、デキは蓋を開けてみないとわからないけれど(^^;;)、とりあえず事前の情報だけでも、なんか色々な意味で羨ましいですね(^^;;)。何と比べてって……そりゃあ、言わずもがな(爆)。いや、キャストの選択の渋さ【だけ】なら、こっち(ってどっちだよ)にも勝ち目が……って、だからそんなところで張り合ってどうする(^^;;)。>自分


A BRAIN FULL OF MUSIC(9/24)

 日曜の『レ・ミゼラブル』、火曜の『PURE LOVE』と、またまた観劇続きの週始めです。どちらもミュージカルなんですが、特に、今回はどちらも主演が日本のミュージカルでもトップクラスに歌の上手い人たちだっただけに、もう、頭の中が音符だらけな状態です。今話しかけられたら、メロディー付で返事しちゃいそう(笑)。
 とりあえず、観劇ラッシュはこれで一段落……だけど、『レミゼ』は英語の「コンプリート」版と、日本語の「赤版」を買っちゃったから、当分の間、自宅でMacちゃん立ち上げてる間のBGMに流しっぱなしだろうなぁ……<はよ神林話に戻れって

 それはさておき、20日のフォローを少々。
 まず、『第六大陸』の日記で取り上げたシーンは二巻冒頭、p.91〜97で、セリフは「まだこの先五年以上もあるんだからさ。こういう節目節目で、ちょっとずつ喜んでいこう」でした(^^;;)。書いたときは眠くて、ちゃんと本文を読み直す余裕がなくって〜〜。<言い訳
 今回、この日記の為に、改めてこのシーンを含めて二巻を読み返したのですが、やっぱりイイよ、これ。文句なしの名作! このシーンの30ページ程後には、引用したセリフの同じキャラの更なる名シーン&名セリフがありましてね。これがまたもう、胸に迫るというか、なんというか……って、ここで語り始めると、また何の日記かわからなくなっちゃうので自粛(^^;;)。

 で、同じく20日深夜(&21日深夜)の織田のドラマの方。なんか、予想に反して明るめの話だし(脚本が金八先生の人だしなー)、織田の役柄も、ヒソカに下級生煽って団体行動したり、いかにもクソガキらしい身勝手な屁理屈こねたり……と、パッと見のキャラクターは全然零とは違いましたね(^^;;)。
 それでも、親や教師(それ以外も)を睨みつけるときの目つきは、ワタシの中の「零のイメージ」そのまんまだったんですけどね。なんというか、全体にコメディタッチのストーリーやキャラクターをぶち壊しかねないくらい、物騒なまなざしなんですよ。「あー、コイツなら、人間関係に煮詰まって職場に放火したり、傍目にゃ理解不能な理屈で蒸気機関車爆破したりしそうだ」って思わず納得しちゃう(^^;;)。
 前回の日記をアップした後で、HD内を漁ったら、大昔、某掲示板にて「若い頃の織田裕二=キリコ説」を唱えた時の自分の文章が発見できたので、一部をここに再掲:

  • “なにか”に飢えているのに、自分でもそれが“なにか”をわかっていない狼の目
  • 「ここはオレのいる場所じゃない」と、常におちつかない「永遠の放浪者」のまなざし

 ……あう、自分で書いたモノながらドリーム入りまくりな表現でお恥ずかしい(^^;;)。
 ワタシの一押し『新説 三億円事件』での織田演じる主人公は、結局「本当に自分が欲しいモノ」を見いだせないまま、破滅へ向かって突っ走ってしまうのですが、『19歳』の主人公は、 既に「自分が何を欲しいのか」「自分はどこに行きたいのか」という目標がほとんど決まってましたよね。それだけに、作中で見せるまなざしの「昏さ(くらさ)」とか、「不穏さ」が印象に残ったです。

 さて、次回こそ神林な話に戻れるだろうか……(^^;;)。


同日緊急更新(9/20)

 今夜11時15分より、NHKアーカイヴスで織田裕二主演『19歳』(1989年放送)の再放送がある模様。

 『雪風』初読時から、わたしの「深井零」のイメージが「10年前の織田裕二」だということは、以前にもお話ししたことがありますが、正確に言うと『新説 3億円事件』(今調べたら、91年放映だそうな)の主役の時のイメージなのです。そちらについて語り出すと長くなるので、今は省略(^^;;)。で、OVA制作以前に、ネット上で『雪風』関連の感想や書評を探しまくっていた時に、同様の「零=織田裕二」という意見をいくつか見つけたこともあるのですね。勿論、現在の「青島刑事」ではなく(^^;;)、デビュー当時の『湘南爆走族』でもなく(^^;;)、「ハタチくらいの頃の暗かった時期の織田」と……。
 で、この『19歳』は、まさにその時期の作品。 実はワタシも見たことがないのですが(おい!)、大昔、『ボトムズ』系の掲示板で、「キリコ役の俳優は?」ってな話題になったとき、やはり「『三億円事件』の頃の織田裕二!」という意見のワタシに、「その路線の織田だったら、NHKの『19歳』も良かったよ」というようなレスをくださった方がいたのです。
 というわけで、もし、「零=ハタチくらいの頃の織田裕二」説にいくらかなりと同意の出来る方は、この機会にその説の信憑性を確認してみませんか?(笑) 「青島刑事」や『ホワイトアウト』な織田しか知らないお若い方も是非。
 あ、しまった! ビデオテープ切らしてる! 近所のコンビニにあったかなぁ……


ろくでもない(^^;;)(9/20)

 「」じゃないでしょ〜! 「ろく」は漢字、「」!
 #というわけで、16日の日記の一部を訂正いたしました(^^;;)。

 ……と、前の行までを書いたのが、17日午前2時頃。連休明けからいきなりの深夜残業のおかげで、その日は力つき、「更新は明日回し〜」と寝てしまったら、火・水・木とずっと帰宅は日付の変わるギリギリ状態(T_T)。金曜になって、ようやく7時過ぎに上がれたのですが、今週は土曜も出勤日〜(苦笑)。
 いえ、シゴト自体は、原稿の修羅場モードのときのように、妙にハイになった状態でやってるから、それほど辛くないんですけどね。でも、家に帰っても、妙に神経が高ぶっていて、なかなか眠れないのが困りもの(^^;;)。もしかして、人はこうして「ワーカホリック」とやらになっていくのでしょうか……

 そんな日々の中、行き帰りの通勤電車の中で連休に引き続き『第六大陸』をちびちびと読み、終わりまであと数ページ……というところに辿り着きました。が、ここに来てふと思うのは、もしかすると「お仕事ハイ」な今の状態は、この作品のせいもあるのかも(^^;;)。
 既にあちこちで評されていることですが、この話、全体の4分の3くらいは「近未来を舞台にしたプロジェクトX」なので、当然主人公たちは、次々に襲いかかる困難にもめげず、不眠不休で前人未踏の壮大なプロジェクトに挑んでいるわけです。その頑張りぶりというか、「現場」感覚が、妙に今の自分の状況とシンクロしちゃうんですよね〜。1巻の後半だったか、2巻の冒頭だったかはちと記憶が曖昧ですが(^^;;)、実験の成功だったか、トラブルの解決だったか、とにかく何らかの山を一つ越えたところで、メインキャラの一人のロケットの開発者が、現場に泊まり込んでいたクルーたちにモーニングセットおごるシーンとか、すごく良いんですよ〜。「先は長いんだから、こういうところで、少しずつ喜んでいこう」とか、なんか、そのまんま自分の職場で使えそう、なんて(笑)。
 #勿論、業界も、シゴトの規模も全然ちがいますが。
  残業帰りの電車の中で読んでいると、「よ〜し、明日も頑張るぞ!」って気分になって、疲れを忘れるのは良いのですが、これって、もしかして精神的なドーピングなのかも……(^^;;)。


連休のワタクシ(9/16)

 小川一水『第六大陸』1、2巻をほぼ一気読み(まだ、2巻が3分の1ほど残っているけど)。
 ……大当たり。表紙が『プラネテス』の幸村誠というだけで、60%は「買い」に傾いていたのですが、予想以上に当たり。『プラネテス』の、特に、1巻が好きな人なら、ぜ〜ったいオススメ!……って、そういう人は既に買っているかな(^^;;)。わたしゃ、1巻が出た直後の「早く続きを〜〜」とのたうち回る巷の声に、「んじゃ、続きを待たなくてもいいように、2巻が出てから買おう」と、ノンビリ構えていたのですが、今にして思えば、正解だったのかどうか……。
 1巻ラストと、2巻冒頭は、ほぼダイレクトに繋がっているので、間を空けたら思い出すために1巻を読み返すハメになっていただろうし(^^;;)、でも、1、2巻を一気に読んだら、そのまま止まらなくなって、気がつけば、もう2巻の終わりの方だし……このまんま読み終わっちゃうのが惜しいじゃないか!

 ……というわけで、せっかく神林モードに戻りかけた脳みそは、再び別世界に離れていってしまったのでした……いいのか、それで!>自分


あ、しまった……(9/10)

 昨夜の、「神林作品における『刑事・探偵』」に言及したとき、わたしの脳裏に浮かんでいたキャラは:
『永久帰還装置』の蓮角。『蒼いくちづけ』のOZや月の警察署の皆さん。名前は忘れたけど(もしかしたら最初からなかったかも)『時間蝕』の刑事さん。『プリズム』のラストエピソードの刑事さん。『七胴落とし』の主人公にやたらと突っかかる刑事さん(この人、後年の『過負荷都市』の剣研さんに当たるひとじゃないのかなぁ)。「探偵」なら、『ルナティカン』のリックや『天国にそっくりな星』の天界、厳密には「探偵」じゃないらしいけど、『ライトジーンの遺産』のコウ。そういえば、コウの相棒のタイスは刑事でしたっけ……あとは、『完璧な涙』でも主人公が途中で刑事になったり、最後近くのエピソードで刑事にとっつかまったりしてたなあ……等々、自分ではずいぶんたくさん思い出したつもりでおりましたが、実は神林作品中もっとも有名な「刑事」を忘れていたのです!

 はい。ラテルとアプロならびに海賊課の皆さんです……(^^;;)。うわぁ〜〜〜〜、ごめんよ〜〜〜。<誰に謝ってる
 でも、「ぶちこむぞ〜 鉄格子〜♪」*なんて朗々と歌い上げるラテルなんて想像つかないし〜〜(^^;;)。 だいたい、ラテル(っつーか海賊課か?)なら、逮捕〜収監なんて悠長な手間をかけずに、いきなり(以下略)しそうだし……

*:ミュージカル『レ・ミゼラブル』作中、バルジャンを取り逃がし「覚えてろよ、いつか絶対に掴まえてやるからな」と新たに誓いを立てる ジャベール刑事が歌う『星よ(STARS)』の一節です。

 ……うーん、苦し紛れに出した『レミゼ』ネタですが、この調子であと2回くらいは引っ張れそうだ(爆)。


小休止(9/9)

 OVA3巻で思うところはまだ多々あるけど、月曜からシゴトで疲れてるんで、小休止(笑)。

 日曜日、お堀端の劇場で観劇ついでに買った『レ・ミゼラブル』チェコ語版(初めて買ったサントラが日本版でも、ロンドンオリジナル版でも、原作のお膝元のフランス版でもなく、なぜプラハ版なのかはナイショ)を聴きつつ思う。

 神林作品に頻出するモチーフの一つに「刑事」があるけれど、『レミゼ』にも、世界文学史上最も有名な「刑事」の一人、ジャベール警部が登場します。この人って、「神林的に」見たらどうなんでしょう?
 ……って、わたし自身、「神林作品中の『刑事』」に対して、まだこれといった見方が定まっていないのに、考えたところでわかるはずもないのですが(^^;;)。

 どこかで見た評の受け売りですが、神林作品の主人公に「刑事」「探偵」が多いのは、「世界の秘密を探る者」だから、だそうです。するってーと、同じく登場頻度の高い「軍人」ってのは、「世界の有り様(秩序、というとなんか違っちゃう気がするけれど)を守る者」なんでしょうかね?
 してみると、『レミゼ』のジャベール警部殿は、神林的には「刑事」というよりも「軍人」に近いのかもしれない。
 「秩序」を守る者。バルジャンの行く手を追いはしても、「世界の秘密」には興味を示さない。「法の番人」であることに固執するあまり、「法を越えた人道的行為」の存在を認められない。認めたときは、自我の崩壊と共に、死を選ぶ……。
 うーん、なんか、近いようでぜんぜん遠い気がする(^^;;)

 ……と、これ以上考察を進めると、「小休止」ではなくなってしまうので、この辺でやめておく。


思うに……(9/7)

 第2巻を実質的な第一話だと考えれば、別の言い方をすると、第一巻さえなければ、『戦闘妖精雪風』は、「そこそこ面白いOVA」という評価になるような気がする……
 零と雪風の(あるいは、「零の雪風への」)関係を描いた「ラブストーリー」の要素や、「深井零の魂の遍歴」を描いたいわゆる「教養小説(ビルドゥングスロマン)」もしくは「ダメ人間更正記(爆)」という側面 はこの際うっちゃってですね、「正体不明の敵を相手にした人類の、友軍すらも信頼できない虚々実々のかけひき」がメインストーリーで、零と雪風は狂言回し的な存在だと考えたら……つまり、実質的な主人公はクーリィ准将だという視点で見たら、2巻・3巻はそれなりにスジが通 っていて面白いんじゃないかなぁ……と(^^;;)。

 いや、3巻の零とトマジョン(この略称だと、昔、嫁にした元アイドルから「とまぴょん」と呼ばれていた某野球選手を思い出す……)の関わりって、原作とまったく違っているんだけど、「あ、こういうのもありかな〜」って思っちゃったんですよ。
 原作ではこの話の零って、それまでのエピソードで描かれてきた「特殊戦らしさ」や「深井零中尉らしさ」から外れた「らしくない」反応や言動連発でしたが(もちろん、そこが良かったわけですが)、もし、「らしい」零のままであのエピソードをやったらどうなるだろう……とシミュレートしてみたとき、OVAのツンケンした零(「正気か? ここは戦場だ」とか)は、なかなかイイ線いってると思うんですよね〜。
 OVAの零はメイヴに乗ってるから、『グッドラック』の「雪風に捨てられちゃった事件」の「後」の零だと思ってしまうんだけど、そのことはいったん忘れて、「中尉時代の零」だと思ってしまえば……言い換えると、あの話を

一部に『グッドラック』のキャラ・メカ・設定を取り入れた『戦闘妖精・雪風』

 だと見なし、今回の3巻を(「第1話」で、作品世界やキャラクターの紹介を済ませた後の)「第2話」だと考えたら……個人的には、今まで出た3本の中で、脚本的には一番評価できるんじゃないかな……と、思ってます。
 この場合の評価基準は「一本のお話としてのスジの通り具合」で、「原作への忠実さ」はこの際ほとんど無視してます。
 あ、でも、大筋では「原作離れ」していても、小ネタの部分では、「原作のツボ」がしっかり出ていて、ワタシは嬉しかったんですよ。リディア様のしたたかぶりもステキだし、「JAMと同じ光学迷彩 を搭載したメイヴ雪風」なんて、原作での「これは……ジャムの戦闘機に似ている」(@「戦士の休暇」)のアニメ的翻訳としてはすごく良いと思ったし。その後に、セリフでも零の感慨をちゃんと入れてくれてたしね(原作より皮肉っぽかったけど、それはそれで良し)。

 ただ、そうやって3巻を評価するほどに、「45分もかけて何やってたんだよ!(スーパーシルフ落としただけ)」と、今更ながらに1巻の評価が下がっていく……(苦笑)。やっぱ、「脚本」っていうのは、映画でもお芝居でも「骨格」になる部分ですもの、そこがシッカリしてれば、肉付きや肌の色が違っていても、「一個の生物としての美しさ」はそれなりに作られると思うんですよね。第一巻の「3人連名脚本」がどれだけ(悪い意味で)尋常でないかってことが、(ネット上に流れる数多のうわさ話を除外しても)出来上がったものがハッキリ語っちゃってるなぁ……なんて思っていたのですが、今のところ、某所を含めた巷ではそういう意見を見かけない(^^;;)。わたしの情報収集能力が低いせいかとは思いますが、どうかすると1巻の方が(比較した場合、でしょうが)3巻よりも評価が高いようで(^^;;)。
 わたしなんぞは、「1巻はなかったことにして、2巻からなら、原作(の要素の一部)をそつなくまとめたアニメとして及第点出してもいい」位のことを考えているのですが(笑)。まぁ、某巨大掲示板と意見が一致してしまうというのも、素直に喜べることではない気もしますし(^^;;)、それはそれでいいかな、なんて。


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