氣骨雜草　　　　　　　　　　

河内陽光�獄�新， 暄風吹到天地春。 君不見根性百草瀝��裂， 蘿蔔氣概不亞人。

河内の陽光　　�獄�　新たに， 暄風　吹き到りて　　天地　春なり。 君　見ずや　　根性の百草　　瀝��（れきせい）の裂， 蘿蔔（らふく）の氣概　人に　亞（ゆづ）らず。 　　　********************************
我が家の前の道にも春が来て、アスファルトの割れ目から、色々な草がしっかりと芽吹いた。「根性雑草」である。折角の生命、抜くのは今暫く控える。 　　ここまで書いて、ふと思ったことだが、世に流行した「根性大根」と“ダイコンの根性”が称えられたのは、もしや、「栽培種という高貴で脆弱な種（しゅ）にもかかわらず、劣悪な環境でよく育った」ということなのだろうか。野生の雑草は、抜けども抜けども生えてきて、またそれが当たり前で、称えられることはない。もしや、「老子英雄兒好漢」という血統論の感覚が流れている…のでは？ 可愛いタンポポや可憐な野菊は、まだ歌われることはあっても、カタバミやオオイヌノフグリでは、駄目ということ？種（しゅ）が優越していないうえに、見かけも好くないのは、「はびこる」と清掃活動では引き抜かれ、駆除される運命にあって、別段その「気概」が称えられるということは無いのだろう。 　　気概が称えられる可能性があるのは、ダイコンであり、リンゴであり、バラであって…、ということかな？？ 　　 　　次は、「オオイヌノフグリ讃歌」や「オヒシバ頌歌」を作ってみよう。「ノアザミ怨詩」や、「ドクダミ悲歌」もよろしかろう。此恨綿綿無盡時。
・氣骨：	根性。ここでは「根性ダイコン」のようなさまをいう。
・根性：	日本語の根性。漢語では「気骨」「気概」などがいいのか。日本語で「根性雑草」と言いたい。
・瀝青：	アスファルト。
・裂：	割れ目。裂け目。
・百草：	雑草を謂う。
・蘿蔔：	ダイコン。
・亞：	ゆずる。まける。

平成十九年五月四日

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