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C53の組み立て(ワールド工芸)

C53デフなし

2011.10.6/2012.3.4

とうとう発売されたワールド工芸のC53です。
C53流線型は同社から2度発売されていますが、標準タイプは初めてです。久々の新形式なので、組み立てのモチベーションがまるで違います。
デフなし・デフ付きを組み立ててみましたが、とてもよいキットでした。

[1]   


これは私がキットを組み立てた過程を記録したものです(基本的には次回楽をするため)。簡潔にするため現在形で書いていますが、やった結果にすぎません。
途中で失敗している場合もあり、正しい組み立て手順の説明ではありませんので、組み立てにあたってはキットの説明書をご覧ください。

キットの様子

キットの様子

最近のキットでは普通の部品構成です。

  1. エッチング板たくさん。A系が真鍮、D系が少し赤っぽいリン青銅、F系がステンレス、H系が洋白板です。これを覚えておけば部品を探すときに能率がよいです。
  2. プラ製の輪心、ギヤ軸など。
  3. モーターとウォーム。
  4. テンダー車輪。2つはゴムタイヤ付きです。
  5. 石炭ウェイトと火室内サブウェイト。
  6. ネジ各種と真鍮線(0.4mm、0.5mm)。
  7. 回転座や各種カラーなど、下廻りの真鍮挽物パーツ。
  8. エアタンク、ダミーカプラーなどのホワイトメタル部品。
  9. おもに機関部走り装置のネジ各種。
  10. カシメ済みのロッド類とロッドピン。
  11. 真鍮ロストのディテールパーツ多数。
  12. プレス済みのボイラー・キャブ・ひさし、動輪、先輪・従輪、車輪押さえ板。

初めての方が見れば絶望的な気持ちになるかもしれませんが、ひとつひとつ部品を切り取って接合していけば、いつか終わります。
つまり部品が多くても工作の難易度は変わらず、ただ完成までの時間が長くなるだけです。
…だと思います。

キットはデフなし・デフ付きの2種が発売されました。気付いた違いは次のとおりです。値段は同じです。

 デフなしデフ付き
デフのパーツ付属しない付属(1タイプ)
ボイラーのデフ取り付け穴なしあり
キャブ側面窓の手すり穴高い位置低い位置
付属ナンバー13,14,16,28,35,3819,20,23,32

デフ付きを買ったが、気が変わってデフなしにしたいというときは、煙突近くのデフの取り付け穴を裏から埋めてやれば大丈夫かと思います。

キャブ

キャブ外板
  1. キャブの左右の側板が平行になっているか確認し、ゆがみがあれぱ直します。
    (上から見てハの字になっていると、屋根の頂上の高さが前後で変わってしまいます)
  2. 側板を重ねてハンダを流し固定。
  3. 前後の妻板をそれぞれ重ね、裏のスリットや合わせ目からハンダを流し固定。
キャブの組み立て(前方)
  1. 3の加工のことを考えて、まずひさしを固定しました。
  2. キャブ屋根の前方のフチを固定。
  3. ひさしの当たる部分が丸く欠き取られていますが、妻板を合わせてみて、不十分な部分を削り合わせます。
    この欠き取りの形がひさしにぴったり合わないと、妻板をきちんと合わせることができません。
キャブの組み立て(キャブ周囲)
  1. 妻板を固定。
  2. 天窓とレールを折り曲げて固定。なお、後に追加された後部の天窓も付属しています。
  3. ひじ掛け部を外側に折り曲げ。
  4. 側面窓のひさしを、気持ち下向きに固定。
  5. 窓側面の保護棒を固定。デフなしとデフ付きでは取り付け穴の高さが違い、選択するパーツの種類も違います。
キャブの組み立て(キャブ後方)
  1. 最初に屋根の後端のふちを固定。
  2. 散水管を固定。
  3. 後部妻板を固定。妻板下部の仮ブリッジは、ボイラーに取り付けて調整が終わってから切り取りました。
  4. 床板を貼り合わせ、中央の穴に1.4mmタップを立てます。まだキャブには固定しません。

ここで前後左右に歪みがあると、最後まで模型の仕上がりに影響します。
私は…それがわかっていながら、どうしてこの時点で直せないんでしょう。必ず何か残ります。

C62のような床の2段構造や、密閉キャブの手すり等がないので、組み立ては少し楽でした。

ランボードとボイラー

前デッキ部が細いピッチで何段にも折れ曲がるので、先が細くてガッチリしたヤットコがないと大変かと思います。
私は持っていなかったので、だましだまし何とか曲げていきました。

ランボードの折り曲げ
  1. ランボード前側を、付属のゲージで角度を合わせて曲げておきます。写真ではまだ一部しか曲げていません。
  2. ランボードの中段を曲げる前に、段の前面の模様を手前に折り返して重ねておきます。ここを折り返す前に中段を曲げ、網目も折り返してしまうと、その厚みが邪魔になって中段の前面の模様を重ねられなくなります。私は失敗したので、一度もぎ取って重ねてハンダ付けしました(何を書いているのかわからないかもしれませんが、実際にやってみるとわかります)。
  3. 空気溜めの取り付け部を起こしておきます。
  4. 裏側の丸穴にハンダを流して、折り返した網目板を固定します。

後ろ側の細いブリッジ部は、切り取らずに残しておいたほうが、ランボードの水平を出しやすいようです。

ランボード表側
  1. 前部端梁を折り重ねて固定。
  2. デッキ部の網目板を貼り重ねて固定。後期の扉付きの板も付属しているので、そちらを選ぶこともできます。
  3. 上下合体用ボスを固定。今までのキットではボイラーについていましたが、今回はランボード側についているので組み立ては楽です。
  4. カプラー取り付け部の板は裏側に折り重ねて固定します。
砂箱上部の固定

後日発売の20立方米テンダー仕様の説明書に有用な補足がありました。

  1. ボイラーを取り付ける前に、砂箱を固定。

砂箱は取り付けにくい部品ですが、ボイラーを付ける前ならばボイラー側からハンダ付けできるので確かに楽です。
説明書によると砂箱下部も一緒に取り付けることになっていますが、砂箱下部はなぜかホワイトメタルなので溶かしてしまう恐れもあり、最後に接着しました。

ボイラーの合体
  1. ボイラー下部を丸く合わせて固定。
  2. ボイラーに歪みがないことを確かめてからランボードをはめ込み、各部のブリッジをハンダで仮付けします。

ボイラーが前後に分かれていた昔のキットでは、基準になる直線がないため、ランボードをまっすぐ合わせるのが大変でした。最近のキットのボイラーは1ピースからなっているため、それを基準として比較的容易にランボードの水平が出せます。

キャブの組み合わせ
  1. キャブの上部のピンをボイラー上部のスリットに引っ掛けます。
  2. 緑色で示したランボード後端の角を、キャブ前面下部のスリットにはめ込みます。
    ただ、上部のピンを引っ掛けた状態では非常にはめ込みにくかったので、手順を間違えたかもしれません。ボイラー上部のスリットは後ろに延長し(完全に後ろまで切り開いても大丈夫)、またキャブ前妻のスリットも少し紙ヤスリで広げて何とか入れました。

    後のキットでは各接合部の形状が改良されていて、組み立てやすくなっています。

  3. 後ろの仮ブリッジは、キャブがまっすぐについたことを確認してから切り取ります。
ランボードの水平の確認

ボイラーの前後から中を見て、左右のランボードにゆがみがないか、キャブがまっすぐ付いているかを確認します。

床板後部
  1. バックプレートを組み立てて固定。
  2. 床板をはめ込んで固定。
  3. ランボードのコンプレッサー取り付け部の仮ブリッジを切り取ります。

上廻りのディテール

煙室扉
  1. 真鍮ロストワックスの煙室扉にライトを固定。ちょっとお顔の下のリベットがいかめしいかもしれないですね。
  2. 煙室扉ハンドルを固定。
  3. 手すりを3箇所の取り付けステーにはめ込み、先端をヤットコで軽く閉じて固定。

手すりはエッチングパーツが付属していますが、真鍮線で作るためのガイド穴もエッチング板に用意されています。この作例は0.3mm真鍮線を使いました。次回はエッチング板を使ってみる予定です。

前デッキの組み立て
  1. 4つのテコ受けを90度ひねり、開放テコをはめ込んで固定。
  2. テールライトの取り付けステーは、ライトの有無に応じてどちらかを選びます。作例は片側のみライトを取り付けました。
  3. つかみ棒を固定。
  4. エアホースを固定。
  5. カプラーとエアタンクの取り付け穴に1.2mmタップを立てます。1.2mmタップを使うのはここだけです。
  6. 傾斜部の4つの角穴の裏側にアングルを固定。
  7. 左右のステップを固定。
  8. カプラーと給水温め器を重ねてネジ留め。スノープローを付けるときはここに重ねます。
ボイラー上の部品

ボイラー上の部品を番号順に取り付けました。左右あるものは両方付けます。
いつもストレート煙突は挽物、煙突スカートはプレスですが、今回は一体の真鍮ロストです。煙突もドームも、削り合わせなしにボイラーとぴったり合うのでとても楽です。

なお5のステップの上段は、説明書の部品番号(D1-10右・D1-10左)と、実際の部品の形が入れ替わっているようです。実際に合わせてみるとすぐわかるので、間違えることはないと思います。
上段のステップはデフ付きの場合、デフを取り付けたあとに付けてもいいかもしれません。

ボイラー上の部品2
  1. 動力逆転機を固定。前の写真の8(加減リンクのカバー)を先に付けておかないと、あとで困ります。
  2. 砂箱上部を固定。ランボードの2個の丸穴と位置を合わせてハンダでベタ付けしました。ただ、裏側で穴をぴったり重ねたつもりでも、表側から見た位置がまっすぐに決まらず、位置決めが面倒でした。あまりボイラー側に寄りすぎても、あとで配管が差し込めなくなります。

    ランボードをボイラーに固定する前に取り付けておくと楽です。

  3. 給水ポンプと複式コンプレッサーを取り付け座に固定。
非公式側ランボード上の部品
  1. 調整ネジを固定。模様が前方になるようにします。
  2. 逆止弁を固定。
  3. 給水ポンプとコンプレッサーを、ランボードの下から差し込むようにして固定。
    給水ポンプの後ろから出て前方に曲がっている送水管は、根本からカットします。コンプレッサーも前方の細い配管と、後方上部の短い配管基部はカットします。あとで別パーツの配管が付きます。
公式側の配管
  1. 空気作用管をボイラーに重ね、要所をハンダで固定。
  2. 向こう側に回る枝管を固定し(向こう側のランボードの穴に差し込む)、手前側は1.の空気作用管の途中に接続して固定。

この管は目立たせたくないので(私の場合は)、先に固定して一緒に塗ることにしました。説明書では塗装後に接着することになっています。

公式側の配管2
  1. ハンドレールを固定。
  2. 調圧器配管を固定。
  3. 冷却管を固定。後ろ端はコンプレッサーの裏側に固定します。
  4. 動力逆転機の作用ロッドを固定。
  5. 作用ロッド前端は、動力逆転機のテコの裏側に重ねて固定しました。
非公式側配管
  1. 非公式側に冷却管を固定。
  2. 向こう側に回る配管2本をボイラーに重ね、中央部を配管バンドで固定。
  3. その先端は、公式側のハンドレールにある穴を刺し通し、ランボードの穴に差し込んで固定。
    ランボードの穴になかなか命中しないので、公式側の砂箱や空気放熱管を取り付ける前にやったほうが簡単でした。
非公式側配管2

非公式側ボイラー上の配管類を番号順に固定しました。

2.の給水ポンプ蒸気管は、0.4mm真鍮線を曲げて作り、前方を給水ポンプの後方の突起に結びます。後方はキャブ妻板の穴に差し込みますが、穴がボイラーから少し離れているので先端を少し曲げます。
3.の短い配管は給水ポンプの排気管です。給水ポンプの前方の突起に結びます。

デフの取り付け

デフ付きの場合、ランボード下の配管を付ける前にデフを取り付けたほうがよいようです。
私はデフの取り付けが苦手なので、1枚につき1時間ぐらいかかりました。

  1. デフ上部の傾斜は、内側の補強を重ねる前にそれぞれ曲げておきます。重ねてから一度に曲げようとすると表側に型跡がつくことがあります。
    曲げてから内側の補強を重ね、少量のハンダを補強に沿って流します。
  2. 取り付けステーを付属の冶具を参考に曲げます。これが面倒です。力を加えすぎて、デフの表板に補強の型跡が浮き出さないように注意します。
  3. C53のデフはランボード側面から付くので、接合位置を軽くハンダメッキして重ね、合わせ目付近から加熱してハンダ付けしました。
    なお上部の取り付けステーの穴の高さや位置が合わない時は、無理せずヤスリやドリルで穴を広げておきます。
  4. デフがまっすぐについたと決心したら、取り付けステーをボイラー内側からハンダ付けします。
公式側ランボード下

ランボード下に移ります。
公式側の配管とパーツを番号順に固定しました。コンプレッサーの廻りはごちゃごちゃしているのでコテを当てにくいです。

非公式側ランボード下配管

今度は非公式側です。

  1. ランボード下配管を固定。
  2. 前端は本当は給水温め器につながりますが、少し曲げてステップの裏に固定しました。
  3. 後端は給水ポンプの裏側に曲げて固定。
  4. キャブ下の配管パーツを折り曲げて固定。
  5. 取り付けた配管の途中にタンクを固定。
  6. 給水管を0.5mm真鍮線で作って4.の配管の輪に通し、先端を給水ポンプの裏の溝に固定。

給水管は付属の配管のガイド穴に沿って曲げましたが、給水ポンプへの差し込みが深すぎたようで、あとで後部が従台車バネに当たってしまいました。赤の点線のあたりまで下げて付ければ大丈夫です。

機関部上廻り組み立て終了

ホワイトメタルのパーツを取り付けて機関部上廻りは終了です。

私は表に出たハンダを取り除くのが下手なので、部品はほとんど裏側からハンダ付けしてごまかしています。裏側はもう人に見せられないぐらいめちゃくちゃです。

次は下廻りとテンダーです。


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