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イクシーの書庫・過去ログ(2001年8月〜9月)

<オススメ度>の解説
 ※あくまで○にの主観に基づいたものです。
☆☆☆☆☆:絶対のお勧め品。必読!!☆☆:お金と時間に余裕があれば
☆☆☆☆:読んで損はありません:読むのはお金と時間のムダです
☆☆☆:まあまあの水準作:問題外(怒)


日米開戦(上・下) (ポリティカル・フィクション)
(トム・クランシー / 新潮文庫 1995)

ふいいい、長かった・・・。なんせ、上下巻合わせて1500ページ。
でも、面白いんですわ、これが。
トム・クランシーの書く本格的戦闘シーン読むのは『レッド・ストーム作戦発動!』以来ですが、これがまたなんとも。
しかし、何ですね。日本人のくせに、読んでる間は完璧にアメリカ側に感情移入しちゃうところが怖かったですね。日本のイージス艦が撃沈されるシーンで(よっしゃあ!)と歓声あげた自分・・・非国民?
でもまあ、戦争仕掛けたのが日本政府自体じゃない、というプロットに救いはありましたが、あのラストは何ですか! 今の日本人は絶対やらんよ、あんなこと。
で、『合衆国崩壊』に続くわけですな。
大変だねえ、ジャック・ライアンさん(ハリソン・フォードでイメージ定着)。

追記:2001.9.11。テロリストがほんとにやりやがったよ、あんなこと・・・。
小説の中の悪夢が、史実に変わった瞬間でした。

オススメ度:☆☆☆☆

2001.8.2


炎の天蓋 (ファンタジー)
(デイヴィッド・エディングズ / ハヤカワ文庫FT 1995)

「聖騎士スパーホーク」に続く、『タムール記』の第2巻。
ということで、とうとう聖騎士(!)スパーホーク一行は、神々と人間の陰謀渦巻く中、タムールの首都マセリオン(タイトルの「炎の天蓋」とは、この都市の異名)に到着しますが・・・。
ふと気付いたのですが、エディングズの小説って、多彩な登場人物が会話しながらストーリーを進めていく部分が7割以上を占めているんですね。テンポもいいし。
で、どの作品にも必ず出てくるのが、“美人で、ちょっと見はボケ入ってるんだけど、実はとっても頭が良くて気が利いてる”という女性キャラ(ルイーゼさんみたいなタイプね)。このシリーズでは某男爵令嬢がそうなんですが、いや、いいですよ、このキャラ。
というか、エディングズの描く女性って、みんなそれぞれに秀でるものを持っていて魅力的なんですけど。
で、とりとめないまま話は第3巻に続きます。(まだ敵の全貌は明らかになってない)

オススメ度:☆☆☆

2001.8.8


荒れ狂う深淵 (SF)
(グレゴリイ・ベンフォード / ハヤカワ文庫SF 1995)

「夜の大海の中で」に始まる、有機生命と機械生命の長い長い戦いを描いたシリーズの5作目。
ついに人類は、銀河系の中心に存在する巨大ブラックホールの中に進入し、そして・・・。
このあたりの描写は、さすが物理学者でもあるベンフォード、こちらがついて行けないほど壮大で詩的で、しかも後半の、主人公が時空を遍歴する場面になると、ただ圧倒されるのみ。
次の巻で物語は大団円を迎えるそうですが、いつ読めるんだろ。

オススメ度:☆☆☆

2001.8.10


時間泥棒 (SF)
(ジェイムズ・P・ホーガン / 創元SF文庫 1995)

ハードSFの雄、ホーガンにしてはちょっと(いや、かなり)薄い本だな、と思っていたのですが。(なんせ170ページ)
一発勝負のアイディア・ストーリーだったわけです。というか、一種の大ボラ話。
未来や異次元からの時間干渉テーマなら、ホーガンも以前に書いてるし(「プロテウス・オペレーション」とか)、ハリスンの「ステンレス・スチール・ラット」にもあった気がしますが、こんなとんでもないオチを用意していたとは・・・いや、ほんと、このネタには大笑い。

オススメ度:☆☆☆

2001.8.11


《マルコ・ポーロ》強行出撃! (SF)
(エルンスト・ヴルチェク&ウィリアム・フォルツ / ハヤカワ文庫SF 2001)

ペリー・ローダン・シリーズの272巻。
とはいえ、何ですか、これは。(思わずクライス風味)
都合により掲載順を変更なんて。
そりゃ、1話ずつ独立のエピソードだとは言っても、基本的には続き物ですよ。
その順番を入れ替えて発行するなんて・・・。
それに、後半の話は、校正の時間もなかったのか、誤植が目立つし。ぶつぶつ。
翻訳作業になんらかの問題が発生したのだとは思いますが、やはり発行ペースを守りたいという発想が優先してしまったのでしょうね。やれやれ。

<収録作品と作者>「《マルコ・ポーロ》強行出撃!」(エルンスト・ヴルチェク)、「消えた仮面の男」(ウィリアム・フォルツ)

オススメ度:☆☆

2001.8.13


ウィンター・ムーン(上・下) (ホラー)
(ディーン・R・クーンツ / 文春文庫 1995)

むうう・・・と、思わずうなってしまいます。相変わらず、快調ですクーンツ。
解説を見たら、この作品って、彼が無名時代に書いたもののリメイクだそうで。以前、別の作品の解説で、その「INVASION」という作品が紹介されてるのを見て、読んでみたいな〜と思っていたのがはからずも実現しました。そういえば、前半の最後でネタを割ってしまうあたりが、いつもと違うな、と思ったりしたのですが。
それでも最後は少年の活躍でモンスターは敗れ、家族の愛が勝つ!
いつもながら安心して(しかも途中ははらはらどきどき)読めるクーンツでした。

オススメ度:☆☆☆

2001.8.15


黒魔術 白魔術 (ノンフィクション)
(桐生 操 / 角川ホラー文庫 1995)

タイトルから見ると、黒:白=1:1に見えますが、実際には8割以上がブラックがかったエピソードで占められています。
でも、みんなどこかで読んだエピソードなんですよね。
巻末の参考文献リストには、読んだことのある本がいっぱい(滅)
オカルト初心者向けの入門書としてなら、良いでしょう。
でも、敵艦は撃墜するもんじゃないと思うぞ(笑)←P.233

オススメ度:☆

2001.8.16


エイリアン 地球殲滅 (SF)
(スティーブ・ペリー / 角川ホラー文庫 1995)

あのSFホラー映画『エイリアン』のノベライゼーション・・・ではありません。
同じエイリアンが出てくる、オリジナルのストーリーになっています。ですから、リプリーは出て来ません。
ストーリーは、どちらかというと映画の第2作に近いでしょうか。非常に映画的で、さくさくと進んでいきます。スリラーというよりは、戦争アクションのノリですね。
ところで、あとがきには、第2作、第3作をお楽しみに、と書いてあるのですが、5年経ってもまだ出ませんね、角川さん。

追記:ホラー文庫ではなく、角川文庫本体の方で出ている「エイリアン」シリーズは、映画のノヴェライゼーション版です。だから、やっぱりこのシリーズの続巻は・・・。

オススメ度:☆☆

2001.8.18


セブン (サスペンス)
(アンソニー・ブルーノ / 二見文庫 1996)

95年に公開されたブラッド・ピット主演の同名映画のノベライゼーション。
映画自体は見てません(^^;
キリスト教でいう「七つの大罪」を模した見立て連続殺人が起こり、それを追う刑事たち。
でも、本格ミステリではなく刑事アクション&サイコホラーですから、テンポが速くスプラッターシーンも続々。映画では許される(かもしれない)御都合主義の展開もあって、何だかなあ、と思います。
そして、衝撃のラスト・・・って、ここまでしなくても。後味悪いです。むうう。

オススメ度:☆☆

2001.8.19


自由軌道 (SF)
(ロイス・マクマスター・ビジョルド / 創元SF文庫 1995)

・・・・・・。
言葉が見つかりません。

絶対、読むべし!

追記:とはいえ、これだけではわからないと思いますので、少し追加します。
スペース・コロニーで無重力状態での作業をするために人工的に作り出された亜人類の子供たち“クァディ”。かれらに技術指導をするためにコロニーに赴任した青年教官が主人公です。ところが、計画が中止されるとともに、労働力として不要となった“クァディ”たちは“破棄”されることに・・・。そんなことを許すわけにはいかない!と主人公は立ち上がります。人間って素晴らしい!・・・とさわやかな感動を呼ぶ、本当にストレートなSFらしいSFです。

オススメ度:☆☆☆☆☆

2001.8.20


ビースト (ホラー)
(ピーター・ベンチリー / 角川ホラー文庫 1995)

「ジョーズ」の原作者、ピーター・ベンチリーの海洋サスペンス。
今度の相手は巨大ザメではなく、巨大イカです。しかも触腕まで入れた体長30メートルの、とんでもない代物。迫力は圧倒的で、最後まで読ませます。
実はこれ、アメリカでTV映画(たぶん)になってて、日本でもTV放映されてるんですよね。
それを見たことがあったんですが、原作とはかなりストーリーがTV向けにハデになってましたね。小説の方が、リアリティがあります。

オススメ度:☆☆☆

2001.8.26


遠き神々の炎(上・下) (SF)
(ヴァーナー・ヴィンジ / 創元SF文庫 1995)

SFらしいSFですね〜。
遥かなる未来、人類を含む宇宙は巨大なネットワーク(インター“ユニヴァース”ネット?)で結ばれています。さらに、宇宙は“際涯圏”、“低速圏”、“超越界”等の階層に分かれ、それぞれに特性を持っています。その一画で、太古に封じ込められた邪悪な意識がよみがえり、宇宙は危機に追い込まれます。唯一、救済の鍵となるかもしれない“なにか”を積んだ宇宙船は、未開の惑星に不時着。そこに住んでいたのは犬型の集合知性体で・・・。
う〜ん、あとは読んでください。損はないです。

追記:この作者の元・奥さんのジョーン・D・ヴィンジもSF作家です。ハヤカワ文庫SFから出ている「雪の女王」は絶対のお勧めです。

オススメ度:☆☆☆☆

2001.8.31


リリーのアトリエ (ファンタジー)
(工藤 治 / 電撃文庫 2001)

「リリー」の小説も見付けたので、つい買っちゃいました。
でも、前作(「エリー」小説)での釈然としない思いが残ってるから、あまり期待はしてないんですけど。(だったら買うな)
ちらっと見てみたら、とたんに誤植を発見。こういうのが印象をなおさら悪くするのになあ。
登場人物紹介のクルトさん:「女神アルテマを祀るフローベル教会の神父」って・・・
FFの攻撃魔法かーーーーっ!!
で、読み終わりました・・・。
う〜む。
予想通りの展開というか、なんというか・・・。
プロが素人に展開読まれて、どうするんですか。
それに、深刻さとハチャメチャさのミックスが、わざとらしくて・・・。
すみません、工藤さん、ぼく、工藤さんの作風、好きになれません。
(これはどうしようもないことだよ。心の問題だからね by ゲマイナー(^^;)
それにしても、腹が立ったのは、198ページ。
「顔写真」はねーだろ、「顔写真」は!! 錬金術世界なんだよ! ▽M▽
編集さん、しっかりチェックしてよ〜。(無理か。アルテマだもんね)
ま、山形さんのイラストを530円で買ったと思えば・・・。
南無〜。

オススメ度:−

2001.9.1


悪魔の挑発 (ファンタジー)
(ピアズ・アンソニイ / ハヤカワ文庫FT 1995)

“魔法の国ザンス”のシリーズ第10巻。
タイトルはおどろおどろしいですが、中身はほのぼの系のファンタジーです。
このシリーズは、いつもアイディアとユーモアの宝庫で、実は自分の小説も、ひそかにこのシリーズの影響を受けてたりします。
必ずハッピーエンドになるので、途中ははらはらしながらも、安心して読めますし。

オススメ度:☆☆☆☆

2001.9.3


血ぬられた法王一族 (歴史)
(桐生 操 / 福武文庫 1996)

ルネサンス期のイタリアを舞台にした、歴史ミステリーらしきもの。
ボルジア一族にからむ暗殺事件を、レオナルド・ダ・ヴィンチが探偵役を務めて解決する、というストーリーなんですが・・・何だかなあ。
マキャベリを狂言回しに使ったりして、いろいろと凝ろうとしているのはわかるのですが、いかんせん、力量が伴ってません。エピソードの時系列が前になったり後ろになったりするので、わけわからんです。
素直にノンフィクションにしておけばよかったのに。

オススメ度:−

2001.9.4


X−ファイル グラウンド・ゼロ (ホラー)
(クリス・カーター&ケヴィン・J・アンダースン / 角川文庫 1996)

小説版「X−ファイル」の第3弾。共著者が、2巻までのチャールズ・グラント(ホラー作家)からK・J・アンダースン(SF作家)に代わって、SF色を強めている・・・わけでもありませんでした(なんだそりゃ)。
タイトルになっている『グラウンド・ゼロ』というのは「(核兵器などの)爆心地」の意味。
小型の核爆発にやられたとしか思えない焼死事件が次々と発生します。爆弾などない状況で。その謎解きがメインとなるわけですが・・・。
これと同じようなネタ、ずっと昔になにかで見たことがあるぞ・・・と思って記憶を探ってみたら、アニメ『サイボーグ009』(モノクロ版)の『太平洋の亡霊』でした。

オススメ度:☆☆☆

2001.9.5


エイリアン・リポート (オカルト)
(ティモシー・グッド / 扶桑社ノンフィクション 1996)

いわゆる“UFO”に関する様々なトピックをまとめたものです。
キャトル・ミューティレーションとかアブダクションとか、ロズウェル事件とかエリア51とか、いろいろと出てきますが、盲目的に信じるわけでもなく、一方的に否定するでもなく、客観性をもって書かれているところは、好感が持てます。
ただ、アダムスキーやマイヤーについても肯定的に書いている(少なくとも否定はしていない)のは、何だかなあ・・・と思ってしまいますが。
センセーショナルにならず、淡々と書いているため、かえって読み物としては今いちかも。

オススメ度:☆

2001.9.6


コミュニオン (オカルト)
(ホイットリー・ストリーバー / 扶桑社ノンフィクション 1996)

なんか、UFO関連本が続いてますが(一緒に買ったんだから仕方がない)・・・。
アメリカの作家ストリーバーが、自らのアブダクション体験を綴ったという作品です。
(彼の処女作『ウルフェン』は、ひねりの利いた面白いホラー小説でしたね)
中に書かれていることが、真実かどうかの判断は保留しますが、少なくとも作者がこの問題に真摯に取り組んでいることは感じられます。

オススメ度:☆

2001.9.7


テラナーとサイノス (SF)
(ハンス・クナイフェル&H・G・エーヴェルス / ハヤカワ文庫SF 2001)

おなじみペリー・ローダン・シリーズの最新刊。
前巻で、原作の掲載順を入れ替えるという離れ業(というより暴挙)をやってのけましたが、今回で元に戻りました。これ、再版からは修正した方がいいと思うんですけど。いやマジで。
そうしてくれたら、買い直すかも(をい)。
しばらく出て来なかった謎の敵(?)、サイノスが登場して、面白くなってきました。
しかし、サイノスって、超能力持ってるくせに、ちょっとおバカ・・・?

<収録作品と作者>「《ジェヴァリ》の偵察兵」(ハンス・クナイフェル)、「テラナーとサイノス」(H・G・エーヴェルス)

オススメ度:☆☆☆

2001.9.8


親愛なるクローン (SF)
(ロイス・マクマスター・ビジョルド / 創元SF文庫 1993)

大好きな作家ビジョルドの、大好きな“マイルズ・ヴォルコシガン”シリーズの2作目。
(『無限の境界』を先に読んじゃってるので3作目ですが、作品内容の時系列的にはこの順番の方が正しい)
相変わらずのスピーディかつ意外な展開に不器用なロマンスをからませて、陰謀あり活劇ありの波瀾万丈のストーリー。
『戦士志願』ではチョイ役だったエリさんが大活躍するのも嬉しいです。

オススメ度:☆☆☆☆

2001.9.9


フラックス (SF)
(スティーヴン・バクスター / ハヤカワ文庫SF 1996)

中性子星を舞台にしたSFと言えば、L・ニーヴンの同名の短編に始まり、80年代にはR・L・フォワードの名作「竜の卵」「スタークエイク」と続きますが、この「フラックス」も中性子星が舞台です。
フォワードはその作品で、中性子星の表面に住む知性体“チーラ”を創造し、かれらの興亡と人類とのコンタクトを描いていましたが、バクスターはなんと、中性子星の内部に暮らす人類(!)を創り出してしまいました。もちろん、普通の人類であるはずもなく、身長は1ミリミクロン、体内組成もまったく異なります。
冒頭のイメージは、オールディスの「地球の長い午後」を彷彿とさせる、まさに“異世界”。そして、ラストで明かされる壮大なヴィジョン。でもクライマックスシーンは、なぜか映画の『妖星ゴラス』を思い出させたりして。
第1級のSFだと思います。

オススメ度:☆☆☆☆

2001.9.11


超常現象大事典 (事典)
(羽仁 礼 / 成甲書房 2001)

タイトルの通り、超常現象・オカルトに関する事項を11種類にジャンル分けし、解説を加えたものです(“大”というほどではないけど)。1000を越える項目をコンパクトにまとめてあり、記述にも客観性があって、信用できます。
(以前に買った「超常科学謎学事典」という代物は、著者自身が“あっち側”にイッちゃってて、フリーメイソンやらイルミナティの陰謀史観に偏向した内容に閉口しました)
この手の内容に関心がある人でしたら、手許に置いておくといい1冊だと思います。
ちなみに○にはオカルトおたくではありますが、ビリーバーでも否定論者でもありません。しいて言えば“野次馬”かな?

オススメ度:☆☆☆

2001.9.13


M・D(上・下) (ファンタジー)
(トマス・M・ディッシュ / 文春文庫 1996)

ジャンル分けをすれば、ダーク・ファンタジーに分類されるのでしょうか。
というより、ふた昔ほど前の表現になりますが、“奇妙な味”というのがぴったりかも。
前半、まだ幼い主人公が“魔法の杖”を手に入れて巻き起こす騒動は、無邪気と悪意と偶然をブラックユーモアの衣で包んで、なにかに似てるなと思ったら、『魔太郎が来る!』でした。
で、主人公が成人してからの後半は、一転してロビン・クックばりのメディカル・ホラーか?という展開になるんですが、そこはそこ、ファンタジーですから、いろいろと。
『フランケンシュタイン』のモチーフだと解説には書いてありましたが・・・。そう言われれば、そうかな、と。
面白いには面白いんですが、読後感が「?」って感じです。

オススメ度:☆☆☆

2001.9.14


新・トンデモ超常現象56の真相 (ノンフィクション)
(皆神 龍太郎・志水 一夫・加門 正一 / 太田出版 2001)

97年に出版された『トンデモ超常現象99の真相』の続編です。
まずは、カバーに描かれた数々のイラストをながめているだけで、30分は楽しめます。
イエティにリトルグレー、コティングレイの妖精にフラットウッズの怪物もいるな。チュパカブラにモスマン、首長竜みたいなのはモケーレ・ンベンベで翼竜みたいなのはコンガマトかな。ありゃ、エルバッキーまでいるじゃん。
(ここに書き連ねたネタが全部わかる方へ・・・あんたも好きねぇ)
内容も期待にたがわず、楽しませてくれます。読むと、TVのオカルト番組が2倍楽しくなりますよ。

オススメ度:☆☆☆☆

2001.9.15


国王の海賊(上・下) (ファンタジー)
(レイモンド・E・フィースト / ハヤカワ文庫FT 1996)

お気に入りのシリーズ、『リフトウォー・サーガ』の第5弾。
前作
「王国を継ぐ者」ではまだガキんちょだった末っ子のニコラスが、今回の主人公。
さらわれたお姫さまを求めて大海原に乗り出す、という正に冒険ファンタジーの王道を行く展開に、はらはらどきどき、上下巻合わせて850ページがすぐに終わってしまいます。
うう、もっと読みたいよう・・・。

オススメ度:☆☆☆☆

2001.9.16


地球の呼び声 (SF)
(オースン・スコット・カード / ハヤカワ文庫SF 1996)

ううう、しまった・・・。
実はこの作品、大河小説(というふれこみ)“帰郷を待つ星”というシリーズの第2巻なんです。
第1巻を、買い忘れていたことに気付き、探したのですが・・・。
有●堂で、問屋まで確認してもらったけど在庫無し。ア●ゾン.コムでも在庫無し。
古本屋を探しても見つからず。
仕方なく、第2巻をいきなり読みました。
う〜ん、やっぱりすっきりしないよう。
でも、解説に「謎ときは第3巻以降に〜」とか書いてあるくせに、続巻が出た気配がないんですけど早川さん(汗)

オススメ度:☆☆

2001.9.18


五人のカルテ (ノンフィクション)
(マイクル・クライトン / ハヤカワ文庫NF 1996)

あの人気TVドラマ「ER(緊急救命室)」の原点とも言える、ノンフィクションです。
(ちなみに、クライトンは「ER」の原案・企画・制作を手がけてます)
ただ、もともと書かれたのが1969年なので、現代の医学事情からすると、内容的には古い部分もあります(当たり前)。でも、当時20代だったクライトンの医学生としての視点が生かされ、良質なメディカル・エッセイとなっています。ただ、内容が内容だけに、万人向けとは言えませんが・・・。

オススメ度:☆☆

2001.9.19


ジャッキー、巨人を退治する! (ファンタジー)
(チャールズ・デ・リント / 創元推理文庫 1996)

これは面白いです、うん(別に○にがアンチ巨人だからってわけではない)。
時は現代のオタワ(カナダの首都ね)。主人公のジャッキーは、彼氏にふられ、自慢の髪をバッサリ切って自暴自棄になってるところ、ひょんなことから妖精の帽子を手に入れます。
それをかぶってみると・・・。都会の風景に重なるように、妖精郷が存在していることに気付きます。そして、ジャッキーは親友のケイトと共に、悪い巨人にさらわれた妖精のお姫さまを救い出す冒険にまきこまれていきます。
と言っても、ありがちな剣と魔法のヒロイック・ファンタジーではなく、あくまで原型となったケルトの妖精譚がベースになっています。基本モチーフは「ジャックと豆の木」だし、「白鳥の王子」や「いさましいちびのトースター仕立て屋」のモチーフも。
でもそれだけじゃなくて、新世界の妖精はそれなりにモダナイズされていまして、車は運転しちゃうし、イングランドでは黒馬に乗ってるはずの<死の狩人>なんて、黒革ジャケット着てハーレーに乗ってるんですから。
続編もあります。

オススメ度:☆☆☆☆

2001.9.20


ゴルゴン ―幻獣夜話― (ファンタジー)
(タニス・リー / ハヤカワ文庫FT 1996)

耽美派ファンタジーの女王と言われるタニス・リーの短編集です。
“幻獣夜話”という副題の通り、どの作品にもユニコーン、ドラゴンなどの本物の(?)幻獣から実在する動物(でも化ける(^^;)まで、様々な獣が主役となっています。
ストーリーも、純文学風なものから幻想文学風、ホラー風、ユーモア風、SFショートショート風と、いろいろ。

<収録作品>「ゴルゴン」、「アンナ・メディア」、「にゃ〜お」、「狩猟、あるいは死――ユニコーン」、「マグリットの秘密諜報員」、「猿のよろめき」、「シリアムニス」、「海豹」、「ナゴじるし」、「ドラコ、ドラコ」、「白の王妃」

オススメ度:☆☆☆

2001.9.21


死の蔵書 (ミステリ)
(ジョン・ダニング / ハヤカワ・ミステリ文庫 1996)

古本屋が主人公という探偵小説は、いくつかありますが(日本では紀田 順一郎さんが書いておられますし)、主人公が古書マニアの刑事というのは、この作品が初めてではないかと。
まあ、ミステリのストーリーをバラすほど野暮なことはないので、詳細は省きますが、本格謎解きとハードボイルドのダブルプロットがうまくかみ合って、一級の作品に仕上がってます。とにかく、本好きにはたまらない趣向の数々があって、飽きさせません。

オススメ度:☆☆☆☆

2001.9.22


ガイア(上・下) (SF)
(デイヴィッド・ブリン / ハヤカワ文庫SF 1996)

う〜む、長い。
思いっきり単純化しちゃうと、「地球の核にとんでもないものを見つけてしまった科学者が、それがもたらす災厄を防ごうとする話」なんですけど、前半はじっくりじっくりと、一見関係がなさそうなエピソードの積み重ねがやや冗長に続くので、(おいおい、この調子で1000ページも行くんかい?)と不安に思ったのですが。
杞憂でした。
後半に突入すると、「そこまでするかあ!!」という、意外にして激燃えの展開。
ガイア理論とインターネットと環境問題と・・・それらのテーマを全部巻き込んで、驚愕の結末へ突き進んでいきます。すごい。

オススメ度:☆☆☆☆

2001.9.26


マエストロ(上・下) (エスピオナージュ)
(ジョン・ガードナー / 創元推理文庫 1996)

う〜む、ますます長い(笑)。
前回読んだ「ガイア」も長かったけど、この「マエストロ」も長い。上下合わせて1300ページ弱(汗)。
「裏切りのノストラダムス」「ベルリン二つの貌」「沈黙の犬たち」に続くエスピオナージュ小説、“ハービー・クルーガー・シリーズ”の第4作です。(一応、先の3作は全部読んでます)
さる世界的な指揮者(マエストロ)が、スパイの疑いを持たれています。イギリス情報部を半分引退していたハービー・クルーガーは、銃撃事件のどさくさに紛れて指揮者を誘拐し、自分だけで尋問を開始します。
以後、ストーリーは現在と過去が交錯し、大河小説の趣で、結末に向かって突き進んでいきます。
ものすごくコクがあって、読むのに体力を使いました。

オススメ度:☆☆☆

2001.9.29


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