嗚呼誠字旗　碇豊長の漢詩　拙作紹介

huanying xinshang Ding Fengzhang de zhuye

嗚呼誠字旗　

珠江煙柳久葵傾，
大樹將顚支以槍。
京洛流山時不利，
今朝靑史已無誠。


錦旗　日像（右）と月像	皇女・和宮

この牛車、牛と人とが一体となって動かしている。	羽柴秀吉か

巴御前	鳳輦

　　　　　　　　嗚呼(あゝ)「誠」字の旗　

珠江((たまがは))の煙柳　　久しく葵傾( きけい)し，
大樹(たいじゅ)　將(まさ)に顚(くつがへ)らんとして　　支(ささ)ふるに槍(やり)を以てす。
京洛　流山　　時に利(り)あらず，
今朝の靑史　　已(すで)に「誠」無し。

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　時代祭に行った時、（新選組に狙われた人物は、都大路を行進していたが、）新選組側の人物はいないことに気付いた。正史は、勝ち組によって綴られるということだ、と感じた。

　この詩は：曽て近藤勇を始めとする面々は徳川将軍家の後背地の多摩に住み、人々は幕府を敬慕していた。一朝、国家の難儀に遭遇し、剣（詩では槍）を持って立ち上がった。しかし、…歴史の流れの中に消え去ってしまった…のか……、というもの。
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・誠：新選組の隊旗。
・珠江：多摩川。
・煙柳：霞が立ち籠めたヤナギ。
・葵傾：ヒマワリの花が日光に向かって傾くこと。君主の徳を仰ぎ慕う喩え。心が傾く。思慕する。「葵」はヒマワリのこと。
・大樹：大木。将軍家。
・將顛支…：「…将（まさ）に顛（くつがへ）らんとするや…の支ふる所に非ざる也」
・京洛：京都。
・流山：近藤勇が活躍した最後の地。
・時不利：時に利あらず。秦末漢初・項羽の『垓下歌』に「力拔山兮氣蓋世，時不利兮騅不逝。騅不逝兮可奈何，虞兮虞兮柰若何。」