恐怖館主人 (ホラー)
(井上 雅彦 / 角川ホラー文庫 1996)
クライヴ・バーカーの“血の本”、好きですか? サキやジョン・コリアやロアルド・ダールなど『奇妙な味』と呼ばれる小説、好きですか? ブラッドベリは好きですか?
それから、怪獣や特撮ヒーローもの、好きですか? ホラー映画は好きですか?
Yesの答が多い方にとっては、この短編集は格好の贈り物となるでしょう。
ブラックユーモアが横溢し、ある種のグロテスクさも感じますが、それは決して不快感ではなく、“不気味なものを目にする快感”とでも言うべきものです。
<収録作品>「最後の主役」、「フルフェイス」、「黒とオレンジの夜」、「喉の柔らかい肉」、「怪物製造人」、「悪夢街の男」、「電気鬼」、「水族の館」、「妖虫記」、「シャドウ・ボクサー」、「妖怪談義」、「レトロマニア」、「免許皆伝」、「こちらマシーン課」、「とうろう雛」、「似たような趣味」、「キャリア君」、「ベヘモス館」、「ちいちご」、「夜想曲」、「碧い夜が明けるまで」、「空想の市民」、「四台目の馬車」、「トランスファーに着くまで」、「赫い村」、「蒼いワイン」、「耳の長い登場人物」、「マドモアゼル・タッソー」、「デッド・クラッシュ」、「恐怖館主人」
オススメ度:☆☆☆☆
2001.10.5
ゴーサム・カフェで昼食を (ホラー:アンソロジー)
(ナンシー・A・コリンズ、エドワード・E・クレイマー、マーティン・H・グリーンバーグ編 / 扶桑社ミステリー 1996)
副題に「22の異常な愛の物語」と書いてありますが、そりゃもうストーカーありフェティシズムありSMありと、おぞましくてグロいストーリーの連続攻撃。
愛と狂気は紙一重と言いますが、まさにアブナイ話のオンパレードで、読めば不快になること請け合いです(でもそのことは前書きにちゃんと断ってあり、こっちも承知で読んでますから腹は立たない)。
普通の神経の人は読んじゃいけません(笑)。
<収録作品と作者>「ゴーサム・カフェで昼食を」(スティーヴン・キング)、「サイコ」(マイケル・オドナヒュー)、「パ・ド・ドゥ」(キャシー・コージャ)、「きらめく刃の輝き」(ベイジル・コッパー)、「ハンソンのラジオ」(ジョン・ラッツ)、「冷蔵庫天国」(デイヴィッド・J・ショウ)、「ロー・バーグ」(ロバート・ワインバーグ)、「トンネル」(ラムジー・キャンベル)、「隠しておきたい」(スチュアート・カミンスキー)、「プリズム」(ウェンディ・ウェッブ)、「湖の乙女」(リチャード・レイモン)、「僕の事情」(ボブ・バードン)、「ウェーコ」(ジョージ・C・チェスブロ)、「痛悔者」(ジョン・ペイトン・クック)、「追いつめられて」(キャスリン・プタセク)、「バーバラ」(ジョン・シャーリイ)、「膜翅目」(マイケル・ブルームライン)、「すべての終わり」(エド・ゴーマン)、「熱」(ルーシー・テイラー)、「薄い壁」(ナンシー・A・コリンズ)、「ロケットのなかの欲望」(カール・エドワード・ワグナー)、「フィルム」(ダグラス・E・ウィンター)
オススメ度:☆☆
2001.10.20