古代北東北の旅
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3.環状列石(縄文遺跡) 1/2 岩手県へ 2/2 青森・秋田県) 

概要 1.古墳・古墳群 2.城柵 3.環状列石(縄文遺跡) 4.その他の遺跡など

青森県 小牧野遺跡
青森市の三内丸山遺跡でも環状列石が発見され発掘調査中である。平川市にも大師森遺跡に環状列石がある。
秋田県 大湯環状列石 大湯サクルストーン館
伊勢堂袋遺跡
米代川は鹿角・大館を経て能代市で日本海にそそぐ。十和田湖の南面を源とする大湯川は鹿角市で米代川に合流する。米代川流域は古くから人が住みつき縄文遺跡が多い。特異な日時計形配石で知られる大湯環状列石始め多くの配石遺構が発見されている。

青森県と秋田県の環状列石遺跡では、発掘状態のままを見せるため、埋戻すことなく、周囲の土に特殊加工を施し、削られないようにして公開している。
岩手県 樺山遺跡 北上市立博物館
湯舟沢遺跡 滝沢村埋蔵文化財センター
御所野縄文公園 御所野縄文博物館

     小牧野(こまきの)遺跡 青森市野沢字小牧野  
平成2年から発掘調査し、平成7年に国指定史跡となった。丘陵上に築かれた縄文時代後期前半の遺跡である。約2,900ケの川原石により作られた直径55mを測る円形コロシアムのような環状列石をその中心に持つ。周囲に、竪穴住居跡、土器棺墓、貯蔵穴群、捨て場跡、湧き水遺構などが確認されている。墓域や捨て場から、日常的な土器や石器のほか、土偶、鐸形土器、岩版などの祭祀器具が出土し、津軽地方特有の三角形岩版が400点以上出土した。出土品の一部は青森市歴史民俗展示館で展示されている。

       小牧野遺跡へのアクセス

湯舟沢でK主査に教えて貰った通りに、三内丸山遺跡から高田中と野沢小を目安に行き、野沢小からは標識に従って畑の中の林道を行く。「湯舟沢で聞いて来た」と作業所の人に言うと、責任者を呼んで来てくれて、丁寧な説明を土地の人・作業者の立場から話してくれた。「元々は一帯に牧場で、現在のように木々がなく開けた地であった。青函連絡船の汽笛で時刻を知った。終戦後の食料難の時代に芋畑に開墾した所、石ばかりが鍬に当たった。・・・ドイツから学者が来て、円形劇場のような作りは世界で珍しいと言っていた。」と・・・。

   周囲は畑(一昔前まで牧場だった)
      小牧野環状列石概念図

二重の環状列石の外に、北西に弧状列石、北東に環状と直線状の列石をもつ。南から北にかけて斜面になっていて、中央での祭祀を見守る形である。外帯が直径35m、内帯が直径29m、中央に直径2.5mの円環を持つ。東側は四重、西は三重構造とも見られる。東西の最外側列石まで55mを測る。北東方向へ斜面が続き、墓域、住居跡、湧き水遺構を経て崖下に至る。現在は林の中。
環状列石遺構全景  右が高くなり、円形コロシアムのようだ。中央部分の一部は草叢のまま残している。元々傾斜のある斜面地を、中央広場を作るように右斜面の土を削り、削った土を左に移動し、出来上がった左右の傾斜地に配石したと推定される
中央には円環の中に立派な立石が配置されている。簡素でスマートなレイアウトだ。周囲の土は特殊加工されていて、中に入って眺めることが可能である。 斜面の上方(南)を眺めると、写真の左半分に、横に3~4段に並べた細棒石の間に縦に立石が見える。この形の石組も珍しい。
上縁に沿っての配石と円環(北西から) 上縁中央の南に延びた円環部分から(左の写真と逆方向から)
北東部分の内帯と外帯    馬頭観音近く(東側)のぶっきら棒な配石
墓域と住居跡、湧き水遺構はこちら側(北東)の奥にあった。
内帯の北東に馬頭観音がある。江戸時代に刻まれたようだが、元は列石内の立石と思われる。 大きな川原石が多い豪華な配石
手前の石が一番大きい(立石が転がったのかも知れない) 立石は中央上の蒲鉾のような石か?

     大湯環状列石(おおゆかんじょうれっせき) 鹿角市十和田大湯字万座  
昭和6年の発見から昭和21年・26年の発掘調査を経て昭和31年に国特別史跡に指定された。縄文後期の遺跡である。約7,200ケの緑色の川原石で築いた二つの環状列石遺跡(万座環状列石と野中堂環状列石)がある。緑色の川原石は約6km離れた安久谷川(大湯川の支流)から運ばれている。史跡内には7棟の住居跡しか見つかっていず、これらは祭祀関係の人の住居と考えられ、環状列石は周囲の集落からの労働提供により造られたと推定される。
 
    大湯環状列石への
アクセス

       大湯環状列石概念図
数年前に来たことがあり、何かミステリアスを基調とした説明で、あまりぴんとこなかった。湯舟沢でK主査に「最近はストーンサークル館も出来て、石も全て手で磨いて、昔とは違います」と言われてやって来た。やや観光的な要素があるが、やはり規模的にも完成度でも環状列石の最上級品だ。
上図で道路を挟んで左側の「野中堂環状列石」から巡る

   大湯ストーンサークル館
環状列石の模型、天体ドーム内での太陽の運行と環状列石の関係の説明、大湯での発掘出土品、世界の巨石記念物としてメンヒル(立石)、アリニューマン(列石)、ストーンサークル(クロムレク)、ドルメン(支石墓)の説明などがある。
ストーンサークル館から駐車場を横切り分岐点に来る。
右:万座環状列石(林の向う) 左:野中堂環状列石(道路を渡る)
野中堂環状列石
北東から 西から
南西から 南東から
北西から見る日時計状組石と内環 (日時計形は内環に近いが内環に属さず特別に扱われる)
内サークル中心部 環状列石から離れてある配石遺構群
万座環状列石
「野中堂」より道路を渡り戻して「万座」へ 道路を渡って、遠方より見る環状列石を囲む掘立柱建物
外サークル南東外から サークルの外周に祭祀用と思われる掘立柱建物がある。 南東側から外サークル列石(組石群)
外サークルの組石(石英閃緑玢岩が綺麗に磨かれている) 内サークルの組石群
南側の墓道(手前に向かっている) 南側から見た外サークルと日時計状組石

万座日時計状組石 (外環に近い)

円状配石遺構の先に、五本柱遺構群が復元されている。

西北から環状列石を見る。道路に観光バスが止まっている。バスの位置からは、万座、野中堂の列石が効率的に概観できる。

     伊勢堂袋(いせどうたい)遺跡 秋田県秋田郡鷹巣町  
平成13年に国史跡に指定された縄文時代後期前半の遺跡。標高40~45mの舌状台地上に位置する。遺跡は200,000㎡の台地一帯に広がる。複数の環状列石が集中している特徴がある。 

伊勢堂袋遺跡への
アクセス

小ケ田駅

空港アクセス道路から標識に従って右折
駐車場に車を置いて少し戻り、川を渡り坂を登っていく。坂の途中にも組石遺構が残る。プレハブ小屋の案内所には鍵が掛かっていてる。上にも作業用小屋があるが人がいない。とりあえず、湯舟沢で貰った案内パンフレットを手がかりに見学する。
環状列石が広がる広場。入口近く右側に、祭りに使用した土偶などを納めたゴミ捨て場がある。 全体の概念図
環状列石Aの全景 環状列石A

環状列石Aの円環内の円状配石
環状列石B
環状列石C(右側) 左の丸太列は掘立柱建物跡(祭祀用) 環状列石C 幾つかに区画されている。
環状列石Cのコーナーに面白い配石 環状列石Cにある円状配石
環状列石Cにある味のある配石
環状列石D
新たに発見された4ッつ目の環状列石
発掘調査中

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