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C53の組み立て その2

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主台枠

主台枠の組み立て
  1. 主台枠を折り曲げ、左右の内張りを重ねて断面にハンダを流します。前端の模様は外側に折り返します。
  2. 初登場の後台枠を折り曲げ、主台枠に差し込んで固定。
  3. 台枠後部にふたをして、上面を平らにヤスります。ここが上下合体のときキャブの床板に密着します。
牽引力増強装置の取り付け
  1. 牽引力増強装置のテコ板を2枚張り重ね、台枠後部から差し込みます。
  2. 先端の支点に0.4mm真鍮線を刺し通し、両端を曲げて固定。
モーションプレート台座の取り付け
  1. モーションプレート台座は、そっくりなAとBの2種が入っていますが、このキットではBを使います。バリエーションによってはAを使うキットもあります。
    枠状に折り曲げて組み立て、後ろの合わせ目をぴったり合わせて固定。平らなベーク板にクリップで留めてハンダ付けしました。
  2. 主台枠の4箇所の溝に、組み立てたモーションプレート台座をはめ込んで固定。
シリンダーブロックの組み立て1

さすがに中央シリンダーは再現されていませんが、今までの2シリンダーの蒸機とは違っていて面白いです。
小さい箱に多くの部品が集中するので、組み立ては下廻りの中で最も面倒です。

  1. 前後の蓋の部分を180度折り返して固定。
  2. 後方にバルブスピンドルガイドを固定。
  3. 前方にバルブスピンドルガイドを固定。あとでグレズリー式弁装置の連動テコが入ります。3個あります。
    中央の穴がふさがっているときは、0.8mmぐらいのドリルでさらって開口しておきます。
  4. 側面の下側は少し丸めておきます。
  5. 側面内張りの下部は少し内側に曲げて傾斜を付けておきます。

前後のバルブスピンドルガイドはシリンダーブロックを箱にしてから取り付けてもよいですが、内側にはコテが入りにくいことがあるので、ここで付けました。

シリンダーブロックの組み立て2
  1. 床板を折り曲げて、全体を四角形に組み立てます。
  2. 合わせ目を閉じて固定。
  3. 側板を折り曲げて重ね、内側の穴からハンダを流して固定。そのあと上部のつなぎ目をヤスり落とします。
  4. グレズリー式弁装置の連動テコ。2枚を貼り合わせてバルブスピンドルガイド内にぴったり固定します。水平にするためにバルブスピンドルガイドの削り合わせが必要でした。

実機はこの連動テコによって、左右の弁の動きから中央弁の動きを作り出すのですから、ちょっとした緩みや調整具合も中央弁の動作に影響したのでしょうか。実際にここが動いているところを見てみたいです。
→「昭和のSL映像館〜NHKアーカイブスから〜」で見られると教えていただきました。NHKオンデマンドで視聴しましたが、1時間3分あたりで確かにゆっくり作動する連動テコが映っています。あんなにハッキリ見られるとは思いませんでした。6連符?のドラフト音も聞けます。

実物の連動テコ

これは実物のグレズリー式弁装置。この位置に連動テコが見えています。

全然関係ないのですが、昔「JAWS」の二番煎じみたいな映画で「グリズリー」というのがありまして、劇場で観てしまいました。
舞台を海から山へ、動物をサメから熊に置き換えたものですが、ラストシーンの一撃を見て「なぜそれを最初からやらん…」と思ったのでした。

シリンダーブロックの組み立て3

さて、

  1. スライドバーを磨いてざらつきがないようにし、シリンダーブロックに最後まで差し込んで固定。
  2. ドレンコックを固定。矢印のように車体内側からコテを当てました。
  3. 床板に1.4mmタップを立て、L=3.5mmカラーをネジ留めしてからハンダ付け。そのあと、ネジを外しておきます。
シリンダーブロックの取り付け
  1. シリンダーブロックを主台枠にはめこみ、水平に注意して固定。
  2. 後台枠に従台車のバネを固定。

底面の動輪押さえ板を固定する2箇所のネジ穴と、従台車を固定するネジ穴には、1.4mmタップを立てておきます。

先台車・従台車の組み立て
  1. 先台車の上部を折り曲げて固定し、ネジ穴に1.4mmタップ立て。
  2. 先台車の車輪押さえを折り曲げて、角をハンダ固定。
  3. 従台車を折り曲げて組み立て、ネジ穴に1.4mmタップ立て。
  4. ロストの軸箱を固定。
  5. 従台車の車輪押さえを折り曲げ。

下廻りはひとまず完成です。動輪の組み付けなどは塗装後に行ないます。

テンダー

平底テンダーは船底テンダーに比べて少し部品が少ないような気がして、気分的に楽です。
なお、その後発売された20立方米テンダーは少し組み立て方が違うので、最後のページに追記しました。→C53の組み立て(4)

テンダーを箱に組む
  1. テンダー外板の内側の穴からハンダを流し、2枚を貼り重ねます。つい油断しがちですが、少し長くコテを当てすぎると、そこだけ外側に膨れてしまいます。
  2. 天井の板を左右側板の間に挟んで固定。
  3. 妻板の前方を折り曲げ。後方はまだ水平に伸ばしたままにしておきます。
  4. 炭庫仕切りをW形に折り曲げて固定。
  5. 妻板下部のステップ板を固定。
テンダー妻板の取り付け
  1. ドローバー部品を内側から差し込んで固定し、先端にドローバーピンを固定。これはロッドピンと同じものですが、1本だけ他の部品と一緒に別な袋に入っています。
  2. 左右ステップの中段を固定。
  3. 手ブレーキハンドルを差し込み、妻板の裏側と底面の裏側からハンダ付けして固定。
  4. ここで妻板後部を下側に折り曲げ。
  5. 石炭皿を差し込んで固定。
  6. 組み上がった妻板を、テンダー本体に挟んで固定。
後部内張り
  1. 後部内張りの中央にある突起を外側に起こし、外板の穴に差し込んで重ねます。
  2. 丸穴にハンダを流して貼り合わせ固定。
後部ディテール1

ハシゴはまだ曲げずにおきます。

  1. 端梁を重ねて固定。下側のラインがずれないように合わせます。ステップも折り曲げます。
  2. 電気配管を差し込み固定。
  3. カプラー解放テコを固定。
  4. テールライトを固定。
  5. 手すりを固定。一部が電気配管に当たるため、上下の方向があります。
後部ディテール2
  1. ハシゴを折り曲げて固定。
  2. 炭庫仕切りを折り返し、ステップの部分が仕切りの表に顔を出すように重ねて貼り合わせます。
    炭庫仕切りを完全に90度起こす前に、次の三角形の補強板を入れ込んでおくと組み立てが楽です。
  3. 三角形の補強板のピンを、床と炭庫仕切りの穴に差し込んでから、炭庫仕切りを完全に90度起こして固定。
  4. 給水蓋を固定。
    ここまで組み上がった部分をテンダー本体に固定しますが、幅がぎりぎりできついので、無理せず(外板が歪む恐れあり)少しヤスったほうがよいです。
  5. MT-7カプラーポケットを固定。同じポケットでアーノルドカプラーも付けられます。
  6. エアホースを固定。アーノルドカプラーのときは付けられません。
  7. 石炭ウェイトは周囲を削ってぴったり入るようにしておきます。
テンダー底部
  1. 前後の動力取り付け板を落とし込んで固定。2枚とも水平に付かないと、あとでテンダーが傾く原因になります。このとき合わせ目にあまりハンダを付けると、次の配管を付ける穴が塞がったり、まっすぐ付けにくくなったりします。
  2. 左右の配管を取り付け。左右の別があるので注意します。
動力ユニットハンダ部分

動力ユニットのパーツにも、塗装の必要な部分やハンダ付けが必要な部分があります。

  1. 車輪座の台車枠取り付け部を折り曲げて補強ハンダします。ただし、説明書では車輪圧入後に曲げることになっています。
    台車枠取り付け部の穴には1.4mmタップを立てます。
    上部の大きい丸穴と、下部2箇所の軸穴は電気的な接点にもなるので、塗装時に小さく切ったマスキングテープでマスキングしました。
  2. 車輪座の取り付け部を起こして補強ハンダ。この部分の中央の穴にも1.4mmタップを立てます。
  3. モーターブラケットを折り曲げて固定。前方の取り付け板を正確に垂直にしないと、モーターが前後に傾いて、ウォームの噛み合わせが不ぞろいになります。
  4. ブレーキてこを折り曲げ。動力組み立て後に、床板に固定します。
  5. 塗装はしませんが、フレーム板1のTマークのある穴すべて(6箇所)に1.4mmタップを立てます。
テンダー台車枠 今まで類似形のテンダー台車枠はホワイトメタルでしたが、今回はエッチング板を折り重ねて表現します。
テンダー台車枠組み立て 折り線にそってつづら折にし、断面にハンダを流して固定します。
なお内側中央の出っ張りのみ、説明書とは折り曲げ方向が逆です。説明書では下側に180度折り返していますが、実際には上側に180度折り返します。

その後の20立方米テンダー仕様キットでは、テンダー台車枠はロストパーツに変更されています。

塗装準備

生地完成

全体をルーペで調べて、ハンダ不良や歪みなどを修正します。なかなか修正しきれませんし、いつも何かを見落とします。チェックリストのようなものを作っておくといいのでしょうね(仕事では必ず作るのですが…)。たいてい完成させて数日たってから何らかのミスを発見し、少々落ち込むことになります。

塗装前の点検

塗装するすべての部品を揃えて、クレンザーと中性洗剤で洗浄しました。

バラバラの状態から模型を組み立てていくのは時間がかかりますね。せめてこの程度から始められると楽なのですが、そのためには代わりにどこかで誰かが苦労することになり、当然値段にも相当跳ね返るのでしょう。

ここまでで約半分かと思います。


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