Nゲージ蒸気機関車>蒸機の紹介>C58
掲載したのはすべて金属製キットです。このほかにメーカー完成品もありました。
C58 船底テンダー 2001年 |
C58 船底テンダー |
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C58 平底テンダー(33号機) 2002年 |
C58 平底テンダー(33号機) |
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C58 平底テンダー(九州型) 2005年 |
C58 平底テンダー(九州型) |
マイクロエース製品とほぼ同時期(2001年6月)に発売された、金属製のキットです。
それまで同社が発売していたC62やC57より動輪径がわずかに小さいので、ロスト輪心の動輪を新規製作していました。プロポーションはよく、機関車側は無動力なので下廻りはたいへん軽快です。もちろん台枠上部は向こう側に抜けており、その部分のボイラー下部も丸くふさがっています(注:初期の同社製品には、ボイラー下側が大きく開放されているものがありました)。
動輪が金属のためか転がりがよく、当時の同社製品の中ではよく走るほうでした。
2作目の33号機からモーターが小型のものになり、その分ウエイト(石炭兼)が大きく重くなりました。動力は自分で組み立てなければならなくなりました。この組み立てにはちょっと難があり、一部は説明書にも記されている通り、部品の一部を切ったり削ったりしないと、他の部品に当たって具合が悪くなることがありました。
形だけを見るとこれ以外の選択肢がないように見えますが、金属製品は組み立てのほか取り扱いにも注意が必要なので、模型を始めたばかりで不慣れだという方にはあまりおすすめしません。完成品を買っても、使用するレイアウトに合わせて、よく走るように下廻りを調整しなければならないこともあります。
2005年の九州型が最終製品となってしまったのが残念です。現在同社の他製品にみられるような牽引力増強装置も、最後までありませんでした。
A7201 C58 363 パレオエクスプレス 2001年 |
A7201 |
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A7202 C58 98 北見機関区 2001年 |
A7202 |
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A7203 C58 33 JNRマーク 2004年 |
A7203 |
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A7206 C58 296 八戸機関区 2004年 |
A7206 |
写真の縦横比を間違えたわけではなく、もともとこんなプロポーションの製品です。
ここから実物のC58はイメージしにくいかもしれませんが、車種選定は面白いため各社ラインナップに彩を添えていました。
最初の2種は2001年5月、次の2種は2004年8月の発売です。後半の2種では車輪が黒染めになり、テンダーのライトに銀色が入れられました。
格好に反して走りは抜群と言いたいところですが、たまに単機で走行させても空転するものがありました。ドローバー中間部の集電線の止め具が、その真上のモーター押さえと接触し、動輪が浮き気味になることがあるためです。
2017年には久々のラインナップ追加として、「A7204 C58 295 小松島区・集煙装置」「A7205 C58 277 都城区・門鉄デフ」の2種が予告されましたが、発売されぬまま2024年に中止となりました。
KATOのC58の動力を下廻りに使用するという、思い切ったコンバージョンキットです。
YC58-3 C58 後藤タイプ 2014年 |
YC58-3 |
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YC58-4 C58 九州タイプ 2014年 |
YC58-4 |
比較的入手しやすいKATOのC58の動輪がほぼ1/150サイズであることに注目し、ほぼ基本縮尺どおりの金属ボディーと組み合わせてまとめたキットです。
動力の大きさに合わせた調整が巧みに行われており、ちゃんと小ぶりなC58ができあがります。
エンジン部はこのほか、YC58-1 北海道タイプ・YC58-2 東北タイプが発売されています。
同時発売のテンダーキットは一次型(平底)と船底の2つですが、船底には上縁の形が段付きとストレートの2種類が用意されました。よって実質的には3タイプです。
モーターの交換を伴うために動力の加工が多めですが、上廻りは部品の共通化や改良があり、比較的簡単にまとまると思います。
2023年、同年に運行終了した「SL銀河」の牽引機だった239号機が製品化されました。C58のNゲージ製品が市場からなくなっていたところに発表されたため話題となりました。
2009 C58 239 2023年 |
2009 |
プラ製品のC58では初めて、長さ・高さを基本縮尺1/150に極力合わせて模型化されました。コアレスモーターではなく、通常のM-10モーターをボイラー内にぴったり収めています。
従来のトミックス製品は、機炭間や従台車の可動範囲に非常に多くの余裕を見て保険をかけていた感がありますが、この製品は一転してギリギリを攻めています。
車輪の直径などの表現バランスや、部品精度にもう一段の検討が欲しかった部分もあるものの、ともすれば古く見られがちだった部分を大きく変えていこうという熱量を感じる模型です。
通常製品ではありませんけども、テックステーションオリジナル製品として、色替え製品の「C58 239号機・2023年仕様」が発売されていましたので、ちょっとご紹介します。
93584 C58 239・2023年仕様 2023年 |
93584 お召し機を超えるようなピカピカ塗装です。 |
店頭で手作りしたという種類のものではなくトミーテック製造です。品番もあり専用の説明書もついています(中身は通常のC58 239の説明書とほぼ同じです)。
ランボードの白線など色入れが追加されているほか、全体がかなり強めの光沢塗装になっています。たとえばクリアーをたっぷり厚塗りしたような感じです。そのため、ちょっとダイキャスト玩具っぽい印象も受けました。
C58はD51と同様、一両買っておくと色々な列車に使えます。客車でも貨車でもよいですし、大きいレイアウトでも小さいレイアウトでもおかしくありません。さらに、昔のレイアウトにも現代のレイアウトにも使えます。
ところで、メーカー品が発売される前の1980年、シバサキ模型の店主であった池末弘氏が、金属フルスクラッチしたC58を製作・発表されていました。Nゲージ製品の登場前に、9mmゲージのC59を自作されたこともある凄腕の方です。1/150でモーターをエンジンに内蔵という驚きのご作品でした。