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C11 その4−マイクロエース

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マイクロエース

●初代シリーズ(2000年〜)

A7301 C11 171 すずらん号 2000年 171号機 すずらん号

A7301
C11 171 すずらん号

2000年(拡大写真)

セラ1付きで¥8,600+税でした。北海道の復活機なのになぜセラだったのかは不思議です。なお、すずらん号の客車セットはこの時はなく、2011年になってからようやく発売されています。

A7302 C11 207 2ツ目 2000年 207号機 2ツ目

A7302
C11 207 2ツ目

2000年(拡大写真)

すずらん号と同時発売で、こちらはセフ1付きでした。

A7309 C11 207 復活ニセコ 2000年 207号機 復活ニセコ

A7309
C11 207 復活ニセコ

2000年(拡大写真)

約半年遅れ、単独で発売されました。後部ライト(ダミー)も2灯になっています。

KATOに遅れること29年、2000年に発売されました。この頃のマイクロエースは色々と頭の痛い形の蒸機も連発していましたが、C11は比較的人気があったように思います。
全長は短くできています。腰高傾向は相変わらずなので、上廻りのデザインはそれほどよくありませんが、模型工作のお好きな方には色々な切り口があります。
「すずらん号」パーツセットなどのオプションパーツも他社から発売されていました。

マイクロエースの初期のタンク機には、オマケとして貨車が1両付属していましたが(テンダー機と価格を揃えるためではないかと邪推します)、「復活ニセコ」では貨車の代わりに「SLニセコ号」のバッジが1個ついていました。

これら単品のあと、客車とのセット品で、C11 325「もおか号タイプ」も発売されています。もおか号タイプのセットには、姉妹品でC12もありました。

A-4270 C11 325 もおか号タイプ 2001年 325号機 もおか号タイプ

A-4270
C11 325 もおか号タイプ

2001年(拡大写真)

機関車の形態は最初のすずらん号と同じですが、ライトはマイクロエースのこの時期の首付きライトに変更されています。

さて、数年後にはついにあの伝説の列車が発売されました。

A-4271 C11 91 ポンパ号 2004年 ポンパ号

A-4271
C11 91 ポンパ号

2004年(拡大写真)

A-4271「ディスカバージャパン ポンパ号 ポンパ列車6両セット」に含まれています。無火だった実物同様、無動力とされています。セットの客車の多色印刷が素晴らしく、目を見張ります。

日立のカラーテレビ「ポンパ」の宣伝のため、全国を回ったキャンペーン列車です。1970年頃、日立提供のテレビ番組(「すばらしい世界旅行」など)の前後で、走っている様子がよく紹介されていました。
ひとつの街での展示が終わったら、サイドロッドを外され、DD51に牽引されて移動していったと目撃者の方に教えていただきました。
その他、場所に応じて色々な機関車に引かれていたようです。

ポンパとはポンとスイッチを入れればパッとつくテレビという意味で、昔のテレビをご存知ない人にはピンとこないかもしれません。スイッチを入れてからカラー映像がきちんと出るまでには、パソコンの起動なんかよりもずっと時間がかかるのが普通でした。 先に音だけが出て、中央からだんだんモノクロの映像が出始め、次第に色が付いて安定してくるという感じです。
ポンパの機能は真空管からトランジスターへの転換に加え、当時は珍しかった待機電力で実現されていました。しかし間もなくオイルショックとなり、節電のためプラグの入れっぱなしは止めようという動きもあって、十分活躍できなかった場面もありました。

●2代目シリーズ(2011年〜)

11年ぶりの単品です。2011年になって4種が発売されました。
今回からは貨車やバッジは付属せず、本体価格は初回の¥8,600から¥10,500に変わっています。

A7308 C11 304 戦時型 2011年 304号機 戦時型

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C11 304 戦時型

2011年(拡大写真)

久々のC11は戦時型となりました。新橋駅前の保存機でおなじみの角型ドームです。

A7311 C11 190 大井川鐵道・復活(2003年) 2011年 190号機 大井川鐵道

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C11 190 大井川鐵道・復活(2003年)

2011年(拡大写真)

実物が2003年に復活した際、装飾塗装が施された姿をもとにしています。

C11 2011年製品(マイクロエース)

まずはこの2種から発売されました。当初4月頃の予定でしたが、色々あったようでこの時期の製品は軒並み遅れ、8月までずれ込みました。

製品はライトの大型化や黒色車輪化、細かい印刷の追加など最近の仕様になりました。しかし全体の組み合わせは初回シリーズより悪く、特にボディー後部が上がって前傾姿勢になっているものが目立ちました。 無理やり後部を押さえつけて下げようとすると、内部のモーター配線を断線する恐れがあるので無理は禁物です。

動力ユニットもウェイト一体型に変わっていますが、マイクロエースのC11は初回シリーズより集電や機械的な精度に微妙なところがあり、特に改善していないように思います。皆様お持ちのものはいかがでしょう。

さて、少し遅れて10月に残り2種が発売されました。これは初回の171号機・207号機の再生産的な存在です。

A7310 C11 207 SL函館大沼号 2011年 207号機 SL函館大沼号

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C11 207 SL函館大沼号

2011年(拡大写真)

後部ライトも2つ目仕様(銀塗装)で、無線アンテナが付いています(写真では陰になっていて見えません)。

A7312 C11 171 SL函館大沼号 2011年 171号機 SL函館大沼号

A7312
C11 171 SL函館大沼号

2011年(拡大写真)

前デッキに北海道風の大型手すりが2つ取り付けられました。後部の型は初回と同じです。
砂箱後ろの手すりは差し込みが浅く、ちょっと落ち着きません。

どちらも黒1色を基本とした塗装で精悍な感じです。初回シリーズに比べ塗装の質感も少し変わっているので重量感もあります。ボディーのヒップアップは前2種に比べれば改善されているような気がします。非常によく似ているとは思いませんが、マイクロエース製品の中にあって感じは悪くありません。

2タイプとも、それぞれの初回製品をもとに最低限の変更を行なったものなので、再現している装備も少しずつ違います。
171号機に追加された点検口は、デフ全体の高さのバランスを重視したのか、実際よりもだいぶ高い位置に開けられています。ただこの開き方が謎で、金型を作らず手作業で加工したようにも見えます(拡大)。生産数を考え合わせるとそのほうが安く済んだのかもしれませんが、真相はわかりません。

非公式側は上記1種とも、発電機の増設とオイルポンプ箱の追加が行なわれています。
その一方で、現在に至るまで水タンクの給水蓋が一切ないので、プラ板などから切り出して貼り付けてみるという軽工作が面白いかもしれません。

171号機 初回
C11 171 すずらん号(初回シリーズ)
171号機 最新
C11 171 SL函館大沼号(2代目シリーズ)

なお今回は、すずらん号仕様は再生産されませんでしたが、この少し前に客車セット「SLすずらん号 5両セット」が発売されています。

動力について

小型タンク機であるC11は集電がシビアで、不調をきたすことがありました。

動力ユニット
矢印部分の板バネが緩むと、従台車が線路に密着しなくなり、集電性能が落ちます。バネを下側に曲げて調整します。
マイクロエースのC11はC12と異なり、従台車からの集電を2本のリード線だけに頼っているので、傷めないよう注意が必要です。
ポンパ号のシャーシ
こちらは無動力のポンパ号ですが、ライト点灯のため、同様に台車からリード線が配線されています。
別なC11の動力を用意してポンパ号を動力化するという改造はいかがですか…。

このあと発売された3代目製品ではリード線が廃止され、従台車からスプリングで導電する方法に変更されました。ウェイトの増量による車両重量の増加に伴い、集電の安定性も増しているようです。

●3代目(2019年)

8年あき、2つ目ライトのC11 207がリニューアルされ、セット品の形で登場しました。

A-4272 C11 207 SL大樹 2019年 C11 207 SL大樹

A-4272
C11 207 SL大樹

2019年(拡大写真)

A-4272「C11 207+14系 SL大樹 6両セット」に含まれています。

C11 207はマイクロエースから4回目の登場になります。今回は実物の3次形をイメージして、キャブや側タンクなどの形態が修正されました。前部のほか、後部の2つ目ライトも点灯するようになっています。また、重いSL大樹編成をけん引できるよう動力ユニットが大幅に変更されました。 私が買った個体に関しては、マイクロエースのC11としては過去最高のスムーズさでした。ただ前傾したボディーのはめ合いなど、きちんとできていなかった部分は改良されず、そのままです。

セット品のみの発売で、価格が¥42,200+税という高価なものですが、JR北海道から東武鉄道に機関車が貸与されての運行という話題性に乗った製品です。ただし発売は予告から1年遅れてしまいました。
詳しくはこちらでもご紹介しています。→マイクロエースC11 2019年製品(C11 207 SL大樹)


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