20世紀制服保護協議会 〜このサイトの趣旨


3. モデルチェンジの失敗、相次ぐ


受け入れられないDCブランド制服


 新規導入される制服として、一時期ブームになったのが有名デザイナーの手による「DCブランド制服」でした。かなりの学校で「●●さんがデザインした制服!」などと宣伝されて大々的に登場したのですが、わずか数年で不満が続出し、どんどん再改定されていきます。
 これ、デザイナーさんのせいではありません。つまるところ不満の原因は、
  @値段が高い(ブランド料が含まれるので当たり前)
  A豪奢なイメージが校風に合わない
  B奇抜で派手な色合いが多く、通学時に目立ちすぎる
 いちばん大きかったのは原因@です。折悪しく不況が長引き、「経済事情が苦しいご時勢に、なぜ学校の制服ごときにこんなに金をかけるのか」という批判が相次ぎました。それなら仕方がないということで、DCブランドは「制服バブル時代」のあだ花として消えていったのです。DCブランドでなくても、派手で目立つタイプの制服は学生らしくないとされて、2000年ごろまでに駆逐されてしまいます。
 ちなみに、服飾デザインの業界で、学校制服のデザインはいちばん魅力のない仕事と見られているそうです。これは、自由なデザインをする余地がほとんどないため。華美な要素や高価なパーツは結局無用の長物として嫌われるため、自分のセンスをデザインに反映することができないんだそうです。
 本来、学校制服のデザインは有名デザイナーが手がける類のものではありません。
 ちなみに、現在でも残っているDC制服は、ほとんどが一般制服と値段が変わらず、どこがDCなのかと首を傾げざるを得ないような地味で特徴のないものばかりです。

残ったのは平成不況型ブレザーだけ

 DC制服のブームが終わったときには、新しい制服といえばDC制服の逆をいくデザインばかりになっていました。「紺ブレザー+地味なチェックスカート」という組み合わせで、これに既成品のリボンタイやネクタイがつきます。スカートは主に紺やグレー系のチェック。リボンタイはエンジ、青、銀、ストライプなど。
  @使いまわしが可能で大量生産できるので、値段が張らない
  A一応今風で、女子高生の歓心を買える
  B変に目立たないので、学校も安心
 ってまさに平成不況時代の申し子ですよね。これを「平成不況型ブレザー」といいます。皆さんの周りを見てみてください。こういう制服が必ず1校はあるはずです。
 でも、これってわざわざ伝統のある制服を捨ててまで導入する価値のあるデザインなんでしょうか・・・。











高すぎ、派手すぎで失敗したDCブランド制服。












残ったのはDC制服の逆をいく平成不況型ブレザーばかり。





どうして平成不況型ブレザーが増えるの?

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