北投温泉
榻榻米
房間
南溟千里蓬莱傳,
戰後已過七十年。
嵐翠温泉信義奧,
至今留得扶桑間。
北投温泉博物館(右奥が詩題の畳の間)
北投温泉博物館
地熱谷
地熱谷
北投温泉の
榻榻米
(
たたみ
)
の
房間
(
(へや)
)
南溟
(
なんめい
)
千里
蓬莱
(
ほうらい
)
に
傳
(
つた
)
ふ,
戰後
已
(
すで
)
に
過
(
す
)
ぐ
七十
(
しちじふ
)
年。
嵐翠
(
らんすゐ
)
の
温泉
(
をんせん
)
信義
(
しん ぎ
)
の奧,
今に
至
(
いた
)
るも
留
(
とど
)
め
得
(
え
)
たり
扶桑
(
ふ さう
)
の
間
(
ま
)
を。
*****
台湾には、日本時代の建物や、街並み、そして温泉には畳を敷いた古い歴史のある日本間があった。 ちゃんと遺しておいてくれてるんだ……、という詩。
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・北投温泉:
台北の北寄り・捷運(=高速鉄道≒地下鉄)の新北投駅の奥にある温泉。湯治場としては、明治時代に大阪商人の平田源吾が温泉旅館『天狗庵』を開業したことに始まった。
・榻榻米:
たたみ(畳)の音訳。=草墊。
・房間:
部屋。間(ま)。
・蓬莱:
東方の海上にある神山で、仙人が住み、不老不死の霊薬があり宮殿が建っているところ。ここでは、台湾を指す。
・嵐翠:
山にじっとりもやがたちこめ、木々の緑の鮮やかなこと。
・信義:
台北にある地名でもある。
・扶桑:
東方の海中にあるという神木。日の昇るところの木。また、その木のある地で、ここでは、日本を指す。
・間:
部屋。間(ま)。「扶桑間」で、畳を敷いた日本間、座敷の意としたい。
平成二十八年一月十七日
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