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C11 その5−ネコ・パブリッシング/トラムウェイ/トミックス

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ネコ・パブリッシング(鉄道ホビダス)

1970年代のフジミ以来でしょうか、Nゲージサイズのディスプレイプラキットです。
KATOの旧C11の動力ユニットを別途用意して装着すれば、Nゲージ蒸気機関車として走行できるように設計されています。

きかんしゃトーマス号[C11] 2015年 きかんしゃトーマス号

きかんしゃトーマス号[C11]
2015年(拡大写真)

「大井川鐡道きかんしゃトーマス号シリーズNo.1」として発売されました。オマケで小型ディーゼル機関車「ラスティー」が付属しています。
作例はKATOの旧C11の動力を装着し、塗装を施したものです。

本格的なNゲージサイズのプラ模型で、組み立てははめ込み式ではなく接着による伝統的なものです。塗装印刷済みではありませんがパーツはランナーごとに4色に分かれているため、未塗装でもおおまかなイメージは表現できるようになっています。
車体装飾の赤・黄ラインや文字はステッカーが付属しています。

KATOの旧C11の動力を組み込めるため、車体サイズも旧C11と同様で約1/140〜となっています。しかしキャブ妻板の形状やディテールなどは、成型の都合で省略されていたKATOの旧C11よりもそれらしく表現されています。

楽しい特長として、顔ベースと目玉が別パーツとなっており、視線の異なる3種類の目玉を選んで差し替えられます。黒目用のステッカーまで付属しています。

組み立ての様子のご紹介です。→きかんしゃトーマス号[C11]の組み立て

グリーンマックス製品の旧客の成型色を替えた「茶色い客車4両セット」(TR47台車付き)も一緒に発売されました。


トラムウェイ

16.5mmゲージで低価格なプラ製のC12や8620を発売し好評を博した、トラムウェイから発売されたC11です。

●第一弾(旧動力)

TW-N-C11A 国鉄C11形 標準タイプ・150W前灯 2016年 C11 標準タイプ150W前灯

TW-N-C11A
国鉄C11形 標準タイプ・150W前灯

2016年(拡大写真)
写真のナンバープレートは付属のものではありません(銀河モデル製)。

TW-N-C11C
 国鉄C11形 北海道タイプ・150W前灯・北海道型炭庫付

 2016年(写真はありません)

TW-N-C11B 国鉄C11形 標準タイプ・シールドビーム・サイドタンク揺止付 2016年 C11 標準タイプ・シールドビーム

TW-N-C11B
国鉄C11形 標準タイプ・シールドビーム・サイドタンク揺止付

2016年(拡大写真)
こちらのナンバープレートは付属のものです。文字や縁取りは金色で平面印刷されており、エッチングはされていません。

2013年末に発表された、初の縮尺1/150を基本としたC11です。
大変期待を集めて2014年に受注が開始されましたが、種々のトラブルで全受注がキャンセルとなり、ようやく2016年5月から6月にかけて3種が発売されました。

車体はボイラーがダイキャスト、ランボード・キャブ・タンク類がプラという構成です。一体モールドの部分と別パーツの使い分けが上手で、控えめで感じのよいディテールです。
長さだけでなく高さも抑えられているため編成のサイドビューは実物の印象に近く、今までになかった小ぶりな車体に感動された方も多かったと思います。

設計の問題か製造の問題かはわかりませんが、部品の合いはあまり良くなく、特にキャブ周辺は結構くたびれた感じの立てつけです。また、下廻りも同様で、よく走らないもの、不調をきたすものも残念ながら先行他社に比べて多いように思います。
しかしフルワーキングのバルブギヤを備えており、黒染めのロッドや先輪まできれいに抜けたスポークは目を引きます。スローもよく効いて音も静かです。よく走る個体なら、です。

調子の悪い個体の走りを正常化するには、バルブギヤ可動部をほとんど作り直すぐらいの根性が必要だったりします。試走なしの購入はおすすめできません。また試走はよくても、自宅レイアウトにはうまく適合しないことがあるのも難しいところです。
こちらに購入時の雑記が少々あります。
トラムウェイ C11

●第二弾〜(新動力)

2年後、動力部を改良のうえ4種が追加されました。この間にC11ではトミックスの新製品と、KATOのリニューアル品が発売されています。

TW-N-C11E 国鉄C11形 九州タイプA 2018年 C11 九州タイプA

TW-N-C11E
国鉄C11形 九州タイプA
 2018年(拡大写真)
後部に通気口が付いています。「さくら」のヘッドマークが付属します。

TW-N-C11D 国鉄C11形 お召しタイプA 2018年
TW-N-C11F 国鉄C11形 九州タイプB 2018年
TW-N-C11XD 国鉄C11 200 お召しタイプB 2018年

写真は九州タイプAです。
旧動力は第3動輪がギヤ連動で、第1・第2動輪がロッド連動でしたが、新動力では第2動輪もギヤ連動となりました。
従台車の集電が強化されました。クロスヘッドとメインロッドの固定方法も変更され、ロッド先端が折れにくくなっています。
走り具合の向上は体感上わずかですが、細かい点が結構たくさん改良されています。
詳しくはこちらでご紹介しています。
トラムウェイ C11(第二弾)

なお最後のお召タイプBは少し間が開いて発売され、第三弾と称されていました。

いったん以上でシリーズが終わったように見えましたが、4年後からさらに追加されました。
いずれも改良後の動力を引き継いでいます。

TW-C11XC C11 門デフタイプ 2022年 C11 門デフタイプ

TW-C11XC
C11 門デフタイプ

2022年(拡大写真)
NゲージのC11では初の門鉄デフレクターです。
ナンバープレートはエッチング製に改良され、見栄えが良くなっています。

トラムウェイ C11門デフタイプ

TW-N-C11YB
2灯のC11(冬仕様・前部スノウプロウ付)
 2024年
2灯のC11 冬仕様

TW-N-C11YB 2灯のC11(冬仕様・前部スノウプロウ付)
2024年(拡大写真)
2灯式ライトが前後に付いており、どちらも進行方向に応じて点灯します。前部ライトは空中配線のため手作り感むき出しです。
トラムウェイ 2灯のC11

TW-N-C11YA
2灯のC11(夏仕様・スノウプロウなし)
 2024年
(写真はありません)

TW-N-C11YA 2灯のC11(夏仕様・スノウプロウなし)
2024年(写真はありません)


トミックス

C61以来4年ぶりに、新形式としてC11が追加されました。
発表は、前記トラムウェイの発売から間もなくのことでした。すでにKATOも、新しいC11をカタログで予告していた時期です。
C57・C61で一定の自信をつけたトミックスが、いよいよ他社に真っ向勝負を挑んできたように見えました。結果は如何に…?

2643 真岡鐡道 C11形蒸気機関車(325号機) 2017年 真岡鐡道C11 325

2643
真岡鐡道 C11形蒸気機関車(325号機)

2017年(拡大写真)

トミックス40周年記念商品として発売されたもので、40周年記念のヘッドマークが付属していました。
トミックス C11 325

上廻りは程よい半つや消しの塗装です。325号機特有のディテール表現がなされ、精密感があります。
コアレスモーターの採用で、車体サイズを基本縮尺1/150に抑えています。各部のモールドもカッチリしています。デフ周辺の形状も325号機らしくできています。
ディテール表現にも過不足はなく、この時期のトミックス製品として、あたりまえの表現はなされています。

下廻りで目を引くのは、KATOのC12に形がそっくりな通電式先輪が採用されていることです。ただし第2・第3動輪がゴムタイヤのため、全体的な集電性能はギリギリのようです。
運よく良いものに当たれば走り具合は普通ですが、なかなか気難しい個体もあり、同社のC57やC61並みとはいきませんでした。付属の別パーツとの交換により、ミニカーブレールの通過が可能でした。

本製品の生産は2017年の初回のみで、2019-2020年度版カタログの掲載を最後に生産中止となりました。事実上のトミックス40周年記念限定品となりました。
しかし翌年には動力部が作り直され、直ちに次のバリエーション「きかんしゃトーマス号」が発売されました。

8602 大井川鐡道 きかんしゃトーマス号 2021年 きかんしゃトーマス号

8602
大井川鐡道 きかんしゃトーマス号

2021年(拡大写真)

単品のほか、客車7両と電気機関車いぶき501号がセットされた特別企画品「79732 大井川鐡道 きかんしゃトーマス号セット」も発売されました。

前作で不完全燃焼ぎみだった動力ユニットはコアレスモーターをやめ、通常モーター仕様で作り変えられました。
ゴムタイヤは第3動輪のみとなり集電車輪が増え、ギヤの伝達にも変更があります。筆者の購入品では真岡鐡道C11 325と比べ集電性能・走行安定性とも明確に向上していました。ただいずれも製品の平均的な姿であるかは不明であることを申し添えます(これはどの製品のご紹介にも言えますけども)。
こちらでもご紹介しました。→大井川鐡道 きかんしゃトーマス号(トミックス)の動力ユニット

ゴムタイヤ動輪が減ったことによる牽引力の変化に対応するためか、キャブ内に搭載するウェイトも付属しています。またミニカーブレール対応の床下パーツの添付はなくなりました。

大井川鐡道で運行されている実機の顔の造形は映像作品とは異なる独特なものですが、この模型の顔は3DCG版の映像作品をベースにしているようです。これは先に発売されているネコ・パブリッシングのプラキットも同様です。


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