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C58 その4(中村精密・KATO)

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中村精密

MK-5 C58 やまぐち号タイプ 中村精密やまぐち号タイプ

MK-5
C58 やまぐち号タイプ

1981年 (拡大写真)

エッチングの「やまぐち号」ヘッドマーク付きです。

市販の9mmゲージでは初のC58です。標準仕様とやまぐち号仕様が1981年に発売されました。
他社製品がたくさん発売された現在では、活躍させている人は少ないかもしれません。

テンダードライブのため、台枠の上が向こう側に抜けている様子がいいですが、逆にテンダー台車は重い感じです。
ドーム後方のラインは緩くて独特です。登場時のTMS誌にて、「このC58はドームをプラパテで整形すると,さらに実感味を増すことだろう」と、分厚いオブラートに包んだ指摘がありました。
なおやまぐち号は緑、標準仕様は赤のナンバーがついていました。

KATO

2010 C58 1990年 KATO

2010
C58

1990年 (拡大写真)

何代ものカタログを予定品のまま渡り歩き、やっと発売された模型です。

ついこの前出たばかりのように思いますが、まだマイクロエースの蒸機シリーズが始まる前の製品です。
繊細なプラモールドで、安定して走る点で重宝する製品です。

エンジンドライブでありながら、第1動輪のあたりの主台枠の上がちゃんと向こう側に抜けています。32年前の製品ですが優れた作りです。
テンダーからの集電はドローバー通電方式ではなく、2代目C50や初代D51と同様のリード線によるものです。ただしリード線は初めからキャブの下部から出ているので、宙を舞っているC50と違い、それほど外観的におかしくはありません。

発売当時は、なぜか他のKATO蒸機に比べて質感がプラっぽい印象を受けました(変わらないような気もしますが…)。
その後の製品では塗装の艶が変わり、タイヤも黒くなったため、かなり感じが変わって見えると思います。

2006年にはラウンドハウスからバリエーション品がひとつ発売され、通常品にもそれに合わせて小変更がありました。

2010-1 C58 363(パレオエクスプレスタイプ) 2006年 KATO パレオエクスプレスタイプ

2010-1
C58 363(パレオエクスプレスタイプ)

2006年 (拡大写真)

「10-917 秩父鉄道『パレオエクスプレス』タイプ」に含まれています。

塗装はやや艶のあるものになり、車輪は黒色に変わりました。ナンバーはC58 363が取り付け済みで、デフに点検口が付き、ライトも大型です。 テンダー上面は通常品とまったく同じです。

KATO製品の輪心・テンダー台車・従台車の色は、真っ黒ではなく若干のグレー寄りになっているものが多いですが、この製品以降のC58は真っ黒です。
初回品の先輪は、写真のように非常に低いローフランジでした。パレオエクスプレスタイプは同年度内に一度再生産され、そのあと2011年にも再生産されています。

パレオエクスプレスタイプの発売後、通常品もすぐ同様の仕様に変更されて再生産されました。

2010 C58 2006年 KATO 2006年再生産品

2010
C58

2006年 (拡大写真)

初期製品よりも若干艶が出て、車輪も黒色になりました。
C58 2006年再生産

C58の単品は7年後の2013年にも再生産されました。

2010 C58 2013年 KATO 2013年再生産品

2010
C58

2013年 (拡大写真)

初めから標準フランジの先輪で発売されました。
C58 2013年再生産

これが最後の生産となりました。2022年にはKATOの公式サイトの在庫検索にて、正式に「中止」との記載がなされました。

■難産だったKATOのC58

KATOのC58が最初に予定品入りしたのは1981年頃かと思いますが、おいそれとは発売されずハラハラしました。
以下に引用させていただいたKATOの旧カタログ画像は、すべて関水金属/KATOの著作物です。

1978年(C58前史) 1978年版

1978年(C58前史)

この頃カタログにC59登場。
すでに先輩のD52・D62も半分干されつつ、まだ予定品に残っていました。

写っているC62は、黒モーションプレート・金属ロッド・紙ナンバーの品。

1981年 C58 1981年版

1981年 C58

この頃はC58が予定品として登場しています。また、この年の広告では年内の生産予定品としてC58も記載されていました。品番はまだ3桁の210となっていました。

ちなみにこの頃の予定品は、D51なめくじ・D52・D62・C59・C57・C58の6形式でした。こんなにあって大丈夫?

1982年 1年後 1982年版

1982年 1年後

翌年のカタログ。C58は予定品のままですが、D51なめくじは無事に製品化されていました。

ところでこのカタログは、歴代のKATOカタログのなかでも異色なものでした。車両の撮影アングルがどれもばらばら、しかも上方からの写真ばかりでした。

1985年 4年後 1985年版

1985年 4年後

引き続き予定品のままで、品番が210→2010に変更されています。
D52・C62・C59も未発売ですが、揃って品番が4桁になりました。

予定品のうちC57はめでたく発売されており、この時点では最初のリニューアルもされています。

1987年 6年後… 1985年版

1987年 6年後…

もう6年経ったのか、色んなことがあったなぁ。
近所の模型店もいつの間にか、ファミコンのソフトばかりになってしまったなあ。
機関車1両と同じぐらいの値段のカセットがポンポン売れるんだから、今の小学生はお金持ちだな。

さて、C58はどうなったかな。

…えーと、ないなあ。
C58は次のページかな?

1985年版

…。
C58が消えた(笑)。

どさくさにまぎれてC59先輩も消えてるゾ。

1990年 9年後 1985年版

1990年 9年後

なんと消えたC58が復活した!

しかも試作品の写真入りです。テンダーのリード線がまだ付いていないことを除き、ほとんど完成品と変わりません。

ここでC55という後輩の予定品が登場しました。
そしてD52・D62大先輩は…ひっそりとカタログから引退されました。

長かった9年間でした。途中で一度消えましたし(笑)。でも当時の製品化ペースは今から見ればはるかにのんびりしていました。
やっぱり最終捕食者のマイクロエースが本格参入してからですね、がらりと様子が変わったのは。

長かったといえば、旧規格なので車体も約1/140のロングサイズです。
2010年に同社D51がリニューアルで縮尺変更されたため、それ以降全長がD51より長いという逆転現象が起きています。
ただ実物のことをいいますと、もともとC58は意外と長く、D51は意外と短いものかもしれません。

上:KATO 新D51 下:KATO C58


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